第351号~第400号

2014/10/20  第351号

私の友人が福島県のある温泉に家族4人で1泊旅行をしたそうです。毎年の恒
例行事で、どこに行くのか探すのも楽しいそうです。旅館の検索サイトを利用し
て、今回紅葉で有名な観光地を回るのに、地理的に便利の良い場所を条件として、
利用客からの評価の高い旅館を探しました。何軒かの候補の中に、ちょうど8年
前に利用した旅館があったのでそこに決めました。

紅葉を十分楽しんだ後に旅館に着きました。宿に着くと抹茶のサービスがあり、
種々のサービスの説明を受けました。前に利用した時と比較して、新たなサービ
スが記憶に残りました。夕食前にお風呂に入り、夕食までの時間つぶしにラウン
ジに行くとワインのサービスがあったそうです。ちょっと景色を見ながらのワイ
ンに舌鼓を打ったとか。

夕食も量が十分で、季節の料理をお腹いっぱい楽しめ、家族で見た紅葉の話や
日常の出来事など、満足ゆくほど話ができたそうです。食事の後も就寝までの時
間に、もし小腹がすいたら、ラウンジで温泉卵を無料でサービスしていますと教
えてもらいました。8年前と比較しても、サービスが増えたと感じ、とにかく食
べることに関しては十二分に満足したそうです。

翌朝チェックアウトする時に、ロビーで見送りを受けました。確か8年前は、
スタッフが荷物を乗用車まで運んでくれて、そこで見えなくなるまで見送ってく
れたのに。物を受けるサービスは確かに増えてうれしいけど、それぞれの場所で
のスタッフの数は足りないようで、人との触れ合いが少なくなった気がする。そ
れだけが心残りと話していました。

もしかしたら、その日たまたまスタッフがいないため、そうなったのかもしれ
ませんし、車まで運んでほしいと頼めばやってくれたのかもしれません。お客は
受けたサービスだけで判断するでしょうから、人との関わりが少なくなったと感
じると、さびしいと思うでしょうね。サービスの流れの中で、お迎え、見送りな
どポイントはきちっと押さえておかないと印象を悪くするかもしれませんね。

皆さんはいかがですか。



2014/11/2   第352号

先日、ソファを買い替えようと思い、家具店を4軒回りました。ブランド物を
扱っている店から廉価なものを扱ってる店までまちまちです。それぞれの店で説
明してくれた接客者を比較すると面白い傾向がありました。

高級志向の店の接客者は、言葉遣いもしっかりしていて敬語も最上級の言葉を
間違いなく使います。また質問したことに関して、メーカーの特徴、素材、製法
などをわかりやすく説明してくれました。自分で分からないことは奥に行って調
べて説明してくれました。

それに比較して、廉価なものを扱っている店の接客者は、説明の部分で物足り
なく感じました。まず知識がありません。質問に対して分からないままで、分か
らないものは調べようとしません。

他の2軒の店の接客者は、メーカーの特徴、素材、製法など質問に対してはよ
く知っていて答えてくれます。ところが片方の店の接客者は話をしていても品が
あって説得力がありますが、一方の店の接客者はなんか品がなく、信頼感がない
ように感じました。

なぜかな、と思いましたが、敬語はどちらもそこそこ使いますが、ところどこ
ろになれなれしい言葉遣いになっています。どちらも説明力はあるし、言葉遣い
も同じようです。でも感じ方が違います。

よく観察していたら、声の出し方が違っていました。片方は声も通るしメリハ
リがあって説得力のある話し方になっていました。信用力が低いと感じた人は、
声も通らないし、話し方が一本調子で少し高い調子で話をします。話し方にメリ
ハリもないためそう感じたのでしょう。

怖いですね、同じような言葉遣い、説明力であっても、声の出し方によって感
じ方が違ってくるのです。声をチェックすることも必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2014/11/16   第353号

夜にスマートフォンを充電中、ちょっと使おうとしてスリープ解除ボタンを押
しても画面が出てきません。どうしたのかなと思いながら、そのまま寝てしまい
ました。

翌朝、いくらやっても画面が出てきません。おかしいなと思い、スリープ解除
ボタンの長押ししてみましたが電源が入りません。故障したのかな、使えないと
困ると思い焦りました。たまたま午前中に時間が取れたので、店が始まる時間を
待って、購入した携帯電話販売店に行きました。

最初のお客でした。担当の男性接客者に、「昨夜から電源が入らないで困って
るんだけど。どうしたんだろう」と事情を説明しました。「ちょっと貸していた
だけますか」とスマートフォンを手に取り、電源を入れました。すると「入りま
すが」と言いながら私の顔を不思議そうにじーっと見ています。電源が入って画
面が出てきたのです。「えーっ、なんでもないの」と言いながら、「なんでだろ
う」と考えながら私の頭の中はパニックです。おかしいそんなわけない。確かス
リープボタンを長押ししても電源が入らなかったのに。

昨夜、充電した後に画面が出なくなった。いくらやっても画面がでない。長押
しして電源を落として、その後に再度やって電源が入らない。何度説明してもか
えってくる言葉は「わかりませんね」の言葉。帰ってくる言葉数が少なく、じー
っと見てられると、「説明してることをきちっと聞く気がないな。こんな基礎的
なこともわからないんだからと思って馬鹿にしてるんだろうな」と感じとても不
快でした。

話の中でスマートフォンは「何かの影響でリセットするときがあるので、その
時は長押しが必要」ということを教えてくれました。接客者は馬鹿にする気がな
く、いつものように言葉数少なく対応していたのかもしれません。でも言葉もな
く見つめるものですから、馬鹿にしてるなと勝手に思えました。例えば「こうい
うことはたまにありますよね」とか「電源が入らないとびっくりしますよ」「機
械本体が何ともなくてよかったですね」なんて、慰めるような言葉があればそれ
ほど不快にならなかったでしょう。ちょっとした言葉のやり取りが大切ですね。

皆さんはいかがですか。



2014/11/30   第354号

今年もあと1か月を残すのみになりました。この時期には年賀状欠礼の知らせ
が届きます。

知り合いの母親が亡くなりました。その方は和服が好きで、買いそろえること
が趣味だったようです。100枚ぐらいの数があるため、故人が本当に好きだった
着物は思い出に何枚か残して残りは処分することにしました。

HPなどで和服の引き取り業者を調べ、呼んで見積もってもらうと、和服は簡
単に見るだけで、それより貴金属はないかと、他のことを要求することが多く、
信用ができなかったようです。

そこで、かつて母親に着物を販売していた営業マンを思い出し、電話して引き
取り業者の紹介を依頼しました。するとその営業マンは、快く紹介し、その業者
が見積もりに来る前に、家に来て見積もりしてもらう時の心構えを教えたようで
す。

着物をチェックしたら、きちんとたたんでもらうこと、業者の中にはいいかげ
んなたたみ方をして、折しわを作る人がいる、それができると価値が下がるから
気を付けるように。また、この箱に入ったものは金額が高いから、きちっと査定
してもらうように等など。あまり和服の知識のない家族に、丁寧に教えたようで
す。

今までは、その営業マンが一人暮らしの母親にうまく取り入って和服を売りつ
けているように思っていました。今回わざわざ家まで来て、そのように親切にす
るのはなぜか、聞いたそうです。すると、「お母さまには大変お世話になりまし
たから、少しでも何かお役にたてればと思いまして」と答えました。そうした対
応から、その営業マンへの不信感が少し変わったようです。

確かに、多くの着物を買ってもらったという感謝の面もあるでしょうが、今後
家族が新しい顧客になるかもしれない期待もあるかもしれません。そうすれば、
両方から見て、WIN WINの関係になります。そうした関係は、行動の原動力にな
りますね。

皆さんはいかがですか。



2014/12/14   第355号

毎日寒い日が続きますね。風邪が流行ってるようですが、私も風邪を引いて
しまいました。結構長く2週間近くになりますが治りません。

かかりつけの医者に診てもらい薬をもらっています。たまたまのどの痛みもひ
どくなったので耳鼻科の医院にも行って診てもらいました。

待合室から受付のカウンターがよく見えます。患者が多いのですが、そんな中
80歳を過ぎているでしょうか、年配の女性が入ってきました。受付でのやり取り
が聞こえてきました。
患者「すみません、〇〇ですけど、診察券を忘れちゃったんですけど。わかりま
すかね?」
受付「それでは保険証はありますか」
患者「前に来たとき渡してるでしょ」
受付「保険証は必ず見せていただいた時は、お返ししていますが」
患者「そーお、じゃーちょっと探してみますね」

その女性は、椅子に座って、カバンの中をごそごそ探しています。独り言を言
いながら「急いでいたから、診察券をテーブルに出したけど、出かける時に忘れ
ちゃったんだよね」「おかしいな、保険証も重ねて置いて診察券と一緒に持って
こないのかな」5分程探していましたが結局ありません。
患者「ないけどわかります?」
受付「はい」 

10分程してから
患者「家に電話させてもらえますか」
受付「こちらからかけて、ことづけしましょうか」
患者「私がかけられない」
受付「はい、そちらに電話機が届きませんし、こちらからお家にかけてことづけ
しますよ」
患者「・・・・」
受付「どうしますか」
患者「じゃー言ってください。ストーブを消し忘れてきたか、わからないので見
て欲しいと」

受付「電話を何度かしましたが出ませんが」
患者「おかしいわね、そんなことないんだけど」
しばらくして
受付「つながりまして、その件はことづけしました。後で迎えに来るとおっしゃ
っていました」
患者「あっそう、お世話様」

そのやり取りを聞いていて、とても親切な受付だなと思いました。医療技術に
関係がありませんが、その医院の好感度が上がりました。患者も年配者などがい
れば、いろいろな要求をされるかもしれません。そしてそのやり取りは待合室に
聞かれます。その対応が冷たく感じれば医療技術に関係なく医院の評価が下がる
かもしれません。周りに聞かれている、見られていることの影響は大きいですね。

皆さんはいかがですか。



2014/12/28  第356号

各地の食品街は、年末になると正月用の生鮮食品などを買い求める人で混み、
テレビやラジオで年の瀬の風物詩として紹介されています。ちょっとした会話の
やり取りで必ずしも必要ないものを買ってしまうことがありますね。

先日もある魚屋の店先を通りかかった時に、呼び込みがダミ声で鮭を売ってい
ました。広告に1300円に×印がしてあります。その前に鮭がたくさん盛ってある
皿があります。店員が「1皿1000円、1000円だよ、持っていかない」と道行く人
に声をかけまくっています。

声をかけられたので皿を見て、数えてみました。「1,2,3、・・・・あっ
10匹ぐらい入ってる」というと「さー。安いよ、どーお一皿?」と盛んに勧めま
す。「多いな」「例えば冷凍にして4人家族なら2回に分けてしか食べられない
から、多くないよ」とお客と掛け合って説得して売ろうとしています。

興味がなかったものを、声かけられてちょっと興味がわいてきましたから、交
渉してみました。「じゃー100円安くしてよ、買うから」すると「そんな客いら
ない、他の店行って」と冷たく打ち切られました。何か上から目線で言われてい
る感じがしました。「じゃーいらない」と言って帰りましたが、なんか腹の虫が
収まりません。

全然買う気がなく、興味がなかったのに、呼び込みに声をかけられ、言葉を交
わすことで興味がわき、さて交渉しようかなという気になった矢先です。呼び込
みからお客に話しかけて対応しているなら、言葉を使ってお客に販売交渉をした
ことになります。それを一方的に切るやり方。不満が残りました。

例えば、コピー機の営業マンが「ちょうどモデルチェンジの時期でいつもは〇
〇円のところ、××円で販売できますのでいかがですか」とある会社に勧誘に来
たとき「△△円にしてよ」と頼んだら「そんな客とは取引できません。他にあた
ってください」なんて言われたら、その会社には出入り禁止になるでしょう。

自分から呼び込んで仕掛けたのですから、言葉を工夫しないと怖いですね。
あの時も興味が湧いてきて、衝動買い寸前になっていましたから「すみません、
できればいいんですけど、これが目いっぱいなんです」なんて言われれば、買っ
てしまったかもしれません。

呼び込みは一種のお客との言葉のゲーム。お客の心理を考えて言葉を工夫しな
いと、知らないところで不快にしているかもしれません。

皆さんはいかがですか。

今年も「接客バンザイ」を読んでいただき、ありがとうございました。
皆さま、良いお年をお迎えください。



2015/1/11   第357号

皆さんは、初詣はどこにいらっしゃいましたか。

私は地元の氏神様に初めて行きました。今まで一度も行ったことがありません。
元旦に行くと地元の消防団など関係者がお世話をして、お神酒の接待などがあっ
て賑やかという話は聞いていたのですが、ちょっと距離もあるので今までは遠慮
していました。

3日の日に行ってみようかなという気になりました。時間は午後3時ぐらいで
す。行くと初詣の人は誰もいません。いるのは私たちだけです。ちょうど3日の
午前中まで接待をしていたのでしょうか、関係者が4,5人、社の中をかたずけ、
またテントを畳んだりしていました。

さい銭箱のそばまで行って、2名作業していたのですが「お参りしていいです
か」と尋ねると、「どうぞ、お接待の片づけをしているだけですから」と言いま
す。そこで社の正面に向かい、さい銭箱の前に立ってお参りをしようとすると、
片づけていた2名が途中で作業をやめてその場をいなくなりました。お参りした
後、見るとその人たちは、ずーと離れたテントの片づけ作業を手伝っていました。

気配りがあるなと思いました。もし、お参りしている時に隣で作業されていた
ら、あわただしく神聖さもなくありがたみもないでしょう。この時間にお参りに
来る人はほとんどいないのでしょう。ですから、そうならないように配慮したよ
うです。私たちがその場を離れたらすぐ持ち場に戻って作業を開始していました
から。

この関係者はもしかしたら、サービス業に従事している人かもしれませんね。
常に相手がどう感じるのかなという視点で対応できていますから。

皆さんはいかがですか。



2015/1/25   第358号

私の友人が兄弟の家のホームパーティに呼ばれ、ワインを何本か土産に持って
行ったそうです。ちょうど下車するJRの駅のそばにソムリエのいるワインショッ
プがありまして、いつも利用するそうです。今回も料理に合うワインをいろいろ
選んでもらい買ってゆきました。家までちょっと距離があるのですがバスを利用
して早く飲みたい一心で持って行ったそうです。

兄弟の家族と料理を食べながら、ワインを楽しみ、会話もはずんで賑やかな時
間が過ぎました。買って行った最後のワイン開けたら途中でコルクが折れてしま
いました。どうしても取れないので、購入した店に電話をしたそうです。

たまたま電話に販売した接客者が出たそうで、どのワインを購入したかわかっ
ていたので話がスムーズに進みました。
そしてコルクが折れたことに対しては
「いいワインですと、そういうことが起きるのです。申し訳ありませんがご了承
ください。」
「これは開けられないの」
「心配ありません。開けられますので私が開けますよ」
それを聞いたときに「これから店に持って行って開けてもらってもな、面倒だな」
と思い、それを言おうとしたら「私がこれから伺って開けますよ」と言ってくれ
ました。その言葉を聞いて、驚いて「えー、わざわざ来てくれるの」「はい、す
ぐ伺います」

しばらくして、やってきてソムリエナイフを使ってきれいにあけてくれました。
「ソムリエナイフはテコを使うから開けやすいです。でも難しいですから、それ
用の使いやすいオープナーが市販されていますので使われるといいと思います」
と丁寧に説明してくれました。

わざわざ家まで来て開けてくれた行為に感動し、話をすると購入した後運ぶの
に重い場合は配達もしてくれるなど、知らなかったその店のサービス内容を理解
し、もっと利用するんだと熱く語っていました。

思いがけないサービスは感動を引き起こし、絶対的なフアンを作りますね。
皆さんはいかがですか。



2015/2/9  第359号

先日、ある大型書店で接客者に尋ねました。
「〇〇っていう本ありますか」
「はい、ビジネス関係はこちらです」と私を連れて行って「ちょっとお待ち願い
ます」と言って陳列されている本を覗きながら一生懸命探してくれました。
「申し訳ありません、ただ今在庫がないようで、お取り寄せになるのですが」
「それではいいです」と帰ってきました。
懸命に探してくれている姿を見ていましたから断るのは悪かったのですが、本の
中身を確認してから購入したいと思ったので断りました。でも一生懸命探す姿勢
が印象に残りました。

同じように、書店で本を尋ねたことがあります。その時は、その場に待たせて

接客者が一人で探しに行きました。遅いなと感じましたから、ずいぶん時間がか
かったように思いました。同じように求める本はありませんでした。でも「探す
のが遅いな」と感じた記憶があります。

時間的には同じかもしれませんが、相手の行動が見えないと時間がかかってい
る感じがしますね。商品を買って、包装をお願いするときも、目の前で包装する
のを見る場合と、いないところで包装をされるのでは待たされる時間の感じ方が
違うかもしれません。

お客のために行う行動でしたら、お客に見せるということは時間を短く感じさ
せる工夫になるでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2015/2/22  第360号

TVで今年のDJポリスのコンテストが行われたと伝えていました。もう2年前
になりますか、サッカー日本代表がW杯出場を決めた夜、JR渋谷駅前に集まっ
た群衆をソフトなアナウンスで誘導した機動隊員が話題になりましたね。警察も
群衆相手に高圧的に命令するのではなく、ソフトに協力を呼び掛けるアナウ
ンスを研究しているんだなとその時初めて知りました。

先日、東海地方のあるテーマパークにイルミネーションを見に行きました。
「豊かな自然、美しい景観をモチーフに、最新の特殊イルミネーションで壮大な
景色や移ろいを色鮮やかに表現していて、冬の風物詩として、好評を博している」
という歌い文句に誘われて行ったのです。

平日の夜でしたが、入場者も多かったのですが、会場も広いため混雑という感
じはなく、光のトンネルをくぐって醸し出される演出に満足しました。会場内に
は高い所から見える施設も作られていて、そこに上がると光の演出の全景が見え
ます。

そこに上がる階段は一方通行になっています。おそらく混雑時でも安全に移動
できるようにルールを決めているのでしょう。階段の上にガードマンがいて一方
通行になるようにチェックしています。

ただその人の言い方がきついのです。
階段を登りながら、後ろを振り向いて光の演出を見ているお客に
「途中で止まらないでください」
「登り切ってから写真をとって下さい」
「ここは一方通行なので降りられません」
丁寧語で話していますが、語調がきつくて、命じられている感じです。

ギューギュー押されるような混雑時でしたら、そんな感じはしないかもしれま
せんが、平日で人がそれ程いない時です。非常にきつく感じられます。そのせい
でしょうか、年配の女性のグループが「止まってないじゃないの」と文句を言っ
ていました。

警備の方も状況に応じてクッション言葉をつけたり、語調を意識するなどソフ
トに感じる工夫をしないと、反発が出る可能性がありますね。

皆さんはいかがですか。



2015/3/8  第361号

普段は自動車での移動が中心で、あまり地下越などの交通機関を利用する機会の
ない友人の話です。
 
駅を降りるときに切符を自動改札に入れて通ったら切符が再び出てきたそうで
す。おそらく他線への乗り換え用の自動改札だったのでしょう。切符を持って改
札口の事務室の窓口で駅員さんを呼びました。

「切符が出てきちゃったんだけど」
「出たのをそのまま持って出てください、」
切符が出てきたので、自動改札が故障をしているのかもしれない、教えてあげよ
うという気持ちでしたから意味が分からなかったそうです。
「えっ、」
「〇〇線の乗り換えのために出たんだから、そのままもって出て下さい。」
「乗り換えないけど」
「そのまま持って出てください」

語調がきつく、ものすごく面倒くさそうな嫌な顔をして対応していたそうです。
ムカッとして文句を言おうかとも思いましたが、時間を急いでいましたからその
まま行ったそうです。後で乗り換え用の自動改札は切符が出ることを知り、別に
機械のトラブルでもなかったんだと納得したそうです。

駅員さんからすると、機械が通常の動きをしてるのに、このお客は何を言って
るんだろうという気持ちがあったので、語調がきつくなり、その気持ちのままの
表情が出たのでしょうね。

お客はいろいろです。その施設の機械を十分熟知している人もいれば、今回の
例のように初めての経験の人もいます。そしてそういう人は数も少ないのです。
忙しく仕事をしていると、通常のお客の感覚で対応してしまいますから、そうで
ない人に遭遇した場合は、「当たり前のことも知らないのか」という気持ちがつ
い出て対応すると、クレームに発展する場合がありますね。

仕事をしていて、初めての人もいるんだ、教えてあげようという気持ちを忘れ
ないようにしないと、お客を不快にする可能性がありますね。

皆さんは、いかがですか。



2015/3/22   第362号

先日、焼肉店で2人で飲んでいました。終わりころに、接客者に「水ください」
というと、「はい」と元気に返事をして、しばらくしてグラス一つを運んできま
した。「あれ、二つ欲しいんだけど」というと、「はい」といって運んでくれま
す。

違う店でしたが、3人で行った時も、同じように水を頼むと一つだけ持って来
ました。注文を受けたときに確認しないから、再度持ってこなければなりません。

最初に料理の注文を受けた時、あるいは途中で注文を受けた時は必ず「繰り返
させていただきます。〇〇がいくつ、△△がいくつ、××がいくつですね」とき
ちっと復唱します。でも、水の注文ですと、復唱しないで一人だけに持ってくる
ことが多いのです。

注文時の復唱は間違い防止のため、お客の要求を正確に理解する行為です。で
も毎日同じように仕事をこなしていますと、間違い防止、お客の要求の理解とい
う本来の意味を忘れて、ただマニュアルに書かれてるから、なんとなく習慣でや
ってしまうようになりがちです。そうなると、水の注文の時は、お客の要求を理
解するための復唱を忘れて、注文をしたお客だけに持ってくるということが起き
るのでしょうね。

お客に対するサービスは、その行為、言動が何のためにやるのかという意味を
きちっと理解して行うようにすれば、不注意な対応がなくなるでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2015/4/5   第363号

  関東地方は桜の時期です。桜で有名な場所には多くの人が見物に来ています
ね。桜だけを楽しむのもいいですが、どうせ見るなら、お酒とお弁当、あるい
はお茶とお菓子というように、桜を見ながら喉を潤し、口を動かすのも楽しみ
の一つです。ですから、そうした名所のそばのコンビニは見物客で混雑してい
ますね。

 今までの記憶ですと、混雑しているお客に早く間違えずに会計するために、
真剣にややもすると怖い顔で、テキパキと対応する接客者が目につきました。
また、割り込んだりしたお客には「お客様、そこに並んでください」と語調き
つくお願いしている様子が思い出されます。忙しくて大変だなと思っていまし
た。

 先日、やはり桜の名所近くのコンビニに入った時、男性接客者ですが、多く
のお客に対して、感じよく対応していました。レジを待つ間に並びながら見て
いると「ありがとうございました」の後に、「行ってらっしゃいませ」「お酒
に合いますよ」「袋重くなりますのでお気をつけください」と必ず一言かけて
いるのです。そしてお客に言葉をかけるから、表情もやさしくなって、感じが
いいなと思いました。

 接客時にお客には「速度」「正確度」「好感度」を意識することが必要です
が、混雑時どうしても「速度」と「正確度」だけに気持ちが集中しがちになり
ます。そうすると「好感度」が忘れがちになり、表情が硬くなったり、語調が
強くなります。お客もそのような対応を見ながら順番待ちをしますと、気持ち
よく待てず時間が長く感じます。

 私が目撃した接客者は、まず「好感度」を意識したんでしょうね。一言添え
ても、2,3秒のことです。でもお客に気持ちが行きますから雑な対応になりま
せん。またいつもの「速度」「正確度」が伴ってきます。お客も気持ちよく順
番を待てれば時間も早く感じます。

接客時における要素の中で、「好感度」を基本に考えた対応が大事ですね。
皆さんはいかがですか。



2015/4/20   第364号

私の友人にかつて軽い脳梗塞を起こしたため、血液サラサラになる薬を常用し
ている男性がいます。日常は健康でスポーツマンでもあります。1か月前に山登
りをした時に滑って頭を打ったそうです。一応病院でCTを取って調べた結果、頭
に異常はなかったといいます。

そのことをかかりつけの循環器系の医者に話すと、血液サラサラの薬を飲んで
いると、毛細血管から血液がじわじわ出て将来認知症の発症が起きる可能性があ
るので、1か月ほどしたら頭の検査をした方がいいとアドバイスを受けました。

そこで彼は地元では評判がいい脳外科に行って調べることになりました。診察
前に看護師に現在頭が痛いなどの病状があるか聞かれ、何の病状もないことを告
げ、CTを取りました。それから診察の時間が来ました。院長に診てほしいと告げ
ていましたが、院長は病状の重い人を見るため違う担当医になるといわれていま
した。自分の番になって、診察室に入ると、30代ぐらいでしょうか、若い医者で
した。

若い医者は会うなり「頭打って一ヶ月経ってるんでしょ、なんでもないです。
終わり。」時間にして3秒ほどの診察。病院に行って半日も時間をかけているの
に患者の気持ちを全然配慮していない。「終わりってなんだ、この対応は」と唖
然としました。これで帰るわけにいかないと、循環器の医者から必ず受けるよう
に言われ今日来た、と事情を伝えると、医師も少し会話をして説明を始めました。
「CTを見る限り頭を打ったことの影響はないし、そこから今後出血することはな
い、循環器の医者だからそういったんでしょ。」という対応。

それにしても、事前に話した血液サラサラの薬を飲んでることも理解していま
せん。何のために最初に看護師に話したのか、きちっと医師が聞かなかったのか。
それともCTの結果、問題は何もなく、現在病状が出てないことを前もって言った
いたため、軽い対応になったのでしょうか。若い医者は気が付いていませんが、
彼はもうこの病院は利用しない、どこか脳外科を探さなくてはと言っていました。

問題ないから、簡単な対応にしたのでしょうが、患者の心情を考慮した言葉を
工夫しないと、知らないうちに患者に拒否反応を起こさせる可能性がありますね。

皆さんはいかがですか。



2015/5/10   第365号

皆さん、GWはお出かけになりましたか。多くの観光地で大勢の人が楽しんだこ
とと思います。

先日ある観光地で遊覧船に乗りました。遊覧船も人が多いんだろうなと思って
いましたら、たまたま乗船を予定していた観光バスのお客が時間に間に合わなく
なり、次の便の乗船ということになり、私たちには運がよくガラガラでした。一
緒に乗り合わせた我々のような一般客も「ラッキー」と喜んでいました。

天気にも恵まれ、潮風の中を進む船、船から見る景色、遊覧船のスピーカーか
ら流れるその地域の歴史、地理の解説を聞きながら満喫しました。遊覧が終わっ
て下船すると、順路としてお土産店に入るか、歴史展示館に入る流れになってい
ます。

まずは歴史展示館に入って周辺の歴史を学び、展示物を見学して、土産店に入
りました。するとお客が誰もいないのです。他にお客がいないと土産店を見て回
りにくいですよね。なんとなく試食でもすると買わざるを得ない雰囲気になりや
すいので。

我々の姿を見ると、中年の女性接客者が寄ってきて、えびせんべいなどが入っ
ている容器のふたを開けて、「どうぞ召しあがってください」と勧めます。タイ
ミングがいいんです。なんとなく手を伸ばす雰囲気にしてしまいました。「おい
しいね」などと相づちを打つと、間髪を入れず「これ召し上がってください」と
新しい袋を開けてケーキを試食させます。「このレモンのケーキは、お値段が高
いので、味がわからないとなかなか購入していただけないので、お客様に味見し
てもらうようにと、メーカーから試食品が多く来ているんですよ」と新しい袋を
開けるのに、お客の精神的な負担にならないような言葉を話しながら出します。

つい手を差し出してしまうタイミングでした。商品の知識が豊富で、説明しな
がら勧めますので、なんとなく断るのが悪い気がして、購入しました。たまたま
昼食前でしたので、会計をしながら尋ねました。「この辺でお昼を食べるのに、
魚がおいしいところありますか」すると、土産店の周りには飲食店が多いのです
が、「ここをまっすぐ行って、通りに出ましたら左に曲がって30mぐらい行った
右側に〇〇というお店があります。ここは新鮮なお魚がお手頃な値段で召し上が
れます。今〇〇や△△がおいしいですよ。店の前に料金が書いてありますので安
心して入れますよ」と説明してくれました。その後その店に入りましたが満足で
きました。

勧めるタイミングがうまく、つい買ってしまいましたが、商品情報もしっかり
していて、またこちらの希望情報もきちっと教えてくれ、買ってよかったという
気にさせた接客者でした。きちっと裏付けのある情報とタイミングは重要ですね。
皆さんはいかがですか。



2015/5/24   第366号

先日夜7時ごろにJRに乗りました。帰宅時間にぶつかっていますから車両は混
んでいました。場所はちょうど車両の端です。3人掛けの優先席の前に立つ形に
なりました。

座席に目をやると、20歳前半ぐらいでしょうか、同じスーツを着た女性が3人
座っています。皆スマホのゲームに夢中です。時折ゲームの状況を話しているの
か、スマホを見せながら何か笑顔で会話しています。若い社会人なのに堂々と3
人が一緒に優先席に座っている姿にびっくりしました。

最近では優先席に若い乗客が堂々と座っているのは珍しくありません。また携
帯電話禁止の案内があるのに、平気で携帯を操作している人がほとんどです。彼
女たちも気にすることなく、ゲームに興じていました。

彼女たちは、一見すると同じスーツで、髪は後ろに束ねてますので、私服でな
くユニフォームなのかなと感じました。ホテルのフロントのようだなと思いなが
ら、3人の真ん中に座っている人の胸元を見ると名札が付いています。きっと外し忘れたのでしょう。

気になります。混雑時間帯、20代前半の女性3人、堂々と優先席に座ってゲー
ムに夢中。どこの会社かなと思い、見るとホテル〇〇〇〇と書いてあります。知
名度のあるホテルチェーンです。ある駅に着くと全員がおりましたから、寮に帰
るのでしょうか。研修の帰りなのかもしれません。

彼女たちは、好感度を増す接客を教育されているのでしょう。お客様には感じ
の良い対応をするのでしょうが、ホテルの名前がわかってしまうと気持ちの入っ
ていない口先だけの対応なんだろうなと勝手に想像してしまいました。

会社名がわかる状態で、外に出た場合、常に自分の対応が会社の評価につなが
ることを意識しないと怖いですね。皆さんはいかがですか。

 

2015/6/8   第367号

先日、仕事で地方に行きました。新幹線の停車駅から在来線に乗って30分ぐら
いかかります。ところが、電車が1時間に1本しかありません。そのため乗り継
ぎがスムーズにいかず、やっと目的の駅に着きました。25分ほど時間があったの
で食事をすることにしました。たまたま1軒ファミリーレストランがあったので、
入りました。昼時で込んでいます。

入ると、二人席に案内された。ボックスシートがあったので「ここがいい」と
いうと、「それではここでお待ちください。片づけますので。その間にお選びく
ださい」と椅子席に案内されメニューを渡されました。

メニューを受け取りながら、「時間がなくて25分ぐらいで出なければいけない
んだけど、何が早く出来ますか」と尋ねると、厨房に聞いてきて、「ランチメニ
ューでしたら早くできます。」

私はメニューの最初に書いてある「茶そばとイワシ寿司」のセットにしました。
連れは「イワシはちょっと」と違う料理が欲しいようで、時間かけてみています。
「時間がないからはやく決めれば」と催促すると、やり取りを聞いていた接客者
は、「大丈夫ですよ、お好きでないとおっしゃっていたから、かわいそうですよ」

決めるのにちょっと時間がかかりましたが、注文をすると、「急いで作るよう
にいいますね。」全然嫌な顔も表情もしません。感じがいいと思いました。その
後食事をして、予定通り店を出ることができました。

メニューを決める時に、遅いとイライラしているのを態度で見せ黙って対応す
る接客者が多い中、逆に安心させる言葉をかけることは、印象に残りますね。
皆さんはいかがですか。

 

2015/6/21    第368号

皆さん、こんな経験ありませんか。
複数人で飲食店に入り、途中で「お水ください」と頼むと、ひとつ持ってきて「あ
れ、ひとつ?全員分を持って来て」と再度頼みなおすことが。誰でも経験したこ
とがあるのではないですか。

なかなか言葉って伝わりにくいですね。伝わらないと相手のせいにして「なん
で確認しないんだろ、気が利かないな」なんて文句言っていませんか。

もちろん復唱して確認すれば間違わなかったでしょうから、気が利かない接客
者も悪いですが、きちっと伝わらない話し方をした我々も悪いですよね。

要は言葉って簡単に話していたら、伝わりにくいことを意識しなくてはなりま
せんね。

私の友人が、お昼に焼肉屋さんに入ったそうです。ランチメニューを注文して、
待っている間にテーブルの上を見ると、タレが各種ありそれぞれ器に入っていま
す。器にはタレの種類や甘い辛いなどの味覚も書いてありました。その中に、ス
プーンが入った器があり「混ぜてご利用ください。美味しいですよ」と書いてあ
ります。

そのうちセットメニューができて持ってきました。
「お待たせしました」
「あのさ、このタレどれと混ぜるとおいしいの?」
「えっ」
「ここに混ぜるとおいしいって書いてあるでしょ。」
「はー」
「どれと混ぜるといいの」
「あのー、それかき回してから皿に入れてほしいんですが」
「えっ、あーかき回すのね」
コントみたいな話ですが、勘違いがあったそうです。
すごく恥ずかしかったと友人が語っていました。

話すにしても、書くにしても、誤解されないように注意深く伝える工夫、聞き
取る工夫をすることは重要ですね。

皆さんはいかがですか。

 

2015/7/5    第369号

地方に出て、新幹線の時間待ちをしている時に、時間つぶしに土産店を見るの
は面白いものです。先日、ある売店に入って土産物を見ていました。すると大声
で女性接客者が商品を売っています。「水ういろうはいかがですか。」水ういろ
うは珍しいと思いながらそちらに目をやると、商品が細かく切られて楊枝がさし
てあります。何人ものお客がつまんでいるので私も一つもらいました。冷たくて
美味しいんです。私はういろうはいままであまり興味がありませんでしたが、試
食品を食べてみて、ちょっと興味が起きました。

接客者は言葉を続けます。いつもこの店に置いてある商品でなく、今回たまた
ま3日間販売をしています、次は3ヶ月後に3日間販売をする旨を説明しながら、
商品の食べ方まで教えてくれます。「ういろうは冷蔵庫に保管してはダメですよ。
お餅だから。常温で保管してくださいね」今まで、土産を買うと悪くならないよ
うにと冷蔵庫に入れるのが習慣でしたから、その言葉に耳を引きました。

「この水ういろうも食べる、1~2時間前に冷蔵庫に入れて、冷たくして召し上が
ってください。ヒヤッとしておいしいです。」実際に試食して本当に美味しいと
感じました。いままでも、土産に買いますが、ういろうはそれ程美味しいと思っ
たことがなかったので、興味が出て質問しました。

「通常のういろうも常温で食べたほうが美味しいの」
「はい、お餅ですから」と言ったと思ったら、その接客者はいなくなりました。
しばらくして、通常のういろうを小さく切って試食用に出してきました。

ひとつもらって試食したらやっぱり美味しいんです。その後、そのメーカーの
ういろうは歴史があることや、パンフを渡してお店の説明をしてくれました。う
いろうは興味がなかったため、ちょっと冷やかしで覗いただけでしたが、結局水
ういろうと通常のういろうを買ってしまいました。

美味しく食べるための情報を出しながら、その場で試食させる工夫で買う気に
なりました。またそのメーカーのういろうに興味を持ち、次回からは、ういろう
はそのメーカーのものを買おうと思いました。まさにコミュニケーションの力で
すね。

皆さんはいかがですか。

 

2015/7/20    第370号

関東地方も梅雨が明けました。いよいよ夏の行楽シーズンに入ります。新幹線
を利用して観光地に行く人が多いでしょう。

東京駅で新幹線の時間待ちをしていると、車内清掃のスタッフが作業をして、
短時間で終わらせ車内から出てゆく姿を目にします。作業工程が効率的で素晴ら
しく世界から注目を浴びているとニュースで見たことがありますが、テキパキと
動く姿が印象的です。

終わったスタッフが車内から降りる時のスタイルが、JR東海とJR東日本では
ちょっと違っています。

JR東海の新幹線では、作業が終わったら、スタッフがばらばらに扉から出てい
きます。そのまま次の仕事に向かうようです。JR東日本では、作業が終わったス
タッフが、扉から出たら、車両の前に一列に並びます。そしてリーダーの合図で、
皆がお客のほうへお辞儀をして、それから次の仕事に向かいます。並んでお辞儀
をする工程が一つ入るだけで見ていて感じがいいものです。

接客ってお客に対する行動が加わるとそれだけ好感度が増しますね。私は皆で
お辞儀をする姿を見ていて、もし目が合えば、お辞儀を返そうと思っているので
すが、目があったことがありません。そのためお辞儀が気持ちが入ってなく、た
だお辞儀だけしてる感じに見えてしまいます。残念です。

どうせお辞儀をするなら、近くのお客を見て「お待たせしました」なんて言葉
を出しながら、お辞儀をすればもっと、気持ちの伝わるお辞儀として印象づける
ことができるのではないかなと思いますが。

皆さんはいかがですか。

 

2015/8/10    第371号

先日、知人にお菓子でも贈ろうと、都内のデパートに寄りました。時期が外れ
ているので、上層階には特別贈答品売り場はないと思い、お菓子は地下売場かな
と地下階に行きました。エレベーターを降りて、そばにいた若い男性店員に「贈
答品はどこへ行ったら買えますか。もう時期外れだから中元の催事場は終わった
でしょ」と尋ねました。

彼は「少々お待ちください。」と答えると、そばにいた人に聞こうとしたよう
です。しかし、その人は何か電話を使用中でした。あまり時間がかかっているの
で、「いいです、行ってみますから」「申し訳ありません、今わかりますから、
少々お待ちください」と答え、電話で問い合わせてもらい、「まだ催事場は8月
3日までやっております」と教えてくれました。そして「すみません、店内のこ
とをもう少しわかっていればいいのですが。申し訳ありません」と感じよく対応
してくれました。

催事場へ移動する際、その男性接客者の扱っている商品を見たら「米沢牛のお
弁当などの」販売でした。その売り場の常駐の接客者でなく、この販売のために
米沢から来ている弁当メーカーの接客者のようでした。そこで、「ここの人じゃ
ないんだ、ごめんね、知らなくて当たり前だよね」と話すと。「勉強不足で申し
訳ありません」と答えました。

この接客者は、販売のため来ているので「知らない」と言ってもよかったのに、
わざわざ調べてくれました。その対応にすごく感じが良かった記憶があります。
その弁当メーカーの指導かデパートの指導かわかりませんが、お客に対する要望
には、できる限り努力して対応しようという気持ちが伝わってきました。

皆さんはいかがですか。

 

2015/8/23    第372号

仕事で地方に行くと、楽しみはその地方の料理とお酒をいただくことです。特
に日本酒に合う肴がうまい店を探すことが多いですね。新潟県のある町の新幹線
駅ビルに入っている居酒屋が気に入っています。いつもは仕事の帰りに1時間30
分位、カウンターに座り地酒と料理を楽しんでいます。

今年の3月に行ったときに、カウンターが一杯でした。しかたなく奥のテーブ
ルに座り、料理を注文してお酒と会話を楽しみました。私は、美味しいなと思う
と、料理名をメモしておき、次回に注文する参考にします。イカのたまり漬け、
いごねり、クリームチーズの酒盗などとその時もメモに書いてあります。また年
配の接客者ですが、料理の説明も上手ですし、肴に合うお酒の勧め方がうまかっ
たので、「確かにこの酒は合うね」と会話の話材になりましたので「渋谷さん」
とついでに書いておきました。その時また次回来たときはテーブルで飲むよと軽
く約束をしました。その時名前を聞かれたので名乗ってきました。

先日、約半年ぶりにその店に行き、やはりカウンターが一杯だったので、テー
ブルに座りました。料理を運んでくる人の中に、見覚えのある顔があります。声
をかけました。
「渋谷さん?前に来て渋谷さんのこと、記憶にあって」と言うと。
「あっ小倉さんですか?」
「えっ覚えているの?」
「7月にいらっしゃるとおっしゃってましたから、来ないなと思っていました。」
名前を覚えていてくれたのには、びっくりすると同時に嬉しかったですね。
例えばメモなどに書いてあって、あとで確認に行って名前を呼んでくれる接客者
は結構いますが、とっさに名前を言われたのには感動しました。特に私は名前を
覚えるのが苦手な方ですから、よけい感じます。

彼女は、天才的に名前の覚えのいい人かもしれないし、もしかするとそろそろ
来るかもしれないと、定期的にメモを見ていたかもしれません。いずれにしろ、
お客の立場からすると、何気ない記憶の中に自分の名前が入ると、大事にされて
るような特別なものとして価値が上がりますね。来月またその地方に行く予定が
あるのですが、席の予約をしてしまいました。

皆さんはいかがですか。



2015/9/6    第373号

滋賀県のある観光都市、通り全体が黒を基調にして、デザインも江戸時代の雰
囲気に統一した観光ストリートがあります。土産物店や飲食店が立ち並び観光客
が思い思いの店で楽しんでいます。

私達も何軒かの販売店に入り、商品や販売方法を興味を持って見てきました。
その日は暑い日で、歩き疲れたのでかき氷を食べながら休憩しようと店を探しま
したが、店頭に「氷」の旗が出ている店がなかなかありません。やっと1軒、喫
茶店が見つかり入りました。

店内はカウンターとテーブル席が5つほどあります。時間が午後4時を過ぎて
いましたので、お客が1組いて、カウンターの中で年配の女性が調理をしていま
した。

席に着くと、年配の女性が水を持って来て注文を取りました。氷を頼んで待っ
ていると、店と居住空間との仕切りの戸が開いていて、そこから店内にさーっと
何か小さな黒いものが入ってきました。同行者がそれに気づき、とっさに「あっ、
猫。かわいい」と声を上げました。

家族が犬を散歩から連れ帰って家に入ったのですが、仕切りの戸が開いていた
ので、店内に走って入ってきたのでした。30代後半ぐらいの女性が「だめ、だめ
と家に戻そうとしたのですが、「かわいい」という声を聞いたからでしょうか、
その動物を胸に抱きながら入ってきて「これ犬なんですよ、よく猫に間違われる
んです」と返事しました。
「犬なんですか、猫だと思って」
「ミックスなんですが、足が長いからよく猫みたいと言われます」
と言いながら、抱きながら店内に入ってきて、カウンターの横の籠に入れながら、
手で体をなぜていました。ほめられたのがうれしかったのでしょう、その後も話
しかけてきて、チワワとトイプードルとダックスフンドのミックスだとか、年齢
とか性格のことを話してくれました。

そのうち、氷ができると、その人は犬をさんざん撫でた手で、氷を運んできま
した。内心まいったなと思いましたが、話をしながら氷に舌鼓を打ちました。

途中水が欲しくなり、カウンターの中の年配の女性に「お水ください」と声を
かけると、まだカウンターの端にいた女性が「はい」と言ってピッチャーを持っ
て来て、テーブルのグラスを持って水を入れました。

しかも、犬を撫でていた手でそのまま、グラスの上部を親指と人差し指でぐる
っと握ります。グラスを置くときに、親指と人差し指がかからなかった部分を確
認しておき、そこから水を飲みました。

私も子供のころから、猫や犬を飼っていて一緒に育ちましたから、動物は好き
ですが、そのままの手で提供されたのには参りました。声をかけたのを後悔しま
した。

自分の行動がお客の気持ちにどう影響するか、客観的に考えないと怖いですね。
皆さんはどう思いますか。

 

2015/9/20   第374号

先日、名古屋の地下街を歩いていました。飲食店や土産物、食品の販売店が並
んでいます。その中で呼び込みをしている女性接客者の声が聞こえました。

「天むすはいかがですか。5個〇〇円です」と店前を歩く人に声をかけています。
非常に通る声ではっきり聞こえてきます。その接客者に目をやると、マスクをし
ていました。

珍しいと思いました。いろいろな店でたまたま接客をした人がマスクをしてい
ると、話す内容が聞きにくい人がいます。マスク越しに声をかけるので、声がこ
もってしまうのです。聞き取りにくくて、聞き返すなんて言うこともあります。

ですが、この接客者の声は、マスクをかけている感じがしません。はっきり聞
こえてきます。つい気持ちがそっちに行って言葉をかけました。
「お店はここだけ」
「本店は〇〇にありまして、他にデパートにも出店しています」
はきはきした受け答えです。新幹線の中で食べようかなという気持ちになって
買ってしまいました。

これから、寒くなってくると、マスクをして販売する接客者が多くなりますが、
彼女のようにはっきり通る声で対応してもらいたいですね。そのためには、日々
の発声訓練は大切ですね。

皆さんはいかがですか。

 

2015/10/5   第375号

知人に卵に凝っている人がいます。殻を割って出した時の黄身の色や、盛りあ
がりの高さ、味など、色々スーパーで買って比較した結果、気に入った養鶏所の
卵がありました。ずーっとスーパーで購入していたのですが、ある時から陳列さ
れませんでした。そこで事情を聞こうと養鶏所へ直接電話をかけました。

「賞味期限をちょっと打ち間違えたら、取引停止になってしまいました。なん
でもないのに厳しいんですよ」と説明したそうです。実際はどうなのかわかりま
せんが、買えなくなってしまいました。調べてみると養鶏所が経営する直売所が
車で1時間ほどのところにあります。美味しいと評価していたものですから、そ
れ以来1か月に1度のペースで、直売所へ直接買いに行くようになりました。

養鶏所では、卵以外に地元の野菜とか、菓子などの食品も販売しています。車
で1時間ぐらいかかりますが、休みの日に遊びを兼ねて行けば結構楽しいと定期
的に通うようになりました。それでも、知人にとって理想的な卵を購入できます
から、遠方まで買いに行く手間も苦にはなりませんでした。 

直売所で販売している接客者は、接客がきちっと教育されていないようです。
休みの日はお客も多くいますが、品出しの時はお客を邪魔扱いしたり、レジでお
客が待っていても、常連の顔見知りとおしゃべりしたり、今では信じられないよ
うな対応が見られると話してくれました。

ある時、レジにパックされた卵を出した時に「賞味期限はいつまでになってい
ますか」と尋ねると「中に入っている紙に書いてありますよ。十分平気ですよ。
いまの人は賞味期限にうるさいから」と答えたようです。皆、賞味期限を心配す
るけど、少しぐらい過ぎたって平気と言われているような感じの対応でした。

その対応に、前に会社に電話したことを思い出しました。この会社は一度賞味
期限で失敗しているのに、いまだに賞味期限は重要でないと思っているのではな
いかと。会社の消費者に対する姿勢が見えたようで、その会社の卵に対する対応
に不信感を持ち、気持ちが醒めたと話してくれました。その後買いに行っていな
いようです。

会社の商品に対するポリシーをきちっと接客者に伝えないと、何気ない接客者
の会話からどのようにお客に伝わるかわかりませんね。皆さんはいかがですか。



2015/10/18   第376号

地方に車で行くと、道の駅や高速道路のパーキングエリアに休憩で寄って、つ
いでにその地域の珍しい商品を見て購入するのは楽しいものです。

先日、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県、埼玉県、東京都を車で回りました。
茨城県のある道の駅、休息に立ち寄り、商品を見ると、地元の新鮮な野菜や加工
品がいろいろ並んでいます。量も多く安いので野菜や加工品をつい買ってしまい
ました。レジの接客を見ても教育が行き届いていて感じがいいのです。

「この野菜この辺でとれたものなんでしょ。」
「はい、この辺の朝獲れですから、新鮮ですし美味しいですよ」
「安いね」
「この辺の産地のものですから」
素敵な笑顔で対応してくれます。
接客が感じがいいと、いいものを購入したという満足な気持ちになります。

それからしばらくたって、やはり休憩で今度は高速道路のあるパーキングエリ
アに寄りました。お客も多く、飲食したり売店で土産物を探して楽しんでいます。
売店の漬物コーナーに寄った時です。多くのお客がどれにしようかなと漬物を探
していました。側で接客者が箱から商品を並べていました。身体の大きい人で周
りに気を使っていませんから、お客が通るのに邪魔になるのです。それでも意に
介さず平然とゆっくり商品を並べています。お客がその接客者を一瞥して、邪魔
そうに傍らを歩いています。

「どれにしようかな」と周りで話しながら商品を迷っているお客がいますから、
「これおいしいですよ」などとアドバイスしたらお客の気持ちも変わるのに。無
言で品出ししていますから、ただ邪魔なだけです。

その店の従業員か、外部の搬入者かどうかわかりませんが、どのような立場で
も、店内にいるなら、お客を意識して仕事をしないと怖いですね。お店の評価、
パーキングエリアの評価が落ちますから。

皆さんはいかがですか。

 

2015/11/2    第377号

先日ある地方都市のホテルに泊まりました。朝食がバイキングでした。食事を
した後にお茶を飲もうと思い、所定の場所に取りに行きました。

コーヒーの隣に紅茶があって、色々な種類のティーパックがおいてあります。
いくら探しても日本茶が見当たりません。そばにいた接客者に尋ねました。「日
本茶はありますか」「申し訳ありません、ご用意しておりません」私は飲み物の
中で日本茶が1番好きです。その次が紅茶、あまりコーヒーは好みません。日本
茶がないのでジュースでも飲もうかと、そちらに移動すると、ポットに「温茶」
とかかれた札が貼ってあり、そばに湯飲み茶わんがありました。

これが日本茶じゃないかなと思い、お茶碗に注いでみました。すると日本茶で
した。「なんだ、あるじゃないか、いい加減なこと言って」と湯飲みに入れた茶
碗を持ってテーブル席に移動しようとすると、同じようにお茶を探し当てた年配
の2人組の女性が、「あの人、いいかげんなこと言うわねー、日本茶あるじゃな
い」と話していました。

それを聞いて、いい加減な接客者だと思っていた私は、待てよと思いました。
紅茶のティーパックの前で「日本茶ありますか」と言ったので、その接客者は、
日本茶のティーパックがあるのか尋ねられたと理解したのではないでしょうか。
だから素直に、「ご用意しておりません」と答えたのでしょう。

当然日本茶がポットで置いてある事は知っていたでしょうが、日本茶のティー
パックを聞かれたと勝手に判断したので、ポットの日本茶のことは眼中になかっ
たのではないでしょうか。

言葉って難しいですね。違った意味に捉えて答えが違えば、いい加減な接客者
と言う評価になってしまいます。常にきちっと理解してもらうには、具体的に答
えることが大切ですね。

この場合も日本茶のティーパックはご用意してありませんと言えば、そうでは
なくて日本茶が欲しいと話すでしょうし、そうすればポットの日本茶を案内され
たことでしょう。

具体的に話す習慣でお客ときちんとコミュニケーションをとることが必要です
ね。皆さんはいかがですか。

 

2015/11/15  第378号

人が集まる商店街は面白いですね。総菜屋や飲食店などの店舗が並び、店前に
は椅子やベンチが並んでいて、商品を食べながらビールを飲んだり、B級グルメ
を楽しめます。人気の商店街が結構ありますね。

先日、愛知県のある商店街をブラブラしました。お目当てはビールを飲みなが
らのB級グルメです。たこ焼き屋さんの隣に鶏のから揚げ屋さんがあり、どちら
も店前のベンチでお客がおいしそうに食べています。

人気のピザ屋さんでピザとビールを楽しんだ後は、評判のから揚げ屋さんに行
きました。店前のベンチにまだ座るスペースがあります。
「生ビールとから揚げください」
「申し訳ありません。生ビールは土日のみになってしまいます。缶ビールでよろ
しいですか」
「缶ビールはあるのね。はい、お願いします」
言葉遣いもきちっと対応して、レシートをきちっと渡してくれました。

伸びるアイスの「トルコアイス」がありました。販売の外人さんと目があった
ので、買ってしまいました。渡すときはお約束の1,2回ほど上下に回転させて、
簡単に手渡さないようにするパフォーマンスをして楽しましてくれます。どの店
も新しい業態で接客もしっかりしていますから、楽しさの余韻が残ります。

一軒商店街でも古い店舗でしょうか、歴史のある雰囲気の店で鯛焼きを販売し
ていました。やはり店前にはベンチが2,3台ありますが、お客で一杯でした。
鯛焼きを購入した時に、店の中に喫茶室がありお客がいませんから
「店前のベンチが一杯なので中で食べていいですか」と尋ねると、嫌そうな顔を
して、「中で食べると飲み物がセットになりますよ」と言います。代金ちょうど
の金額を渡したら、何の反応もないので「レシートもらえますか」と聞くと、「え
っ」と言葉を出して、無言でレシートをくれました。

別に嫌そうな顔をしたわけでなく、もともとがそういう顔なのかもしれません
が、いい気持ちはしません。ちょっと表情と言葉に演出があればなーと思いまし
た。せっかく食べ歩きを楽しんできたのに、最後の店で興がさめてしまいました。

商店街は個店の集まりですから、接客のレベルをおなじにする工夫は大事です
ね。皆さんはいかがですか。

 

2015/11/29   第379号

昨日、埼玉県のある町に住む友人のところでワインパーティがありました。毎
年恒例のボジョレーヌーボーを飲む会です。仲間が集まり午後1時ぐらいから始
まりました。

ジビエ料理を中心に、数々のつまみでワインを堪能しました。今年は2000年、
2009年に匹敵する味で当たり年と言われていたので楽しみにしていました。確か
に美味しかったせいか、ずいぶん飲んで酔っ払いました。

暗くなって、午後7時ぐらいにお開きになり、駅から皆で帰りました。同じ方
向に電車に乗った仲間も、それぞれが順に乗換駅で別れ、最後はその電車に私一
人になりました。かなり飲んで酔っ払っており、すぐ眠ってしまったようです。

ふと目を覚ますと「次は横浜」と車内アナウンスが聞こえました。東京都内を
通り過ぎて神奈川県の横浜まで行ってしまったのです。びっくりして、あわてて
降りました。降りたはいいのですが、半分酔っていて頭がはっきりしません。「ど
う帰ればいいんだろう」と迷っているところへ、隣に反対方向に行く電車が来た
ので、飛び乗りました。そして電車内に貼ってある路線図をみると、そのまま進
むと遠回りになります。そこで、途中の駅で降りて、時刻表が書かれている案内
板を見てどう帰るか考えていました。

そこを通りかかった駅員さんが声をかけてきました。
「どうなさいましたか」
「〇〇駅から乗ったんだけど、酔っていて気が付いたら横浜駅で、とりあえず反
対の電車に乗ったけど、東京駅に行かないから降りてどう行こうか考えているん
ですよ」
「そうですか、次の電車でしたら東京駅を通る電車だったんですが、今の時間で
したら〇番線に行って乗ったほうが早いですよ」
言われたままに電車に乗って、無事に帰ってきましたが、声をかけてくれた駅員
さんのサービスが深く印象に残りました。

困っていそうな人に声をかけてくれて、教えてくれる。まさに天の助けでした。
接客って、悩んでいそうなお客に自分から声を掛けると、お客の感動も何倍にも
大きくなりますね。皆さんはいかがですか。

これから、忘年会の時期、飲む機会が多くなるでしょうが、電車内で寝すぎて
私のような失敗をしないように気を付けてくださいね。

 

2015/12/14   第380号

初めて入る飲食店。どんな料理が出て、お酒に合うのか、接客者は親しみやす
いか等など、いろいろ興味がわきますね。

2か月ほど前、ある地方の駅ビル内の店に入りました。女性店長で非常に親し
みやすく言葉をかけてくれ、人気メニューなどを教えてくれます。またビールの
注ぎ方に特徴があって、クリーミーで泡も長持ちしておいしいと盛んに勧めます。

 注文すると、確かにクリーミーな泡、のど越しもよく、おいしく感じました。
予約をしていただければ、ご希望の広い4人席を用意しますから、ゆっくり落ち
着いて食事が楽しめますよと勧めてくれました。

先日同じ場所に行く機会があったので、仕事前に寄って夜の席を予約しました。
店に入ると、接客者の雰囲気が違います。でも頼んでみました。
「7時ごろ来るけど2名でお願いします。4人席をお願いできますか」
接客者は笑顔もなく面倒くさいような表情をして
「2名でしたら、2名席でお願いします」
「料理の注文を多くするので、4人席にしてほしいんだけど。この間対応した接
客者の人はいいと言ってくれたので、今日お願いに寄ったんだけど」
「わかりました。席は用意しますが、場所はどこになるかわかりませんよ」
「お願いします」と頼んできました。

「ずいぶん話が違うな、対応が悪い人だな」と思いました。約束通り7時に入
りました。店はそれほど混んでいませんから、奥に4人席が用意されていました。
料理を何品かとお目当てのビールを注文しました。しばらくしてビールが来まし
たが、飲んだ感じが前回と違います。泡がクリーミーでないし、すぐ消えちゃう
なと思いました。

料理を運んできた接客者に尋ねました。
「ビールを注ぐ人変わった?なんか前と味が違うような気がするんだけど」
「2か月前とは人が変わっています。またビールは気候、温度で味が変わります
から」
「ビールを注ぐ人に言ってくれる。じっくり時間をかけて注いでと」
「はい、わかりました」と言いながら、厨房にもどりましたが、目で追ってみて
ると何も伝えてないようです。

きっとうるさい客だなと思っているのでしょう。なんとなく煙たがっているよ
うな感じが見受けられました。料理は満足しているし、ビールの味も私の勘違い
かもしれません。それを説明してくれたら、満足度は前回と同じで、リピーター
になるかもしれません。でも今回の対応で次回はないかなと思いました。

リピータを作る要素に接客技術は大きいですね。皆さんはいかがですか。

 

2015/12/27  第381号

先日、群馬県のある駅からタクシーに乗りました。行き先を告げても、返事が
ありません。運転席に名前と写真が貼ってあるプレートがありますが、年配者で
す。会話があったのは、降りる時に金額を言われたぐらいでした。最近はタクシ
ー業界もサービスを意識していますから、これほどの運転手さんに会うのは珍し
いなと思いました。

帰りは訪問した会社がタクシーを呼んでくれますから、対応のきちっとした運
転手さんでした。
「ご利用ありがとうございます。私は〇〇と申します。」ときちっと挨拶して行
き先を尋ねます。
「〇〇駅の新幹線口までお願いします」と答えた後、あまりに往きの運転手さん
と違うので聞いてみました。
「同じタクシーの運転手さんなのに違うね、往きの運転手さんは返事もしなかっ
たよ。いまどきあんな人もいるんだね」
「どこの会社かわかりますか」
「××交通だけど、サービス教育はしてないのかね」
「どの会社もサービス教育はしていますよ。私も大変でした。挨拶して名乗るな
んて、今までやったこともないことをやるんですもの。最初声が出ませんでした
よ。どの会社でも教育はしても、変わらない人は必ずいますからね。そしてクレ
ームを何回も受けるとやめてしまうんですよ。そして次を探すわけですが、××
交通はそういう人が集まっていると言われています。悪い評判ばかり聞きますよ」

とても興味深い話です。違った環境からサービス業へ飛び込んだ場合、サービ
スを実践することはなかなか難しいかもしれませんが、それを実践しなければ生
き残れないわけです。そんなことはできないと考えれば、居場所がなくなるわけ
ですね。

サービスの向上はまず自分の意識変化ですね。皆さんはいかがですか。

 

2016/1/10   第382号

先日、新年会があり会場に行く途中に、有名な神社があります。折角だからと
早めに出て、神社によってお参りをしました。夕方でしたが結構参拝客がいまし
た。参道では屋台が出ています。通る客はまばらですが、屋台の人たちは最後の
頑張りを見せていました。

どの屋台も「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ」と通るお客に声をかけて
いますが、夕方でもあり、なかなかお客も立ち止まりません。私たちは時間つぶ
しにその中の一軒に寄って、テーブルで焼串をつまみにビールを飲んでいました。

周りを見渡すとそれぞれの屋台の売り方が見えます。その中に目立った女性販
売者がいました。年齢は60歳前後でしょうか、娘さんと二人で焼きそばを売って
いました。

言葉が荒いんです。「うまいぞ、食べてきな」「もう終わりだからおまけする
ぞ」「食べて行けよ」と通るお客にそれぞれ声をかけます。言葉が荒いため、そ
の店の前になるとお客が早足になっていました。ただ酔っているお客は、逆に会
話をするんですね。「どこ出身?」「私の習い事の先生と同じとこだよ」なんて。
その間通り過ぎるお客には声をかけませんから、会話しているお客とは、どんど
ん深い話になってゆきます。最後にはだいぶおまけして販売していました。

客が離れると、娘さんの子供でしょうか、屋台の横においてあった乳母車の子
供をあやして、それから隣の屋台でビールを飲んで、また販売するというように、
仕事をしながら自分が楽しんでいるようです。いろいろな販売がありますね。

当たり障りなく対応すればお客との気持ちの接点は薄くなりますが、会話を活
用した深い対応になれば気持ちの接点も濃くなります。それがいいか悪いか判断
するのはお客ですから、結果に表れてきます。自店のお客は何を望んでいるか、
どう対応するか、その判断が重要ですね。皆さんはいかがですか。

ちょっと観察する気持ちがあると、いろんな状況が見えてきますね。今年もい
ろんな状況の中から、ご自分の接客に活かせるヒントを探してください。

 

2016/1/31   第383号

私の友人が旅行で4日間留守にしたそうです。4日目の夕方4時半ごろ、家に
帰ると宅配便の不在連絡票が4枚入っていました。冷凍食品でした。一番新しい
不在連絡票には「電話ください」とありました。

すぐ配達人あてに連絡しました。
「不在連絡票が入っていたので、電話したのですが。」
「今、荷物を積んでいません。後で事務所に寄って取ってから行きます」
待っていましたが、8時近くなっても来ないので、今日必ず来てくれるか、再度
電話しました。実は、翌日もたまたま家族で出かける用事があったので、冷凍食
品なので、今日中に受け取りたかったそうです。
すると、配達人は「今事務所に戻った所なんです。今行きますから。」いかにも
面倒くさそうに対応しました。

しばらくして、遅い時間にやってきました。いつも配達してくれる顔見知りだ
ったそうです。
「荷物が二つだよ。」
「ごめんなさいね。なんどもなんどもきてもらって。」
「本当に。」
ありがとうの言葉もないし、話したのはこの二言だけだったそうです。言葉遣い
も荒いし、「本当に」と言う言葉を聞いてあきれていました。

年配で、いつもは感じがよく、必ず笑顔で一言二言会話してから帰る人だった
ので、そのギャップにびっくりしたそうです。

毎日留守で、4日目の朝来て今日もいないだろうからと、事務所の保冷庫に保
管したところ、電話がありわざわざ取りに行ってる時に、今日必ず欲しいと催促
の電話が来たので、気分を壊したのかもしれません。そして、その気持ちが態度
に出てしまったのでしょうね。そのために、お客の配達人に対する印象が変わっ
てしまいました。

仕事をする上で、思うようにならないことはあるでしょうが、運ぶのが仕事で
すから、その気持ちをお客に見せたら、自分にマイナスの反応が返ってきますね。

皆さんはいかがですか。


2016/2/15    第384号

喉が絡むようなので、薬局で薬を購入しました。そういう状態の時はいつも購
入する薬が決まっていまして、それを探しましたがありません。同じ棚の端で、
忙しそうに座って商品を並べている接客者に声をかけました。
「すみません、〇〇〇はありますか」

すると、こちらを向いて返事をして、立ち上がって私のところに走り寄って探
します。そして、「こちらです」と商品を指し示してくれました。

そこは、ちょうど立っていた私の目の前でした。探していたのに、目の前の商
品に気づかない自分にばつの悪い思いがして「いやー、目の前のあるのに気づか
なかったんだ」というと「商品が多くて、同じようなパッケージもありますから、
なかなか気が付きませんよね。でも、お求めの商品があってよかったです。あり
がとうございます」と笑顔で答えて、元の場所に戻り作業を始めました。

作業を中断させられて、飛んできたのに、それが目の前にあれば、ちょっと見
ればわかるじゃないと思っているような、愛想の悪い対応をする接客者も多くい
ますが、上手なコミュニケーションの取り方で、感じの良い余韻を残して店を後
にしました。

状況によってどうコミュニケーションを取ったら、お客様はどう反応するか、
日々考えることは大切ですね。皆さんはいかがですか。

 

2016/2/28   第385号

私は神社・仏閣に興味があり、お参りする時の気分が好きで、神社を見つけて
時間があると必ずお参りします。

先日も知名度のある神社があり、寄る時間があったのでお参りしました。そこ
には縁結びのご利益があることが書かれています。そのせいか、平日の午後に関
わらず多くの若い女性がいました。

社務所でお守りや開運グッズを販売していますので、ちょっと覗いていました。
年配の女性がいましたが、立ち寄る若い女性の参拝者に積極的に話しかけていま
す。しゃべる、しゃべる、商品を見ている参拝者の誰にでも声をかけています。

「四人で来たの」
「人の悪口は言ってはダメ、自分に返ってくる」
「これを肌身につけると、すごい効果あるわよ」
「こうやってバッグにかざるのよ」
「相手を分析しすぎよ、だからなかなか恋人ができないのよ」
「結婚は夢見る夢子さんじゃないのよ」などなど。

話す声が高く、しかもテンポがとても早いのです。連発で言葉を出しますから、
良い内容のことを教えているのですが、内容がすごい軽く感じてしまいます。私
も面白いものがあったら購入しようかなと見ていましたが、耳に入ってくるあま
りのその軽い会話が嫌になってしまい、すぐその場を立ち去りました。

若い女性相手なので、速いテンポで話しているのかもしれません。あるいは無
意識に自分の話し方の癖が出ているのかもしれませんが、神社という場所を考え
ると、重みとか厳かさからかけ離れてしまう感じがしました。もっとゆっくり、
間を取って話せば、話している内容の信憑性も増すのにと思いました。

雰囲気を演出するにも、話し方の工夫は必要ですね。皆さんはいかがですか。

 

2016/3/14    第386号

地域活性化をめざして、各地で町おこしが盛んですが、新潟県に行った折に、
味わいのあるレトロな街並みで町おこしをしている町を訪れました。時間が1~2
時間あったので、どのように回ったらいいかなと思い近くの交番に聞いてみまし
た。

若いお巡りさんが2名で、効率的な巡り方を親切にアドバイスしてくれました。
建物だけでなく、食べ物としてここが有名という場所を2か所教えて、中の1軒
の商品は最近テレビでも紹介されたんですと教えてくれ、町を紹介したパンフレ
ットもくれました。

紹介された順に町を歩いて、途中の醤油蔵を見ていると、建物から町を紹介し
たパンフレットを持った人が出てきました。我々がパンフを持っているのを見て、
「持っているんですね」と話しかけて、建物の説明をしてくれました。店の中も
入れるところまで案内して、店の歴史を教えながら、醤油についての知識も伝え
てくれました。

その後酒蔵も2軒寄りましたが、それぞれの店の人が、建物の歴史や酒の知識
など興味深く教えてくれます。おかげで町に存在する建物の歴史を堪能しました。
それぞれの立場で、観光客に十分郷土の財産を見てもらい、印象に残してもらい
たいという気持ちが伝わってきました。

それぞれ訪ねたところで、何軒かに勧められ興味が沸いた商品があります。中
に珍しいものが入った商品です。折角だからそれを買って帰ろうとその店に寄り
ました。個人店で人がいないようです。

店内に入って「すみません」と声をかけると年配の女性が出てきました。
「ここに行くようにと紹介されてきたんですけど、〇〇の入った商品はあります
か」
「ないですよ、早く来なければ」
「午前中ならあるんですか」
「・・・・・・」

忙しかったのかもしれませんが、対応に愛想がありません。会話にならないの
です。そこで「お世話様」と早々に出てきましたが、「ぜひ行ったらいいよ」と
紹介されていたのにがっかりしました。

町全体から、町おこしの情熱が感じられたのに、一軒の対応でよい記憶になり
ませんでした。もったいないですね。
個店は人も少なく、大変だと思いますが、ちょっとしたコミュニケーションの取
り方で感じ方が変わってきます。「申し訳ありませんね、せっかく来ていただい
たのに、この時間ですと売り切れになってしまいます。」ともし言われたら、あ
くる日まで商品が持たないのはわかりますから、がっかりしただけで終わったで
しょうね。

町おこしも参加店全体のコミュニケーションレベルを同じにしないと誤解され
る可能性がありますね。皆さんはいかがですか。

 

2016/3/27    第387号

もうすぐ4月です。会社によっては入社式を行っているところがあります。入
社式に出て、社会人として実力を発揮して頑張るという意識が高まった新人さん
が多いでしょうね。入社式という儀式を行うことの効果でしょう。

私たちの生活の中には、入学式、入社式、辞令伝達式、結婚式、など儀式が多
くあります。儀式を行うことで、意識づけに大きく役立ちます。同じように会社
との取引の担当者が変わった時の挨拶も一つの儀式でしょう。ところが儀式の意
味をしっかり押さえないと逆効果になります。

2か月前になりますが、取引銀行のすごく気に入っていた若い担当者が転勤に
なりました。その挨拶に来ると言うので、会えなくなるのを残念に思いながらあ
る日の午後4時に会う約束をしました。その時間になって、上司と後任の計3名
でやってきました。

転勤の挨拶ですと、転勤する担当者が、取引時の思い出話と転勤地での情報を
話して短時間で別れるのが通常です。ただその日は違っていました。一緒に来た
上司が、取り留めもない世間話をします。転勤者はあまり話しません。もっとも
そばに上司がいれば上司の話が中心になるからやむを得ないのかもしれません。
でもそんな話が1時間ほど続くので、私から「それでは転勤地でも頑張ってくだ
さい」と話を切り上げるようにしました。

すると、上司が転勤者に「ほら、お話があったんじゃないの」と話を振りまし
た。すると、鞄からパンフレットを取り出して、金融商品の説明を始めました。

挨拶は「あなたは大事なお客さまです。今後もよろしくお願いします」という
儀式なわけです。それなのに営業活動をされると、私は心の中で「えっ、挨拶で
なくて営業なの」と思いました。確かに3人で来ていますので、人的費用効果を
考えたら、ついでに営業もと考えたのでしょう。でも私は心の中で「挨拶を理由
にして営業に来たんだ。都合の良い客として扱われている」と感じました。儀式
という意味合いを考えなかった上司の判断でしょうが、同行した若い2名の担当
者は上司の立場になったら同じことをするんだろうなと思いました。

皆さんはいかがですか。



2016/4/10   第388号

先日、亡き父の実家で法事があったので群馬県のT市に行き、T駅からタクシ
ーで会場のお寺に行きました。

駅を降りてタクシー乗り場に行くと、前に二組のお客がいます。最初のお客が
先頭のタクシーの前に行くと、ドアが開き乗り込んでゆきました。次のタクシー
が来ると同じようにドアが開き、お客が乗ろうとしましたが、荷物を後部トラン
クに乗せるようで時間がかかっていましたので、後続のタクシーの前に行くと、
ドアが開きません。所定の位置で乗車しないとドアが開かないのかなと思ってい
ましたら、運転手が無表情に降りてきて、私のほうに来ます。そして無言でドア
を手で開けたのです。

最近は各地に行くと、運転手が降りてドアを開け、乗せる会社がありますから、
「なるほど、この町にも運転手が直接ドアを開けるサービスをするタクシー会社
があるんだ」と納得しました。

そこから寺までは20分ぐらいあります。途中で大きな沼があり、かつて父親が
子供のころよく遊んだという話を聞いていたので運転手さんに話しかけました。
「この先に確か沼があるよね」
「ハイ、昔からあります」
返ってきたのは、その言葉のみでした。
この運転手さんはきっと話が苦手なんでしょうね。お客の言葉から会話に持ち込
むことができないようです。

しばらくして、寺につきましたが、会話もなく乗ってきて、またドアを開けて
くれましたが、待っている時間を考えたら自動で開けてくれたらいいのにと思い
ました。

往々にして、会社がサービスに力を入れてくると、年配者で対応に面食らい、
どうしていいか分からず、「やらされ感」が目立つ人がいます。

きっとこの運転手さんもそうなのでしょうね、ドアを開けるときに、「お待た
せしました」と言葉をかけてドアを開けてくれたら感じが違います。
沼のことを聞かれて、話すことがないなら、「お客さんは沼のことをご存じなん
ですか。いかれたことがあるんですか」など質問して、二言三言会話に持ち込め
ば、気まずさもなくなります。

毎日朝礼で、あるいは定期的な教育で、そんな技術が身に付き、次回もし会う
ことがあったら、「やらされ感」でなく自然な親切な対応で、降りる時に、ドア
を開けてくれるのを感謝するようなサービスになっていたらいいなと思いました。

皆さんはいかがですか。


2016/4/24    第389号

私は人の顔と名前を覚えるのが苦手です。ちょっと会わない人などは、顔は覚
えているけれど名前が出ないなどということは多々あります。それに比べて、サ
ービス業に従事している人は、名前を憶えるのが上手な人が多くいます。客の立
場で名前を言われると、本当に嬉しいものです。

ある寿司屋に入りました。カウンターにテーブルが4つほどの小規模店です。
そこはカウンター内に主人がいて厨房に一人、それと店内に接客担当の女性一人
で営業しています。

友人と久しぶりに行ったら女性接客者が新しい人になっていました。日本酒を
注文すると、升の中に入ったグラスに注いでくれますが、グラスから溢れ升いっ
ぱいに表面張力を効かせてぎりぎりまで入れてくれます。それが上手で、ずいぶ
ん「うまいね、酒飲みはこんなにぎりぎりまでついでくれたら最高」などと、褒
めながら会話をしました。

それからしばらくして、その店に行ったら、まずはビールを注文して、持って
きた時に「いらっしゃいませ、久しぶりですね。小倉さん」と名前を呼んでくれ
ました。びっくりしました。きっと前回にカードで支払ったから、名前をどこか
にメモしておいたのでしょうか。また主人には魚の産地や熟成具合など質問して
会話していたので、うるさいので覚えていたのかもしれません。

でも名前を呼んでもらうと嬉しくて、また来なくてはという気になりました。
よく覚えていたなと思い、後日名前と顔の覚え方を仕事で多くの人と会う知人に
聞いてみました。金融業の若手と保険業の年配です。共通して言えることは、名
前を繰り返して呼ぶことだそうです。そして人間観察をして、その特徴を頭に入
れます。目を中心に顔の特徴や全体の動作をとらえるそうです。「目が大きい」
「目が細い」「眉毛が太い」「鼻が大きい」「身振り手振りの特徴」「品がある」
「関西弁」などなど。そして大事なことは、覚えるという意識だそうです。確か
にボーっとしていたら覚えられませんね。

その人なりノウハウを作り上げて、名前を覚えることをしていますね。その結
果お客の立場からしたら、大きな満足が得られます。皆さんはどのような覚え方
をしていますか。

 

2016/5/8   第390号

(2)接客事例     -今日の事例-
私は史跡を訪ねてウオーキング、そのあと日本酒を楽しむ会合を仲間と2、3月
に1回開催しています。GWの中の一日。友人3人で浅草周辺で2万歩のウオーキ
ングを楽しみました。博物館、植物園、歴史のある近辺の神社仏閣5か所を訪れ
最後はドジョウ屋で日本酒です。実は前日、昔の仕事仲間と散々飲んでボーとし
た気分で参加しましたので、とてもつらい気分でした。

当日の参加者は皆酒好きなので、ついつい酒量が増えました。どじょうをつまみ
にだいぶ飲んで食べた後に、最後に日本酒を合づつ注文しましょうと言うことに
なりました。すると中の酒好きのメンバーが1杯でなく4合瓶をもらいましょう
ということになり頼みました。皆おなか一杯なんですが、つまみが足りないので、
出し巻きを一人前注文しました。

この店の仲居さんは年配者ばかりです。誰かが昭和の仲居さんだね、なんて言
っていました。出し巻きが出てくると、「お客さん、三名なので、三切れに切っ
てもらいました」と言うのです。本当は一人前は二切れだそうです。仲間の一人
が「さすが状況をみて対応するね、昭和の接客者だね。気配りがある」とほめて
いました。

ついつい気分よく盛り上がり、浅草だから電気ブランで仕上げましょうと店を
代えました。そのあと電気ブランを散々飲んで帰り、危うく電車を乗り過ごしそ
うになりました。皆さんのGWはいかがでしたか。

 

2016/5/23   第391号

私の友人に生牡蠣の好きな人がいます。牡蠣の専門店に一緒に行くと、平気で
5,6個以上ペロッと食べます。私も生牡蠣は好きですが、やはり生ですから、当
たったらいやだと不安に思い、せいぜい2,3個ぐらいでやめます。

その友人はいつも生牡蠣を一杯食べても一度も当たったことがなかったのです
が、先日オイスターバーで生牡蠣を十分堪能して家に帰ったら、夜中に急に吐き
気がして、吐いて下痢の症状になりました。夜中、嘔吐と下痢に苦しみ朝になっ
たら落ち着いてきました。でも心配なので近くの診療所に行ったそうです。

診療所についたのは11時前でした。ただ患者が多くかなり待たされて、診察を
受けたのは12時30分ぐらいになりました。その診療所は午前中は9時から12
時までが診療時間です。

自分の診察の番になって、医者に病状を伝えました。病状を聞いた後、嘔吐と
下痢が起きているから脱水症状にならないように点滴を受けたほうがいいけど、
こんな時間に来たら点滴は受けられないし、検査もできない、もっと早く来なけ
ればだめだ、もし点滴を受けたいなら午後の診察時間に再度来るように言われた
そうです。

でも、診療所に着いているのは、終了間際ではありません。1時間以上前に来
て、たまたま混んでいたから診察が遅くなったのです。時間的なゆとりを見て医
院に行ったわけですから、散々待たされて、来るのが遅いと言われたら気分が悪
いですね。もし、いつも混んで診療時間が長引くなら、受付時間を早めるなど工
夫して患者が差別なく平等に治療が受けられないと信頼がなくなります。

その医者が、私の知人の病状を診て大した病気でないと判断したから、そのよ
うな言葉になったかもしれませんが、知人は二度とあの診療所はいかない。違う
ところ探さなければと、怒っていました。

医療もサービスと考えればどの時間に行っても、診療時間内なら同じ治療が受
けられなければおかしいですね。皆さんはいかがですか。


2016/6/5   第392号

先日、外出中に油性ペンが必要になり、近くの100円ショップに入りました。
種類も多くいろいろ迷いました、決めてレジに向かいました。昼間の時間帯で、
レジは一つしかあいていません。たまたまお客が並んでしまい私が3人目でした。

最近の物販店に入ると、パートらしい年配の女性が対応しているのを見かけま
す。若いころは接客業していたのか、あるいは会社で接客を徹底的に教え込まれ
たような接客対応をしている人に会うことがあります。

今回の接客者もそのような感じです。他のお客への対応を見てると、すごく丁
寧なんです。「いらっしゃいませ」と挨拶をし、商品数、金額をいい、受け取っ
た金額の復唱、お釣りの金額を言いながら領収書を渡す。完璧な対応です。しか
も笑顔でお客を見て対応し感じがいいんです。

私の前の客、一人目、二人目、そして私への対応を観察していると、ちょっと
気になることが出てきました。お客にクッション言葉をよく出すのですが、「大
変お待たせいたしました」「大変申し訳ありません」を連発するのです。

動作も早くてきぱき対応しているのですが、必ず「大変お待たせしました」。
金額を告げて、お客が財布から金を出すときに「ちょっと待って」というと「大
変申し訳ありません」と返します。何かにつけて「大変申し訳ありません」の言
葉を出します。すごく大げさな感じがして違和感を覚えました。

接客言葉はそのお客の状況にあった言葉を使う、状況言語です。待たせてもい
ないのに「大変お待たせいたしました」、「ちょっと待って」に「大変申し訳あ
りません」はやはり状況にあった言葉ではないでしょう。

クッション言葉を出していれば問題ないと考えると、知らないところでお客に
違和感を感じさせているかもしれませんね。

皆さんはいかがですか。

 

2016/6/19   第393号

千葉県のあるお寺のそばに土産物屋さんがあります。そこには土産物屋が一軒しかありませんから、そのお寺を参拝した人はほとんど寄ります。

店先には年配の男性接客者がいて、商品を説明しています。普通土産物屋さんですと「いかがですか」「この商品売れていますよ」「飾ってお参りするとご利益ありますよ」などと話しかけても一言で対応する人が多いですよね。この接客者は違います。非常に具体的にストーリー仕立てで次のように説明しました。

先日、この置物をじーとみていた年配のご夫婦がいましてね。男性が「これだったね」と言ったのです。言い方もその年配者の話しぶりをマネしているようで、ゆっくり低い声で言うのです。そばにいたご婦人が「そうそう、これでしたね」と答えていました。そのご夫婦に話を伺うと、実は病気祈願でこの寺にお参りに来ました。帰りにこれを買って、家で毎日お参りしていましたら、おかげですっかり治りまして、今日はお礼参りで来て、また一つ購入しようと寄ったんですよ、とその時のご夫婦の状況を話してくれました。それ以外に、子供が授かった若夫婦の話、などと置物の効果を話していました。

私は別に置物に興味がなかったのですが、話を聞いた後に一つ買っていこうかなという気持ちになりました。その時は友人7名が周りにいたのですが、半分ぐらいの人が同じように買う気になって購入していました。

商品説明は具体的に、しかもストーリがあると、興味を倍増させますね。皆さんはいかがですか。

 

2016/7/3    第394号

夕方に都心を歩いていると、歩道に宝くじブースがありました。確かジャンボ
宝くじが発売中だなと思い寄ってみました。

「すみません、ジャンボありますか」
「おしまいです」
もう終わりかと思い、時計を見ると午後4時ちょうどでした。営業時間が4時ま
でで、中を片付けていたのでしょう。作業をしながら、こちらを見ないで「おし
まいです」と答えました。でも時間がちょうど4時でしたら、売ってくれてもい
いじゃないかなと思いました。それをたった一言で対応されると冷たいなと感じ
ました。

よく終了時間に店に入り、店の好意で買い物ができると嬉しいものですよね。
お客は自分が買いたいという希望に添えれば嬉しいのですが、反対に買う機会を
与えられないと、希望がかなわないわけですから不満が生じます。

ところが、今回のように仕事の流れ、都合でお客の希望に添えないこともあり
ます。そうであるなら、その点をカバーする工夫が重要でしょう。一番簡単な工
夫は言葉をかけることです。

この場合も、たった一言「おしまいです」ではなく、お客の不満をいくらかで
も解消するように、お客をきちっと見ながら、例えば「申し訳ありません。営業
時間が過ぎてしまいました。明日は〇〇時から営業しております。もし今日お求
めでしたら、この近くでは〇〇にありますので、お手数ですがそちらでお求めい
ただけますか。申し訳ありません」ぐらいの対応は必要ですね。

お客の希望を意識した対応をしないと、不満が残ってしまいます。皆さんはい
かがですか。

 

2016/7/18   第395号

最近は、コミュニケーション不足の状況を目撃することが多くあります。

電車の中で、たまたま中年男性が座っていて、その両隣の席が空いていました。
ある駅で若い男女のカップルが入ってきて、女性が空いてる男性の右隣の席に座
りました。連れの男性が、空いてる左隣の席に座ろうか、迷っていましたが、そ
れを見て中年男性が横に移動し、二人が並んで座れるようにしてあげました。当
然お礼を言うんだろうなと見ていましたら、連れの男性は何事もなかったような
表情で黙って座っていました。なんで「すみません」ぐらいの挨拶ができないの
かなと思って観察していました。

また別の日、それほど混んでいない車内で、駅に着いた時、連結部分のあたり
にいた若い女性が降りようとして移動するのに、無言で肘で何人かの乗客を押し
ながら出てゆきました。後ろから押されたお客は、不快そうにその女性の後姿を
にらんでいました。無言でなく「すみません」あるいは「降ります」などと声を
かけたら、動いてくれるでしょうし、スムーズに降りられるのにと思いました。

土曜日に、あるお祭りを見に行き、ちょうど近くの有名な神社に参拝し、参道
を歩いていました。社までかなり距離があって、上り坂になっています。そこを
学生たちが、陸上の訓練をしていて、全速力で走っています。後ろから全速力で
走るものですから、横を通られるときは危険を感じます。もちろんぶつからない
ように気をつけて走っているのでしょうが、もし年配者などと接触したら危ない
なと思い、なんでこのようなところで練習するんだろうと不快に思っていました。
走りこんで戻る生徒は、ゆっくりと走ってきます。すると生徒の一人は、歩いて
くる参拝者に「こんにちは」「こんにちは」と声をかけます。声をかけられると、
迷惑かけているのを気にしているんだなと思い、危ないとは思いますが不快感が
減少しました。

コミュニケーションって、相手の心理に大きく影響します。言葉一つで親しみ
をもたらせたり不満解消の道具になります。接客時においても、マニュアルだけ
の対応でなくお客にあった一言のコミュニケーションを工夫することで、お客と
の関係がよりスムーズになるでしょうね。

皆さんはいかがですか。

 

2016/7/31   第396号

関東地方も梅雨明けを迎え、本格的な夏に突入です。夏は汗のシーズンです。
ちょっと歩いたり、移動したら汗びっしょりなんていうことがありますね。

電車に乗って隣に座った人や、訪ねてきた人と話している時に、汗の匂いを感
じる時があります。そんな時は、暑いから大変だなと感じますが、接客者に汗の
匂いを感じるとそうはいきませんね。

先日、元気をつけようとステーキハウスに行き、会話と料理、お酒を楽しんで
いました。料理を運んできた接客者、お酒を運ぶ接客者と、何人かがサービスし
てくれました。お酒も十分飲んだので、水をもらおうと、近くの接客者に頼みま
した。

しばらくして、女性の接客者が水を運んできましたが、すごく汗臭いのです。
ちょっと汗臭いという感じではないのです。きついなという感じで、一緒のメン
バーもきついな、参ったなと言いだす始末です。店を出ると、もうこの店に来る
のはやめよういう言葉が出ていました。

汗の出る原因として、肥満、ストレスによる自立神経の乱れ、肥満、ストレス
による自立神経の乱れ、肉類をたくさん食べると体温が上がり、汗が出やすいな
どと言われますが、飲食業で汗がきついと感じたら、楽しんでいた食事もうまさ
が半減します。

今は、インターネットで検索すれば、汗対策がいろいろ出ています。店の評価、
再来店に大きく影響しますので、接客業では、気になるスタッフがいたら、言い
にくくても、注意してあげることが重要ですね。

皆さんはいかがですか。

 

2016/8/15   第397号

先日年配の男性と話していたら、素晴らしい看護師に出会ったと教えてくれま
した。心臓の手術で入院したそうです。事前説明で手術の死亡率が7%あると伝
えられました。ただ全国的な平均は10%ということで、この病院は全国平均より
高い生存率と説明されたわけですが、手術を受ける本人としては、もし7%に入
って、成功しなかったらどうしようと恐れが膨らんだそうです。

特に手術の前日は落ち着きません。眠れず、睡眠薬を服用しても全然眠れなか
ったそうです。不安が収まらずナースコールで看護師さんを呼んで「今晩で看護
師さんと話せるのも最後かも知れない」等不安を打ち明けました。すると「大丈
夫ですよ」と声をかけながら、手を握ってくれて、手術が安心する話をしてくれ
ましたが、聞いているうちにいつの間にか寝てしまったそうです。素晴らしい看
護師に出会えて良かったと自分の運の強さを喜んでいました。

それを聞いていた人が、私の友人も同じような体験があると話してくれました。
手術が始まる時に、執刀医に「手術が怖くて落ち着かない」と話すと、若い看護
師が手を握っていてくれたそうです。おかげで安心して手術が出来た、いい病院
で良かったと感動して話していたそうです。

するとそこに居た看護師長経験者が「それは特別な行為でなく普通の行動です
よ。看護とは、人間が持っている回復能力や自浄能力を整えることで、それを引
き出す道具が看護師の手です。手を握って安心すれば、その人の本来持つ回復力
を増すことができます」と教えてくれました。確かに不安で手術を受けるより、
安心して手術を受けたほうが結果は違ってくるでしょうね。看護からしたら普通
の行為だったかもしれませんが、手術が成功すれば患者は自分に施した特別な行
為と考え、感動話として多くの人に語っているのでしょうね。

接客でも、お客が感じた喜びが感動に変わったら嬉しいですね。お店で帰ると
きに、わざわざ出口で見送られれば、見送られないよりは喜びが倍増します。ま
た接客者からかけられた一言の言葉で満足の余韻を強く残すこともあります。動
作、言葉などの工夫で喜びを大きくすることができますね。

皆さんはいかがですか。

 

2016/8/29    第398号

近所の年配女性が、銀行の接客技術が詐欺から救ってくれたわ、と話してくれ
ました。

先日市役所を名乗る人から電話あり、医療費の還付金の返還手続きが期日まで
されていないと言われました。還付金なんてあるのかしらと思ったそうですが、
とにかくお金が戻るのは嬉しいからと話を聞くと、今月から処理が銀行に移管さ
れ、銀行から電話がありますと言われ、取引銀行名を教えると電話が切られまし
た。

30分後、取引銀行名を名乗る男性から電話があり、銀行から還付されるのに、
登録が必要なので、近くのATMで手続きをして欲しいと、ATMだけの営業の支店
を指定しました。そして、やり方が分からなければ、コールセンターに電話をか
けて聞いて欲しいと電話番号を教えたそうです。しかも、50万以上残金がある口
座がいい、そうでないと手数料が掛かるというのです。

その女性は、話を聞くうちにおかしいな、なんで登録が必要なの、なんで口座
によって手数料がかかるのと疑問が生じたのでいろいろ質問しました。

いろいろ答えますが、とても上から目線の言い方だったそうです。わざわざ還
付をしてあげるんだ、あなたが期日までに手続きしないから電話してるんでしょ、
というような感じで。

その口のきき方にカチンと来て、本当に銀行なの、銀行員はそんな口のきき方
しない、そんな口のきき方だったらクレームものだから、もう一度あなたの名前
を教えて、クレームとして訴えるから、というと電話を切られたそうです。

その後、役所、警察、銀行に確認の電話をすると、今流行っている詐欺だった
そうです。最近の接客会話技術はお客の心理を考えていますから、ただ単に表面
的に真似ても違和感を感じたのでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2016/9/12    第399号

眼鏡をかけたまま眠ってしまい、眼鏡が少し曲がることってありますよね。違
和感があって気持ち悪いものです。そこで眼鏡を購入した眼鏡店に直してもらい
にゆきました。

平日の夜、午後7時35分ぐらいに眼鏡店につきました。自動ドアが開きません。
おかしいな、今日は定休日でないのにと思って、店前の表示を見ると、営業時間
が午後7時30分と書いてあります。終わったんだと思い店内を見ると、店員が
2-3人カウンターの中で何か作業をしてるのが見えます。たまたま若い男性がこ
ちらを向いたので、腕で×の印を作って「もうだめなの?」と合図を送りました。
すると。その人は腕で×の印を作り「ダメです」という合図を送り返したのです。

この眼鏡店は家から遠く、わざわざ来なければならない私からしたら不便なと
ころです。今日は直すことができず参ったなと思い、こんな不便なところで作ら
なければよかった、いつ来れるかなと考えていました。

すると、先ほどの人と違う人が自動ドアを手動で開けてくれました。店長さん
です。
「申し訳ありません、どうなさいましたか」
「眼鏡が曲がってしまって直してもらいに来たんだけど、もう営業が終わったん
だね」
「いやいや、かまいません、すぐ直します」と言って店奥のソファーに案内し、
眼鏡を直してくれました。

「ありがとう、直してくれて助かりました」と言って店を出ましたが、店長は
接客の基本をわかっていますね。どのような状況でも、お客とコミュニケーショ
ンを取ることを。状況を聞いて、できるかできないか判断し、できなければ代替
案を提示する必要性を。ただ他の接客者へのその部分の教育ができていませんで
した。

言葉なしの対応だと、雑に感じますし、その対応をどのように評価されるかわ
かりません。コミュニケーションは大切です。皆さんはいかがですか。

 

2016/9/25  第400号

先日、地下街の飲食店に入りました。
酒と肴を注文し、話していましたら、なんか暑いんです。
「暑いな」と言葉に出ましたら、皆も暑いねと同意します・。

そこで、料理を運んできた若い女性接客者に尋ねました。
「ちょっと室温が暑いと思うんだけど、もう少し下がらないかな」
「調べてまいります」とその場を下がりました。

話しをしているうちに、戻ってきて
「お客様、ただいま17度に設定されています」
「あそう、17度に設定されているんなら、いいですよ」と答え、地下街だから空
調の効きが悪いのかな、と思っていました。すると接客者がテーブルのハイボー
ルを指し示して「こちらは冷たくなっておりますので」と笑顔で答えました。

うまいな、と思いました。「申し訳ありません」と返せば当たりまえの対応で
しょうが、機知にとんだ会話の返答で、「うまいね、あの子」と皆が思ったよう
です。

一つの言葉でもその場の雰囲気を変えることができます。誰でもがそのような
言葉がいつでもいえるとは限りませんが、人の会話を注意深く観察することで、
そんなセンスも磨かれるかもしれませんね。

皆さんはいかがですか。