言葉の不思議

〇話をすることの難しさ
私達は生まれた時から不自由なく言葉を使って生活しています。言葉を使えばなんでも伝わると思っています。でもここに問題があって、接客者とお客様は違う人です。年齢、性別、生活環境、経験、考え方等の違う要素を持った人達です。100%同じ要素の人はいません。人が話を聞く時は、自分の要素を通して瞬時に理解します。ゆっくりではありません。ですから、知識、経験、考え方等が違えば違うほど誤解を生じやすい、つまり、自分の思ったように理解してもらえない可能性があります。話をする時は、相手の年齢、性別、経験、生活環境などを考えて言葉を選ばないと誤解されてしまうのです。その結果お客様を不快にさせては困ります。

〇分かり合うことの大切さ
コミュニケーションが良好と言うことは、自分のいうことを相手が正確に理解して、相手の話したことも正しく理解できた時、すなわちお互いが分かり合えた状態なのです。でも、人は普段分かり合うことを意識していないので話す時は話すのみ、聞く時は聞くのみの一方向のコミュニケーションになっています。お客様と接客者が本当に分かり合うには、お客様が話した言葉の意味を正しく接客者が聞いたか確認の問いかけをする、また、お客様に話したことが正しく理解されたか、確認のために聞くことが重要です。「話す」と「聞く」の両方の工夫がされた時、お互いが分かり合えるのです。仕事はちょっとした誤解がトラブルに変わります。普段から習慣的に実行しましょう。

〇復唱確認の意味
仕事で行っている復唱確認は分かり合うためにやっているのですが、その意味を考えてやっているでしょうか。レジに伝票内容を入力するとき、商品名を声を出して言っていませんか。これは商品名を復唱して、購入した商品が間違っていないかお客様と分かり合うための行為です。ところが確認しているつもりで商品名は言っているけれど、口ごもったり、小さい声でお客様に聞き取れない接客者が目立ちます。これでは分かり合うための復唱になっていません。復唱の行為は、購入品をお客様と店側が分かり合うための行為なのです。