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新作映画で英語学習

インシディアス』(Insidious, 2011)

                                                                                        お勧め度:★★★★☆


  過去の新作映画

『赤ずきん』

ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』

『クロエ』

『ブラック・スワン』

『ジュリエットからの手紙』

『ガリバー旅行記』

『トゥーリスト』


『塔の上のラプンツェル』

『ウォール・ストリート』
                                   

日本で8月27日に公開された『インシディアス』(Insidious, 2011)は、短編映画の成功により後にシリーズ化された映画『ソウ』(Saw, 2004 ~2010)の監督として有名なマレーシア生まれのオーストラリア人ジェームズ・ワン(James Wan, 1977 -  )がメガフォンを握ったホラー映画である。

 物語は、二人の子供を連れて新居に引っ越してきたばかりの一家に、屋根裏から奇妙な音が聞こえてきたり、置いた物の位置が変わったり、陰のごとき人物が家の中を動いたりと、不可解な現象が起こり始めるというものだ。

 ある朝、ローズ・バーン(Rose Byrne, 1979 -  )演じる母親が家族のアルバムを見ていたところに、タイ・シンプキンス(Ty Simpkins, 2001 -   )扮する息子のダルトンが起きてきて、夜眠れないと言う。彼は新しい自分の部屋が怖いのだ。それを聞いた母親も、さしたる証拠はないのだが、ダルトン同様に何か不気味さを感じていた。そんなとき、二階の部屋から、まるでおぞましい恐怖の幕開けを告げるかのように、寝ているはずの赤子のけたたましい泣き声が、モニター越しに聞こえてくる……

 以下は映画のオープニング・シーンで交わされる母と息子の対話である。ダルトンが幼い小学生であることから、使われている英語表現は極めて簡潔、しかも誰もが使う基本的な日常表現であるだけに、英語学習者の誰もが使いこなしたいものである。

 ちなみに、タイトルのinsidiousとは The doctor found the insidious cancer before he felt pain. (そのドクターは彼が痛みを感じる前に密かに進行する癌を発見した)のように「知らぬ間に進行する」とか「油断のならない」を意味する形容詞である。

                           (青色の語句には注釈が付いています)


Int. House -Morning

屋内-家-朝
Son:  Mom?  息子:  ママ?
Mom: Hey, sweetie. What are you doing up? Come here. ママ: あら、ぼうや。起きちゃって何してるの?こっちへいらっしゃい。
Son:  I don’t like my room. 息子: 僕の部屋、嫌なんだ。
Mom: No? That’s okay. You know, you’re still getting used to it.  I can’t sleep either. ママ: そうなの?いいわよ。ほら、まだ慣れてないものね。ママも眠れないの。
Son: 

What are you looking at?

息子: 何見てるの?
Mom:

Some old photos. You want to see?  Do you know who that is?

ママ: 昔の写真。見たい?この人、誰だかわかる?
Son:  No. 息子: わかんない。
Mom: It’s me.  ママ: ママよ。
Son:  It doesn’t look like you. 息子: ママには見えないけど。
Mom: I know. But that’s me. That’s your mom.  I was a kid once, too, believe it or not. ママ: そうね。でもママなの。あなたのママよ。ママも昔は子供だったのよ、信じられないでしょうけど。
Son:

You’re old now.

息子: 今は年取ってるね。
Mom: How old do you think I am?  ママ: ママは何歳だと思う?
Son: Really old. 息子: すごい年寄り。
Mom: Mmm. Have a guess.   ママ:  なるほど。当ててみて。
Son: Probably at least 21. 息子:  たぶん少なくとも21。
Mom:  (laughs) Ahahaha. I wish you were right. ママ:  笑う)ハハハハ。本当だったらいいけど。
Son: Show me a picture of which Dad was a little kid. 息子:  パパが小さな子供だったころの写真を見せて。
Mom: You know, I wish I could. But I don’t think we have any. He’s really helpless at keeping photos. ママ: ええ、そうしてあげたいけど。でも、一枚もないと思うな。パパは写真を取っておくのがてんでダメなの。
Son: Show me a picture of when I was a little kid. 息子: 僕が小さかったときの写真を見せて。 
Mom: You are a little kid.  You are wonderful. ママ: あなたは小さい子よ。素敵なね。
They hear the baby start to cry upstairs. 二階で赤ん坊の泣き出す声が聞こえる。
Mom:
You certainly didn’t cry as much as your little sister. But she’s up. So let’s go. Get some breakfast. ママ: あなたはあなたの妹ほど泣いたりなんかしなかったわ。でも、あの子、起きちゃったから、さあ行きましょう。朝ごはんを食べなさい。
 語句解説    
* sweetie       子供、恋人などに対する親愛の気持ちを込めた呼びかけで、sweetheartに同じ。sweetyともする。

* up     寝床から出て、起きて⇒ Go wake your brother up. (お兄ちゃんを起こしてきなさ)のように out of bed を意味する副詞。

* You know      ほら、あのね、え~と ⇒相手の注意や記憶を喚起して自分の言うことをはっきりさせたり、次に言うことを確認したり、また言いよどんだときの繋ぎの表現。

* get used to …    ~に慣れる ⇒文字通りの訳「あなたはまだそれに慣れている途中である」から。なお、become used to…ともする。またbe used to …とすると、I’m used to  hot weather. (私は暑い気候には慣れている)のように「~には慣れている」の意。

* look like….     ~のように見える、のように思われる ⇒S+look like +Oの型で「SはOのようである」の意を表す。Oは名詞、動名詞。

* believe it or not  信じようが信じまいが、こんなことを言っても信じないだろうが ⇒驚きや衝撃を表し、「信じないかもしれないけど、本当ですよ」といったニュアンスで使われる。

* have a guess     当ててみる ⇒haveに代わってtake、make、giveも使われる。なお、guessが「推測」の意であることから、「まぐれ当たり」は a lucky guess、「図星」は a good guess、「当てずっぽう」は a wild guess、「見当外れ」は a bad guessとなる。

* at least       少なくとも、最低に見積もっても ⇒at the least、at the very least ともする。

* helpless at…      ~に対して無能な

* certainly         疑いなく、本当に、全く ⇒文全体を修飾して「確実に」とか、軽い強意語として「本当に」を意味して使われる。

* as much as…     ~と同じだけ、と同じくらいに ⇒ Don’t eat as much as you used to do. (昔ほど食べてはだめ)のように、量、程度、また額を表す。 
 
 
 
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