Welcome to Kenzo's Web Site

新作映画で英語学習


ウーマン・イン・ブラック(The Woman in Black, 2012)

                                                                                    お勧め度:★★★★☆


  過去の新作映画

『ドリーム・ハウス』

『リンカーン/秘密の書』

『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』

『ロラックスおじさんの秘密の種』

『ハンガー・ゲーム』

『白雪姫と鏡の女王』

『崖っぷちの男』

『ラム・ダイアリー』

『アタック・ザ・ブロック』

『幸せへのキセキ』

『君への誓い』

『ミッシング ID』

『ファミリー・ツリー』

『幸せの教室』

『キリング・ショット』

『ブライズメイズ』

『バッド・ティーチャー』

『ヘルプ〜心をつなぐストーリー』

『宇宙人ポール』

『ラヴ&ドラッグ』

『ミッション:8ミニッツ』

『ランゴ』

『親愛なるきみへ』

『インシディアス』

『赤ずきん』

『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』

『クロエ』

『ブラック・スワン』

『ジュリエットからの手紙』

『ガリバー旅行記』

『トゥーリスト』


『塔の上のラプンツェル』

『ウォール・ストリート』
                                   

 エドワード王時代のロンドン。4年前に妻を亡くし、幼い息子と暮らしていた若き弁護士アーサーは、いまだ喪失感と深い悲しみから仕事に身が入らず解雇寸前の状態だった。そんなある日、事務所のボスから小さな田舎町で最近他界した女性の遺産整理を命じられる。一人息子をロンドンに残し、列車に揺られて目的地に到着するも、住人たちの彼を見る目は冷たく、その態度はよそよそしい。しかも、彼が尋ねると、誰もが一様に口を閉ざす女性が住んでいたその館は、人里離れた、しばしば深い霧に覆われる沼地にひっそり建っていた。そして辺りはまるで何かに呪われてでもいるかのように、不気味で異様な雰囲気が漂っているのだ…..

 正体不明の影、黒衣の女が出没するや、町の子供たちが次々と変死するこのゴシックホラーは、イギリスの人気作家スーザン・ヒル(Susan Hill, 1942 -   )が刊行した『黒衣の女 ある亡霊の物語』(The Woman in Black, 1983)が原作である。監督は『バイオレンス・レイク』 (EdenLake, 2008)で監督デビューを果たしたジェームズ・ワトキンン(James Watkins, 1973 -   )。主人公アーサーを演じるのはハリー・ポッター・シリーズでおなじみのダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe, 1989 -   )、そして町の親切な男デイリーには『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』(Harry Potter and the Deathly Hallows Part 2, 2011)のキーラン・ハインズ(Ciaran Hinds, 1953 -   )が扮している。

 なお、以下の対話はデイリー氏がアーサーを自宅に招待した際、アーサーの前で狂乱した妻について詫びる場面のものである。ホラー映画だけに、見せる、聞かせる、暗示する、にポイントが置かれており、セリフの数はセーブされ、語彙も日常的、平均的なものに制限されているため、英語学習者にはありがたい。 



                             (青色の語句には注釈が付いています)

Int. Daily’s Study ? Night
The men sit by fire drinking.

屋内−デイリーの書斎−夜
男たちは暖炉のそばに座って飲んでいる。

Daily: I thought some company would do her good.

デイリー: 客を呼べば妻のためにもなると思ったのだが。

Arthur: Please, think nothing of it.

アーサー: どうか、ご放念下さい。

Daily: She’s convinced it’s our son speaking through her. You don’t believe in this spiritualism stuff, don’t you?

デイリー: 妻は自分を通して息子が話していると固く信じている。君はこうした心霊論なんて信じていないだろう、どうかな?

Arthur: I didn’t. But since my wife passed away, I don’t know. 

アーサー: 信じていませんでした。でも、妻に先立たれてから分からなくなりました。

 
Daily: Oh, forgive me. I didn’t….

デイリー: あ、許してくれたまえ。私は…

Arthur: Sometimes I feel she’s still with me. Sometimes I just feel she’s there. In the room. Trying to reach me.

アーサー: ときどき彼女がまだ一緒にいるような気がするんです。ときには、すぐそこにいるような気がして。部屋の中に。僕に触れようとしているような。

Daily: Well, you must be careful, Arthur. These charlatans with all their talk about seances and contracting the dead. They prey on those most in need. They do more harm than good.

デイリー: それは、気をつけないといけないね、アーサー。降霊術とか死者との交信などとほざくペテン師たちがいる。やつらは追い詰められた人々を餌食にするのさ。益よりも害の方が多いのだよ。

Arthur: I think the worst they do is disappoint. I have to keep looking.

アーサー: 連中の最悪なのは失望させることだと思います。僕も気をつけていないと。

Daily: It’s not natural to loose someone so young. But if we open the door to superstition, where does that lead? It’s just chasing shadows, Arthur. When we die, we go up there. We don’t stay down here.

デイリー: その若さで人を亡くすとは普通じゃあない。しかし、もし我々が超自然的なものへの扉を開けば、それはどこへ通じるかね?そいつは影を追いかけているだけだ、アーサー。我々は死んだら、あの世へ行く。この地上に留まったりはしない。

Arthur sees his wife looking at him. 

アーサーは彼を見ている妻を目にする。 
   
 語句解説    

company       来客、客 →

Ex.  He invited company to tea. (彼はお茶に客を招いた)

 

do her good      彼女にとって良い、彼女の健康に良い →ここでのgoodは「役に立つこと、幸せ」を意味する名詞。

Ex.  This climate will do her a lot of good. (この気候は彼女の健康にとてもいいだろう)

 

convince        確信する

 

reach           触れる、届く →手などを伸ばして触れる、との意。ここから He is often reached by flattery. (彼はよくお世辞に心動かされる)のように「人の心に達する、心を動かす」などの意をも表して使われる。

 

charlatan        ペテン師、いんちき療法師

 

seances           降霊術の会

 

contract          契約する、(親交を)結ぶ

 

in need            困った、難局の →ここでのneed A friend in need is a friend indeed.  (まさかの時の友こそ真の友)のように「危急の際、難局」の意。

 

prey on….         〜を食い物にする、を犠牲にする、を苦しめる

 

look               注意して見る、注意する、気を付ける

 

superstition        迷信、超自然的なもの

lead                通じる、達する、至る →

Ex.  All roads lead to Rome. (すべての道はローマへ通じる)

 

up there            あちら、天国、あの世  
 トップへ