実は土地家屋調査士試験のように骨の折れる国家試験の構成は受験生が舞い上がるように設計されているんです。
「えっ・・?」と思われた方は多分初めて受験される方でしょうか?
現在の択一問題は私が受験生だった頃よりかなり複雑難解になってますね。
それでも一般的傾向から言えることは、難易度を10段階で評価すれば、第1問目は7〜8ぐらいに難しいことが多いようです。
最初の段階で大きな壁に遭遇させるわけです。そして山あり谷ありが続き後半で最も難しい問題を何問か出題するというように、受験生の心理状態に揺さぶりをこれでもかと言うぐらい掛けてきます。
出題する方は心理学を充分研究している出題のプロですので受験生がどのような心理状態でいるのかは充分お見通しなのです。
なので、受験する方も難解な問題に出会ったら、「あっこれがそういうことね」というように心理的余裕を是非持っていただきたいと思います。
でないと、出題者側が作った「どツボ」に素直にはまってしまい実力を出し切れない恐れがあるからです。
試験直前のアドバイスとしては、自分の受験スタイルは変えないことが一番だと思いますが、もし心に余裕があるのなら、この心理戦に勝利する心構えを持つことが最も大切だと思います。
私の場合は独特の受験スタイルを作りました。少し前のことなのでそっくり参考にはならないかもしれませんが、出題者の術中にはまらないように研究しました。
あなたが問題を解いて行く順番はどんな順番ですか?
またまた「えっ・・?」という感じですか?
私は、あえて出題順に解答して行くことをしませんでした。
そんなことをすれば簡単に相手の術中にはまってしまうからです。
統計的に過去問を調査して一番取り組みやすい問題から順番に解いていくようにしました。
人間は機械ではありませんのでレーシングマシーンのようにスタート直後からトップスピードに持って行くことはできません。試験開始直前はドキドキ状態でいるわけですからね。
出題者側は心理戦で挑んで来ますので、回答側はそれを自分の都合のいいように順番を崩して、相手の作戦をかわすわけです。
ただでさえ試験日の受験生心理は、普通ではありません。いらぬことをいろいろ考えるものです。だからこそ、出題者が予想したとおりの心理状態では、ダメなのです。
音楽でも、最初からいきなり山場を持ってくる作曲はしませんね。でも「落とすための試験」では調和を乱す作曲を良しとするわけです。
ですので私のとった順番は最初に調査士法(今年も出ないかも?)次に第2問から順に解いて行き第1問に戻り、土地書式の図面を正確に書いて、計算式まで書いたら求積を残して土地を一旦離れます。
建物の書式に移ったら、どんな小さな注釈も見逃さないで完璧に解答します。
その後土地に戻り、残り時間を確認しながらケアレスミスのないように落ち着いて求積をして、最後に択一も含めて全体をチェックして終了するという順序でした。
しかも、択一個々の問題は2枝目から5枝目まで読んで1枝目に戻るということもしました。なぜそうしたかというと、正解にたどり着くスピードが最も早い方法だったからです。
現在は組み合わせ問題がほとんどになってしまったので、さらに勉強と工夫が必要だと思いますが、考え方の基本は「出題者が作った順番を意図的に崩し、自分が最も力を発揮できる能力曲線カーブに持っていく」ことだと思います。
ただし、この方法はあくまでも私のことであり、これが全てではありませんので、受験生の皆さんは是非とも自分に合った型を作り上げて行って下さい。
開業予定の方へ