命題論理の自然演繹における派生推論規則 : トピック一覧  

  ・二重否定律/冪等律/交換律/結合律/分配律/吸収律/ド・モルガン則/対偶律/選言的三段論法/推移律/(前件)肯定式/否定式/拡大律・付加律/縮小律/移入律/移出律/構成的両刃論法  
  ・添加律(ウカシェビッチŁukasiewiczの第一公理)/ ¬A⇒(AB) /パースの法則/law of adjunction/⇒の言い換え/入替律/合成律/  

 * 自然演繹関連ページ:命題論理の自然演繹/推論規則・公理一覧/定理一覧   
 * 論理関連ページ:論理記号一覧/命題論理の論理式/命題論理の意味論[真理値/真理関数/真理値表]    
 * 総目次

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【4】二重否定律 law of double negation





【二重否定導入律】
 「Aから¬(¬A)を導出(推論)してよい」



Aがどのような論理式であれ、
 「A」を
 「仮定『A』のもとで『¬(¬A)』」
に書き換えてよい
 

  

 A  

  





 ¬(¬A) 


  
 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

  →【証明:二重否定導入】 









二重否定除去律
 「¬(¬A)からAを導出(推論)してよい」



Aがどのような論理式であれ、
 「¬(¬A)」を
 「仮定『¬(¬A)』のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

 ¬(¬A) 

  





 A 


  
 は、【命題論理の自然演繹】の推論規則そのもの。 








【文献】
 ・前原『記号論理入門』3章§1(p.63):¬¬導入;6章§0(p.106)¬¬導入
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-例題7(p.63):一方向。
 ・戸田山『論理学をつくる』9.2.3練習問題68(2)(p.228):一方向。
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction-U(pp.31-32):¬¬導入。¬を使わないバージョンも。
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(4)(pp.32-3) :¬¬除去。背理法を用いて。



 
*  自然演繹における定理としての二重否定律
* 意味論での扱いは?→二重否定律はトートロジー/二重否定律は意味論的に妥当な推論 
* 論理法則一覧:二重否定律・反射律
命題論理の自然演繹における派生推論規則 【5】冪等律 idempotent law





【冪等律1-1】
 「AAからAを導出(推論)してよい」



Aがどのような論理式であれ、
 「AA」を
 「仮定『AA』のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

 AA 

  





 A 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
     →【証明:冪等律1-1】  









【冪等律1-2】
 「AからAAを導出(推論)してよい」



Aがどのような論理式で あれ、
 「A」を
 「仮定『A』のもとで『AA』」
に書き換えてよい

  

 A 

  





 AA 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
     →【証明:冪等律1-2】  








【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.1(p.119); 


 
*  自然演繹における定理としての冪等律

* 意味論での扱いは?→冪等律はトートロジー/冪等律は意味論的に妥当な推論 






【冪等律2-1】
 「AAからAを導出(推論)してよい」



Aがどのような論理式で あれ、
 「AA」を
 「仮定『AA』のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

 AA 

  





 A 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則









【冪等律2-2】
 「AからAAを導出(推論)してよい」



Aがどのような論理式で あれ、
 「A」を
 「仮定『A』のもとで『AA』」
に書き換えてよい 

  

 A 

  





 AA 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則




命題論理の自然演繹における派生推論規則 【6】交換律 commutative law  





【交換律1-1】
 「ABからBAを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「A
B」 を
 「仮定『A
B』 のもとで『BA』」
に書き換えてよい 

  

 AB 

  





 BA 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

  →【証明:交換律1-1】 









【交換律1-2】
 「BAからABを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「
BA」を
 「仮定『
BA』のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 BA 

  





 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

  →【証明:交換律1-2】








【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.2(p.119); 
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-問題25(p.65):一方向のみ。;1-2-3-LP-定理(p.68)
 ・林『数理論理学』例1.3(pp.25-26);例1.7(p.32)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction - T(p.31):一方向のみ。∧除去、∧導入、⇒導入のみ利用。


 
*  自然演繹における定理としての交換律
* 意味論での扱いは?→交換律はトートロジー/交換律は意味論的に妥当な推論  
* テキスト間でみられる揺れ:戸田山『論理学をつくる』は、交換律を(A∧B)⇒(B∧A),(A∨B)⇒(B∨A)としている。





【交換律2-1】
 「ABからBAを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「AB」を
 「仮定『AB』のもとで『
BA』」
に書き換えてよい 

  

 AB 

  





 BA 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則









【交換律2-2】
 「BAからABを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「
BA」を
 「仮定『
BA』のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 BA 

  





 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則





命題論理の自然演繹における派生推論規則 【7】結合律 associative law





【結合律1-1】
 「A(BC)から(AB)Cを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「A(BC)」 を
 「仮定『A(BC)』 のもとで『(AB)C』」
に書き換えてよい 

  

 A(BC) 

  





 (AB)C 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則










【結合律1-2】
 「(AB)C からA(BC)を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「
(AB)C」 を
 「仮定『
(AB)C』 のもとで『A(BC)』」
に書き換えてよい 

  

 (AB)C 

  





 A(BC) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
  →【証明:結合律1-2】








【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.3(p.120-21)問-解答1(p.185):( (AB)C )  ( A(BC) ) 


 
 * 自然演繹の定理としての結合律
 * 意味論での扱いは?→結合律はトートロジー/結合律は意味論的に妥当な推論 





【結合律2-1】
 「A(BC)から(AB)Cを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「A(BC)」 を
 「仮定『A(BC)』 のもとで『(AB)C』」
に書き換えてよい 

  

 A(BC) 

  





 (AB)C 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則









【結合律2-2】
 「(AB)C からA(BC)を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「(AB)C」 を
 「仮定『(AB)C』 のもとで『A(BC)』」
に書き換えてよい 

  

 (AB)C 

  





 A(BC) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則






命題論理の自然演繹における派生推論規則 【8】分配律 distributive law





【分配律1-1】
 「A(BC) から(AB)(AC) を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理 式で あれ、
 「A(BC)」 を
 「仮定『A(BC)』のもとで『(AB)(AC)』」
に書き換えてよい 

  

 A(BC) 






 (AB)(AC) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

 →【証明:分配律1-1】 









【分配律1-2】
 「(AB)(AC) からA(BC)を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理式で あれ、
 「(AB)(AC)」を
 「仮定『(AB)(AC)』のもとで『A(BC)』」
に書き換えてよい 

  

 (AB)(AC) 

  





 A(BC) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

  →【証明:分配律1-2】








【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§1.4(pp.121-2):( A(BC) )( (AB)(AC) )
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理12(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(p.70);付録-定理12(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(pp.220-22):二項目とも両方向。
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.6(pp.50-51)
  ・林『数理論理学』例1.10(p.32)


 
 *  自然演繹の定理としての分配律 
 * 意味論での扱いは?→分配律はトートロジー/分配律は意味論的に妥当な推論 





【分配律2-1】
 「A(BC)から(AB)(AC)を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理式で あれ、
 「A(BC)」を
 「仮定『A(BC)』のもとで『(AB)(AC)』」
に書き換えてよい 

  

 A(BC) 

  





 (AB)(AC)  



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則









【分配律2-2】
 「(AB)(AC)からA(BC)を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理式で あれ、
 「(AB)(AC)」を
 「仮定『(AB)(AC)』のもとで『A(BC)』」
に書き換えてよい 

  

 (AB)(AC) 

  





 A(BC) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則




  

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【9】吸収律 absorptive law





【吸収律1-1】
 「A(AB) からA を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A(AB)」 を
 「仮定『A(AB)』のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

 A(AB) 






A 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 









【吸収律1-2】
 「A からA(AB) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A」 を
 「仮定『A』のもとで『A(
AB)』」
に書き換えてよい 

  

 A 






 A(AB) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則





 




【文献】
 ・前原『記号論理入門』7章§2問5(p.126)解答(p.186):直接証明していない。 


 
 * 自然演繹の定理としての吸収律 
 * 意味論での扱いは?→吸収律はトートロジー/吸収律は意味論的に妥当な推論  






【吸収律2-1】
 「( A(AB) )からAを導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「A(AB)」を
 「仮定『A(AB)』のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

  A(AB)  

  





 A  



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則









【吸収律2-2】
 「Aから A(AB) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「A」を
 「仮定『A』のもとで『A(AB)』」
に書き換えてよい 

  

A 

  





  A(AB)  



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則





命題論理の自然演繹における派生推論規則 【10】ド・モルガンの法則 De Morgan's law





【ド・モルガン則1-1】
 「¬(AB) から(¬A)(¬B)を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬(AB)」 を
 「仮定『¬(AB)』のもとで『(¬A)(¬B)』」
に書き換えてよい 

  

 ¬(AB) 






(¬A)(¬B) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
【証明:ド・モルガン則1-1】  









【ド・モルガン則1-2】
 「(¬A)(¬B)から¬(AB)を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「
(¬A)(¬B)」 を
 「仮定『
(¬A)(¬B)』のもとで『¬(AB)』」
に書き換えてよい 

  

 (¬A)(¬B) 






 ¬(AB)



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

 →【証明:ド・モルガン則1-2】 








【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理9(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(p.70);付録-定理9(1-a)(1-b)(2-a)(2-b)(pp.218-9):二項目とも両方向。
 ・戸田山『論理学をつくる』練習問題69(p.230);9.3.1-9.3.2(pp.233-5)練習問題71(1)(p.235):
 ・前原『記号論理入門』6章§1問(pp.107-8)( ¬(AB) ) (¬A)(¬B) ;解答(p.184)( ¬(AB) ) (¬A)(¬B)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.6(p.52)
 ・高崎金久『数理論理学入門VII.2.2基本的な恒真式・演繹関係を形式的に確かめること[例4][例5];3.1排中律に依存する定理と依存しない定理


 
 * 自然演繹の定理としてのド・モルガン則 
   
 * 意味論での扱いは?→ド・モルガン則はトートロジー/ド・モルガン則は意味論的に妥当な推論  





【ド・モルガン則2-1】
 「¬(AB)から(¬A)(¬B)を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「¬(AB)」を
 「仮定『¬(AB)』のもとで『(¬A)(¬B)』」
に書き換えてよい 

  

  ¬(AB)  

  





 (¬A)(¬B)  



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

 →【証明:ド・モルガン則2-1】









【ド・モルガン則2-2】
 「(¬A)(¬B)から ¬(AB) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理式で あれ、
 「(¬A)(¬B)」を
 「仮定『(¬A)(¬B)』のもとで『¬(AB)』」
に書き換えてよい 

  

 (¬A)(¬B) 

  





  ¬(AB)  



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

 →【証明:ド・モルガン則2-2】 







→ 自然演繹の派生推論規則一覧
→ 論理記号:トピック一覧 
→ 総目次  
  

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【11】対偶律 law of contraposition  





【対偶律1】
 「AB から ¬B ¬A を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「AB」 を
 「仮定『AB』のもとで『¬B ¬A』」
に書き換えてよい 

  

 AB 






 ¬B ¬A 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明:対偶律1】  




* AB」の言い換え表現一覧 





【対偶律2】
 「¬B ¬A から AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬B ¬A」 を
 「仮定『¬B ¬A』のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 ¬B ¬A 






 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明:対偶律2】  








【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理7(p.70);付録-定理7(p.217):一方向。
 ・前原『記号論理入門』2章§4(p.46);7章§1.5-例5(p.122)問5-解答(p.);
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(4)(p.32)
 ・高崎金久『数理論理学入門VII. 2.2例3ウカシェビッチの第3公理


 
 * 自然演繹の定理としての対偶律 
 
 * 意味論での扱いは?→対偶律はトートロジー/対偶律は意味論的に妥当な推論    


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【12】選言的三段論法 disjunctive syllogism, law of disjunctive syllogism 





¬A(AB) から B を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬A(AB)」 を
 「仮定『¬A(AB)』 のもとで『B』」
に書き換えてよい 

  

 ¬A(AB) 






B  



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明】 選言的三段論法  








【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理8(1)(p.70);付録-定理8(1)(p.217):一方向。
 ・前原『記号論理入門』2章§7 (I)(pp.53-56):証明図はp.56冒頭.
 


 
 * 自然演繹の定理としての選言的三段論法 

 * 意味論での扱いは?→選言的三段論法はトートロジー/選言的三段論法は意味論的に妥当な推論        


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【13】推移律 transitive law  





「(AB)(BC) から AC を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理 式で あれ、
 「(AB)(BC)」 を
 「仮定『(AB)(BC)』 のもとで『AC』」
に書き換えてよい 

  

 (AB)(BC) 






 AC 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明】推移律  








【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-問題25(3)(p.65) 解答(p.227)
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理11(p.70);付録-定理11(p.220)。


 
 * 自然演繹の定理としての推移律 

 * 意味論での扱いは?→推移律はトートロジー/推移律は意味論的に妥当な推論       


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【14】(前件)肯定式 modus ponens  





A(AB) から B を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A(AB)」 を
 「仮定『A(AB)』 のもとで『B』」
に書き換えてよい 

  

 A(AB) 






 B 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明】前件肯定式  








【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-2-公理系のサンプル2-定理(p.62)
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理5前件肯定式(p.70);付録-定理5(p.216)
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-2.2【導出図の例3】(p.31) 


 
 * 自然演繹の定理としてのmodus ponens 

 * 意味論での扱いは?→modus ponens はトートロジー/modus ponens は意味論的に妥当な推論     

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【15】(後件)否定式 modus tollens  





¬B(AB) から ¬A を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬B(AB)」 を
 「仮定『¬B(AB)』 のもとで『¬A』」
に書き換えてよい 

  

 ¬B(AB) 






 ¬A 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明】後件否定式  








【文献】
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理6後件否定式(p.70);付録-定理6(p.217)


 ※注意:野矢は、他のテキストで「¬導入則」と呼ばれる推論規則も「背理法」と呼んでいる。
     [『論理学』1-2-3-完全な公理系の例-派生規則(p.69)

 

 * 自然演繹の定理としてのmodus tollens 

 * 意味論での扱いは?→modus tollens はトートロジー/modus tollens は意味論的に妥当な推論      


命題論理の自然演繹における推論規則 【16】拡大律・付加律 law of addition 





A から AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A」 を
 「仮定『A』 のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 A 






 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の推論規則
 
*なぜ?→∨導入則そのもの。  









B から AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「B」 を
 「仮定『B』 のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 B 






 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の推論規則
 
*なぜ?→∨導入則そのもの。  








 * これって∨導入則そのもの。

【文献】
   ・前原『記号論理入門』3章§4(p.42)解答(p.181)


 
 * 自然演繹の定理としての拡大律・付加律 

 * 意味論での扱いは?→拡大律・付加律 はトートロジー/拡大律・付加律 は意味論的に妥当な推論           


命題論理の自然演繹における推論規則 【17】縮小律 law of simplification





AB から A を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「AB」 を
 「仮定『AB』 のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

 AB 






 A 



 は、【命題論理における自然演繹】の推論規則
 
*なぜ?→∧除去則そのもの。  









AB から B を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「AB」 を
 「仮定『AB』 のもとで『B』」
に書き換えてよい 

  

 AB 






 B 



 は、【命題論理における自然演繹】の推論規則
 
*なぜ?→∧除去則そのもの。  




   

 * 自然演繹の定理としての縮小律 
 * 意味論での扱いは?→縮小律はトートロジー/縮小律は意味論的に妥当な推論     



命題論理の自然演繹における派生推論規則 【18】移入律 law of importation





A(BC) から (AB)C を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理 式で あれ、
 「A(BC)」 を
 「仮定『A(BC)』 のもとで『(AB)C』」
に書き換えてよい 

  

 A(BC) 






 (AB)C 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
   →【証明:移入律  









【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§2例2(p.42); 7章§1.3問4(p.121)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction-V(p.32)∧除去・⇒導入除去のみ利用。


 
 * 自然演繹の定理としての移入律 
 * 意味論での扱いは?→移入律 はトートロジー/移入律は意味論的に妥当な推論        


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【19】移出律 law of exportation





「(AB)C から A(BC) を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理 式で あれ、
 「
(AB)C」 を
 「仮定『
(AB)C』 のもとで『A(BC)』」
に書き換えてよい 

  

 (AB)C 






 A(BC) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 → 【証明:移出律】   








【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§2例1(p.42);  7章§1.3問3(p.121)
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction(pp.37-8)∧導入・⇒導入除去のみ利用。


 
 * 自然演繹の定理としての移出律 
 
 * 意味論での扱いは?→移出律はトートロジー/移出律は意味論的に妥当な推論      


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【20】構成的両刀論法,構成的両刃論法 constructive dilemma, law of constructive dilemma





「(AC)(BC) から (AB)C を導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理 式で あれ、
 「(AC)(BC)」 を
 「仮定『(AC)(BC)』 のもとで『(AB)C』」
に書き換えてよい 

  

 (AC)(BC) 






 (AB)C 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 → 【証明】構成的両刀論法   









【文献】
 ・
 ・前原『記号論理入門』7章§1.4(p.122)問5-解答(p.185):他の定理をつかったもの。証明図はない。 


 【扱いのないテキスト】野矢『論理学』、戸田山、van Dalen,鹿島『数理論理学』、
 ・バーバイズは、別のをconstructiveDilemmaと呼んでる。

 * 自然演繹の定理としての構成的両刀論法 

 * 意味論での扱いは?→構成的両刀論法 はトートロジー/構成的両刀論法は意味論的に妥当な推論        

 

→ 自然演繹の派生推論規則一覧
→ 論理記号:トピック一覧 
→ 総目次  
  

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【21】添加律/ウカシェビッチŁukasiewiczの第一公理





Aから BA を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A」 を
 「仮定『A』 のもとで『BA』」
に書き換えてよい 

  

 A 






 BA 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 → 【証明:添加律】   









【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§2例3(p.42);
 ・戸次 『数理論理学』例8.12(p.182):Genzen流最小論理の枠で証明されるヒルベルト流公理。
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-演習問題2.2(イ)(p.38) 
 ・高崎金久『数理論理学入門VII. 2.2例1ウカシェビッチの第一公理/See also http://en.wikipedia.org/wiki/%C5%81ukasiewicz_logic.
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(1)(p.36s)


 
 * 自然演繹の定理としての添加律 

 * 意味論での扱いは?→添加律はトートロジー/添加律は意味論的に妥当な推論        


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【22】名称不明





¬Aから AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬A」 を
 「仮定『¬A』 のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 ¬A 






 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
【証明】 









【文献】
 ・前原『記号論理入門』3章§2(2)(p.64);


 
 * 自然演繹の定理としての【22】 

 * 意味論での扱いは?→【22】はトートロジー / 【22】は意味論的に妥当な推論            


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【23】パースの法則  Peirce's law  





(AB) A から A を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「(AB) A」 を
 「仮定『(AB) A』 のもとで『A』」
に書き換えてよい 

  

 (AB) A 






 A 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
【証明】パースの法則 









【文献】
 ・鹿島『数理論理学』2章自然演繹-演習問題2.3(ス)(p.38):答えはp.195. 


 
 * 自然演繹の定理としてのパースの法則 

 * 意味論での扱いは?→パースの法則 はトートロジー/パースの法則は意味論的に妥当な推論            
   


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【24】law of adjunction  





A から B ( AB ) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A」 を
 「仮定『A』 のもとで『B ( AB )』」
に書き換えてよい 

  

 A 






 B ( AB ) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 









【文献】
 ・
 


 
 * 自然演繹の定理としてのlaw of adjunction 

 * 意味論での扱いは?→law of adjunction はトートロジー/law of adjunction は意味論的に妥当な推論    


命題論理の自然演繹における派生推論規則 【25】 名称不明 (⇒の同値条件)





【1-1】
 「AB から ¬AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「AB」 を
 「仮定『AB』のもとで『¬AB』」
に書き換えてよい 

  

 AB 






 ¬AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明:1-1】( AB ) ⇒ ( ¬AB )  









【1-2】
 「¬AB から AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬AB」 を
 「仮定『¬AB』のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 ¬AB 






 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明:1-2】( ¬AB ) ⇒ ( AB )  








【文献】
 ・前原『記号論理入門』6章§4(pp.114-115):( A B ) ( ¬AB )  
 ・野矢『論理学』1-2-3-LP-命題論理の諸定理-定理10(a)(¬AB)(AB)、(b)(AB)(¬AB)(p.70);付録-定理10(a)(b)(pp.219-220)。


 
 * 自然演繹の定理としての【25】 
 * 意味論での扱いは?→( A ⇒ B ) ⇔ ( ¬A∨B ) はトートロジー/( A ⇒ B ) ⇔ ( ¬A∨B ) は意味論的に妥当な推論     
 * AB」の言い換え表現一覧  






【2-1】
 「AB から ¬(A(¬B) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「AB」 を
 「仮定『AB』のもとで『¬(A(¬B)』」
に書き換えてよい 

  

 AB 






 ¬(A(¬B) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則









【1-2】
 「¬(A(¬B) から AB を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「¬(A(¬B)」 を
 「仮定『¬(A(¬B)』のもとで『AB』」
に書き換えてよい 

  

 ¬(A(¬B) 






 AB 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則




* AB」の言い換え表現一覧 

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【26】 入替律 law of permutation  





【入替律1】
 「A ( B C ) から B ( A C ) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「A(BC)」 を
 「仮定『A(BC)』のもとで『B(AC)』」
に書き換えてよい 

  

 A ( B C ) 






 B ( A C ) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

【証明:入替律1】 









【入替律2】
 「B ( A C ) から A ( B C ) を導出(推論)してよい」



A,Bがどのような論理 式で あれ、
 「B(AC)」 を
 「仮定『B(AC)』のもとで『A(BC)』」
に書き換えてよい 

  

 B ( A C ) 






 A ( B C ) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則

【証明:入替律2】








【文献】
 ・前原『記号論理入門』2章§1例5(p.41)一方向; 


 
 
  *AとBを入れ替えても同じだから、入替律? 
 * 自然演繹の定理としての入替律 
 * 意味論での扱いは?→入替律 はトートロジー/入替律 は意味論的に妥当な推論     
 

命題論理の自然演繹における派生推論規則 【27】 合成律 law of composition  





 「AB から (AC)(A(BC))を 導出(推論)してよい」



A,B,Cがどのような論理 式で あれ、
 「AB」 を
 「仮定『AB』のもとで『(AC)(A(BC))』」
に書き換えてよい 

  

 AB 






 (AC)(A(BC)) 



 は、【命題論理における自然演繹】の派生推論規則
 
 →【証明】合成律  








【文献】
 ・


 
 * 自然演繹の定理としての合成律 
 * 意味論での扱いは?→合成律 はトートロジー/合成律は意味論的に妥当な推論        


 → 自然演繹の派生推論規則一覧
 → 論理記号:トピック一覧 
 → 総目次  
・A⇒(¬B⇒¬(A⇒B)) [前原『記号論理入門』3章§2(3)(p.64)]
・(A⇒(B⇒C))⇒((A⇒B)⇒(A⇒C))  [戸次 『数理論理学』例8.12(p.183):Genzen流最小論理の枠で証明されるヒルベルト流公理。高崎金久『数理論理学入門VII. 2.2【例2】ウカシェビッチの第二公理 ]
・¬(A⇔¬A)  [van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) 1.4Natural Deduction-W(p.32)]  
・A⇒(¬A⇒B) [van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(2)(p.32)]
・(A⇒B)⇒ ( (B⇒C)⇒(A⇒C) ) [van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(3)(p.32):Cを矛盾記号として、対偶の証明に活用している]
・(A⇒(B∧C))⇒((A⇒B)∧(A⇒C))野矢問題31(3)解答p.230
・((A∨B)∧(A⇒B))⇒B 野矢問題31(4)解答p.230
・(A⇒B)⇒((C∨A)⇒C∨B)) 野矢問題31(5)解答p.231