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クマがり犬ビリー
クマがり犬ビリー

猟師の家で猟犬として飼われているブルテリア犬のビリーは、いたずらしたり遊んでばかりで、少しも猟犬らしくありません。
将来を嘱望されているのですが、いつまでもダメ犬のままでした。
ところが、クマ狩りについて行ったビリーは、勇敢にも主人を絶体絶命の危機から救うのです。

それぞれの役割をもつ猟犬のチームの面々が個性的に描かれています。
特に、虚栄心の強いブルドック「おにトルコ」の性格描写が秀逸で、リーダーに対する妬みが、陰湿的に描かれていて、犬の社会も人間と変わらないんだなと、ゾッとしてしまいました。
ビリーは、チームの中でも浮いた存在ですが、窮地に立たされた場面で真の実力を発揮し、美味しいところを全部持っていってしまったという感じです。

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少年とオオヤマネコ
少年とオオヤマネコ

病弱なため、森の中の丸太小屋で療養生活することになったソーバン少年。
森林の新鮮な空気に囲まれて、充実の日々を過ごします。
ところが、ある日、少年と丸太小屋の兄妹に、恐ろしい熱病が襲いかかります。

極限状態の中で、少年達のサバイバルを描いた本作は、シリーズ中でも、かなりの異色作となっています。
凍えるような寒さに襲われる熱病で苦しんでいる最中に、お腹をすかせたオオヤマネコが、小屋の中に進入してきます。
はたして、少年は絶体絶命のピンチを切りぬけられるのでしょうか。

図鑑でオオヤマネコを見ましたが、ネコというより、まるでトラです。
とても素手では勝てませんよ〜。
少年の勇気と根性に感服しました。

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キルダー川の
アライグマ
キルダー川のアライグマ

人間の掛けた罠にかかり、家族と引き離されてしまうアライグマの子供。
悪戯ばかりして飼い主に迷惑ばかりかけ、ついには猟犬の訓練用のおとりの役目をさせられることになります。

冒頭では、アライグマの家族の生活のようすが、ほのぼのと描かれています。
それだけに、アライグマの子が罠にかかってしまう場面は衝撃的でした。

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ギザ耳ウサギ
ギザ耳ウサギ

沼のほとりで、ウサギの母と子が、ひっそり暮らしていました。
子ウサギは、生まれて始めて出会った蛇に、耳をかじられてしまいます。
しかし、その後、お母さんから自然の中で生き残る方法を、たくさん教わり、りっぱに成長していきます。

野バラの中に身を潜め敵をやり過ごしたり、足で地面を叩いて母親と連絡しあったり、ウサギの身を守る手段の豊富さに驚かされます。

野生のウサギというのは、こんなにもタフなものなのでしょうか。
わが家のウサギたち(2匹飼っています)はというと、1日中ごろごろしていて、情けない限りです。

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あわふきぼうず
あわふきぼうず

クマに家族を襲われ、女の子に助けられた野生の野ブタの子は、農家で飼われることになりました。
興奮すると口から泡を吹くので「あわふきぼうず」と名付けられます。
何年か過ぎたある日、あの憎きクマが農家の家畜を襲いに現われます。

おおよそヒーローとは、程遠いキャラクターのイノシシですが、本書では誇り高き勇者として、抜群の存在感を出しています。
数々の困難に遇いながらも、弱虫から立派に成長していき、遂にクマとの対決を迎えるのです。

わたしは本書がシートン動物記の一番の傑作だと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。

小林 清之介 文
たかはし きよし 絵
あすなろ書房 約85ページ 漢 知



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シートンどうぶつ記
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