何について話すのか

何について話すのか。もっとも基本的なことですが、結構意識しない人がいます。

ある結婚式のスピーチで、新郎のお友達が挨拶しました。もうだいぶお酒を飲んで酔っ払ってるようです。饒舌に言葉は出てきます。男性の仲間たちはその話を聞いて大笑い。だいぶ騒いでいましたが、一般の招待客や新郎・新婦の親族は苦笑いのようでした。内容が新郎が仲間たちと行ったナンパの話だったのです。結婚式で新郎新婦がこれから新生活を行うのにそぐわない話でした。
このように仲間内に受ければそれでいいというような内容では、その場にいたすべての人からいい評価はされません。
ですから「まず何を伝えたいか」ということが重要です。

その場にどのような人たちが集まってるのでしょう、年齢は、職業は、生活環境は、価値観は、どのような目的で集まっているのか、それを考えた上で何を話すのか、テーマを考えなくてはなりません。それがその場に集まった人に受け入れられるものにすることが大切です。
大勢を前にして話す場合は、いろいろな聞き手に様々な聞かれ方をされていると言うことを忘れてはいけません。一対一の会話の場合と違い、その聞き手一人ひとりの感じ方を確かめながら話すと言う事は、まず不可能です。ですから、話し手が最初に自分の考えをしっかりまとめて、誤解なく理解してもらうよう工夫をしなければなりません。
「とにかく一言挨拶を」なんて言われたら、その会合の目的に合った話の内容にしなければ効果はありません。全然関係のない自分の自慢話をしていた人の話を聞いたことがありますが、どんなに一生懸命話しても、聞いてもらえないし、記憶にも残りません。同時にその人の評価が下がります。何のために話すのかということが大切です。