命題論理の自然演繹における諸定理 : トピック一覧  

  ・同一律/排中律/矛盾律/二重否定律/冪等律/交換律/結合律/分配律/吸収律/ド・モルガン則/対偶律/選言的三段論法/推移律/(前件)肯定式/否定式/拡大律・付加律/縮小律/移入律/移出律/構成的両刃論法  
  ・添加律(ウカシェビッチŁukasiewiczの第一公理)/ ¬A⇒(AB) /パースの法則/law of adjunction/⇒の言い換え/入替律/合成律/        

 * 自然演繹関連ページ:命題論理の自然演繹/推論規則・公理一覧/派生推論規則一覧  
 * 論理関連ページ:論理記号一覧/命題論理の論理式/命題論理の意味論[真理値/真理関数/真理値表]    
 * 総目次

命題論理の自然演繹における諸定理【1】 同一律 law of identity 

  Aに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、
  「AA
  「AA
  は、
  【命題論理における自然演繹】の定理

【証明】




【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§1例6(p.41); 7章§2.3問1(p.125) 
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理1(p.70);付録-定理1(p.215)



 ・高崎金久『数理論理学入門VII. 2.1【例1】 
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-演習問題2.2(ア)(p.38) 

 【step1】  

 仮定1 
A




  

step2】 

 [仮定1] 
 [A]  




(⇒導入則)仮定1を解消


AA




   仮定なしの「AA」が得られた


 * 意味論での扱いは?→同一律はトートロジー
命題論理の自然演繹における諸定理【2】 排中律 law of the excluded middle 


  Aに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

    A(¬A)

  は、【命題論理における自然演繹】の定理

【証明】

 ・命題論理の自然演繹の公理だから。




【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§2.3(p.124) 
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理2(p.70);付録-定理2(p.216)背理法から導出。


 

 * 意味論での扱いは?→排中律はトートロジー

 ・排中律公理に指定されてなくても、
  背理法命題論理の自然演繹の推論規則に指定されていれば
  排中律定理になる。
  * なぜ? → ∨導入則・¬導入則・¬除去則・背理法のみを用いた【排中 律】の導出。   
 ・排中律公理に指定されてなくても、
  二重否定除去則命題論理の自然演繹の推論規則に指定されていれば
  排中律定理になる。
  * なぜ? → ∨導入則・¬導入則・¬除去則・¬¬除去則のみを用いた【排中律】の導出。 


命題論理の自然演繹における諸定理 【3】矛盾律 law of contradiction , law of non-contradiction

  Aに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、
    ¬(A(¬A)) 
  は、【命題論理における自然演繹】の定理

  →【証明:矛盾律】 

 * テキスト間でみられる名称の揺れ:
    ・law of contradiction   [戸田山pp.44-45][清水p.13]
    ・law of non-contradiction [戸次p.39]




【文献】
 ・戸田山『論理学をつくる』9.2.3練習問題68(2)(p.228)解答はp.406:。
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理3(p.70);付録-定理3(p.216)


 ・前原『記号論理入門』7章§2.1(pp.123-4):「A(¬A)⇔  」
 
 * 意味論での扱いは?→矛盾律はトートロジー 
  


命題論理の自然演繹における諸定理 【4】二重否定律 law of double negation

  Aに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

   ( ¬(¬A) )A 

    つまり、
     二重否定除去: ¬(¬A) A    
     二重否定導入:    A  ¬(¬A)

  は、【命題論理における自然演繹】の定理

【証明:二重否定除去】¬(¬A) ⇒ A
         
【証明:二重否定導入】A ⇒ ¬(¬A)





【文献】
 ・前原『記号論理入門』3章§1(p.63):¬¬導入;6章§0(p.106)¬¬導入
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-例題7(p.63):一方向。
 ・戸田山『論理学をつくる』9.2.3練習問題68(2)(p.228):一方向。

 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction-U(pp.31-32):¬¬導入。¬を使わないバージョンも。
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(4)(pp.32-3) :¬¬除去。背理法を用いて。



 
*  自然演繹の派生推論規則としての二重否定律
* 意味論での扱いは?→二重否定律はトートロジー/二重否定律は意味論的に妥当な推論 
* 論理法則一覧:二重否定律・反射律
 

命題論理の自然演繹における諸定理 【5】冪等律 idempotent law

  Aに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

   1.( AA )A

    つまり、1-1.( AA ) A    
         1-2.   A  ( AA )

   2.( AA )A  

    つまり、2-1.( AA) A    
         2-2.   A  ( AA )

  は、【命題論理における自然演繹】の定理





【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.1(p.119); 


 

*  自然演繹の派生推論規則としての冪等律

* 意味論での扱いは?→冪等律はトートロジー/冪等律は意味論的に妥当な推論 

  →【証明:1-1】(AA) ⇒ A
  →【証明:1-2】A ⇒ ( AA )  

命題論理の自然演繹における諸定理 【6】交換律 commutative law  

  A,Bに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

   1.( AB )( BA )

    つまり、1-1.( AB ) ( BA )    
         1-2.( BA )  ( AB )

   2.( AB )( BA )  

    つまり、2-1.( AB ) ( BA )    
         2-2.( BA )  ( AB )

  は、【命題論理における自然演繹】の定理





【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.2(p.119); 
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-問題25(p.65):一方向のみ。;1-2-3-LP-定理(p.68)
 ・林『数理論理学』例1.3(pp.25-26);例1.7(p.32)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction - T(p.31):一方向のみ。∧除去、∧導入、⇒導入のみ利用。


 
 * 自然演繹における派生推論規則としての交換律
 * 意味論での扱いは?→交換律はトートロジー/交換律は意味論的に妥当な推論
 * テキスト間でみられる揺れ:
      戸田山『論理学をつくる』は、交換律を(A∧B)⇒(B∧A),(A∨B)⇒(B∨A)としている。
 →【証明:1-1】( AB ) ⇒ ( BA ) 
 →【証明:1-2】( BA ) ⇒ ( AB )

命題論理の自然演繹における諸定理 【7】結合律 associative law

 A,B,Cに、
  どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

   1.( A(BC) )( (AB)C )
    つまり、1-1.( A(BC) ) ( (AB)C )    
         1-2.( (AB)C )  ( A(BC) )
   2.( A(BC) )( (AB)C )
    つまり、2-1.( A(BC) ) ( (AB)C )    
         2-2.( (AB)C )  ( A(BC) )

 は、【命題論理における自然演繹】の定理




【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.3(p.120-21)問-解答1(p.185):( (AB)C )  ( A(BC) ) 


 
   
 * 自然演繹の派生推論規則としての結合律
 * 意味論での扱いは?→結合律はトートロジー/結合律は意味論的に妥当な推論 


 → 【証明:1-2】( (AB)∧C ) ⇒ ( A∧(BC) ) 


命題論理の自然演繹における諸定理 【8】分配律 distributive law

 A,B,Cに、
  どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

 1.( A(BC) )( (AB)(AC) )
    つまり、
     1-1.( A(BC) ) ( (AB)(AC) )    
     1-2.( (AB)(AC) )  ( A(BC) )
 2.( A(BC) )( (AB)(AC) )
    つまり、
     2-1. ( A(BC) ) ( (AB)(AC) )    
     2-2. ( (AB)(AC) )  ( A(BC) )
 は、

命題論理における自然演繹】の定理





【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.4(pp.121-2):( A(BC) )( (AB)(AC) )
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理12(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(p.70);付録-定理12(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(pp.220-22):二項目とも両方向。
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.6(pp.50-51)
  ・林『数理論理学』例1.10(p.32)


 
 *  自然演繹の派生推論規則としての分配律 
 * 意味論での扱いは?→分配律はトートロジー/分配律は意味論的に妥当な推論 
  →【証明1-1】( A∧(BC) ) ⇒ ( (AB)∨(AC) )   
  →【証明1-2】( (AB)∨(AC) ) ⇒( A∧(BC) )

命題論理の自然演繹における諸定理 【9】吸収律 absorptive law

A,B,Cに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ( A(AB) ) A 
    つまり、( A(AB) ) A    
         A  ( A(AB) )
  ( A(AB) ) A 
    つまり、( A(AB) ) A    
         A  ( A(AB) )

は、

命題論理における自然演繹】の定理





【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§2問5(p.126)解答(p.186):直接証明していない。 


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての吸収律 
 * 意味論での扱いは?→吸収律はトートロジー/吸収律は意味論的に妥当な推論  



命題論理の自然演繹における諸定理 【10】ド・モルガンの法則 De Morgan's law

A,B,Cに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

 1. ( ¬(AB) ) (¬A)(¬B)  

    つまり、
     1-1. ( ¬(AB) ) (¬A)(¬B)     
     1-2. (¬A)(¬B  ( ¬(AB) )

 2. ( ¬(AB) ) (¬A)(¬B)  

    つまり、
     2-1.( ¬(AB) ) (¬A)(¬B)    
      2-2.(¬A)(¬B)  ( ¬(AB) )

は、

命題論理における自然演繹】の定理





【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理9(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(p.70);付録-定理9(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(pp.218-9):二項目とも両方向。
 ・戸田山『論理学をつくる』練習問題69(p.230);9.3.1-9.3.2(pp.233-5)練習問題71(1)(p.235):
 ・前原『記号論理入門』6章§1問(pp.107-8)( ¬(AB) ) (¬A)(¬B) ;解答(p.184)( ¬(AB) ) (¬A)(¬B)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.6(p.52)
 ・高崎金久『数理論理学入門VII.2.2基本的な恒真式・演繹関係を形式的に確かめること[例4][例5];3.1排中律に依存する定理と依存しない定理


 
   
* 自然演繹の派生推論規則としてのド・モルガン則 
   
 * 意味論での扱いは?→ド・モルガン則はトートロジー/ド・モルガン則は意味論的に妥当な推論
  →【証明1-1】( ¬(AB) ) ⇒ (¬A)∨(¬B)  
 →【証明1-2】(¬A)∨(¬B ⇒ ( ¬(AB) ) 
 →【証明2-1】( ¬(AB) ) ⇒ (¬A)∧(¬B)
 →【証明2-2】(¬A)∧(¬B) ⇒ ( ¬(AB) ) 


→ 自然演繹の定理:トピック一覧
→ 論理記号:トピック一覧 
→ 総目次  
  

命題論理の自然演繹における諸定理 【11】対偶律 law of contraposition  

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

   (AB) ( ¬B ¬A )  

    つまり、
    1. (AB) ( ¬B ¬A )     
    2.( ¬B ¬A )   (AB) 
は、
命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明1】 (AB) ⇒ ( ¬B ⇒ ¬A )
 →【証明2】( ¬B ⇒ ¬A )  ⇒ (AB)  

* AB」の言い換え表現一覧 




【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理7(p.70);付録-定理7(p.217):一方向。
 ・前原『記号論理入門』2章§4(p.46);7章§1.5-例5(p.122)問5-解答(p.);
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(4)(p.32)
 ・高崎金久『数理論理学入門VII. 2.2例3ウカシェビッチの第3公理


 
 
   * 自然演繹の派生推論規則としての対偶律 
 
 * 意味論での扱いは?→対偶律はトートロジー/対偶律は意味論的に妥当な推論    



命題論理の自然演繹における諸定理 【12】選言的三段論法 disjunctive syllogism, law of disjunctive syllogism 

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  (¬A(AB) B   

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】 選言的三段論法





【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理8(1)(p.70);付録-定理8(1)(p.217):一方向。
 ・前原『記号論理入門』2章§7 (I)(pp.53-56):証明図はp.56冒頭.
 


 
* 自然演繹の派生推論規則としての選言的三段論法 

 * 意味論での扱いは?→選言的三段論法はトートロジー/選言的三段論法は意味論的に妥当な推論     


命題論理の自然演繹における諸定理 【13】推移律 transitive law  

A,B,C
に、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ( (AB)(BC) ) (AC)

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】推移律  




【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-問題25(3)(p.65) 解答(p.227)
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理11(p.70);付録-定理11(p.220)。


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての推移律 

 * 意味論での扱いは?→推移律はトートロジー/推移律は意味論的に妥当な推論    


命題論理の自然演繹における諸定理 【14】(前件)肯定式 modus ponens  

A,Bに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

 ( A(AB) ) B 

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】前件肯定式  




【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-定理(p.62)
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理5前件肯定式(p.70);付録-定理5(p.216)
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-2.2【導出図の例3】(p.31) 


 
 * 自然演繹の派生推論規則としてのmodus ponens 

 * 意味論での扱いは?→modus ponens はトートロジー/modus ponens は意味論的に妥当な推論     

命題論理の自然演繹における諸定理 【15】(後件)否定式 modus tollens  

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ( ¬B(AB) ) ¬A   
は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】後件否定式   




【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理6後件否定式(p.70);付録-定理6(p.217)


 ※注意:野矢は、他のテキストで「¬導入則」と呼ばれる推論規則も「背理法」と呼んでいる。
     [『論理学』1-2-3-完全な公理系の例-派生規則(p.69)

 

* 自然演繹の派生推論規則としてのmodus tollens 

 * 意味論での扱いは?→modus tollens はトートロジー/modus tollens は意味論的に妥当な推論  


命題論理の自然演繹における諸定理 【16】拡大律・付加律 law of addition 

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  A  (AB) 
  B  (AB) 

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】 A ⇒ (AB)
 →【証明】 B ⇒ (AB)  





 * これって∨導入則そのもの。

【文献】
   ・前原『記号論理入門』3章§4(p.42)解答(p.181)


 
* 自然演繹の派生推論規則としての拡大律・付加律 

 * 意味論での扱いは?→拡大律・付加律 はトートロジー/拡大律・付加律 は意味論的に妥当な推論        


命題論理の自然演繹における諸定理 【17】縮小律 law of simplification

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

 (AB) A 
 (AB) B 

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 * これって、∧除去則そのもの。 




【文献】
 ・


 
   

 * 自然演繹の派生推論規則としての縮小律 
 * 意味論での扱いは?→縮小律はトートロジー/縮小律は意味論的に妥当な推論     


  


命題論理の自然演繹における諸定理 【18】移入律 law of importation

A,B,Cに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ( A(BC) ) ((AB)C)   

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】




【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§2例2(p.42); 7章§1.3問4(p.121)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction-V(p.32)∧除去・⇒導入除去のみ利用。


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての移入律 
 * 意味論での扱いは?→移入律 はトートロジー/移入律は意味論的に妥当な推論       


命題論理の自然演繹における諸定理 【19】移出律 law of exportation

A,B,Cに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ((AB)C) ( A(BC) ) 

は、

命題論理における自然演繹】の定理

 →【証明】




【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§2例1(p.42);  7章§1.3問3(p.121)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction(pp.37-8)∧導入・⇒導入除去のみ利用。


 
   * 自然演繹の派生推論規則としての移出律 
 
 * 意味論での扱いは?→移出律はトートロジー/移出律は意味論的に妥当な推論     


命題論理の自然演繹における諸定理 【20】構成的両刀論法,構成的両刃論法 constructive dilemma, law of constructive dilemma

A,B,Cに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

 ((AC)(BC)) ( (AB)C ) 

は、

命題論理における自然演繹】の定理
 
 →【証明】構成的両刀論法 




【文献】
 ・
 ・前原『記号論理入門』7章§1.4(p.122)問5-解答(p.185):他の定理をつかったもの。証明図はない。 


 【扱いのないテキスト】野矢『論理学』、戸田山、van Dalen,鹿島『数理論理学』、
 ・バーバイズは、別のをconstructiveDilemmaと呼んでる。


* 自然演繹の派生推論規則としての構成的両刀論法 

 * 意味論での扱いは?→構成的両刀論法 はトートロジー/構成的両刀論法は意味論的に妥当な推論
 

→ 自然演繹の定理:トピック一覧
→ 論理記号:トピック一覧 
→ 総目次  
  

命題論理の自然演繹における諸定理 【21】添加律/ウカシェビッチŁukasiewiczの第一公理

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  A (BA)   

は、

命題論理における自然演繹】の定理

【証明】




【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§2例3(p.42);
 ・戸次 『数理論理学』例8.12(p.182):Genzen流最小論理の枠で証明されるヒルベルト流公理。
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-演習問題2.2(イ)(p.38) 
 ・高崎金久『数理論理学入門VII. 2.2例1ウカシェビッチの第一公理/See also http://en.wikipedia.org/wiki/%C5%81ukasiewicz_logic.
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(1)(p.36s)


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての添加律 

 * 意味論での扱いは?→添加律はトートロジー/添加律は意味論的に妥当な推論   


命題論理の自然演繹における諸定理 【22】名称不明

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ¬A (AB)

は、【命題論理における自然演繹】の定理

【証明】




【文献】
 ・前原『記号論理入門』3章§2(2)(p.64);


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての【22】 

 * 意味論での扱いは?→【22】はトートロジー / 【22】は意味論的に妥当な推論       


命題論理の自然演繹における諸定理 【23】パースの法則  Peirce's law  

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ((AB) A ) A   

は、

命題論理における自然演繹】の定理

【証明】パースの法則 




【文献】
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-演習問題2.3(ス)(p.38):答えはp.195. 


 
* 自然演繹の派生推論規則としてのパースの法則 

 * 意味論での扱いは?→パースの法則 はトートロジー/パースの法則は意味論的に妥当な推論      
   


命題論理の自然演繹における諸定理 【24】law of adjunction  

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  A ( B ( AB ) )  

は、

命題論理における自然演繹】の定理





【文献】
 ・
 


 
* 自然演繹の派生推論規則としてのlaw of adjunction 

 * 意味論での扱いは?→law of adjunction はトートロジー/law of adjunction は意味論的に妥当な推論 


命題論理の自然演繹における諸定理 【25】 名称不明 (⇒の同値条件)

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

 1. ( A B ) ( ¬AB )

   すなわち、
    1-1. (  AB ) ( ¬AB )
    1-2. ( ¬AB ) ( A B )
 
 2. ( A B )   ¬ ( A (¬B) ) 

   すなわち、
    1-1. ( AB ) ¬(A(¬B))
    1-2. ¬(A(¬B)) (AB)
 
は、

命題論理における自然演繹】の定理

【証明:1-1】( AB ) ⇒ ( ¬AB )
【証明:1-2】( ¬AB ) ⇒ ( AB )
→【証明:2-1】
→【証明:2-2】






【文献】
 ・前原『記号論理入門』6章§4(pp.114-115):( A B ) ( ¬AB )  
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理10(a)(¬AB)(AB)、(b)(AB)(¬AB)(p.70);付録-定理10(a)(b)(pp.219-220)。


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての【25】 
 * 意味論での扱いは?→( A ⇒ B ) ⇔ ( ¬A∨B ) はトートロジー/( A ⇒ B ) ⇔ ( ¬A∨B ) は意味論的に妥当な推論     
 * AB」の言い換え表現一覧  




命題論理の自然演繹における諸定理 【26】 入替律 law of permutation  

A,Bに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ( A ( B C ) ) ( B ( A C ) ) 

   すなわち、
    1. ( A ( B C ) ) ( B ( A C ) )
    2. ( B ( A C ) ) ( A ( B C ) )

は、

命題論理における自然演繹】の定理

【証明:1】 
【証明:2】
 




【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§1例5(p.41)一方向; 


 
 
  *AとBを入れ替えても同じだから、入替律? 
 * 自然演繹の派生推論規則としての入替律 
 * 意味論での扱いは?→入替律 はトートロジー/入替律 は意味論的に妥当な推論  
 

命題論理の自然演繹における諸定理 【27】 合成律 law of composition  

A,B,Cに、
どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、

  ( A B  ) ( ( A C ) ( A (BC) ) ) 

は、

命題論理における自然演繹】の定理

【証明】合成律 





【文献】
 ・


 
 * 自然演繹の派生推論規則としての合成律 
 * 意味論での扱いは?→合成律 はトートロジー/合成律は意味論的に妥当な推論     


 → 自然演繹の定理:トピック一覧
 → 論理記号:トピック一覧 
 → 総目次  

・A⇒(¬B⇒¬(A⇒B)) [前原『記号論理入門』3章§2(3)(p.64)]
・(A⇒(B⇒C))⇒((A⇒B)⇒(A⇒C))  [戸次 『数理論理学』例8.12(p.183):Genzen流最小論理の枠で証明されるヒルベルト流公理。高崎金久『数理論理学入門VII. 2.2【例2】ウカシェビッチの第二公理 ]
・¬(A⇔¬A)  [van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction-W(p.32)]  
・A⇒(¬A⇒B) [van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(2)(p.32)]
・(A⇒B)⇒ ( (B⇒C)⇒(A⇒C) ) [van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(3)(p.32):Cを矛盾記号として、対偶の証明に活用している]
・(A⇒(B∧C))⇒((A⇒B)∧(A⇒C))野矢問題31(3)解答p.230
・((A∨B)∧(A⇒B))⇒B 野矢問題31(4)解答p.230
・(A⇒B)⇒((C∨A)⇒C∨B)) 野矢問題31(5)解答p.231