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新作映画で英語学習

ミッシング ID』(Abuduction, 2011)

                                                                                    お勧め度:★★★★☆


  過去の新作映画

『ファミリー・ツリー』

『幸せの教室』

『キリング・ショット』

『ブライズメイズ』

『バッド・ティーチャー』

『ヘルプ〜心をつなぐストーリー』

『宇宙人ポール』

『ラヴ&ドラッグ』

『ミッション:8ミニッツ』

『ランゴ』

『親愛なるきみへ』

『インシディアス』

『赤ずきん』

『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』

『クロエ』

『ブラック・スワン』

『ジュリエットからの手紙』

『ガリバー旅行記』

『トゥーリスト』


『塔の上のラプンツェル』

『ウォール・ストリート』
                                   
  

 ネイサンは両親と共に暮らすごく普通の高校生。だが、彼には一つ悩みがあった。それはほぼ毎晩、繰り返し同じ夢を見ることだ。そのため、彼は週に1度、精神科医ベネット先生のもとへ通っていた。

 ある日、社会学の授業で隣に住む幼馴染の同級生カレンと児童誘拐に関するレポートを作成することになる。2人で行方不明児童を載せたサイトを調べていると、3歳くらいの少年の顔写真にネイサンの目が留まる。15年前に撮られたその顔は自分の少年時代の顔にそっくりなのだ。気になって、子供の頃の持ち物が収められている地下室に行き、収納箱を開けてみる。すると、写真の少年が身に付けていたシャツと同じものが見つかった。しかも、袖に付着した染みまで一緒ではないか。

 彼は意を決し、ウエブサイトのオペレータに電話を入れる。もちろん、その人物がセルビアのテロリストであることなど、ネイサンには知る由もない。彼の居場所を突き止めた男たちは、早速、ネイサンの家を訪れる。彼に逃げるよう、声を張り上げる父、そして母を殺害した彼らは……

 「誘拐」を意味するこのアクション・スリラーでメガフォンを握ったの、は監督デビュー作『ボーイズ’ン・ザ・フッド』(Boyz n the Hood, 1991)で、アフリカ系アメリカ人として初めて監督賞にノミネートされたジョン・シングルトン(John Singleton, 1968 -  )。テロリストに追われ、逃げ続ける高校生ネイサンには、空手の世界ジュニアチャンピオンに輝いた経験もある、鍛え抜いた肉体で女性ファンを虜にするテイラー・ロートナー(Taylor Lautner, 1992 -   )が、そして彼と共に壮絶な逃亡劇を繰り広げるカレンには、現在、南カリフォルニア大学でジャーナリズムを専攻中のリリー・コリンズ(Lily Collins, 1989 -  )があたっている。

 なお、以下の対話はネイサンが自分の悩みを、シガ二ー・ウィーバー(Sigourney Weaver, 1949 -   )扮する精神科医に打ち明ける場面のものである。

 


                             (青色の語句には注釈が付いています)

Int. Office ? Day
Nathan is talking to his psychiatrist. 

屋内−オフィス−昼
ネイサンが精神科医に話している。 

Nathan:  Sometimes I do feel like a
freak. I walk around like everybody else. But inside I just feel different. Like I’m a stranger in my own life. Or I’m sitting at the breakfast table with my parents, and I’m just like, “Who are these people?” 

ネイサン:  時々、僕は気が狂ったみたいな気がするんです。他のみんなと同じように歩き回っているけど、でも、心の中では違和感を覚えている。まるで、自分自身の人生の中のよそ者といったみたいに。あるいは、両親と朝食のテーブルに就いているのに、なんだか「この人たちは誰なんだ?」って感じなんです。

 
Doctor:    Don’t you think everybody feels that way growing up?

 
医師:  成長期には誰もがそんな感じを持つって思わない? 

Nathan:  Do they all go to a shrink

ネイサン:  みんな精神科医にかかりますか?
Doctor:    Not everyone has insomnia and impulsivity and rage issues, Nathan. 

医師:  誰もが不眠症になったり、一時的衝動や発作的激怒にかられるわけじゃないわ、ネイサン。 

Nathan:  I used your technique. Last night, this guy snapped at me, and I had this overwhelmingurge to run across the street, and smash his face in.

 ネイサン: 僕は先生のテクニックを使ったんです。昨夜、ある男が僕に文句をつけてきたので、僕は通りを渡って、その男の顔面に一発食らわしてやりたいという、抑えがたい衝動を覚えました。 

Doctor:    But you contained it. 

医師:  でも、あなたはそれを抑えた。 

Nathan:  Yeah. I put the anger away. I chilled. It wasn’t worth it. 

ネイサン:  ええ。その怒りを殺しました。抑えたんです。そんな価値はありませんでした。 

Doctor:    That’s great, Nathan. Do you realize we probably would have been having this discussion in juvenile court a year ago? You’re making progress

医師:  その通りよ、ネイサン。気づいているかしら、私たち、多分、このことについて1年前に少年裁判所で話し合ったのを?進歩してるわね。 

Nathan:  But I still have the dream. 

ネイサン:  でも、まだ例の夢を見るんです。 

Doctor:    When was the last one? 

医師:  最後に見たのはいつ? 

Nathan:  Two nights ago. 

ネイサン:  2日前の夜です。 

Doctor:    Any new details

医師:  何か新しい点は?
Nathan: It was mostly the same. I see the woman standing there. She starts singing to me. I think it’s a lullaby. Then comes the attack. 

ネイサン:  ほとんど今までと同じでした。そこに例の女性が立っているのが見えるんです。その人は僕に歌を歌いだす。子守唄だと思います。それから、例の攻撃が始まるんだ。 

In his dream, a young woman is being attacked by an unknown person. The person is wearing a mask. She is killed. 

彼の夢の中で、若い女性が見知らぬ人物に襲われている。その人物はマスクをかぶっている。彼女は殺される。

 

 
Nathan:   And then it’s over. 

ネイサン:  で、それから、終わるんです。 

Doctor:    Nathan, some dreams are based in reality, but others are our mind’s way of handling anxiety just by pushing it deep into your subconscious. That’s not necessarily a bad thing. 

医師:  ネイサン、ある夢は現実に根ざしているけど、でも他は私たちの心が不安を解決しようとするものなのよ。潜在意識の奥底にそれを押し込めることによってね。それは必ずしも悪いことじゃないわ。 

Nathan:  Don’t most psychiatrists want to….unearth these things? 

ネイサン:  たいていの精神科医はこうしたことを暴いたり…..したいんじゃないんですか? 

Doctor:  I’m not most psychiatrists. Our time is up. 

医師:  私はたいていの精神科医じゃなくてよ。時間がきたわ。 

They stand up. She hugs him. 

彼らは立ち上がる。彼女は彼をハグする。

 

 
Doctor:    Have a good week, Nathan. 

医師:  よい一週間を、ネイサン。

Nathan: Thanks. 

ネイサン:  ありがとう。 

       
       
  語句解説    

freak     気違い、異常者、常識社会の逸脱者

grow up
        成長する、大人になる

shrink          ()精神科医、精神分析医 →head shrinkerともいう。

insomnia        不眠症

impulsivity      衝動、発作的激怒 →一時的感情にかられること

rage            激怒、憤激、発作的激怒
Ex. His body trembled with rage. (彼の体は激しい怒りで震えた)

issue            問題、結果、所産

technique        方法、手法、やり方

this guy          ある男→ここでのthis a certainを意味する形容詞で、anaの強調。

overwhelming    圧倒的な、抑えがたい →抑えがたいほど激しい、といった意味合い。

urge             衝動、強い欲望 →無意識、自然、あるいは本能的な衝動をいう。

smash a person’s face in   人の顔を殴りつける、人をぶちのめす →smashは思い切り殴ってへこませること。

contain           抑制する、抑える →感情を抑制すること。この意味では否定語と共に用いることが多い。
Ex. She could not contain her anger. (彼女は怒りをこらえることが出来なかった)

put away          片付ける、捨てる、殺す
Ex.  You should put away those stupid ideas. (そうした愚かな考えは捨てるべきだね)

chill              覚ます、殺す、抑える

worth         〜の価値がある、する価値がある →手間、時間、労力、金銭などをかけるに値するということ。

great             →ここでは是認、賛同などを表す間投詞。

juvenile court      少年裁判所、少年事件法廷 →通例、18歳未満の少年裁判所。イギリスでは17歳未満。

make progress      進歩する、進展する、発展する

detail              詳細、細部

I see             →過去の事柄をまるで現在、目の前で進行しているかのごとく描写する際に 現在形が用いられる。

lullaby           子守唄

base              〜に根拠を置く、に基礎をもつ、に根ざす

subconscious      潜在意識

not necessarily    必ずしも〜ではない →necessarily  は肯定文では「どうしても、ぜひとも」だが、You don’t necessarily have to go. (君は必ずしも行く必要はない)のように、否定語を伴って使われると「必ずしも〜ではない」となる。

unearth            明らかにする、暴く

Have a good week  よい1週間を →Have a good day. (さようなら)と同様に、「さようなら」の意。

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