肥満と漢方薬

肥満とは

人類の長い歴史の中で人は常に飢餓の脅威にさらされて生きてきました。農耕が盛んになった江戸時代においても飢饉が多くあり、人の食は満たされてはいませんでした。その長い人類の進化の過程で人は、食事から得られた余ったエネルギーを脂肪として皮下や内臓に蓄える機能を身に着けました。

 

しかし現在では食品ロスを生み出すくらいの飽食時代となり、飢餓にそな脂肪を蓄える機能はかえって邪魔になってきました。車社会となり機械化、IT化された仕事は肉体労働を必要としなくなり、消費エネルギーは極端に減ってきました。
それどころか、消費エネルギーを増やすために人はせっせとジムに通い、お金を出してまでエネルギーを消費しようとしています。

 

食事から摂るエネルギーは、年々変わらないのに、年々人は動かなくなり消費エネルギーだけが減って肥満になる人が増えてきました。特に男性は肥満の傾向が顕著になってきました。
厚生労働省の「国民健康栄養調査結果の概要」では20歳以上の男性31.3%、女性20.6%がBMI25以上と言われており、年齢が増すごとに肥満傾向が高くなり、男性では50歳代にピークの36.5%、女性は60歳代をピークに24.2%がBMI25以上の肥満という調査結果になっています。

 

肥満の原因は、食べ過ぎが主な原因ですが、その背景因子として30%は遺伝、70%は生活習慣と言われています。1994年に肥満遺伝子が発見されました。それはβ3アドレナリン受容体遺伝子という遺伝子で、脂肪細胞のうち、褐色脂肪細胞のほうで熱産生をし、白色脂肪細胞のほうで脂肪分解に関わり体重が増えないように役立っています。しかし、この遺伝子が変異していると、食事制限をしてもやせにくいのです。この変異した遺伝子を持っている人が食べ過ぎ、運動不足、ストレスがかかるなどの生活習慣を続けてしまうと肥満になってしまいます。

肥満の類型

【外見から見た肥満】
リンゴ型
いわゆる上半身肥満で腹部から上に脂肪が付きます。上半身につく脂肪は皮下脂肪と内臓の周りにつく内臓脂肪に分けることができます。特に内臓脂肪は生活習慣病へのリスクが高く、最近では重要視されています。CTでの腹部検査で脂肪の面積が100㎡以上あれば内臓肥満と呼ばれています。

 

洋ナシ型
洋ナシ型は、中年以降の女性に多く、生活習慣病へのリスクは少ないとされていますが、生理のトラブルの原因になったり膝・腰・股関節への負担増となり新たな疾患の引き金にもなります。

 

【質的違いから見た肥満】
脂肪太り
上記のリンゴ型、洋ナシ型で体質的には丈夫で元気な人に多くあります。

 

水太り
ぽっちゃりとして色白で、このタイプは女性に多く、疲れやすく、汗をかきやすい、むくみやすいなどの傾向があり、膝関節が腫れて痛み水が溜まる人もいます。

メタボリックシンドローム

 メタボリックシンドロームは肥満を背景として動脈硬化による脳梗塞、狭心症、心筋梗塞のリスクが高い状態を言います。定型的にはリンゴ型の内臓肥満の人で血糖、血中脂質、血圧のどれか一つ以上が数値異常であり、腹囲が男性85㎝、女性90㎝以上がメタボリックシンドロームと言われています。

肥満と腸内フローラ

肥満の人と肥満でない人の腸内フローラには大きな違いがあるということが、最近の研究で明らかになってきました。肥満の人はフィルミクテス門の細菌が多く、バクテロイデス門の細菌が少ないことが分かってきました。
腸内細菌はフィルミクテス門とバクテロイデス門の二種類が腸内で優位になっています。フィルミクテス門と言うのは、発酵食品に含まれていたり、皮膚に常在していたり、土壌菌などです。バクテロイデス門は、善玉菌に加勢する日和見菌と言われています。
腸内細菌は、腸内で食べ物を分解する時に様々な短鎖脂肪酸を排出します。バクテロイデス門の細菌群が食べ物を分解する時に排出する短鎖脂肪酸は腸から吸収され血中に入り脂肪細胞に働きかけ脂肪の取り込みを抑制し肥満になるのを防いでくれています。一方フィルミクテス門との細菌群は、食べ物から取り込むエネルギーを促進し肥満になりやすいと言われています。

 

濃縮乳酸菌を毎日摂取することで、腸内フローラを調え腸管免疫だけではなく肥満を予防し生活習慣病も予防しましょう。

肥満と漢方薬

 そもそも漢方には肥満と言う概念がなく、漢方の長い歴史の中、大正、昭和時代人が裕福になり食に困らなくなってから注目されるようになりました。その当時は肥胖症と言っていました。その時代、森道伯が創り出した日本漢方の一流派、一貫堂後世派の理論に「臓毒証」があります。
臓毒とは、食毒、水毒などによる臓器の毒で、今で言う生活習慣病になりやすい体質のことを言います。また、臓毒と言う言葉は、漢方の古典である「外科正宗」の中にも「臓毒は、醇酒厚味、云々」とあり食毒であることを示しています。

 

実際、漢方薬はやせ薬でありませんが、代謝機能を高め、太りにくい体づくりの助けになります。それには、その人の虚実、気血水を把握し証に従って漢方薬を用います。

肥満と養生

【肥満の養生】
ウォーキングなどの有酸素運動を毎日行い、血行を良くし基礎代謝が肥満と漢方薬 上郡町上がるようにします。ストレスで自律神経が乱れると脂肪の燃焼と貯蔵のバランスをとっている交感神経の機能が低下し脂肪が燃焼しづらくなり肥満になります。ストレス食いをいない様、日々ストレスを解消しオンオフのあるメリハリのある生活を送りましょう。休日には、自然の中に身を置き五感で癒しを感じましょう。

 

【肥満の食養生】
食べ過ぎないのは当然ですが、夕食にウエイトを置かない、ドカ食いしない、早食いしないなど食事の仕方の改善し腹六分目にする。
食事内容も炭水化物にや脂質の多い食材は避け野菜、海藻、豆類などバランスよく、たんぱく質は豆類で摂り肉よりは魚類を中心にする。
アルコールは控える。

 

漢方的には、薬膳の理論で旬の食材、近海近郊でとれた物を中心に、五味の調和を調え、その時期、体質の応じた食事にする。詳しくは、漢方相談の中で毎日家庭で出来る薬膳のご提案をしています。

肥満がなりやすい病気

高血圧糖尿病痛風、高脂血症、動脈硬化脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、脂肪肝など

 

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