高血圧と漢方薬

寒さと高血圧

 

 日本人の3人に1人、高齢者は3人に2人が高血圧と言われ、その80%は本態性高血圧といって病的な原因がはっきりしない高血圧です。

 

 血圧が高くなるのは、その人にとって必要があって高くなっています。血液は脳細胞をはじめ体の末端の細胞に至るまで酸素や栄養素を運んでいる訳で、動脈硬化や細動脈が収縮して来ると酸素や栄養素が運びにくいので圧を上げて一所懸命送ろうとしているのです。(下段 漢方コラム参照)

 

 西洋医学では高血圧で脳、心臓、腎臓などへの負担を軽減するために一律降圧剤をを使って数値管理を目標としています。その人の体調や症状は考慮に入れず血圧を下げます。

 

しかし、末端の細胞まで酸素や栄養素を届けるために一生懸命血圧をあげて生命を維持しようとしている訳で、降圧剤で血圧の数値は下がっても高血圧自体は治っているわけではなく、かえって末端の細胞は栄養不足、酸素不足で機能しなくなり、それが脳であれば当然、脳の活動に影響を受けます。

 

高血圧の症状と高血圧の原因疾患
日頃から感じやすいものとして、頭痛めまい動悸、肩こりなど

 

高血圧から動脈硬化になり慢性化すると「脳血管障害」「脳梗塞」「心臓疾患」「腎臓疾患」「血管疾患」などの合併症が発症します。

漢方から見た高血圧

漢方医学の古典である「黄帝内経素問」第27巻に「怒れば気上逆す。気上逆すれば六輸通ぜず
、温気行らず。凝血蘊裏(積み重ね)して散ぜず、津液泣澡(へばりつく)して著して去らず、而して積もりて皆成る」とあって、怒ると血圧が上昇し血液循環が阻害され、血栓、血塞が出来て病気になると言っています。
怒は肝に通じ、肝気を和する漢方薬を用います。

 

漢方薬は降圧剤の様に血圧をいっきに下げたりはしませんが血圧を上げている原因となる状態を改善したり、それに伴う症状を改善して高血圧体質そのものを改善します。漢方生薬の働きには、駆瘀血作用といって血液の質を良くし血管を柔軟にし血行を良くします。
漢方薬はその人の陰陽虚実寒熱を見極め気血水のゆがみを正しまさにオーダーメイドとしての利点があります。
血液・血管のアンチエイジングにも漢方薬が役に立ちます。

 

高血圧は日々の養生も大切
○緊張したり興奮したりすると交感神経が亢進するので血圧が上がります。
 ストレスを発散したりリラックスに心掛けましょう。

 

○睡眠不足は良くはありません。充分な睡眠時間と質の良い睡眠を。

 

○適度な運動は血流を良くし血管を柔らかくし血管壁への負担を軽減します。基本は歩く(ウォーキング)こと。

 

○お風呂は熱い湯につかると交感神経が亢進し血圧が上がります。ぬるめのお湯につかり芯から温もりましょう。

高血圧の食養生・・・塩の話

食べ物は、野菜、豆類、海藻、魚類(イワシ・ザバなどのEPA・DHAが豊富な青魚)を中心として、動物性脂肪、コレステロールの多い肉類は控える。
塩は、正しい塩田法で作られた伝統海塩(自然海塩)を塩梅よく適切に使う。

 

 肥満は、血圧をあげる誘因となるので、低カロリー、腹八分目に心がける。
食養生につても、五味の調和だけでなく「気血水」に配慮する。ストレスの多い人は、「気」の働きを助けてくれる、シナモン(桂皮)、クローブ、ミント、バジル、レモンバームなどを料理に摂り入れる。

 

 「瘀血」の出来やすい人、のぼせ症の人は、清熱作用のある、トマト、セロリや苦い野菜がお勧め。肉類を食べる時には、スパイス(クミン、胡椒、フェンネル、タイム、山椒など)を必ず用いる。

 

 蕎麦は、ビタミンB1が豊富で、特徴的な成分としてポリフェノールの一種ルチンを多く含む。
ルチンは、心疾患、高血圧、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立つ。また、カリウムも多く含み血中のナトリウムの排出を促してくれる。

 

 基本は、五味の調和の調った和食にして食養生をします。特に、特別な生薬を料理に摂り入れ薬膳とするのではなく、普段の食材を、漢方理論に基づいてどう食べ合わせるかで実践的な薬膳となります。

 

 水太りの人は、利水作用のある小豆、ハトムギなどを常食する、補腎作用のある黒豆なども良い。

 

【塩と高血圧】
 塩は、何かと悪者扱いされ、高血圧の原因であるかのような風潮がありますが、この時に言われる「塩」は食塩のことで、「食塩」=塩化ナトリウムのことを言っています。
私たち、日本漢方家がいう「塩」というのは、塩専売法が出くる以前の塩田法で作られた、海水100%の自然海塩・伝統海塩を言います。

 

 

高血圧のナトリウム感受性のある日本人は、全体の2割ほどと言われ、ほとんどの人が、ナトリウムが原因で高血圧にはならないということです。かといって、食塩(塩化ナトリウム)が良い訳ではありません。人の体内のミネラルバランスは、海水と同じと言われています。人が健康に機能するためには、このミネラルバランスが大切になります。
海水から塩田法で作った伝統海塩は、にがりを含み、人にとって必要な微量元素を補給してくれます。

 

高血圧、高血圧に伴う症状の漢方薬・養生法、食養生のご相談は赤穂郡上郡町の漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。

 

漢方コラム

「高血圧と心」から  相見三郎
 高血圧は今日ではずぐ血圧降下剤を投与して下げるが、それで血圧計の数値は下がるが、それで高血圧が治るわけではない。血圧は血液を心臓から送り出すための力で、その血圧によって全身に隈なく血液を送りつけることができるのである。血圧高くなるには血管の末端部に抵抗があるために、それに打ち勝って血液を万遍なく循環させるためなので、突然血圧が下がると、末端の血液循環が途絶し、その部分が壊死に陥ることになる。それが脳である場合は脳軟化症になるわけであり、まさに血圧が下がって血流が停滞すると、脳血栓症になる。また心臓では冠状動脈が貧血となり心筋梗塞をつくり、また狭心症の症状を起こしたりするのである。

 

 

 

 

 

 

【関連タグ】血圧サージ 寝不足(睡眠不足)

寒さと高血圧
 冬になると気になるのが高血圧。寒くなると体温を奪われないように体表部の血管を収縮させますので自然と血圧は上がります。これは自然な作用なのですが、高齢者になると血管が硬くなり(動脈硬化)運動不足もあいまって血圧が上がり更に気になるところです。
 日本人の3人に1人、高齢者は3人に2人が高血圧といわれ、その80%は本態性高血圧といって病的な原因がない高血圧です。
血圧が高くなるのは必要があって高くなっているのです。血液は脳細胞をはじめ体の末端の細胞の隅々に至るまで酸素や栄養素を運んでいる訳で動脈硬化や毛細血管が収縮して来ると酸素や栄養素が運びにくいので圧を上げて一所懸命送ろうとしているのです。
 西洋医学では高血圧で脳、心臓、腎臓などへの負担を軽減するために一律降圧剤を使って数値管理を目標としています。その人の体調や症状は考慮せずに血圧を下げますので人によっては脳への血流不足から脳梗塞や認知症になる場合もあり考えものです。
 漢方薬は降圧剤の様に血圧をいっきに下げたりはしませんが血圧を上げている原因となる状態を改善したりそれに伴う症状を改善し高血圧体質そのものを改善します。また、漢方では虚実の考えから赤ら顔でがっちり肥えた人の高血圧とやせて冷え症の人の高血圧とではおのずと処方も変わり漢方薬のオーダーメイドとしての利点があります。

 

血圧を上げないための養生高血圧 漢方芍薬堂 上郡町
⁠①緊張したり興奮したりすると交感神経が亢進するので血圧が上がります。  ストレスを発散しリラックスに心掛ける。
②睡眠不足は良くありません。充分な睡眠時間と質の良い睡眠を。
③適度な運動は血流を良くし血管を柔らかくし血管壁への負担を軽減します。基本は歩くこと。
④お風呂は熱い湯につかると血圧が上がり交感神経が亢進します。ぬるめのお湯につかり芯から温もりましょう。高齢者の一番風呂は禁物。

 

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