命題論理の自然演繹における諸定理 【7】結合律1-2 の証明 

 A,B,Cに、どのような論理式(命題変数単体に限らない)をいれても、
    ( (AB)C )  ( A(BC) )
 は、【命題論理における自然演繹】の定理


【証明:1-2】( (AB)C )  ( A(BC) )

 命題論理の形式的体系自然演繹に準拠した操作   
   端的には、
    ・仮定の書き出し 
    ・推論規則「∧除去則」による書き換え  
    ・推論規則「∧導入則」による書き換え 
    ・推論規則「⇒導入則」による書き換え 
 のみで、
 論理式「((AB)C)(A(BC))」が得られる  
 ことを示す。[前原p.185]

 →step01
 →step02
 →step03
 →step04
 →step05
 →step06
 →step07
 →自然演繹の定理:結合律
 →自然演繹の定理:トピック一覧


[step1] 自然演繹で認められた操作(2)仮定の書き出し

   論理式「(AB)C」 を仮定1として書き出す。

  
 仮定1 
 (AB)∧C
  



[step2] 自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

  ・推論規則「∧除去則」にしたがって、
    仮定1「(AB)C」を「AB」 へ 
    仮定1「(AB)C」を「C」 へ
   書き換える。

  ・推論規則「∧除去則」により、
   書き換え後に引き継がれる仮定は、書き換え前の仮定のすべてとなるから、
    書き換え後の「AB」「C」は、それぞれ、仮定1「(AB)C」 のもとにある。

  ・これで、推論規則「∧除去則」による書き換えによって、
   仮定1「(AB)C」から、
   「仮定1『(AB)C』のもとで『AB』」
   「仮定1『(AB)C』のもとで『C』」
   が導出されたことになる。

  
  

 仮定1 
(AB)C 




(∧除去)


AB
  
 仮定1 
(AB)C 



(∧除去)


C






【文献】 
 ・前原『記号論理入門』7章§1.3(p.120-21)問-解答1(p.185):( (AB)C )  ( A(BC) ) 


 
   


[step3] 自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

  ・推論規則「∧除去則」にしたがって、
    「仮定1『(AB)C』のもとで『AB』」を「A」 へ 
    「仮定1『(AB)C』のもとで『AB』」を「B」 へ
   書き換える。

  ・推論規則「∧除去則」により、
   書き換え後に引き継がれる仮定は、書き換え前の仮定のすべてとなるから、
    書き換え後の「A」「B」は、それぞれ、仮定1「(AB)C」 のもとにある。

  ・これで、推論規則「∧除去則」による書き換えによって、
   「仮定1『(AB)C』のもとで『AB』」から
    「仮定1『(AB)C』のもとで『A』」「仮定1『(AB)C』のもとで『B』」が
   導出されたことになる。

  
  

 仮定1 
(AB)C 




(∧除去)


AB


(∧除去)


A
  

 仮定1 
(AB)C 




(∧除去)


AB


(∧除去)


B
  
 仮定1 
(AB)C 



(∧除去)


C

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[step4] 自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

  ・推論規則「∧導入則」にしたがって、
    「仮定1『(AB)C』のもとで『B』」「仮定1『(AB)C』のもとで『C』」
   を
    「BC
   へ書き換える。

  ・推論規則「∧導入則」の規定により、
     書き換え後に引き継がれる仮定は、書き換え前の仮定のすべてとなるから、
      書き換え後の「BC」は、仮定1「(AB)C」 のもとにある。

  ・これで、推論規則「∧導入則」による書き換えで、
   ・「仮定1『(AB)C』のもとで『B』」
   ・「仮定1『(AB)C』のもとで『C』」
   から、
   「仮定1『(AB)C』のもとで『BC』」
   が、導出されたことになる。

  
  

 仮定1 
(AB)C 




(∧除去)


AB


(∧除去)


A
  

 仮定1 
(AB)C 




(∧除去)


AB


(∧除去)


B
  
 仮定1 
(AB)C 



(∧除去)


C




(∧導入)



BC  

[step5] 自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

  ・推論規則「∧導入則」にしたがって、
    ・「仮定1『(AB)C』のもとで『A』」
    ・「仮定1『(AB)C』のもとで『BC』」
   を
    「A(BC)
   へ書き換える。

  ・推論規則「∧導入則」の規定により、
     書き換え後に引き継がれる仮定は、書き換え前の仮定のすべてとなるから、
      書き換え後の「A(BC)」は、仮定1「(AB)C」 のもとにある。

  ・これで、推論規則「∧導入則」による書き換えで、
    ・「仮定1『(AB)C』のもとで『A』」
    ・「仮定1『(AB)C』のもとで『BC』」
   から、
   「仮定1『(AB)C』のもとで『A(BC)』」
   が、導出されたことになる。

  


  

 仮定1 
(AB)C




(∧除去)


AB


(∧除去)


A
  

 仮定1 
(AB)C 




(∧除去)


AB


(∧除去)


B
  
 仮定1 
(AB)C 



(∧除去)


C



(∧導入)


BC  


(∧導入)


A∧(BC)



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[step6] 自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

 ・推論規則「⇒導入則」にしたがって、
  「仮定1『(AB)C』のもとで『A(BC)』」を
  「( (AB)C )  ( A(BC) )」へ書き換える。

 ・推論規則「⇒導入則」の規定にしたがうと、
   「( (AB)C )  ( A(BC) )」への書き換え後に引き継がれる仮定は、
   書き換え前の仮定「(AB)C」から、仮定「(AB)C」 を差し引いた分だけとなるから、   
   「( (AB)C )  ( A(BC) )」への書き換え後に仮定はすべて差し引かれてなくなって しまい、
    仮定なしの「( (AB)C )  ( A(BC) )」が得られる。

 ・これで、推論規則「⇒導入則」による書き換えで、
  「仮定1『(AB)C』のもとで『A(BC)』」から、
  仮定なしの「( (AB)C )  ( A(BC) )」が導出されたことになる。。

  

  

 [仮定1] 
 [(AB)C




(∧除去)


AB


(∧除去)


A
  

 [仮定1] 
[(AB)C]




(∧除去)


AB


(∧除去)


B
  
 [仮定1] 
[(AB)C



(∧除去)


C



(∧導入)


BC  


(∧導入)


A(BC)


(⇒導入)仮定1を解消


( (AB)∧C ) ⇒ ( A∧(BC) )




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