命題論理 propositional logic の論理式 : トピック一覧  

命題記号・原子式[命題変数/命題定数]
論理記号・結合子  
論理式 / n個の命題変数から帰納的に定義される論理式 / 論理式の形成木 / 部分論理式    

 * 論理関連ページ:
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   命題論理の意味論
       論理式の意味論[真理値/真理関数/真理値表/論理式の真理値の決定原理/真理値分析/恒真式・恒偽式]  
       論理式間関係の意味論[矛盾/推論] 
   命題論理のシンタクス
 * 論理目次/総目次/更新履歴 
※述語の場合は、林晋,鹿島亮を参照。



命題記号propositional letter・原子式 atomic formula   



命題記号とは、命題を表す記号のこと[野矢]

命題記号は、
 原子式atomic formula[戸田山p.20,p.25]、
 要素式elementary formula[清水義夫p.9]
 とも呼ばれる。


・命題記号は、命題変数命題定数に大別される。   
                            





【文献】
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3(p.20)原子式atomic formula ; 2.2.2 【Lの文法すなわち論理式の定義】(p.25)         
 ・野矢『論理学』1-1-4(p.33).命題記号。1-1-1(p.14)「原子命題」 
 ・鹿島『数理論理学』3.1(p.40)
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1(p.23)propositional letter 
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)3.1「命題変数と命題定数を総称して「命題記号」と呼ぶことにする」



 ・中谷『論理』1.1.B(p.4)

命題変数 proposision variable  


命題変数とは、
  任意の命題を代入できる文字のこと[中谷(p.4)]。

命題変数とは、
  命題一般を形式的に表す
   P,Q,R,... 
   P1,P2,...
  などの記号のこと[中谷(p.4)]。          





【文献】
 ・松本『数理論理学』1.1(p.1)proposition variable
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1(p.23)propositional letter
 ・井関『集合と論理』§1.3(p.13)。
 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)「命題変項」 



 ・中谷『論理』1.1.B(p.4)

命題定数 proposision constant・   

命題定数とは、
  ある定まった命題を表す文字のこと。[中谷(p.4)] 

・たとえば、
   恒真命題を表す文字T,I
   恒偽命題を表す文字⊥,O。[松本] 





【文献】
 ・松本『数理論理学』1.1(p.1)proposition constant
 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)「命題定項」



 ・中谷『論理』1.1.B(p.4)

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論理記号logical symbol・論理結合子 logical connective ・結合子 contradiction  命題結合記号・論理定項・論理演算子


・命題論理において、

  論理記号logical symbol[野矢p.33;松本p.3;中谷p.3]
  結合子connectives[清水p.8]、論理結合子[戸田山]
  命題結合記号[前原p.2]
 
 とは、

 与えられた一つあるいは二つの命題(論理式)を結合し、
 新しい一つの命題(論理式)をつくる演算
 を表す記号
    ¬ , ,   
 のこと。

 * 結合の規則は?→ 論理式の定義

 *論理記号は、結合によって
   《結合前の論理式真理値を 
    いかなる《結合後の論理式真理値》に変換する     
  ように定義されているのか?
  → 論理式の真理値の決定原理  

 




【文献】
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3(p.20) 論理結合子logical connective ; 2.2.2 【Lの語彙】(p.25) ;3.1「結合子(論理定 項)」(p.37)      
 ・野矢茂樹『論理学』1-1-4(p.33). 論理記号。そのなかに、否定子と結合子がある。
 ・松本『数理論理学』1.1(p.3)logical symbol.
 ・中谷『論理』1.1.A(p.3) 論理記号
 ・清水『記号論理学』§1.1論理式(p.8)。
 ・戸次 『数理論理学』解説3.17-18(p.26):結 合力 "¬" > "∧""∨" > "⇒" > "⇔ ";⇒は右結合:P⇒Q⇒RはP⇒(Q⇒R)
 ・前原『記号論理入門』 第1章§1(p.2)「命題結合記号」
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.2「論理演算子」;3.1「論理結合子」
 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)「論理記号」



 
* テキストのなかには、
   命題論理の論理記号のうち、¬を除いた , ,  のみを結合子
   命題論理の論理記号のうち、¬否定子
 と呼ぶものもある[野矢p.33]  

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論理式formula, logical formula ・整論理式  well-formed formula (wff) 


【ビギナー向け】

 命題論理において 「論理式 formula, logical formula 」 とは、
 適切なかたちで、命題を表す文字論理記号で結び付けたもの[中谷p .3] 

 ※これでは、
  どのようなかたちで、命題を表す文字論理記号で結び付ければ、
  「論理式」に認定されるのか
  という点が不明。
  この点を明らかにしたのが、下記定義。 

【厳密に】

「論理式の帰納的定義・回帰的定義」


 下記[条件1][条件2]によって、論理式とされるものだけが論理式である。

   [条件1] 命題記号[戸次p.21]・原子式[戸田山]は論理式である。

       * この論理式真理値は? → 真理値決定原理(1) 

       * 命題記号原子式を、命題定数命題変数にわけて、
           (1-1)命題定数論理式である。
           (1-2)命題変数論理式である。
         としてもよい[松本,岡田]
        
   [条件2] A,B論理式であるならば、AB,AB,AB,¬A論理式である。

       *しつこく言うと、
        ・A論理式であるならば、¬A論理式である。
            * 論理式¬A真理値は? → 《¬論理式》の真理値定義 
        ・A,B論理式であるならば、AB論理式である。
            * 論理式AB真理値は? → 《論理式∧論理式》の真理値定義 
        ・A,B論理式であるならば、AB論理式である。
            * 論理式AB真理値は? → 《論理式∨論理式》の真理値定義 
        ・A,B論理式であるならば、AB論理式である。
            * 論理式AB真理値は? → 《論理式⇒論理式》の真理値定義 

【どういうこと?】

   [条件1]における命題記号原子式を、
     n個の命題変数P1,P2,...,Pn
   に限定した、
    n個の命題変数から帰納的に定義される論理式
   の説明を参照。
 
【記号】

  命題変数P1,P2,...,Pn を含む論理式を、A(P1,P2,...,Pn)と表す。[中谷]   

【略記号】
  ⇔:  (ABBA)の略記号として、(AB)が用いられる。
      名称「双条件法biconditional」[戸田山pp.42-3;cf.論理的同値logically equivalentp.50] 
                「同値」equivalence[清水p.14≡を使用]
      →その真理値表は?
     
   :排他的選言(論理和)exclusive disjunction 戸田山p.39;

 * 論理式真理値は?→ 論理式の真理値の決定原理 

【論理式の分類】
 論理式は、意味論的に(つまり真理値の観点で)、
    恒真式/恒偽式/整合式に分類される。 





【文献】

 ・中谷『論理』1.1.A(p.3)
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3(p.20) 論理式well-formed formula;wff」; 2.2.2 【Lの文法すなわち論理式の定義】(p.25);1-1-1(p.14) 「分子命題」  
 ・ジェフリー『記号論理学』1.13形成規則(p.19)
 ・野矢『論理学』1-1-4(p .33).論理式。      
 ●松本『数理論理学』1.1(p.2)formula
 ・井関『集合と論理』§1.3(p.17)。 「命題式」「命題論理式」
 ・戸次 『数理論理学』3章(p.21)logical formula;解説3.17-18(p.26):結 合力 "¬" > "∧""∨" > "⇒" > "⇔ ";⇒は右結合:P⇒Q⇒RはP⇒(Q⇒R)
 ・Enderton "A Mathematical Introduction to Logic"1.1(pp.16-19):"a well-formed-formula (or simply formula or wff)"

 ・鹿島『数理論理学』3.1(p.40)
 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.2(p.7) 



 

  [戸田山「帰納的定義」;A,Bはメタ論理的変項meta-logical variable図式文字schematic letter。命題記号・原子命題を表すのではなく、論理式を代入する場所である点に注意。]   [野矢:(3)は書いてない「回帰的定義」]

 * 結合の順序を示すために、( )が使われるが、
  結合の順序についての下記規則を用いて、( )が省略されることもある。 [戸次解説3.17-18(p.26)]
   ・ことなる論理記号間の結合の順序: ¬ > > >
   ・⇒は右結合: たとえば、P⇒Q⇒RはP⇒(Q⇒R)
     [高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)-3.2優先順位による括弧の省略は「たとえば p⇒q⇒r を p⇒(q⇒r) の略記法として 用いる記法もあるが,これはここでは採用しない」]



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n個の命題変数から帰納的に定義される論理式


ビギナー向け

 n個の命題変数から帰納的に定義される論理式[戸田山p.55]とは、
 《高々n個の命題を表す文字》と《それらを結合する論理記号》だけで表せる論理式 のこと。   

厳密な定義

n個の命題変数P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式[戸田山p.55]とは、

 「論理式の帰納的定義・回帰的定義」の[条件1]における命題記号原子式を、
   n個の命題変数P1,P2,...,Pn
 に限定したときに、

 「論理式の帰納的定義・回帰的定義」によって定義される論理式のこと。
【具体的には…】
 →1個の命題変数から帰納的に定義される論理式  
 →2個の命題変数から帰納的に定義される論理式

* 論理式真理値は?→ 論理式の真理値の決定原理 




【文献】
 ●戸田山『論理学をつくる』3.5.1真理値分析とは何を やることだったのか3.5.2真理値割り当て(pp.55-8):真理値割り当てから、真理値分析でやっていたことを理解すると。。。
 ・Enderton "A Mathematical Introduction to Logic"1.1(pp.16-19):"a well-formed-formula (or simply formula or wff)";"the formula-building operations (on expressions)",a wff's"ancestral tree","a construction sequence"(p.17) 

 ・野矢『論理学』1 -1-4付論2(p.45):5個の命題変数から帰納的に定義される論理式は、全部で42億9496万7296通りにのぼる。 
 



 


・つまり、
 「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」とは、
 下記[条件1][条件2]によって「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」と認定されたもの。

    [条件1] 命題変数P1,P2,...,Pnの各々は「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」である。

       * この論理式真理値は? → 真理値決定原理(1) 

    [条件2] A,Bが「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」であるならば、
          AB,AB,AB,¬Aは「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」である。

       *しつこく言うと、
        ・Aが「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」であるならば、¬Aは「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」である。
            * ¬A真理値は? → 《¬論理式》の真理値定義 
        ・A,Bが「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」であるならば、ABは「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」である。
            * AB真理値は? → 《論理式∧論理式》の真理値定義 
        ・A,Bが「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」であるならば、AB は「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」である。
            * AB真理値は? → 《論理式∨論理式》の真理値定義 
        ・A,Bが「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」であるならば、AB は「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」である。
            * AB真理値は? → 《論理式⇒論理式》の真理値定義 

厳密な定義を具体的に展開

・「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の上記定義は、
   ・個々の「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」は、下記プロセスの各ステップによって認定されていくこと、
   ・「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」と認定される対象の全範囲は、
     下記プロセスの無限継続の果てに「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」と認定された対象の全軌跡であること
 を意味している。

・下記プロセスは、
    (step1)で[条件1]によって「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」のタネを蒔き、
    (step2)以降で繰り返し[条件2]を適用することで、「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」を増殖させていく
 という過程になっている。

・下記プロセスを(step-n)まで継続すると、
  「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」と認定される範囲は、
   最もシンプルなかたちの《P1,P2,...,Pnすべてを含む論理式》に到達する。
 より複雑なかたちの《P1,P2,...,Pnすべてを含む論理式》であっても、その複雑さに見合うまで下記プロセスを継続すれば、
   そこまで、「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」と認定される範囲は、到達する。
 だから、下記プロセスの無限継続の果てに「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」と認定される範囲は、
    あらゆる《P1,P2,...,Pnすべてを含む論理式》をカバーする。

【認定プロセス】
  
 [条件1]より、 P1,P2,...,Pnの各々を「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step1) 

    * ここで認定されたP1,P2,...,Pnの各々の真理値は、真理値決定原理(1)によって定まる。 

 《(step1)で「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定された P1,P2,...,Pnの各々を、
  かわるがわる[条件2]A,B に代入し、
  代入するたび毎に、 
       AB,AB,AB,¬Aが表す対象  (その列挙は省略)
  を、
  「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step2)

    *  (step2)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-1)〜(2-4)に従って、
       (step2)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)で認定され、真理値も確定した「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」をもとに、
       定まる。 

 (step1)(step2)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の各々を、
  かわるがわる[条件2]A,B に代入し、
  代入するたび毎に、 
       AB,AB,AB,¬Aが表す対象  (その列挙は省略)
  を、「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step3)

    *  (step3)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-1)〜(2-4)に従って、
      (step3)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)(step2)で認定され、真理値も確定した「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」をもとに、
      定まる。 

 (step1)(step2)(step3)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の各々を、
  かわるがわる[条件2]A,B に代入し、
  代入するたび毎に、 
       AB,AB,AB,¬Aが表す対象  (その列挙は省略)
  を、「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step4)

    *  (step4)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-1)〜(2-4)に従って、
      (step4)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)(step2)(step3)で認定され、真理値も確定した「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」をもとに、
      定まる。 
 
 (step1)(step2)(step3)(step4)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の各々を、
  かわるがわる[条件2]A,B に代入し、
  代入するたび毎に、 
       AB,AB,AB,¬Aが表す対象  (その列挙は省略)
  を、「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step5)

 
 
 
 
【具体的には…】
 →1個の命題変数から帰納的に定義される論理式  
 →2個の命題変数から帰納的に定義される論理式

論理式の形成木 formation tree, ancestral tree


論理式A(P1,P2,...,Pn)の形成木formation tree とは、

  A(P1,P2,...,Pn)がP1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定されるに至ったプロセスを、

  P1,P2,...,Pnの認定ステップから、
  A(P1,P2,...,Pn)そのものの認定ステップまで、
  再現してたどり直し、
  各ステップで認定したP1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」を特定した履歴のこと。
【具体的には…】
 →1個の命題変数を含む論理式の形成木  
 →2個の命題変数を含む論理式の形成木




【文献】
 ●戸田山『論理学をつくる』2.2.2(p.26);3.5.2真理値割り当て(p.57)
 ・Enderton "A Mathematical Introduction to Logic"1.1(pp.16-19):"a well-formed-formula (or simply formula or wff)";"the formula-building operations (on expressions)",a wff's"ancestral tree","a construction sequence"(p.17) 



 


【例】論理式 ((P1P2)⇒(P1P2))⇒P1 の形成木とは、
    ((P1P2)⇒(P1P2))⇒P1論理式に認定されるに至った下記プロセスのこと。 

 [条件1]より、 P1,P2の各々を「P1,P2から帰納的に定義される論理式」に認定。…(step1) 

    * ここでの認定されたP1,P2の各々の真理値は、真理値決定原理(1)によって定まる。 

 (step1)で「P1,P2から帰納的に定義される論理式」に認定された P1,P2を、[条件2]の「AB」の A,B に代入した「P1P2
  (step1)で「P1,P2から帰納的に定義される論理式」に認定された P1,P2を、[条件2]の「AB」の A,B に代入した「P1P2
  を、
  「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step2)

    *  (step2)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-1)〜(2-4)に従って、
       (step2)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)で認定され、真理値も確定した「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」をもとに、
       定まる。 

 (step2)で「P1,P2から帰納的に定義される論理式」に認定された「P1P2」「P1P2」を[条件2]の「AB」の A,B に代入した(P1P2)⇒(P1P2)を「P1,P2から帰納的に定義される論理式」に認定。…(step3)

    *  (step3)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-1)〜(2-4)に従って、
      (step3)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)(step2)で認定され、真理値も確定した「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」をもとに、
      定まる。 

 (step1)(step3)で「P1,P2から帰納的に定義される論理式」に認定された「(P1P2)⇒(P1P2)」「P1」を、
  [条件2]の「AB」の A,B に代入した「((P1P2)⇒(P1P2))⇒P1 」を、
  「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」に認定。…(step4)

    *  (step4)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-1)〜(2-4)に従って、
      (step4)で認定された「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)(step2)(step3)で認定され、真理値も確定した「P1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」をもとに、
      定まる。 

部分論理式 subformula


論理式A(P1,P2,...,Pn)の部分論理式subformula とは、

    A(P1,P2,...,Pn)の形成木の各ステップで認定したP1,P2,...,Pnから帰納的に定義される論理式」  

 のこと。

・戸田山は、
  論理式A(P1,P2,...,Pn) そのものは、「論理式A(P1,P2,...,Pn)の部分論理式」と呼ばない
 としているが、

 松本は、
  論理式A(P1,P2,...,Pn) そのものも含めて、「論理式A(P1,P2,...,Pn)の部分論理式」と呼ぶ
 と明言している。

【具体的には…】
 →1個の命題変数を含む論理式の部分論理式  
 →2個の命題変数を含む論理式の部分論理式




【文献】
 ●戸田山『論理学をつくる』2.2.5(p.34)
 ・松本『数理論理学』1.1(p.3)



 
 

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