Welcome to Kenzo's Web Site

新作映画で英語学習

幸せへのキセキ』(We Bought a Zoo, 2011)

                                                                                    お勧め度:★★★★☆


  過去の新作映画

『君への誓い』

『ミッシング ID』

『ファミリー・ツリー』

『幸せの教室』

『キリング・ショット』

『ブライズメイズ』

『バッド・ティーチャー』

『ヘルプ~心をつなぐストーリー』

『宇宙人ポール』

『ラヴ&ドラッグ』

『ミッション:8ミニッツ』

『ランゴ』

『親愛なるきみへ』

『インシディアス』

『赤ずきん』

『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』

『クロエ』

『ブラック・スワン』

『ジュリエットからの手紙』

『ガリバー旅行記』

『トゥーリスト』


『塔の上のラプンツェル』

『ウォール・ストリート』
                                   
  半年前に最愛の妻を亡くしたベンジャミンと彼の2人の子供たちは悲しみに打ちひしがれていた。なかでも14歳になる息子のディランは母親の死を乗り越えられず、学校で問題を起こし、ついには退学処分になってしまう。母親が必要な年齢の子供たちであるだけに、彼らの苦しみが痛いほど分かるベンジャミンは悩んだ。そして彼は思い切った決断をする。子供たちの笑顔を取り戻すために。彼は日刊紙のコラムニストの仕事を投げうって、郊外にある荒れ果てた動物園付きの大きな家を購入する。しかも、この動物園、ただ今閉鎖中で、再開には施設の修理代などで莫大な資金が必要という代物だ。おまけに、彼には経営はおろか、動物についての知識もまるでない。そんな彼であればこそ、動物園のスタッフたちは、彼が信用できるはずなどない。誰もが、彼もそのうち逃げ出すだろうと思っていた。しかし、ベンジャミンは真剣だった。彼は動物園を再建すべく懸命に努力した。子供たちを立ち直らせ、再び彼らの幸せに満ちた笑い声を聞くために…..

 イギリスのダートムーア動物園を経営する作家Benjamin Meeの回顧録 We Bought a Zoo: The Amazing True Story of a Young Family, a Broken Down Zoo, and the 200 Wild Animals That Change Their Lives Forever (2008)が原作のこの映画の監督は『あの頃のペニー・レイン』(Almost Famous, 2000)でアカデミー脚本賞を受賞したキャメロン・クロウ(Cameron Crowe, 1957 -   )。2人の子供の父親ベンジャミンを演じるのは『グッド・ウイル・ハンティング/旅立ち』(Good Will Hunting, 1997)でアカデミー脚本賞に輝いたマット・デイモン(Matt Damon, 1970 -   )である。

 なお、以下の対話は、ベンジャミンが妻と初めて出会った時の模様を子供たちに語って聞かせる最後のシーンでのもの。

 


                             (青色の語句には注釈が付いています)

Int. Restaurant – Day
Benjamin and his two children enter a restaurant.

屋内―レストラン-昼
ベンジャミンと二人の子供たちは、とあるレストランに入る。
Father: Now, hang on. So, okay. Stop.

父: さあ、ちょっと待ちなさい。そう、いいかね。止まるんだ。

He points to a table by the window.

彼は窓辺のテーブルを指し示す。
Father: She was right there. This is the moment where both of you became a possibility.

父: 母さんはまさにあそこにいたんだ。これがおまえたち2人が、この世に存在するきっかけとなった瞬間さ。

Daughter: I love that you’re telling stories again.

娘: パパがまたお話をするの、とても嬉しいわ。

Father: This is the story before the story. This is where you and you begin. Because this is where I met your mom. She was sitting right there in that chair. Hang on.

父: これはお話の前のお話さ。おまえたち2人が生まれるきっかけとなった場所なんだ。というのも、ここでパパはおまえたちのママに出会ったのさ。ママはすぐそこのあの椅子に座っていた。ちょっと待ちなさい。

He runs out of the restaurant. He looks in through the window standing outside.

彼はレストランから走り出る。彼は外に立って窓から中を見る。

Father: Hey, hey. So, I was walking by. And I saw her and I literally stopped, like this, just stopped. And went, “Oh, my God. That is the most beautiful woman I have ever seen in my entire
life
.” But I’ve never done anything like this. I’ve never gone and talked to a total stranger before. But she was right there. And so I thought to myself, “20 seconds.” Right? Go.

父: ほろ、ほら。いいか、パパは歩いていたんだ。そのとき、ママを見て、それで、文字通り立ち止まったのさ。こんな具合に、ピタッとね。そしてこう思った、「いや、驚いた。あの人は生まれてから一度もお目にかかったことがないほど、とびきり美しい女性だ」とね。だが、パパはこれまで、こんなことは一度もしたことがない。今まで全く見ず知らずの人のところへ行って話しかけたりしたことは一度もないんだ。で、パパは心の中で思ったんだ、「20秒」とね。いいかい?行け。

 

He walks back into the restaurant.

彼は歩いてレストランの中へ戻ってくる。
Father: Now I’m in the restaurant. And I’m terrified. Thinking about leaving. I can actually touch her. She’s right there. She still hasn’t seen me. And I still have 15 seconds of courage left. I’m going for it. Bravery.

父: 今パパはレストランの中。そして恐れているんだ。立ち去ることを考えてね。実際、ママに手で触れることができるんだから。ママはすぐそこにいるんだから。ママはまだパパを見ていない。それにパパにはまだ15秒ほどの勇気が残っている。行くぞ。勇敢に。

 

He walks to her table.

彼は彼女のテーブルへと歩いていく。

Father: (to his children)  Here’s what I did.

父: (子供たちに)そこでパパはそうしたんだ。

He stops talking. 彼は話をやめる。

 

Son: What?

息子: なに?

Father: (remembering) I said, “Excuse me.”

父: (思い出しながら)パパは言った。「すみません」とね。

Son:  Hi, mom.

息子: ハイ、ママ。

Daughter:  Hi, Mommy. 

娘:  ハイ、マミー。

Father: Why would an amazing woman like you even talk to someone like me?


父: あなたのような素敵な女性がどうして僕みたいな人間に口をきいたりするでしょうか?

She looks up at him and smiles.

彼女は彼を見上げ、微笑む。

Mom: Why not?

ママ: きかない理由があるでしょうか?

     
     
  語句解説    

hang on      待つ、そのまま待つ →命令形でto wait a whileを意味する。

Ex. Hang on a minute.  I need to talk to you. (ちょっと待ってくれ。君に話しがある)

 

right there    すぐそこに →ここでのrightは場所を示して「ちょうど、まさしく」などを意味する副詞。

 

possibility     可能性 →ここではこの世に生を受けたこと。

 

walk by       歩いて通り過ぎる →ここでのby He went by. (彼は通り過ぎた)のように、通過、経過を示して「通って、過ぎて」を意味する副詞。

 

literally       文字通り、事実上、本当に

 

Oh, my God    おや、ヒャッ、大変だ、困った →驚き、困惑、不信、不興などを表す。

 

entire life       全人生

 

gone and talked    go and do go to do、すなわち「~しに行く」の意を強調した表現。

 

total            全くの、完全な

 

think to oneself  密かに思う、心の中で思う、独語する →say to oneself (「心の中で」自分に言い聞かせる)talk to oneself (独り言を言う)

 

go for it          いちかばちかやってみる、あたってくだける →断固として目的を追求する際の表現で to make the effort to do or get somethingほどの意。

 

bravery          勇敢に

 

amazing          驚くべき、びっくりするような、素晴らしい

 

Why not          なぜいけないのか、~してもいいではないか → I cannot think of a reason not to… ほどの意。

 

 トップへ