命題論理の意味論 − 真理値,真理関数,真理値表 : トピック一覧  

【論理式の意味論】
 ・定義:真理値 / 真理域・真理値集合 /真理値割りあて/ 論理式の付値 / 真理関数 / 真理値表 / 充足・モデル 
 ・論理式の真理値の決定原理 
 ・真理値分析   
 ・恒真式・恒偽式
【論理式間関係の意味論】
 ・論理式間の矛盾・整合・充足可能
 ・推論の意味論   
 ・論理的同値    

 * 論理関連ページ:
   論理記号一覧  
   命題論理の論理式
   命題論理の構文論 
 * 論理目次/総目次/更新履歴 

※述語論理の場合は、林晋,鹿島亮を参照。



定義:真理値   truth-value    



【定義】

・ある命題の真理値真偽値とは、その命題の真偽のこと。[野矢]

・ある論理式真理値真偽値とは、その論理式の真偽のこと。

  →論理式の真理値の決定原理  
   その簡単な具体例として、
    → 論理式¬Pの真理値  
    → 論理式「PQ」の真理値  
    → 論理式「PQ」の真理値   
    → 論理式「PQ」の真理値    

【記号】

・真である命題・論理式真理値は、
   記号「真」「T」「T」「1」
 などで表す。

・偽である命題・論理式真理値は、
   記号「偽」「F」「⊥」「0」
 などで表す。

・命題(命題記号)Pの真理値を、
   M(P)    [高崎]
   [P]I, I(P),[戸次]
 などであらわす。

 * Pに代入する命題によって、
  「Pの真理値」は「真」になったり(M(P) =「真」) 、
          「偽」になったり(M(P) =「偽」)するので、
   M(P) は、Pの関数。
 * ここで、Pを「Pの真理値」に対応付けている関数Mを、
   「解釈」と呼ぶ[戸次]
   

【事例】
・命題定数の真理値[岡田] 
・命題変数の真理値[岡田] 

  n 個の命題変数 P1,P2,...,Pnがあれば,
  全部で 2n 通りの真理値の組み合わせが生じる[高崎].
                            





【文献】
 ・中谷『論理』1.1.B(p.4:命題の真理値、p.5論理式の真理値)
 ・野矢『論理学』1-1-1(p.17).
 ・戸田山『論理学をつくる』3.1.1 (p.38) 命題の真理値、論理式の真理値        
 ・戸次 『数理論理学』3.2.1(p.27)真偽値truth-value
 ・井関『集合と論理』§1.2(p.10)。
 ・ジェフリー『記号論理学』1.1(p.2)
 ・清水『記号論理学』§1.2(p.10)。
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.1;3.4真理値割り当て
 ●岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.3論理式の真理値(p.9)








定義:真理域・真理値集合・真偽値の領域domain  



真理域真理値集合真理値の領域とは、真理値の集合のこと。

・つまり、
 真理値の記号として「真」「偽」を選んだとき、真理域真理値集合真理値の領域は、{真,偽}  
 真理値の記号として「T」「F」を選んだとき、真理域真理値集合真理値の領域は、{T,F}  
 真理値の記号として「1」「0」を選んだとき、真理域真理値集合真理値の領域は、{1,0}  
 となる。

真理域真理値集合真理値の領域を、記号Dtで表すこともある。[戸次(pp27-28)]

戸次(pp27-28)
  Dt={1,0}
 Dtに属す元の個数=2
 Dt×Dtに属す元の個数=4
 Dt×Dt×Dtに属す元の個数=8 





【文献】
 ・戸次 『数理論理学』3.2.1(p.27)真偽値の領域domain 
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.2



 ・中谷『論理』1.1.B(p.4)真理域


定義:命題変数(原子式)に対する真理値割り当て truth assignment


予備知識不要の定義

・1個の命題変数(原子式)P に対する真理値割り当てtruth assignmentとは、
  Pへの真理値の与え方の一つのこと。

 * 命題変数(原子式)Pに対する真理値割り当ては、
     [Pの真理値割り当て1] P真理値「真」を与える
     [Pの真理値割り当て2] P真理値「偽」を与える
   の2通り存在する。

 * 命題変数(原子式)Pのみ含む論理式A(P) の真理値表においては、
   各行が《P に対する真理値割り当てを表現している[戸田山p.55]。


 【A(P)真理値表

P A(P)
[Pの真理値割り当て1] P真理値「真」を与える→
 真   A(P)の真偽 
[Pの真理値割り当て2] P真理値「偽」を与える→  偽   A(P)の真偽 


  たとえば… → 論理式「¬P」の付値

・2個の命題変数(原子式)P,Qに対する真理値割り当てtruth assignmentとは、
   《命題変数Pへの真理値の与え方》《命題変数Qへの真理値の与え方》のペア(順序対)
 各々のこと。

 * 2個の命題変数(原子式)P,Qに対する真理値割り当ては、
     [P,Qの真理値割り当て1] 命題変数P真理値「真」を与え、命題変数Q真理値「真」を与える
     [P,Qの真理値割り当て2] 命題変数P真理値「真」を与え、命題変数Q真理値「偽」を与える
     [P,Qの真理値割り当て3] 命題変数P真理値「偽」を与え、命題変数Q真理値「真」を与える
     [P,Qの真理値割り当て4] 命題変数P真理値「偽」を与え、命題変数Q真理値「偽」を与える
   の22=4通り存在する。  

 * 命題変数(原子式)P,Qのみ含む論理式A(P,Q) の真理値表においては、各行が《P,Qに対する真理値割り当てを表現している[戸田山p.55]。

 【A(P,Q)真理値表】 

P  Q  A(P,Q)
[P,Qの真理値割り当て1] P真理値「真」を与え、Q真理値「真」を与える→
 真   真   A(P,Q)の真偽 
[P,Qの真理値割り当て2] P真理値「真」を与え、Q真理値「偽」を与える→  真   偽   A(P,Q)の真偽 
[P,Qの真理値割り当て3] P真理値「偽」を与え、Q真理値「真」を与える→ A(P,Q)の真偽
[P,Qの真理値割り当て4] P真理値「偽」を与え、Q真理値「偽」を与える→ A(P,Q)の真偽


  たとえば… → 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値 






【文献】
 ・Enderton "A Mathematical Introduction to Logic"1.2(p.20):"a truth assignment v for a set S of sentence symbols is a function v:S→{F,T} assigning either T or F to each symbol in S"
 ・戸田山『論理学をつくる』3.5.2真理値割り当て(pp.55-7):真理値割り当てtruth assignment、付値関数valuation function
     「【定義】Lの原子式からなる或る集合をFとする。Fに対する真理値割り当てVを次のような関数とする。V:F→{1,0}」
       松本のように、論理式にたいして、「論理式の付値」を定義しているのではなく、
       原子式の集合に対して、その集合に属す原子式に真偽を割り当てるものとして、「原子式の集合の真理値割り当て」を定義している。
       そして、この「原子式の集合」から帰納的に定義される論理式の真偽を、「原子式の集合の真理値割り当て」に基づいて定めていく、という方向をとる。
 ・高崎金久『数理論理学入門III. 命題論理の意味論(その1)3.4 命題変数の真理値割り当て「命題変数に真理値を一組割り当てることを「真理値割り当て」という.」 



 ・野矢『論理学』1-1-5(pp.38-9).付値を世界の可能性と捉えている。


命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当てtruth assignmentとは、
 《命題変数P1への真理値の与え方》《命題変数P2への真理値の与え方》…《命題変数Pnへの真理値の与え方》の 
 各々のこと。
 * n個の命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当ては、2n通り存在する。

命題変数(原子式)の集合Sに対する真理値割り当てtruth assignmentとは、
  Sに属す命題変数(原子式)の各々に、真偽いずれかを割り当てる
   写像V:S{真,偽}
  のこと。

直積を用いた定義

・1個の命題変数(原子式)P に対する真理値割り当てとは、命題変数P真理域属すのこと。
 1個の命題変数(原子式)P に対する真理値割り当ては、
     [割り当て1] 「真」
     [割り当て2] 「偽」
 の2通り。 

  たとえば… → 論理式「¬P」の付値

・2個の命題変数(原子式)P,Qに対する真理値割り当てとは、
   《命題変数P真理域》と《命題変数Q真理域》の直積 Dt×Dt に属すのこと。
 各々のこと。
 2個の命題変数(原子式)P,Qに対する真理値割り当ては、
     [割り当て1-1] ( 真, 真 ) 
     [割り当て1-2] ( 真, 偽 ) 
     [割り当て2-1] ( 偽, 真 )
     [割り当て2-2] ( 偽, 偽 ) 
  の22=4通り存在する。 

  たとえば… → 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値  


n個の命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当てとは、
  《命題変数P1真理域》《命題変数P2真理域》…《命題変数Pn真理域》の直積 Dt×Dt×…×Dt 
 に属すのこと。
 n個の命題変数(原子式)P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当ては、2n通り存在する。



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定義:論理式の付値  valuation    


予備知識不要の定義

命題変数Pだけ含む論理式A(P) の付値とは、Pに対する真理値割り当てのこと。

 * 命題変数Pを含む論理式A(P) の付値は、
     [付値1] P真理値「真」を与える
     [付値2] P真理値「偽」を与える
   の2通り存在する。

 * 論理式A(P) の真理値表においては、各行が《A(P) の付値を表現している[戸田山p.55]。


 【A(P)真理値表

P A(P)
[付値1] P真理値「真」を与える→
 真   A(P)の真偽 
[付値2] P真理値「偽」を与える→  偽   A(P)の真偽 


  たとえば… → 論理式「¬P」の付値

命題変数P,Qのみ含む論理式A(P,Q)の付値とは、
  P,Qに対する真理値割り当て
   すなわち、
   《命題変数Pへの真理値の与え方》《命題変数Qへの真理値の与え方》のペア(順序対)各々
  のこと。

 * 命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)の付値は、
     [付値1-1] 命題変数P真理値「真」を与え、命題変数Q真理値「真」を与える
     [付値1-2] 命題変数P真理値「真」を与え、命題変数Q真理値「偽」を与える
     [付値2-1] 命題変数P真理値「偽」を与え、命題変数Q真理値「真」を与える
     [付値2-2] 命題変数P真理値「偽」を与え、命題変数Q真理値「偽」を与える
  の22=4通り存在する。  

 * 論理式A(P,Q) の真理値表においては、各行が《A(P,Q) の付値を表現している[戸田山p.55]。

 【A(P,Q)真理値表】 

P  Q  A(P,Q)
[付値1] P真理値「真」を与え、Q真理値「真」を与える→
 真   真   A(P,Q)の真偽 
[付値2] P真理値「真」を与え、Q真理値「偽」を与える→  真   偽   A(P,Q)の真偽 
[付値3] P真理値「偽」を与え、Q真理値「真」を与える→ A(P,Q)の真偽
[付値4] P真理値「偽」を与え、Q真理値「偽」を与える→ A(P,Q)の真偽



  たとえば… → 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値 






【文献】
 ・松本『数理論理学』1.1 定義2(p.4)「論理式の付値」を定義している。(原子式に対してではない)
 ・高崎金久『数理論理学入門III. 命題論理の意味論(その1)3.4真理値割り当て3.5 真理値割り当てによる論理式の意味解釈「 論理式φに含まれる変数が x1, ..., xn であるとする.これらの 真理値割り当て M が与えられれば φ の真理値が定まる. これを真理値割り当て M の下での論理式φの「解釈」 という」
 ・戸次 『数理論理学』3.2.2(pp.28-31)解釈。解釈Iのもとでの意味論的値 
   * 高崎の「解釈」と戸次の「解釈」はピッタリ重なる、とはいかないような・・・。  



 ・野矢『論理学』1-1-5(pp.38-9).付値を世界の可能性と捉えている。


命題変数P1,P2,...,Pnのみ含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値とは、
  P1,P2,...,Pnに対する真理値割り当て
    すなわち、《命題変数P1への真理値の与え方》《命題変数P2への真理値の与え方》…《命題変数Pnへの真理値の与え方》の各々
  のこと。
 * 命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値は、2n通り存在する。

直積を用いた定義

1個の命題変数Pを含む論理式A(P) の付値とは、命題変数P真理域属すのこと。
 1個の命題変数Pを含む論理式A(P) の付値は、
     [付値1] 「真」
     [付値2] 「偽」
 の2通り。 

  たとえば… → 論理式「¬P」の付値

2個の命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)の付値とは、
   《命題変数P真理域》と《命題変数Q真理域》の直積 Dt×Dt に属すのこと。
 各々のこと。
 2個の命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)の付値は、
     [付値1-1] ( 真, 真 ) 
     [付値1-2] ( 真, 偽 ) 
     [付値2-1] ( 偽, 真 )
     [付値2-2] ( 偽, 偽 ) 
  の22=4通り存在する。 

  たとえば… → 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の付値  


命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値とは、
  命題変数P1真理域》《命題変数P2真理域》…《命題変数Pn真理域》の直積 Dt×Dt×…×Dt 
 に属すのこと。
 命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値は、2n通り存在する。




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真理関数 truth function ,truth -value function



はじめに読む定義

【1項真理関数】

 命題変数Pを含む論理式A(P) の真理関数とは、
 《命題変数Pの真偽》(付値)に、
 《論理式A(P)の真偽》を対応づける規則のこと。

 たとえば… 
   → 論理式「¬P」の真理関数f¬ 

【2項真理関数】

命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)の真理関数とは、
 「《命題変数Pの真偽》と《命題変数Qの真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)に、
 《論理式A(P,Q)の真偽》を対応づける規則のこと。

 たとえば… 
   →  論理式「PQ」の真理関数f / 論理式「PQ」の真理関数f   
   →  論理式「PQ」の真理関数f    



n項真理関数】

命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数とは、
 《命題変数P1の真偽,命題変数P2の真偽,…,命題変数Pnの真偽の組み合わせ》の各々(付値)に対して、
 《論理式A(P1,P2,...,Pn)の真偽》を対応づける規則のこと。

  * どうやって把握するの?→真理値分析 
 

厳密な定義 〜 「真理値」「関数」の概念を用いて

論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数とは、

  命題変数P1真理値M(P1),命題変数P2真理値M(P2),…,命題変数Pn真理値M(Pn)の組み合わせ
        (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) )
  の各々(論理式Aの付値)(命題変数P1,P2,...,Pnの真理値割り当て)に対して、
  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理値 M ( A(P1,P2,...,Pn) )
  を対応づける関数
   M ( A(P1,P2,...,Pn) ) =  fA ( M(P1),M(P2), … ,M(Pn) )
  のこと。

厳密な定義 〜 「真理域」「写像」の概念を用いて

論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数とは、

  命題変数P1真理域,
  命題変数P2真理域,
   :      : 
  命題変数Pn真理域直積から、

  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理域への写像 

    fA: 「P1真理域×P2真理域××Pn真理域」→「論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理域
  のこと。


・n変数真理関数(松本)

 0項真理関数とは、命題変数を一つもふくまない、命題定数のみからなる論理式の真理関数のこと。
 1項真理関数とは、命題変数を1個だけ含む論理式(ex.¬P)の真理関数のこと。
 2項真理関数とは、命題変数を2個だけ含む論理式(ex.P1P2)の真理関数のこと。
 :
 n項真理関数とは、命題変数をn個含む論理式の真理関数のこと。

  →それぞれの命題変数の真理値の組み合わせパターン数。→真理表の行数。





【文献】
 ・中谷『論理』1.1.B(p.4)
 ・野矢『論理学』1-1-1(p.17). truth-function原子命題の真偽から分子命題の真偽への関数
 ・松本『数理論理学』1.1 D.a.(p.9)truth-value function.
 ・戸田山『論理学をつくる』3.9(p.72)truth-function    
 ・清水『記号論理学』§1.2(p.11)。 truth-function  ;「論理式の真理関数を表す真理値表」(p.12)
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1(p.23);3.2.2(pp.32-34);



 

真理関数とは、命題変数の真偽から、論理式の真偽への関数のこと。[野矢p.17]

真理関数とは、
 命題変数を含む論理式において、
 命題変数に代入する命題の組(一つのこともある)に対して、
 真か偽の一つが定まる写像のこと。
 命題変数に代入される命題の組の集合(直積)を変域とし、
 真理域を値域とする関数。[中谷p.4]


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論理式の真理関数の真理値表 truth table


【1項真理関数の真理値表】

命題変数Pを含む論理式A(P)の真理値表とは、
 《命題変数Pの真偽》(付値)(2通り)に対応する《論理式A(P)の真偽》をすべて書き出した表、
  つまり、
    命題変数Pが真であるときの、《論理式A(P)の真偽》、
    命題変数Pが偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》
  を下記体裁で書き出した表のこと。


 【A(P)真理値表

P A(P)
[付値1] P真理値「真」を与える→
 真   A(P)の真偽 
[付値2] P真理値「偽」を与える→  偽   A(P)の真偽 

・たとえば… 
   → 論理式¬Pの真理値表  

論理式A(P)の真理関数真理値表とは、
 論理式A(P)の真理関数のグラフ 





【文献】

 ・野矢『論理学』1-1-1(p.18). 真理表truth table  
 ・中谷『論理』1.2(pp.6-7)真理表truth table 
 ・戸田山『論理学をつくる』3.1.1(p.38)真理表truth table 
 ・清水『記号論理学』§1.2(p.11)真理値表"truth value table"。

 ・戸次 『数理論理学』3.2.3(p.25)真偽値表truth value table 



 

 すなわち、
  命題変数P真理値(真偽) M(P)fA (M(P))との順序対 ( M(P) , fA (M(P)) ) をつくってすべて集めた集合
  を、表に書き出したもの。[戸次3.2.3(p.35)]


【2項真理関数の真理値表】

命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q)についての真理値表とは、
 「《命題変数Pの真偽》と《命題変数Qの真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)(4通り)に対応する《論理式A(P,Q)の真偽》
 をすべて書き出した表、
  つまり、
    命題変数Pが真で命題変数Qも真であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》
    命題変数Pが真で命題変数Qが偽であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》
    命題変数Pが偽で命題変数Qが真であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》
    命題変数Pが偽で命題変数Qも偽であるときの、《論理式A(P,Q)の真偽》
  を下記体裁で書き出した表のこと。


P
Q
A(P,Q)
A(P,Q)の真偽
A(P,Q)の真偽
A(P,Q)の真偽
A(P,Q)の真偽
     


・たとえば… 
   → 論理式「PQ」の真理値表 / 論理式「PQ」の真理値表   
   → 論理式「PQ」の真理値表    

 論理式A(P,Q)の真理関数真理値表とは、
  論理式A(P,Q)の真理関数のグラフ 
  すなわち、
  命題変数P真理値(真偽) M(P) ,命題変数Q真理値(真偽) M(Q) のすべての組み合わせ(M(P),M(Q))に対して、
  (M(P),M(Q))と fA (M(P),M(Q)) との順序対  ( (M(P),M(Q)) , fA (M(P),M(Q)) )
  をつくってすべて集めた集合
  を、表に書き出したもの。  [戸次3.2.3(p.35)]


【3項真理関数の真理値表】

命題変数P1,P2,P3を含む論理式A(P1,P2,P3)についての真理値表とは、
 「《命題変数P1の真偽》と《命題変数P2の真偽》と《命題変数P3の真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)(23=8通り)に対応する《論理式A(P1,P2,P3)の真偽》
 をすべて書き出した表、
  つまり、
    命題変数P1が真で命題変数P2も真で命題変数P3も真であるときの、《論理式A(P)の真偽》
    命題変数P1が真で命題変数P2も真で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》
    命題変数P1が真で命題変数P2が偽で命題変数P3は真であるときの、《論理式A(P)の真偽》
    命題変数P1が真で命題変数P2が偽で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》

    命題変数P1が偽で命題変数P2も真で命題変数P3も真であるときの、《論理式A(P)の真偽》
    命題変数P1が偽で命題変数P2も真で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》
    命題変数P1が偽で命題変数P2が偽で命題変数P3は真であるときの、《論理式A(P)の真偽》
    命題変数P1が偽で命題変数P2が偽で命題変数P3は偽であるときの、《論理式A(P)の真偽》

  を下記体裁で書き出した表のこと。


P1 P2 P3 A(P1,P2,P3)
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
A(P1,P2,P3)の真偽
     


・たとえば… 

 論理式A(P1,P2,P3)の真理関数真理値表とは、
  論理式A(P1,P2,P3)の真理関数のグラフ 
  すなわち、
  命題変数P1真理値(真偽) M(P1) , 命題変数P2真理値(真偽) M(P2),…,命題変数P3真理値(真偽) M(P3) のすべての組み合わせ(M(P1),M(P2), M(P3))に対して、
  ( M(P1),M(P2), M(P3) ) と fA ( M(P1),M(P2), M(P3) )との順序対  ( (M(P1),M(P2), M(P3)) , fA ( M(P1),M(P2), M(P3) ) )
  をつくってすべて集めた集合
  を、表に書き出したもの。  [戸次3.2.3(p.35)]

n項真理関数の真理値表】

命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)についての真理値表とは、
 「《命題変数P1の真偽》と《命題変数P2の真偽》と…と《命題変数Pnの真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)(2n通り)に対応する《論理式A(P,Q)の真偽》
 をすべて書き出した表のこと。

 論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数真理値表とは、
  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理関数のグラフ 
  すなわち、
  命題変数P1真理値(真偽) M(P1) ,
  命題変数P2真理値(真偽) M(P2),
   :      : 
  命題変数Pn真理値(真偽) M(Pn) のすべての組み合わせ(M(P1),M(P2), … ,M(Pn))に対して、
  (M(P1),M(P2), … ,M(Pn))と fA (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) )との順序対
         ( (M(P1),M(P2), … ,M(Pn)) , fA (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) ) )
  をつくってすべて集めた集合    を、表に書き出したもの。  [戸次3.2.3(p.35)]


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 → 論理式:トピック一覧 
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充足 satisfy・モデル


・「付値(真理値割り当て) (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) ) が
            論理式A(P1,P2,...,Pn)を充足するsatisfy

 「付値(真理値割り当て) (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) ) は
            論理式A(P1,P2,...,Pn)のモデルである 」

  とは、

  論理式A(P1,P2,...,Pn)が、
   付値(真理値割り当て) (M(P1),M(P2), … ,M(Pn) )のもとで、
  真になる、

  具体的にいうと、
 
  命題変数P1真理値M(P1)
  命題変数P2真理値M(P2)
   :      : 
  命題変数Pn真理値M(Pn) を与えると、

  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理値が真になる

  ということ。





【関連】
  ・ 一つの論理式についての充足可能/充足不能

  ・ 複数の論理式について充足可能 
【文献】

 ・戸田山『論理学をつくる』3.5.2(p.58) 
 ・戸次 『数理論理学』3.3.2定義3.55(p.42) 
 ・高崎金久『数理論理学入門III. 命題論理の意味論(その1)- 4.4 真理値割り当てと論理式の充足関係 :「モデル」



 

 


【メモ】
・原子命題[野矢p.16]・単純命題 → 原子式・命題記号
 分子命題[野矢p.16]・複合命題
・部分論理式subformula  (戸次p.21「命題記号」;戸田山『論理学をつくる』2.2.5(p.34))