−独学 土地家屋調査士試験攻略法 9−

土地家屋調査士は、土地の境界に最も詳しいスペシャリストです。
土地・建物の調査、測量、登記に関する仕事で社会に貢献しています。

土地家屋調査士試験 受験対策(独学)

9.過去問(択一)勉強を工夫する

過去問に始まり、過去問に終わる

どのような資格試験でも、過去問を研究することが短期合格につながります。過去問は10年分完璧にこなしましょう。

ただし、法改正の後には注意が必要です。

大切なのは過去問から始まって過去問で終わる勉強法を自分なりに確立することです。まず10年分を一通り解答した後は、出題者になったつもりで、意図を理解するまでじっくり取り組んで見ましょう。

過去問は100点取って終わりではありません。100点取って当たり前です。その時点で合格へのスタートラインに立った状態なのです。

つまり、わかりきった過去問をどれだけ深く深く研究したかが勝負の分かれ目になります。

基本に帰る思考回路を持つ

過去問がなぜ大切かという理由の第一は、「本試験の問題だから」です。
つまり実際に出題された問題なので、これ以上本試験対策を探るための「窓」は過去問しかありません。

常識的な話をなぜするかと言うと、これを本当に理解している受験生はどれだけいるのか疑問です。過去問が少しわかるようになると、すぐに難しい問題を解きたくなり、受験校の新作問題をムキになってこね回す人がいます。

こうなると、本筋を見失い「ひねくれた精神状態」に陥りやすくなります。

出題者は、このような方ほどつまずくような問題を作成しているような気がします。難しい問題に挑むのは悪いことではありませんが、いつも基本に帰る思考回路は持つべきだと思います。

合格する力は充分あるのに、なかなか合格できない方はこのような傾向がないかどうか、チェックする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

過去問をシャッフル

私が受験生だったころの択一問題は、今のように複雑な組み合わせ問題は少なかったので書式問題に重点を置いた勉強をしていました。

今は、択一問題の1つ1つの枝の正誤を完璧に判断しないと回答できないようになっているため、一層のプレッシャーがかかります。

択一の過去問を繰り返し解くことは大切なことです。

しかし、一定のレベルを超えてしまうと問題の流れや答えを記憶しているので、すぐに回答できるようになります。

こうなると、過去問は簡単だと思うようになりミスにつながります。しかし、過去問をシャッフルして出題されると一気に手強い問題になります。

ですから、過去問をただ年度順に解くだけでなく、いろいろな組み合わせを作りながら加工すると力が付きます。なぜなら、受験生より一段高い出題者側の頭になってしまうからです。

横学習も大切

出題者は受験者の裏をかいて心理状態を狂わせるような出題の仕方をしてきます。

基本書では理路整然と1単元ごとに詳しく解説していますが、試験の出題形式は理路整然ではありません。

つまり受験者でも初学者は試験の全体像がわからないので縦学習で満足してしまいます。これでは出題者の思うつぼですから、横学習をされるといいでしょう。

例えば、法定添付書類の中で、発行後3ヶ月以内の制限があるのは?
又は、印鑑証明書を添付しなければならない場合は?
調査士業務の中で共同担保目録が必要な場合は?

基本があって例外があります。
覚える場合にどちらを覚えるかについては、数の少ない方を覚えます。

というように単元ごとに学んで既に知っていることでも、とっさにこのように横方向の出題をされると慌てることがよくあります。

ですから、試験問題では、このことは、このように出題されるんだよなと推論しながら、横方向に注意を払って勉強することが大切です。

このことに気づいただけでも1年の得になります。


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