構成の実際

実際に簡単な構成をしてみましょう。
例えば皆さんが、食品を扱うお店での店長さんとします。1週間に一度は朝礼で接客に役に立つことを話さなければならない立場とします。そうすると、話す題は「接客で注意すること」になるでしょうね。
話材として、「接客バンザイ350号」の過去の内容を活用してみます。

「接客バンザイ350号」では私の目撃した豆販売店が話材になっています。                  目撃した具体的な内容は次のようなものです。

「昔の店舗のまま量り売りで営業しています。塩豆、南京豆、砂糖衣の豆など、店頭にずらーっとそれぞれの箱に入れられ、その上をガラスの蓋で覆って並んでいます。それぞれの箱の中には一合あたりの金額が書かれています。塩豆200円、南京豆500円、砂糖衣の豆200円というように。そして、お客が好みの豆を注文すると、接客者が一合枡で測りながら紙の袋に入れてくれます。

私の子供の頃の記憶のままです。懐かしくなって寄ってみました。平日のせいでお客もいません。店内では年配の女性が一名、椅子に座って客の来るのを待っているようです。そばで猫が眠っていました。

「お願いします」
「いらっしゃいませ」
「量り売りできますね」
「はい、お好きな量を言ってください」
「この豆一合、これニ合ね、そしてこの豆が一合・・・」と注文しました。

すると、接客者がガラス蓋を開けて、枡で豆を直接すくって入れます。そして一合ピタリに図るために、枡の上部を手のひらで横になぞって余分な豆を落とします。それを紙袋に入れました。そして、おまけと言って手のひらで少しの豆を握って紙袋に入れます。」

このような目撃談から、主題を決めるのです。
まず主題は何にしましょうか。
いろいろ考えつきますね。
例えば「自分たちの動作は、お客様はどう感じるか、清潔に感じるようにチェックしましょう」とします。
主題と例を結びつければ一つの話として成り立ちます。

例えばこんな風に作れます。
皆さん毎日お客様と元気に接していることと思いますが、よりお客様に好感をもたれるためにはご自分の接客をチェックすることをお勧めします。

先日、量り売りで営業をしている豆屋さんに立ち寄りました。塩豆、南京豆、砂糖衣の豆など、店頭にずらーっとそれぞれの箱に入れられ、その上をガラスの蓋で覆って並んでいます。それぞれの箱の中には一合あたりの金額が書かれています。塩豆200円、南京豆500円、砂糖衣の豆200円というように。好みのものを、接客者が一合枡で測りながら紙の袋に入れてくれます。

店内では年配の女性が一名、椅子に座って客の来るのを待っているようです。そばで猫が眠っていました。

その女性に何種類かの豆を注文しました。すると、接客者がガラス蓋を開けて、枡で豆を直接すくって入れます。そして一合ピタリに図るために、枡の上部を手のひらで横になぞって余分な豆を落とします。それを紙袋に入れました。そして、おまけと言って手のひらで少しの豆を握って紙袋に入れます。いままで、そばに猫が寝ていて、その猫を撫でていたかもしれない手で直接豆を触ってです。お客様が来たらいつもやる動作でしょうが、とても不潔に感じ、もうこの店は行かないだろうなと思いました。

お客様は口に直接入る商品の取り扱いには衛生面にとても敏感です。そして皆さんの動きを無意識に観察しています。不潔だなと感じたら、もうお店にはいらっしゃいません。もう一度皆さんの動きがお客様にはどう見えるのかチェックしてみましょう。お客様に清潔でおいしい商品を満足してもらうために。」

いかがでしょうか。
このように、主題を決めれば、それに合う話材を持って来れば、わかりやすい話になります。このような流れで工夫すれば構成することは難しいことではありません。
どうぞ工夫して皆さんにわかりやすく、主題が印象深く記憶に残る話を作ってください。