命題論理の意味論 − 真理値,真理関数,真理値表 : トピック一覧【論理式の意味論】・定義:真理値 / 真理域・真理値集合 /真理値割りあて/ 論理式の付値 / 真理関数 / 真理値表 / 充足・モデル ・論理式の真理値の決定原理 ・真理値分析 ・恒真式・恒偽式 【論理式間関係の意味論】 ・論理式間の矛盾・整合・充足可能 ・推論の意味論 ・論理的同値 * 論理関連ページ: ・論理記号一覧 ・命題論理の論理式 ・命題論理の構文論 * 論理目次/総目次/更新履歴 ※述語論理の場合は、林晋,鹿島亮を参照。 |
定義:真理値 truth-value
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【定義】・ある命題の真理値・真偽値とは、その命題の真偽のこと。[野矢] ・ある論理式の真理値・真偽値とは、その論理式の真偽のこと。 【記号】・真である命題・論理式の真理値は、
・偽である命題・論理式の真理値は、 ・命題(命題記号)Pの真理値を、 * Pに代入する命題によって、 【事例】
n 個の命題変数 P1,P2,...,Pnがあれば, |
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・真理域・真理値集合・真理値の領域とは、真理値の集合のこと。 ・つまり、 真理値の記号として「真」「偽」を選んだとき、真理域・真理値集合・真理値の領域は、{真,偽} 真理値の記号として「T」「F」を選んだとき、真理域・真理値集合・真理値の領域は、{T,F} 真理値の記号として「1」「0」を選んだとき、真理域・真理値集合・真理値の領域は、{1,0} となる。 ・真理域・真理値集合・真理値の領域を、記号Dtで表すこともある。[戸次(pp27-28)] 戸次(pp27-28) |
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定義:命題変数(原子式)に対する真理値割り当て truth assignment
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予備知識不要の定義・1個の命題変数(原子式)P に対する真理値割り当てtruth assignmentとは、 * 命題変数(原子式)Pに対する真理値割り当ては、
* 命題変数(原子式)をPのみ含む論理式A(P) の真理値表においては、
・2個の命題変数(原子式)P,Qに対する真理値割り当てtruth assignmentとは、 [P,Qの真理値割り当て1] 命題変数Pに真理値「真」を与え、命題変数Qに真理値「真」を与える [P,Qの真理値割り当て2] 命題変数Pに真理値「真」を与え、命題変数Qに真理値「偽」を与える [P,Qの真理値割り当て3] 命題変数Pに真理値「偽」を与え、命題変数Qに真理値「真」を与える [P,Qの真理値割り当て4] 命題変数Pに真理値「偽」を与え、命題変数Qに真理値「偽」を与える の22=4通り存在する。 * 命題変数(原子式)をP,Qのみ含む論理式A(P,Q) の真理値表においては、各行が《P,Qに対する真理値割り当て》を表現している[戸田山p.55]。
たとえば… → 論理式「P∧Q」の付値 / 論理式「P∨Q」の付値 / 論理式「P⇒Q」の付値 : : |
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・命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当てtruth assignmentとは、 《命題変数P1への真理値の与え方》《命題変数P2への真理値の与え方》…《命題変数Pnへの真理値の与え方》の組 各々のこと。 * n個の命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当ては、2n通り存在する。 ・命題変数(原子式)の集合Sに対する真理値割り当てtruth assignmentとは、 Sに属す命題変数(原子式)の各々に、真偽いずれかを割り当てる 写像「V:S→{真,偽}」 のこと。 直積を用いた定義・1個の命題変数(原子式)P に対する真理値割り当てとは、命題変数Pの真理域に属す各元のこと。 《命題変数Pの真理域》と《命題変数Qの真理域》の直積 Dt×Dt に属す各元のこと。 各々のこと。 2個の命題変数(原子式)P,Qに対する真理値割り当ては、 [割り当て1-1] ( 真, 真 ) [割り当て1-2] ( 真, 偽 ) [割り当て2-1] ( 偽, 真 ) [割り当て2-2] ( 偽, 偽 ) の22=4通り存在する。 たとえば… → 論理式「P∧Q」の付値 / 論理式「P∨Q」の付値 / 論理式「P⇒Q」の付値 : : ・n個の命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当てとは、 《命題変数P1の真理域》《命題変数P2の真理域》…《命題変数Pnの真理域》の直積 Dt×Dt×…×Dt に属す各元のこと。 n個の命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当ては、2n通り存在する。 |
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定義:論理式の付値 valuation
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予備知識不要の定義・命題変数をPだけ含む論理式A(P) の付値とは、Pに対する真理値割り当てのこと。 * 命題変数Pを含む論理式A(P) の付値は、
* 論理式A(P) の真理値表においては、各行が《A(P) の付値》を表現している[戸田山p.55]。
・命題変数をP,Qのみ含む論理式A(P,Q)の付値とは、 [付値1-1] 命題変数Pに真理値「真」を与え、命題変数Qに真理値「真」を与える [付値1-2] 命題変数Pに真理値「真」を与え、命題変数Qに真理値「偽」を与える [付値2-1] 命題変数Pに真理値「偽」を与え、命題変数Qに真理値「真」を与える [付値2-2] 命題変数Pに真理値「偽」を与え、命題変数Qに真理値「偽」を与える の22=4通り存在する。 * 論理式A(P,Q) の真理値表においては、各行が《A(P,Q) の付値》を表現している[戸田山p.55]。
たとえば… → 論理式「P∧Q」の付値 / 論理式「P∨Q」の付値 / 論理式「P⇒Q」の付値 : : |
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・命題変数をP1,P2,...,Pnのみ含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値とは、 P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当て すなわち、《命題変数P1への真理値の与え方》《命題変数P2への真理値の与え方》…《命題変数Pnへの真理値の与え方》の組各々 のこと。 * 命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値は、2n通り存在する。 直積を用いた定義・1個の命題変数Pを含む論理式A(P) の付値とは、命題変数Pの真理域に属す各元のこと。 《命題変数Pの真理域》と《命題変数Qの真理域》の直積 Dt×Dt に属す各元のこと。 各々のこと。 2個の命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)の付値は、 [付値1-1] ( 真, 真 ) [付値1-2] ( 真, 偽 ) [付値2-1] ( 偽, 真 ) [付値2-2] ( 偽, 偽 ) の22=4通り存在する。 たとえば… → 論理式「P∧Q」の付値 / 論理式「P∨Q」の付値 / 論理式「P⇒Q」の付値 : : ・命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値とは、 命題変数P1の真理域》《命題変数P2の真理域》…《命題変数Pnの真理域》の直積 Dt×Dt×…×Dt に属す各元のこと。 命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値は、2n通り存在する。 |
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真理関数 truth function ,truth -value function
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はじめに読む定義【1項真理関数】 命題変数Pを含む論理式A(P) の真理関数とは、 たとえば… 【2項真理関数】 ・命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)の真理関数とは、 : 【n項真理関数】 ・命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数とは、 厳密な定義 〜 「真理値」「関数」の概念を用いて
・論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数とは、 命題変数P1の真理値M(P1),命題変数P2の真理値M(P2),…,命題変数Pnの真理値M(Pn)の組み合わせ 厳密な定義 〜 「真理域」「写像」の概念を用いて
・論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数とは、 命題変数P1の真理域, fA: 「P1の真理域」×「P2の真理域」×…×「Pnの真理域」→「論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理域」 ・n変数真理関数(松本) 0項真理関数とは、命題変数を一つもふくまない、命題定数のみからなる論理式の真理関数のこと。 →それぞれの命題変数の真理値の組み合わせパターン数。→真理表の行数。 |
・真理関数とは、命題変数の真偽から、論理式の真偽への関数のこと。[野矢p.17] ・真理関数とは、命題変数を含む論理式において、 命題変数に代入する命題の組(一つのこともある)に対して、 真か偽の一つが定まる写像のこと。 命題変数に代入される命題の組の集合(直積)を変域とし、 真理域を値域とする関数。[中谷p.4] |
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論理式の真理関数の真理値表 truth table
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【1項真理関数の真理値表】 ・命題変数Pを含む論理式A(P)の真理値表とは、
→ 論理式¬Pの真理値表 ※論理式A(P)の真理関数の真理値表とは、 論理式A(P)の真理関数のグラフ
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すなわち、
「《命題変数Pの真偽》と《命題変数Qの真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)(4通り)に対応する《論理式A(P,Q)の真偽》 をすべて書き出した表、 つまり、 命題変数Pが真で命題変数Qも真であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》 命題変数Pが真で命題変数Qが偽であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》 命題変数Pが偽で命題変数Qが真であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》 命題変数Pが偽で命題変数Qも偽であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》 を下記体裁で書き出した表のこと。
※論理式A(P,Q)の真理関数の真理値表とは、
「《命題変数P1の真偽》と《命題変数P2の真偽》と《命題変数P3の真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)(23=8通り)に対応する《論理式A(P1,P2,P3)の真偽》 をすべて書き出した表、 つまり、 命題変数P1が真で命題変数P2も真で命題変数P3も真であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が真で命題変数P2も真で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が真で命題変数P2が偽で命題変数P3は真であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が真で命題変数P2が偽で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が偽で命題変数P2も真で命題変数P3も真であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が偽で命題変数P2も真で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が偽で命題変数P2が偽で命題変数P3は真であるときの、《論理式A(P)の真偽》 命題変数P1が偽で命題変数P2が偽で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》 を下記体裁で書き出した表のこと。
※論理式A(P1,P2,P3)の真理関数の真理値表とは、 ・命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)についての真理値表とは、 「《命題変数P1の真偽》と《命題変数P2の真偽》と…と《命題変数Pnの真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)(2n通り)に対応する《論理式A(P,Q)の真偽》 をすべて書き出した表のこと。 ※論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数の真理値表とは、 論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数のグラフ すなわち、 命題変数P1の真理値(真偽) M(P1) , 命題変数P2の真理値(真偽) M(P2), : : 命題変数Pnの真理値(真偽) M(Pn) のすべての組み合わせ(M(P1),M(P2), … ,M(Pn))に対して、 (M(P1),M(P2), … ,M(Pn))と fA (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) )との順序対 ( (M(P1),M(P2), … ,M(Pn)) , fA (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) ) ) をつくってすべて集めた集合 を、表に書き出したもの。 [戸次3.2.3(p.35)] |
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充足 satisfy・モデル
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・「付値(真理値割り当て) (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) ) が 「付値(真理値割り当て) (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) ) は
とは、
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