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新作映画で英語学習

君への誓い』(The Vow, 2012)

                                                                                    お勧め度:★★★★★


  過去の新作映画

『ミッシング ID』

『ファミリー・ツリー』

『幸せの教室』

『キリング・ショット』

『ブライズメイズ』

『バッド・ティーチャー』

『ヘルプ~心をつなぐストーリー』

『宇宙人ポール』

『ラヴ&ドラッグ』

『ミッション:8ミニッツ』

『ランゴ』

『親愛なるきみへ』

『インシディアス』

『赤ずきん』

『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』

『クロエ』

『ブラック・スワン』

『ジュリエットからの手紙』

『ガリバー旅行記』

『トゥーリスト』


『塔の上のラプンツェル』

『ウォール・ストリート』
                                   
  ある雪の降る夜、映画館から自宅に向かう車の中。妻のペイジはシートベルトを外し、身を乗り出して夫にキスした。その瞬間、一台のトラックが二人の車に追突し、ペイジはフロントガラスを突き破り、車の外へ放り出された。すぐさま、救急室に運ばれるが、頭部を激しく打ちつけていたペイジは、生死の境をさまようことに。医師の懸命な努力の結果、意識は回復したものの、過去数年間の記憶はすっかり失われていた。自分が彫刻家であること、家族と絶縁状態であること、そしてなによりも、いつも自分に付き添ってくれている夫レオのことさえも。一体、彼は何者だろう。

 その時から、愛する妻の記憶を蘇らせようと、再び彼女の愛を取り戻そうと奮闘するレオの苦悩が始まっていく。彼が努力すればするほど、彼女は彼と結婚している事実に戸惑うばかりだ。やがて月日が流れ、苦しむ彼女を見ていた彼はついにある決断をする。もちろん、それは彼女を愛すればこその辛く、悲しい決断だった……

 この限りなくロマンティックな映画でメガフォンを握るのはGrey Gardens (2003)で知られるマイケル・スーシー(Michael Sucsy, 1973 -   )。献身的に妻に尽くす夫レオには『親愛なるきみへ』(Dear John, 2010)のチャニング・テイタム(Channing Tatum, 1980 -  )、記憶を失う悲劇の妻ペイジにはMidnight in Paris (2011)のレイチェル・マクアダムズ(Rachel McAdams, 1978 -   )が扮している。

 なお、以下の対話は、二人が別れてしばらくたったある夜、突然、レオの前に姿を現したペイジと彼の最後を飾る、感動のラストシーンのときのものである。

 
                             (青色の語句には注釈が付いています)

Ext. Restaurant – Night
Leo sees Paige walking toward him.

屋外―レストラン-夜
レオはペイジが自分の方に向かって歩いてくるのを目にする。

Leo: Hi.

レオ:  ハイ。

Paige: Hi.

ペイジ: ハイ。

Leo: I hope you didn’t come all the way into the city for hot chocolate.

レオ:  ホットチョコレートを食べにわざわざ町までやって来たんじゃないだろうね。

Paige: Actually, I moved back here six months ago. I’m over in Rogers Park.

ペイジ: 実を言うと、6ヶ月前にこちらに戻ってきてるの。ロジャーズ・パークのほうにいるのよ。

Leo: Really? That…that’s great.

レオ:  本当?それは…そりゃあいい。

Paige: I’m actually back at the Art Institute.

ペイジ: 実のところ、美術学院に戻ってるの。

Leo: What? Are you kidding me?

レオ:  何だって?僕をからかってるのか?

She shakes her head. 

彼女は頭を横に振る。

Leo: That’s amazing.

レオ:  そいつはすごい。

Paige: Yeah. I mean, I’m sitting in on a few classes, and it’s crazy what hands remember that my, you know, that my mind forgot.

ペイジ: ええ。つまり、幾つかのクラスに出てるんだけど、すごく変なの、私の、ほら、私の心が忘れていることを手が覚えているんだもの。

Leo: Yeah.

レオ:  そうだね。

Paige: So, thank you.

ペイジ: ところで、ありがとう。

Leo: I didn’t do anything.

レオ:  僕は何もしていない。

Paige: You did everything. You accepted me for who I am, and not for what you wanted me to be.

ペイジ: あらゆることをやってくれたわ。今の私を受け入れてくれたもの。あなたが望む私じゃなくてね。

Leo: I just wanted you to be happy. That’s all.

レオ: 僕はただ君に幸せになって欲しかっただけ。それだけさ。

She wipes her tears with her hand.

 
彼女は手で涙をぬぐう。

 
Paige:  Ah, isn’t there some Cuban place around here where we used to go when this place was closed? 

ペイジ:  ねえ、この店が閉まっていたとき私たちがよく行ったキューバ料理の店、この辺じゃない?

Leo:  Yeah. It’s….wait. You remember? 

レオ:   うん。それは…待ってくれ。君、覚えているのかい? 

Paige:  No, no. 

ペイジ:  いいえ、そうじゃないの。 

He sighs. 

彼はため息をつく。

Paige:  I wish. No, the memory stuff hasn’t come back, but I’ve…Sonia and I have been hanging out a little bit, and I’ve been asking her about us. 

ペイジ: だったらいいんだけど。じゃないの。記憶は戻ってきていないけど、でも、私….ソニアと私ね、このところ少しばかり付き合ってるの。だからいつも彼女に私たちのことを聞いているのよ。 

Leo: Really? And what has she been saying? 

レオ:   本当?で、彼女は何て言ってる?

 
Paige:  That she doesn’t think you’re seeing anyone tight now.

 
ペイジ:  今のところ、あなたは誰とも付き合っていないと思うって。 

Leo:  She just happens to be right. You? Are you seeing anyone? 

レオ:   あいにく彼女の言う通り。君は?君は誰かと付き合ってるのかい?

 
She shakes her head. He smiles.


彼女は頭を横に振る。彼は微笑む。

Leo:  That’s good. 

レオ:   それは良かった。 

Paige:  So, do you wanna go to the Cuban place? With me? 

ペイジ: ところで、キューバ料理の店に行かない?私と? 

Leo:  Okay. 

レオ:   いいよ。 

Paige:  Okay.

ペイジ:  オーケー。 
They start to walk. 

彼らは歩き出す。 


Leo:  What would you say to trying someplace that we haven’t been to before? Someplace new? 

レオ:   今まで一度も行ったことがない店を試してみるのはどう?新しい店をさ? 

Paige: I’d like that. 

ペイジ:  それ、いいわね。 

They are about to walk across the street.

 
彼らは通りを渡ろうとする。 

Leo: After you.

レオ:    お先に。

The following subtitles appear on the screen. 以下の字幕がスクリーンに現れる。
The couple who inspired this film are happily married today and have two children.She never regained her memory.

 
この映画製作のきっかけとなった二人は今日、二人の子供に恵まれ、幸せな結婚生活を送っている。彼女の記憶は二度と戻ることはなかった。

     
     
  語句解説    

all the way      わざわざ、はるばる

Ex.  He came all the way from Los Angeles. (彼ははるばるロサンゼルスからやって来た)

 

actually         実は、ところで →話の途中で、新しい話題を導入する際の表現。なお、数行下のactuallyは、事実関係を訂正したり、厳密に述べて「実のところ、本当は」を意味する。

 

move back       戻る →以前住んでいた場所に戻ること。

 

over in Rogers Park  向こうのロジャーズ・パークに

 

That’s great      それはいい、そいつはすごい →ここでのgreatは是認、賛同、感嘆、感謝などを表す間投詞。

 

Art Institute      美術館、美術専門学校 →instituteは高度な教育、研究のための大学付属研究所、特殊分野の専門学校、専門課程などをいう。

 

Are you kidding me?  僕をからかってるのか、冗談でしょ、まさかそんな → You are kidding me/ You must be kidding/ You’ve got to be kidding などともする。

 

amazing          驚くべき、見事な、すごい

 

I mean            つまり、その →話し手が聞き手の注意を引きつけたり、先ほど述べたことをより明確にしたり、説明を付け加えたり、また単に少し間を置く際の表現。

 

sit in              参加する

 

Cuban place        キューバ料理の店 →ここでのplaceは単なる「場所」ではなく、ある目的のための「場所」をいう。日常会話では「飲食店、店」、また Come to my place tonight. (今夜、僕の家へ来いよ)のように「住居、家」の意味で頻繁に用いられる。

 

used to go         よく行った、頻繁に行った →used to…は過去の比較的長い期間に及ぶ常習的、または特徴的な習慣を表して「よく~した、~するのが常だった」の意を表す。

 

memory stuff       記憶の部分、記憶 →stuffは漠然と「物、代物」などの意を表す。

 

hang out           ぶらつく、付き合う

Ex.   Who has he been hanging out with? (彼は誰と付き合ってるんだ)

 

see anyone         誰かと付き合う →ここでのseeは男女の交際などに用いて「会う、付き合う、セックスする」の意を表す。

 

happen to ….        たまたま~である、あいにく~である

Ex.  Do you happen to know her? (ひょっとして彼女をご存知です)

 

What would you say to…    ~はいかがですか、~はどうですか

Ex.  What would you say to a drink? (一杯やるってのは、どうですか)

 

After you           お先、お先にどうぞ

 

subtitle             字幕

 

inspire             霊感を与える、触発する、生むきっかけとなる → 出来事などが作品の着想などを生むきっかけとなる、ことを言う。

 

regain              取り戻す

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