脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)

脳卒中

 


 脳卒中とは脳血管障害のことで、昔は「中風」と言っていました。
漢方薬の古典にも脳卒中に対応する漢方薬に記載があり、江戸時代には、中風に関する専門書も出版されました。

 

 ストレスの多い現代社会において、飽食、不規則な生活から高血圧や動脈硬化を引き起こす因子が増えてきました。現在では脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が代表的な脳血管障害(脳卒中)です。

 

 

 

脳梗塞

 


 脳梗塞は、脳の血管が加齢、高血圧糖尿病、高脂血症、その他生活習慣により動脈硬化を起こし血流が悪くなったり血栓がはがれて詰まってしまうことで起こります。(アテローム血栓性梗塞)

 

 

 

脳出血

 


 脳出血は、脳内の血管が動脈硬化、高血圧などの原因で破れて出血した状態を言い、そのために頭痛、嘔吐、意識障害、運動麻痺、片麻痺、感覚異常などの症状が現れます。

 

 

 

くも膜下出血

 


 くも膜下出血は、脳の動脈がこぶのように膨れ、それが破裂し出血を起こします。突然の頭痛が起こり吐き気、嘔吐、うなじの凝りが起こる。頭痛ははじめは軽いが次第に強い頭痛となる。

脳卒中・脳梗塞後遺症と漢方

漢方では、「未病を治す」という考えから脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)についても予防することを第一に考えます。
大切なのは、先ず養生、食養生、こころ養生で、養生なくして漢方治療はありません。
それには、身体を温め血行を良くする養生、食養生に血剤を中心とした漢方薬を用います。
これは脳血流だけではなく全身の血流を良くし末端まで行き届くようにします。これは健康長寿にもつながります。

 

 脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)の治療は、先ずは西洋医学ということになりますが、手術後、後遺症として麻痺や言語障害などが残り、体力気力が低下します。漢方では、体力気力を補う漢方薬を用い脳および全身の血行を良くし術後の回復を助けます。脳梗塞と漢方薬 漢方芍薬堂 上郡町

 

 脳卒中後遺症脳梗塞後遺症に用いられる有名な漢方処方としては、清朝時代に出版された「医林改錯」に記載されている「補陽還五湯」があります。
「半身不随(下半身麻痺)、口眼歪斜(口や目がゆがむ)、言語蹇渋(うまく話せない)、口角流延、大便乾燥、小便頻数、遺尿失禁(小便や大便の失禁)するを治す」とあります。

 

まさに、脳卒中後遺症に適応しています。
この漢方処方は、気血両虚した虚弱な人に適しています。脳卒中の後遺症に用いるだけでなく、高齢者や慢性病や術後の衰弱している人の諸症状にも応用できるありがたい漢方薬です。

 

現代の補陽還五湯の効能・効果は、しびれ、筋力低下、頻尿、軽い尿もれ
となっていますが、原典を見れば脳梗塞後遺症のリハビリに用いる漢方薬であることが分かります。

 

 また、もう一つ脳卒中後遺症、脳梗塞後遺症に役立つ有名な漢方薬があり
張仲景の「金匱要略」には、続命湯という漢方処方が記載されており「中風(半身不随)痱(麻痺)にて身体自ら収めること能わず(自分で自分の体が動かせない)口言うこと能わず(しゃべろうとしてもしゃべれない)冒昧(はっきりしない)にして痛むところを知らず、或いは拘急(手足がひきつれる)して転側するを得ず(寝返りができない)を治す」とあります。

 

麻黄、石膏が配合された漢方薬であり、どちらかといえば中証以上の体力のある人の脳卒中の後遺症の人に向いている漢方薬です。

 

現代の続命湯の効能・薬効は、「しびれ、筋力低下、高血圧に伴う(めまい、耳鳴り、肩こり、頭痛、頭重、頭部圧迫感)気管支炎、気管支喘息、神経痛、関節の腫れや痛み、頭痛、むくみ」となっています。

 

 この続命湯は、徳川慶喜の典医で明治天皇の侍医を務めた浅田宗伯もその著書「勿語薬室方函口訣」のなかで
「この方は、扁枯(下半身不随)の初起に用いて効あり。その他産後中風身体疼痛する者、或いは風湿の血分に渉りて疼痛止まざる者又は後世五積散を用いる症にて熱勢劇者に用うべし」
と産後にも幅広く使っていました。

 

 脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)の後遺症に用いる「補陽還五湯」「続命湯」などや気血の流れを良くする「牛黄」は、リハビリ漢方薬とも言えます。

脳卒中と養生と食養生

脳卒中の養生は、他の疾患の養生と同じですが、原因となる生活習慣の因子の改善にあります。過食、喫煙、飲酒を脳梗塞後遺症のリハビリ 漢方薬 上郡町 赤穂市やめる。
食べ物は、玄米、豆類、旬の野菜、海藻、魚(青魚)を中心にし脂っこい肉類は控える。肥満の人はリスク要因となりますので、腹八分目にし、出来ればダイエットをして適正体重を維持しましょう。

 

運動不足を解消しストレスを溜めない生活を行います。
体を動かすことは、リハビリにもなりますので、理学療法士の行うリハビリは勿論のこと、積極的に歩くことを基本に日常生活を送りましょう。

 

脳卒中の予防、脳卒中・脳梗塞の病後の漢方薬・養生法のご相談は、上郡町の漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。

 

本間棗軒 漢方芍薬堂 上郡町漢方コラム
本間棗軒の「内科秘録」に
「中風は精神耗散より起こる病にて、名利の為に思慮を費やし、或いは君の左右に近侍して心配する者に多し。」
とあり、神経を使いすぎたり、人によく見てもらいたいとか、上司のご機嫌ばっかり取っている人になりやすいといっています。

 

#赤穂市 #姫路市 #たつの市 #相生市 #備前市 #佐用町 #宍粟市

脳卒中と漢方薬のご相談は漢方芍薬堂へ

漢方芍薬堂

兵庫県赤穂郡上郡町岩木甲158-55

TEL0791-57-3708

漢方芍薬堂は、兵庫県神戸市・明石市のお客様はもとより上郡町、西播磨、赤穂市、相生市、たつの市、備前市、佐用町、姫路市、和気町からのお客様を心よりお待ちしています。