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新作映画で英語学習

白雪姫と鏡の女王(Mirror Mirror, 2012)

                                                                                    お勧め度:★★★★☆


  過去の新作映画

『崖っぷちの男』

『ラム・ダイアリー』

『アタック・ザ・ブロック』

『幸せへのキセキ』

『君への誓い』

『ミッシング ID』

『ファミリー・ツリー』

『幸せの教室』

『キリング・ショット』

『ブライズメイズ』

『バッド・ティーチャー』

『ヘルプ〜心をつなぐストーリー』

『宇宙人ポール』

『ラヴ&ドラッグ』

『ミッション:8ミニッツ』

『ランゴ』

『親愛なるきみへ』

『インシディアス』

『赤ずきん』

『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』

『クロエ』

『ブラック・スワン』

『ジュリエットからの手紙』

『ガリバー旅行記』

『トゥーリスト』


『塔の上のラプンツェル』

『ウォール・ストリート』
                                   
 生まれた時に母を亡くした白雪姫は国王である父によって育てられていた。しかし、男手一つで育てることに限界を感じた父は新たに妃を迎え入れる。彼女は国中で最も美しい女性だった。そんなある日、王国に侵入してきた得体の知れない邪悪と戦うために、白雪姫に短剣を渡し、城を離れて暗黒の森へと入っていく。それが白雪姫が父を見た最後だった。国民に敬愛されていた王がいなくなるや、継母は白雪姫を幽閉し、贅沢三昧の暮らしに明け暮れる。そのせいで王国は破産寸前の状態に陥っていた。

 女王は窮地を脱する手段として、裕福な隣国の若き王子との結婚を密かにたくらむ。だが、彼が一目見た白雪姫に心奪われていることを知るや、彼女を亡き者にしようと企てるのだ….

 グリム童話をベースにしたこのコミカルなファンタジー映画の監督はインド出身のターセム・シン(Tarsem Singh, 1961 -   )。自分勝手で意地悪な継母に扮するのは、初の悪役を生き生きと演じるジュリア・ロバーツ(Julia Fiona Roberts, 1967 -  )。そして森に逃げ込み、小人のギャングに様々な戦術を教えられ逞しい女性へと成長し、やがて王国を奪還する白雪姫には『ミッシングID』(Abduction, 2011)のリリー・コリンズ(Lily Jane Collins, 1989 -  )、イケメンの王子には『ソーシャル・ネットワーク』(The Social Network, 2010)のアーミー・ハマー(Armie Hammer, 1986 -   )があたっている。なお、本作が遺作となった石岡瑛子のきらびやかにしてアーティスティック衣装からも目が離せない。

 作品の性格から、大人から子供まで誰もが楽しめる映画として製作されているだけに、使われている英語表現は平易である。英語学習初心者にもお勧めだ。



                             (青色の語句には注釈が付いています)

Int. Castle − Day

屋内−城−昼
Queen: Once upon a time, in a kingdom far, far away, a baby girl was born. Her skin was pure as snow. Her hair was dark as night.

女王: 昔々、あるはるか遠く離れた王国で一人の赤ちゃんが生まれました。その子の肌は雪のように清らかで、髪の毛は真っ黒でした。

A baby is crying.

赤子が泣いている。

Queen: They called her Snow White. Probably because that was the most pretentious name they could come up with. As fate would have it, Snow White’s mother died in childbirth. Left on his own, her father spoiled the young girl. He could afford to, of course. He was the king. The king loved his daughter, and all his subjects loved him.

女王: 人々はその子を白雪姫と呼びました。おそらくそれは彼らが思いついた最ももったいぶった名前だったからでしょう。運悪く、白雪姫の母親はお産で死んでしまったのです。一人取り残された父親はその女の子に贅沢をさせました。彼には、もちろん、その余裕があったのです。彼は王様でしたから。その王は娘を愛し、王の家来はみな王を愛していました。

Crowd is cheering.

群衆が歓呼している。
Queen: The kingdom was a happy place, where people danced and sang day and night. Apparently, no one had a job back then. Just singing and dancing all day and all night. But I digress. The king raised the little girl by himself, grooming her to one day lead. But over time, he realized there were some things he couldn’t teach her. So he sought out a new queen. This queen was the most beautiful woman in the world. She was intelligent and strong. And just to clarify, she was me. And this is my story. Not hers. Bewitched by my beauty, the king begged me to marry him. I was everything to him; the stars, the moon. But a dark magic invaded the land. The brave king bid farewell to Snow White, leaving her his favorite dagger. An interesting gift, but more on that later.

 

女王: その王国は幸せな場所でした。そこでは人々は日夜、踊ったり歌ったりしていました。明らかに、当時は誰一人として仕事はしていなかったのです。昼も夜もただ歌ったり踊ったりしているだけでした。あら、本題から外れたわ。王は独りで、いつしか指導者になれるようにとその小さな女の子を育てたのです。しかし、時が経つにつれ、彼は自分では彼女に教えられないことが幾つかあることに気づきました。そこで、彼は新しい女王を探し求めたのです。その女王はこの世で最も美しい女性でした。彼女は知的で、強い人物でした。そう、はっきり言うと、その女性は私でした。ですから、これは私の物語で、彼女の話ではありません。私の美しさに魅了された王は私に結婚して欲しいと嘆願したのです。私は彼にとって全て、星々であり、月でした。しかし、邪悪な魔法がその国に忍び入ったのです。勇敢な王は自分のお気に入りの短剣を白雪姫に残し、別れを告げました。興味ある贈り物ですが、この件についてはまた後ほど。

 

Hoofbeats.  The king leaves the kingdom on his horse.

蹄の音。王は馬で王国を去っていく。

Queen: He rode off into the dark woods and, sadly, was never seen again.

女王: 彼は暗黒の森へと入っていくと、二度と姿を見せなかったのです。

His horse whines.

彼の馬がいななく。

Queen: Snow White searched and searched for her father, and when she realized he was truly gone, she was devastated. The girl was now under the care of the beautiful queen.Ten years passed, and Snow White grew older and blossomed. But the kingdom fell into an icy despair as the queen realized if she wanted to remain the most beautiful woman in all the land, well, Snow would have to do what snow does best. Snow would have to fall.

女王: 白雪姫は父を徹底的に探しました。そして父が本当にいなくなったのだと分かると、とても深い悲しみに沈んだのです。その娘は今では美しい女王の世話になっていました。10年が過ぎ、白雪姫は大きくなり、とても立派に成長しました。しかし、王国は身も凍るような絶望に陥ったのです。女王が国中で一番美しい女性としてい続けたいなら、そう、白雪姫には雪お得意のことをしてもらわなければならいと彼女が気づいたからです。つまり白雪姫には死んでもらわなければならないということです。


Int. Snow White’s Room ? Day
Snow White sighs. Birds are chirping and twittering.


屋内−白雪姫の部屋−昼
白雪姫はため息をつく。鳥たちがチーチーパーパーと鳴いている。

Snow White: Well, hello there.


白雪姫: あら、こんにちは。

A bird chirps.


鳥が甲高い声で鳴く。

Snow White: Would you like a treat?


白雪姫: ごちそうはどう?

The bird chirps. She gives the bird a pip

鳥は鳴く。彼女は鳥に種を与える。
Snow White: Here you go.

白雪姫 ほら。

The bird eats it. She chuckles.  Fanfare is being played nearby.



はそれを食べる。彼女はクスクス笑う。ファンファーレが近くで鳴る。

 

Snow White: Oh, I think the party’s started. 白雪姫: あら、パーティが始まったのね。
 語句解説    

Once upon a time   昔々、ずっと昔に →童話や昔話の切り出し文句として使われる。

 

kingdom     王国 →the United Kingdom(英連邦)のように、女王の治世であってもqueendomではなくkingdom

 

pure as snow   雪のように清らかな →ここでは汚れのない雪のように白い、ということ。pure She has pure skin. (彼女はきれいな肌をしている)のように「きれいな、汚れていない」の意。

 

come up with…  〜を思いつく、を考え出す、を提案する

 

As fate would have it   運悪く

 

left on his own    独りになった  →on one’s ownとは I’m on my own. (私は独力で生活している)のように「独力で、自分の力で」を意味する。

 

spoil   過度に甘やかす、わがままな性格にする、贅沢をさせる

 

afford         できる、大丈夫である、する余裕がある →canbe able toを伴って「〜する余裕がある、〜することができる」ほどの意。

 

subject        家来、臣民、国民

 

day and night   昼も夜も、日夜

 

apparently      見たところ、明らかに

 

back then        その頃は、その時代は  →ここでのback She was popular back in 1995. (彼女は1995年には人気があった)のように「さかのぼって」を意味する副詞。

 

all day and all night  一日中

 

digress           それる、外れる、脱線する → 主題、話題などから外れること。

 

groom            仕立てる、訓練する → 官職などに備えて訓練する、育てること。

 

over time       時が経つにつれて、徐々に

 

seek out        捜し求める

 

clarify          明らかにする、はっきりさせる

 

bewitch         魅惑する、魅了する、うっとりさせる

 

invade          侵略する、入り込む、襲う

 

bid farewell      別れを告げる →bid He bid good night to her. (彼は彼女におやすみと言った) のように、挨拶、別れ、祝福、祈願などの言葉を「言う」との意。

 

dagger           短剣、短刀

 

searched and searched    必死に探した →ここでのand He coughed and coughed. (彼は激しく咳き込んだ)のように、同一語を繰り返して多数、反復、徹底などを表す。

 

devastate         がっかりさせる、打ちのめす

 

be under the care of…   〜の世話になっている → ここでの care は世話、保護、管理などの意を表す。

 

blossom           開花する、立派になる、成長する → ここでは花のように美しく成長したということ。

 

despair            絶望、失望

 

do what snow does best   →雪お得意のものをする、と「降って解ける」、すなわち「白雪姫には死んでもらう」ということ。

 

fall                落下する、降る、死ぬ

 

chirp              チーチー鳴く、ちゅんちゅん鳴く

 

twitter           ピーチク鳴く、さえずる

 

treat             ごちそう

 

pip               種 →レモン、リンゴなどの小さな種。

 

Here you go       さあどうぞ、はいこれ →物を差し出す際などの表現。

 
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