第301号~第350号

2012/10/28   第301号

先日、ガソリンスタンドで給油しました。普段はセルフでガソリンを入れ石油
会社系のカードで支払いますので、ガソリンスタンドのスタッフとは接点はあり
ません。でも、洗車やタイヤの空気圧調整などを依頼する時は、スタッフにお願
いしますから会話を交わします。

翌日、高速道路を走る予定があったので、給油中に空気圧の調整をお願いしま
した。年配のスタッフだったのですが、空気圧の調整をした後に私に話しかけま
した。

「この車ハイブリット車ですから、タイヤのホイールキャップを代えませんか」
「なんで」
「アルミのホイールキャップにしますと、燃費が良くなりますよ。今ちょうどセ
ールをしていまして、皆さんにお勧めしています。皆さん燃費が良くなったと喜
んでいただいています。今なら、ちょうど用意できますよ」
「そうなの、いくら」
「今ならお安くなっていましてタイヤ4個分で39800円です。今付いてるホイー
ルキャップの処理代は無料でいいですよ」
「あっそう、考えておくね」と言って帰ってきました。
すると、不満そうな顔で私を見ていました。

私はあまり車に興味がなく、ほとんど乗る機会もないのです。本当に燃費が良
くなるかどうかわかりませんが、仮によくなったとしても、ホイールキャップの
購入金額を考えたら元が取れません。そんな事情も考えないで執拗に自分の要望
だけを勧めていますから押し売りに感じました。

自分が商品を勧める前に、なぜもっとお客様と会話しないのでしょうか。車が
好きなのか、車をよく運転するのか、燃費について興味があるか、燃費が悪くて
困っているのか、などなど。お客様とちょっとした会話の中で情報を掴んで、必
要と思われる人にだけ勧めるようにすれば効果もあるでしょうね。

お客様の状況把握には会話が必要ですね。そうしないと、私のように空気圧の
チェックなど、車両関連の依頼事は、もうこの人には絶対頼まないと、接触を拒
否されるかもしれません。

皆さんはいかがですか。



2012/11/11       第302号

日曜日の朝の情報番組でご当地で人気のあるソースとタレの話題を取り上げて
いました。その中に名古屋のコーミソースが紹介されていました。

たまたま、愛知県のT市に行く用事があったもので、それを買ってこようと思い
ました。午前中にスーパーに寄りました。
接客者にソースの置き場所を尋ねると、そこまで案内して
「種類が少なくて済みません」
「いえ、TVでコーミソースが紹介されていてそれがほしくてね。あっ、ありまし
た」
「そうなんですか。あってよかったですね」と声を掛けてくれました。

ついでに、愛知県の地酒を買って帰りの新幹線で楽しもうと思い、小さいビン
をいくつか購入しレジに向かいました。

「これ、お願いします」
バーコードをスキャンしながら
「おしるしでいいですか」
「・・・・・(何言っているか意味が分かりませんでした)」
「おしるしでいいですか」
「えっ」
「おしるしでいいですか」
「おのー」
「おしるしでいいですか」
「ああ、袋でなくテープでいいかということなの?」
「はい」
「はい、それでいいですよ」
やっと意味が分かりました。

その接客者は「おしるし」と言う時「し」の部分にアクセントがかかる言い方
をしています。普段私などは「おしるし」と言う時は全体に平板に発音している
ので、意味が分かりません。私の経験では袋を要らないか聞く場合は「テープで
いいですか」と聞かれた記憶があるもので。同じ言葉を笑顔で何回も言われてい
ると、余計不思議に感じて理解するまでに時間がかかりました。

もっとも接客者からしたら、背広でネクタイをした人間が朝からソース1本と
酒だけを買っている姿は異様だったかもしれませんね。

相手と意思の疎通ができない時は、何度も繰り返さないで、とっさに他の言葉
に言い換えたほうがコミュニケーションはスムーズに進みますね。

皆さんはいかがですか。



2012/12/2       第303号

割引券の入ったダイレクトメールをもらったので、休日に近くの量販店に行き
ました。ちょうど園芸部門を覗くと、パンジーがとても色鮮やかにきれいでした。
割引券もあるし、苗を購入しようと30株ほどレジに運びました。そこに店長らし
き男性接客者がいたので尋ねました。
「このパンジーは冬平気ですか」
「あちらのシクラメンの方が霜には強いんですが、パンジーも平気ですよ。プラ
ンターですか」
「いや、地植えにするんだけど」
「そうですか、プランターでしたら、寒い時は家の中に入れられますけどね。ち
ょっと待ってください。私より知っている者に聞いてみます」
とても感じよく相談に乗ってくれます。そばの年配の女性に「〇〇さーん」と大
声で呼びかけました。

その女性は、肥料を2袋、カウンターから下ろしていました。ちょうど他のお
客に、肥料を返品されたようでした。あんな大声なのに聞こえないようです。男
性がそばまで行って、パンジーは地植えでも平気か聞いています。非常に無愛想
に「大丈夫」の一声です。男性は笑顔でこちらに寄ってきて、「平気だそうです
よ」と答えてくれました。

レジでは別の若い女性が対応してくれました。冬も花が咲き続けるか心配でそ
のようなことを話しかけると「大丈夫ですよ、冬でも。それに今なら苗は大きい
のがありますよ。」笑顔で安心させる説明をしてくれます。帰りに受け取るから
預かって欲しいと頼んで園芸部門を出ました。

他の販売部門を回っていると、ポインセチアが並んでいます。そばで鉢を整理
している男性がいましたが、先ほどの男性接客者です。「きれいだね、この花も
管理してるの」「はい、店から離れてますけど、これもそうです。このポインセ
チアは状態がいいですからお買い得ですよ」「花を預けてあって、後で寄るけど、
これも一緒の割引の購入でいい?」「いいですよ、すぐ店に戻りますから持って
行って置きます」「40分ぐらいしたら寄りますからお願いします」

帰りに園芸部門に寄りました。ちょうど購入した時の若い女性がいました。預
かってもらった苗を受け取り「さっき、向こうのポインセチアを決めて、こっち
に持って来てもらうことになっているんだけど、来ていますか?」
「申し訳ありません、まだ来ていません。いいですよ、キャンセルしておきます。」
「でも彼に悪いよ」そんな話をしていると男性接客者がポインセチアを抱えて帰
ってきました。

「済みません、遅くなってしまって」
「いやー間に合って良かった。」
「ちょっとお待ちください」
目の前のポインセチアを置いて、自分は奥に下がりながら、若い女性に「割引対
応でお願いします」とレジを頼みました。あんな感じがよく対応していたのに、
男性の依頼には嫌な顔して対応していました。

この店の接客対応は男性接客者、若い女性接客者共に感じがいいのですが、接
客者同士のやり取りを見ていると、とても非協力的に感じ、男性が女性接客者に
嫌われているのかなと思いました。

接客者同士のやり取りはお客様にも見えています。店の雰囲気にも影響します
から、お客様からどう感じるか、気にかける事も大事ですね。

皆さんはいかがですか。



2012/12/16    第304号

先日、出先で1時間ばかり時間の余裕ができました。ちょうどいい機会なので
高層階は飲食店フロワーになっているオフィスビルの最上階に行ってみました。
どんなお店があるのかなと思い、店前のメニューなどをそれぞれ見ていました。
時間は午後2時を過ぎていて、各店舗のランチタイムは終わり、店によってはま
だランチタイムのお客が残っているような状況です。

店前のメニューを見てから、ドアガラス越しに店内が見えます。時には店内の
接客者と目が合うことがあります。そんな時、目が合っても無視する接客者が結
構いるんですね。中にはじろじろ見て、不審な顔をしながら目をそらす人もいま
した。

あんまりいい気持ちはしません。もしかしたらいつか利用するかもしれない潜
在顧客のはずです。でもあんなに無視されたような雰囲気ですと、もし利用する
機会があっても違う店にしたいなと思ってしまいます。

営業時間外なので、店に入る客でないと思って油断したのでしょう。でもその
中で、たった1軒、目が合ったら、目礼した接客者がいました。感じがいいなと
思ったと同時に、その店の名前は印象に残りました。ちょっとしたお客への反応
は、良い評価として印象に残ります。

どんな時でも、お客と目が合ったら、何か反応する工夫が大切ですね、目礼は
もっとも簡単な反応ではないでしょうか。

皆さんはいかがですか。



2012/12/30    第305号

 皆さんはお正月を迎える準備は済ませましたか。

 年末は毎年慌ただしい感じがします。やれ片付けをしなくては、やれ掃除をし
なくてはと、同じように過ごしてしまいます。

 そんな時、あれがない、これが足りないなどと、結構販売店を利用する機会が
多いですね。それぞれの店の接客者は忙しい中、皆さん頑張っています。

 忙しい時の接客ほど、接客者の実力がわかりますね。

 お客が並んでいるレジの年配の女性接客者、響きのある通る声で挨拶しながら、
商品名の声かけをしながら商品をスキャンして、時折お客の行動に反応し「恐れ
入ります」「氷をお付けしましょうか」など声をかけ、テキパキ仕事をしている
姿に、こちらまで気持ちよく買い物が出来ました。

 ホームセンターで購入したものをカートで車まで運んだあと、空きカートを所
定の位置まで戻そうとしたら、5mぐらい手前で「お預かりします」と言いなが
ら、女性接客者がカートを取りに来ました。お客を観察していて、手助けしよう
という気持ちがあるので、そうした対応になったのだと思います。予想外の事を
されたので余計接客者への評価が上がりました。

 どの店にもお客様意識のある接客者はいます。そうした接客者をまねて他の接
客者のレベルも上がると買い物の楽しさが倍増しますね。

来年も多くの事例を提供したいと思います。

 皆さま、今年は「接客バンザイ」を読んでいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えください。



2013/1/13   第306号

皆さんはどのような新年を迎えましたか。
本年も充実した年にしましょう。

新年早々10日程入院予定の友人がいまして、見舞いに行きました。つらい入院
中、一番心に残るのは看護師さんの対応ですね。話の中でここの病院の看護師さ
んは皆感じがいいと褒めていました。病室に来ると、必ず笑顔で対応し、優しい
言葉をかけてくれます。毎日担当の看護師さんが変わりますから、何人もの看護
師さんとの出会いがあります。入院から1週間ほど経ちますが、すべての人が同
じように感じがいいというのです。

私も5年ほど前10日間ほどの入院経験があります。その時も感じのいい看護師
さんもいましたが、中には冷たく感じたり、言葉がきつかったりもう少し工夫し
てくれないかなという人はいました。また親が入院して病室を見舞う機会もあり
ましたが、その時も、たまにはあの看護師さんではつらいだろうなと思う人もい
ました。

看護師さんは自分の仕事を一生懸命やっているのでしょうが、患者さんの感じ
方で悪く取られてしまします。ですから、出会うすべての看護師さんが感じがい
いというのは珍しいと思いました。

友人も、その点を珍しく思い、ある時ある看護師さんに聞いたそうです。
「この病院は、本当にすべての看護師さんが感じがいいんですけど、何か特別な
ことをしているんですか」
「そうですか、ありがとうございます。そう言っていただくと嬉しいです。別に
特別なことはしていませんし、対応はそれぞれのやり方に任されています。ただ
院長は常に「仕事は楽しくやりなさい」とおっしゃっていますので、私たちもそ
のようにやっています」

とても素晴らしい言葉ですね。仕事が楽ければ、仕事に集中できますし、その
仕事の対象である患者の気持ちに配慮ができるのでしょうね。皆がその気持ちで
仕事をすれば、全体的な評価は当然上がってくると思います。

組織として仕事をすると、必ず足を引っ張るスタッフがいるものです。その部
分の底上げをしなければ、評価は上がりません。皆が楽しく仕事をすることは重
要ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/1/27   第307号

 よく行く焼肉屋さんでのこと。帰りに入口近くにある傘立てに置いた傘がなく
なっていました。遅い時間でしたから、もうお客はわずかです。似ている傘があ
りましたが、雨もやんでいて、簡易ビニール傘でしたから、「しょうがないな」
と思い帰ろうとしました。すると、見送りに来た馴染みの接客者が「間違えたお
客様が返しに来るかもしれません、そうしたら次回まで預かっておきますから」
と言います。安い傘なので、持ってくるわけないなと思いながら帰りました。

 1か月ほどして同じメンバーでその店に行きました。馴染みの接客者が注文を
取りに来て、いろいろ世間話をしていましたが、傘の話は出ませんでした。もう
すっかり忘れているんだろうなと思っていましたら、途中で注文の料理を持って
きた時に、話しかけてきました。
「先日はすみませんでした。あの後やはり傘は出てきませんでした。当店にも同
じような傘がありますが、お持ちになりますか」
「やっぱり出てこないね、安い傘だったから、いいよ、いいよ」
「申し訳ありません」

 その話題をすぐに出してこなかったので、覚えていたわけではないと思います。
たぶん顧客名簿などあるいはメモ帳に、起こった出来事を記録していて、それを
読んでから対応したのだと思いますが、きちっと約束したことに対して言葉で対
応してもらうとその接客者の評価が上がりますね。特に小さなトラブルでも、起
こったことが印象深いものはなおさらです。

 ただ、その日は雨ではなかったので分かりませんが、また同じような状況が起
こらないような工夫をしてるでしょうか。同じような状態で、持っていかれた傘
が高価なものだったら、トラブルに発展するでしょう。何か問題があったら、二
度と同じ問題が起こらないように工夫する姿勢は絶対必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/2/10    第308号

先日グループで飲み会がありました。私の飲み方は、「とりあえずビールね」
という流れで始めます。お酒が飲めない人を除いて、そのようなパターンが多い
と思います。そしてその後、今の時期は日本酒を飲むのですが、今は日本酒を飲
まない人が多いですね。

ある女性は、メニューを見ながら選びます。
「じゃー、グレープフルーツサワーにしょう。あっ、手搾りグレープフルーツサ
ワーってあるから、それのがいいな」と通常のグレープフルーツサワーより何十
円か高い手搾りグレープフルーツサワーを注文しました。彼女の頭の中には半分
に切ったグレープフルーが来て、それを絞り器で絞ってサワーに入れて飲む、そ
んな飲み方をイメージしていました。他の人たちも同じようにイメージしていました。

しばらくして接客者が手搾りグレープフルーツサワーを運んできました。
テーブルに置かれたサワーを見て、グループ全員が「?」という顔をしました。
通常のグレープフルーツサワーと変わりません。グレープフルーツも絞り器も付
いてきません。

彼女は接客者に尋ねました。
「ねー、手搾りって書いてあるからてっきり生だと思って注文したんだけど、違
うの?」
「いいえ、これは生です。厨房でグレープフルーツを絞って、入れてきています。
お客さまによっては、自分で絞って入れるのは面倒だと言う方もいらっしゃるの
で。当店では厨房で絞って入れてきますので、喜ばれるお客様が多いですよ」
「あーそうですか」
と返答していました。

接客者がテーブルを離れたら、女性達は
「おかしい」
「普通絞って入れれば絞りカスが入っているはずなのに、きれいじゃない」
「嘘ついているのよ」
「飲んだら甘くて、生じゃないわよ」
と口々に話していました。その後手搾りグレープフルーツサワーを頼んだ人は誰
もいませんでした。

厨房で絞っている状況は説明されていませんから、本当のところは分かりませ
んが、我々のグループは全員疑いを持って帰りました。

説明力は接客者にとって重要な要素ですが、説明で誤解されたり疑われたりし
たら、店の評価に影響します。複雑な説明内容によっては、誤解されないか十分
注意して日ごろから想定問題を作って練習することも必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/2/24   第309号

ある施設の中の食堂でグループで食事をしていました。味噌汁とデザートと飲
み物がついた松花堂弁当を全員が注文しました。我々は座敷のテーブルに座って
いました。まず弁当が運ばれました。運んできたのは男性接客者です。まだ新人
さんでしょうか、満面の笑みで、動きがぎごちないんのですが、まず座敷に上が
って全員にお辞儀をします。それからテーブルに近づき、それぞれにきちっとお
辞儀をして出します。教わった動きを一生懸命にやっているようでした。

その後味噌汁がないことに気が付き、その彼を呼びました。すぐ飛んできまし
たが、まず座敷に上がって全員にお辞儀、それからテーブルの前まで来て、きち
っとお辞儀をして「お呼びでしょうか」と言います。
「味噌汁が来てないけど」
「ただ今お持ちします」
「今日は混んでるの」
「はい」と答えてから、笑顔で次に会話を待っています。
「とにかく急ぐように言って」
「はい」と答えると、我々のテーブル前でお辞儀して、座敷をおりる時にまたこ
ちらに向かってお辞儀して座敷をおります。それを見ていて、「お議事がいいか
ら、早く厨房に伝えてよ」と誰かが小声で言ってました。

しばらくして味噌汁が来ました。デザートなどが遅いと次の予定に影響がある
ので、飲み物も急ぐように頼みました。そうすると接客者は、それぞれの席の前
に移動してコーヒと紅茶どちらがいいか聞くのですが、移動するたびに、お客に
お辞儀して、座敷を降りる時にまた全員にお辞儀です。それを見ていて「忘れな
ければいいけど」と誰かが話していました。

デザートとコーヒとレモンティが来ました。誰かの心配したようにレモンティ
にレモンがついていません。その旨を知らせると、やはりテーブル前でゆっくり
お辞儀、座敷を降りる時も、ゆっくりお辞儀。レモンが来たときは、皆飲み終わ
ったころでした。

教わった通りにきちっと動きをしているのでしょうが、緊急の時に約束の動き
をゆっくりやられると、見ている全員が急がずにのろのろ対応されているようで
イライラしてきました。

気の利いた対応に見られるのはどうしたらいいか、そんな視点から自分の動き
をチェックすることも必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/3/17   第310号


皆さん、体調はいかがですか。私は風邪を引いてしまい、約3週間治らずにつ
らい思いをしました。そんな関係で接客バンザイは予定より一週間遅れの配信で
す。

 普段は電車に乗る時はマスクをし、帰ったらうがい、手洗いを気を付けていた
のですが、3週間前鼻水が出て、咳がでるので、あわててかかりつけの医者に行
きました。

 幸いなことにインフルエンザでなく、ただの風邪と診断されました。薬をもら
って飲めばすぐ治ると簡単に考えていましたが、なかなか治りません。1週間ほ
どしてまた病院に行きました。病院に行くと体温を測ります。37.1度でした。
すると「小倉さん、熱が少しありますから別部屋でお待ちください」と一般の患者と隔離します。他の人にうつさないための配慮でしょう。

 案内された部屋に行くと、一目見て熱のありそうな人がいます。点滴をしてい
る人や、ゴホンゴホンと咳き込む人、それを見てインフルエンザでもうつされた
らいやだなと思いました。マスクをしていましたが、部屋中にウィルスが飛んで
いるようで、なるべく息を吸わないよう端っこでおとなしく診察を待っていまし
た。そんな体験をしたせいか、薬をもらっても余計悪くなったように感じました。
案の定1週間たっても治りません。鼻水、咳は少し出ますが、熱はないようです。
今回は別部屋に行かなくて済むと思い安心して病院に行きました。

 病院につくと、まず体温を測ります。すると37.1度です。案の定「小倉さー
ん、別部屋でお待ちください。」わーまた隔離なんだと思いましたが、その日は
熱のある患者は他に1名だけでした。マスクをしっかりつけて、安心して診察を
待ちました。そのせいか薬をもらってから、間もなく治りました。

医者の判断ですから、隔離されたのが風邪が長引いた原因ではないかもしれま
せんが、ひどく風邪を引いた人と同室にしばらくいたのが、長引いた原因だと自
分では勝手に思っています。

確かに、待合室の風邪患者とそうでない人を一緒にすると、うつる可能性があ
るので、隔離するのでしょうが、その基準がはっきりしません。そうとう弱って
点滴を受けてる人、ゴホンゴホンと苦しそうに咳をしている人、そのそばにしば
らく放置されると不安からそんな気になりますね。

普段から体温の高い人なら、風邪を引いていなくても37.1度の人もいるのでは
ないでしょうか。隔離の基準をはっきり説明したり、書かれたものがあったほう
が納得しますね。

皆さんはいかがですか。



2013/3/31       第311号

友人の母親は一人暮らしをしています。子供達は時折顔を出し生活を見守って
います。ある時、エアコンが古くなったので、馴染みの近所の電気販売店からエ
アコンを購入し取り付ました。使い始めてリモコンの調子が悪かったそうです。
電気がついたりつかなかったり。とても不便なので電気店に電話しました。当然
見に来てくれるものと思っていましたら、「そのエアコンは近所のホームセンタ
ーで買って取り付けたので、ホームセンターに直接電話してほしい」と言われた
そうです。電球の取り換えなど、小さな仕事でも頼めるからと、わざわざ、金額
が高くなるのを承知で注文したのに、その回答にがっかりし、もう2度と買わな
いと怒っていたそうです。その後今回のトラブルは、リモコンの電池を交換した
だけで直ったそうです。

電気販売店も、既存の仕入ですと金額が高いために、より低価格の仕入れを考
えてそのような対応になったのかもしれません。でもお客は、親身なアフターサ
ービスを期待して近所の電気店に注文したのだと思います。この時、まずお客の
家に出向いて、直接話を聞いて、状況を把握したらこんな結果にならなかったの
ではないでしょうか。

特に電気販売店の場合、電球の取り換えなど高齢者からは小さな仕事で信頼を
得ている店もあります。

実際、電気量販店から仕入れて取り付けを行い、お客から便利に活用されてい
る電気販売店もあります。自社のお客に対してのサービスとは何かを正確に理解
して、工夫して対応しないとお客からの信頼は得られませんね。

皆さんはいかがですか。



2013/4/14   第312号

先日、移動の関係で午前11時ごろ昼食を食べました。開いているのはラーメン
チェーンの店のみでした。開店早々で誰もお客はいません。ドアを開けて入ると
中年の男性が「いらしゃい」と大きな声で迎えてくれました。カウンターでなく
奥のボックス席に座りました。その男性が水を出しながら、注文を取りに来まし
た。すぐに料理が運ばれましたが、時間が早いせいかお客は誰も来ません。

食べ終わり、ちょっと書類を出して打ち合わせをしようとしていると、「すみ
ません、お勘定を先にお願いします」と言います。「いいですよ、いくら」「2
人で1940円です」「じゃー2000円でお願いします」手に60円を持っていて「お
釣り、60円です」とレシートもくれません。

会計を済ませ、打ち合わせを簡単にしていると、他の従業員が店に入ってきて
ユニフォームに着替え準備をしています。11時30分を過ぎて、そろそろ店を出
ようとしていると、初めて二人連れのお客が入ってきました。「いらっしゃい」
の声でそちらに目をやると、入口近くで食券を買っています。そしてやはり奥の
ボックス席に座りました。この店は食券方式だったのです。その時初めて気が付
きました。

通常は食券を買うのを忘れると、「食券をお願いします」と食券の購入を促し
ますが、この店は何も言わずに料理を出し、レシートなしの現金で受領しました。
もちろん食券を買い忘れたお客に対して親切な対応をしたのかもしれません。
でも、あのままポケットの入れてもわからないなと思えるような対応です。

お客は接客者の行動を見て、どのような感想を持つかわかりません。悪く取ら
れれば、店の印象にも関わります。誤解されるような行動はしないほうがいいで
すね。

皆さんはいかがですか。



2013/4/28   第313号

先日親戚の葬儀に出席しました。私の叔父がなくなり、栃木県で葬儀が行われ
ました。告別式が終わり、最後に親族皆で棺に花を入れながら最後のお別れをし
ました。花でいっぱいになった時に、住職が棺の周りに親族を集め、故人に向か
って語りかけたのです。「〇〇さん、本当にお疲れ様でした。」と故人に呼びか
けてから、故人がどのような人生を歩んできたか、どんな苦労をしたか、何を一
番喜んでいたか、そんな話の内容を語りながら、故人の奥さんの名前、子供の名
前を間違えずにさりげなく入れながら約3分ぐらいの話をしたのです。それを聞
きながら周りの親族は涙を流していました。

私も今まで親戚の葬儀には何度も出ていますが、このような語りかけを聞いた
のは初めてです。すごく印象に残りました。そこで斎場での待ち時間の間に、そ
の旨を話し、いつもこのようなことをしているのか住職に尋ねました。住職が言
うには、葬儀に出た方が、その故人の記憶をいつまでも残してほしい、そのため
にどうするか工夫してるとのことでした。

葬儀の前に喪主と話をして、故人はどんな人生を送り、喜び、悲しみなどを伺
い話の内容を作るそうです。孫がとても好きだった故人には、孫を並ばせて「お
じいちゃん、さようなら」と言わせたり、酒好きの故人には、末期の水の代わり
に酒を口に湿らせたりと状況によって工夫しているそうです。

葬儀というと流れが決まってパターン化していますが、ちょっとした工夫で印
象の残り方が違います。この住職は法話も上手でした、声も響きのあるいい声を
していました。自分の得意な部分を活かし、参列者に記憶にとどめてもらうよう
努力をしています。どのような仕事でも、工夫次第で顧客満足を起こす方法があ
るのですね。

皆さんはいかがですか。



2013/5/12   第314号

私は5年ほど前に網膜剥離の手術を経験しています。網膜剥離を経験した人は
片方の目もなりやすいので注意してくださいと主治医に言われているもので、10
か月に1回ぐらいは定期的に大学病院に行って検査しています。

大学病院は予約して行っても何時間も待たされます。眼科の場合は診察を受け
る前にまず待たされて、処置室で、眼圧、視力などを測ってから瞳孔を開く薬を
入れられます。それから診察まで待つのですが、目に薬を入れられてますから、
本を読んで待つわけにいかないので、診察の順番が来るまで目を閉じジーと待っ
ています。よけい時間が長く感じられます。同時に周りの音、声がよく聞こえて
きます。

診察前の処置室へ案内している職員の声が聞こえてきました。
年配の男性に声をかけています。
「こちらへどうぞ。」
「メガネは使うんですか。」
「メガネは使いますよ、眼科ですから。」
「ここは胃腸科でないのはわかってるよ」とその年配の男性は嫌味を言っていま
した。

その職員は何気なく言ったのでしょうが、一言多いですね。「眼科ですから」
と付け加えたから、「ここは眼科なんだよ、使うにきまってるでしょ」と言われ
てるようで、年配者は馬鹿にされてるように感じて、嫌味を言ったんでしょうね。
無駄な言葉を付け加えないで、「メガネは使いますよ、お持ちください」って言
えば馬鹿にされているとは思わないし、嫌味も言わないでしょうね。

待たされてイライラしているときは、言葉をどのような意味で受け取るかわか
りませんから、誤解されないように細心の注意が必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/5/26    第315号

私は最寄りの駅から自宅まで帰る時は近道になるので商業施設の中を通ります。
その店は、2階より上は衣料品、生活用品、電化製品などを販売しており、一階
は食品コーナー、飲食店、専門店コーナーとエリアごとに分かれています。それ
ぞれが閉店時間が違うため、時間が来るシャッターを下げて、そのエリアへは入
れなくしています。ちょうど通りかかった時はシャッターを下げていました。警
備員が近くで、そばのお客へ大きな声で注意を促しています。

「シャッター降下中でーす。ゴチュウでーす」と聞こえてきます。「ゴチュウ?」
って何かな。理解できないと、余計知りたくなります。ちょっと立ち止まり、耳
を澄まして聞いてみました。「シャッター降下中でーす。ゴチュウでーす」いつ
も言いなれている同じ内容の言葉を変なアクセントをつけて怒鳴るように言って
ますから、やっぱりわかりません。何かなと思いながら、歩き始めました。する
と違う場所でシャッターが下がっていて、そばの警備員が同じように大声で注意
を喚起しています。「シャッター降下中です。ご注意ください」そうか、ご注意
くださいという意味なんだと、初めて分かりました。

先程も同じ意味のことを言っていたのでしょうが、言い慣れているうちに言葉
をちょっと変えて「シャッター降下中です。ご注意です」にしたと思います。そ
れを、変なアクセントに変えて「シャッター降下中でーす。ご注意でーす」と怒
鳴るもんですから、正確に聞き取れず、何言ってるか意味が解らなかったんです。

言葉は意味が伝わって初めて効果が出ます。何言ってるかわからないなら、伝
える意味がないですね。何のために言ってるんだろうと思います。

毎日同じ言葉を使うと、自分で変なアクセントをつけたり、言葉を変えてしま
う人がいますが、自分では楽しんでいるのかもしれませんが、分からせなければ
意味がないですね。目的はお客様に注意を喚起すること。意味の伝わらない言い
方をしていたら注意は喚起されません、自分のやってることの目的は何か、それ
を意識することも大切ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/6/9   第316号

先日、高速道路のあるパーキングエリアに寄りました。今パーキングエリアは
施設がきれいになったり、色々なお店が入ったりと、利用するお客様を喜ばせる
ためにさまざまな工夫をしています。

その日はあいにく雨の日でした。そのパーキングエリアでは天気の日は地元の
野菜を販売しています。せっかく寄ったので、どのような野菜を販売しているか
見たかったのです。何気なく入口で外を見ながら、「そうか、今日は雨だから野菜売ってないんだ」と大きな声で話していたら、そばにいた接客者が「残念ですね。雨ですから販売していないんです。野菜を楽しみにいらっしゃる方も多いんですよね。」と答えてくれました。

とてもセンスのある接客者だと思いました。普通でしたら、黙っている人が多
いでしょう。あるいは話しかけたとしても「今日は雨ですから販売していないん
です」と事実だけを伝えるだけかもしれません。

でも、その年配の女性接客者は、お客の気持ちになって一緒に残念がってくれ
ました。このようなちょっとした一言が加わることで、気持ちをわかってくれる
んだ、感じの良い接客者だという記憶が残ります。同時に今度は晴れの日に寄っ
て野菜販売を見てみたいなという気持ちになりました。

お客様の気持ちを配慮した一言って効果がありますね。皆さんはいかがですか。



2013/6/23   第317号

先日、あるイタリアンの店に入ろうとしました。ここは若い夫婦で営業をして
おり、まだお店を開店してから半年ぐらいです。一生懸命お客様に対応している
姿が感じが良かったので、2度目の来店です。

ちょうど午後8時半ぐらいでした。店の中は電気はついているのですが、誰も
お客がいません。ドアを開けようとして鍵がかかっています。その音に気が付い
て、そこの奥さんがカギを開け顔を出しました。

「ご予約のお客様ですか、予約がないと入れないんですよ」
「誰もいないのに?」
「これから一杯になるんです。」
非常に怖い顔で話します。きっと、グループが何組か来るので準備に舞い上がっ
てるからでしょうか。
「分かりました、それでは」と帰りましたが、その後すぐに無言で鍵をガチャと
閉められました。ガラス戸ですから、良く見えます。すごく冷たい対応に感じま
した。

多分準備に一生懸命で、当日のお客以外に気持ちが回らなかったのかもしれま
せんが、表情もきつく、「申し訳ありません」の言葉もありません。前回の来店
時に感じたお客に一生懸命向かう姿勢も感じられず、たぶんもうこの店には来な
いだろうなと思いました。

店を利用できないお客への帰し方って大事ですね。その店が忙しい等の理由は、
他のお客に関係がないですね。その日利用できなくても、また利用してもらう工
夫がないとお客は離れる可能性がありますね。

皆さんはいかがですか。



2013/7/7    第318号

私は、持ち物が多い時と少ない時で鞄を替えて出かけます。たまたま持ち物が
少ない時に使っていた鞄のチャックが壊れてしまったので、帰りにカバン専門店
に寄りました。午後8時半を過ぎていたと思いますが、閉店間際に寄りました。

そばにいた若い女性接客者に、自分が購入したい鞄のイメージを伝えました。
すると開口一番、「時間を気にせず、お好きなものをお選びください」と言って
くれました。それでも遅くなっては申し訳ないので、「なるべく軽いもの」で、
「鞄の中身があまり入らないような大きさでも困る」と、自分の希望を伝えまし
た。

接客者はいろいろ鞄を持ってきてくれて、比較検討させてくれました。持って
みたり、鞄の中の仕切りの数、チャックの数などなど。鞄の外観や中を見ながら
比較していると、終始笑顔で、会話に入ってきます。
「これぐらいあると便利ですね」
「やはりチャックできちっと閉じられないと不安ですよね」
「鞄の重さも重要ですね。ちょっと中身が多くなってしまうと、持ち運ぶ時に重
さが気になりますから」と、うまく同意の相槌を打ってくれて気持ちよくさせて
くれます。また「今日のスーツのお色と合いますよね」など、いい気持ちにさせ
てくれます。結局、中から気に入った鞄を購入しました。

 女性接客者の接客技術が高く、気分よく購入でき、その鞄は満足して使ってい
ます。ただ一つ気になることがありました。それは彼女の付けている香水の香り
です。きついんです。そばで話していて、頭が痛くなりました。たまたま汗をか
いたので、ちょっと化粧室で多目に付けたのでしょうか。でも店内は空調が聞い
てるからそれほど暑くはありませんでした。すると始業時からあの香りなのでし
ょうか。

香りはおしゃれの重要な要素ですが、きついと我慢するのがつらいですね。香
水の香りは自分ではなかなか気づきません。その接客者も自分ではちょうどいい
と思って付けたのでしょう。同僚同士で、お互い注意し合って気をつけないと、
お客に与える影響は大です。

人は香りに敏感です。きつい香りは素晴らしい接客も評価を下げてしまいます
ね。特にこれから夏にかけて気を付けないといけませんね。

皆さんはいかがですか。



2013/7/28    第319号

愛知県のN市で仕事を終え、タクシーで会場から駅まで行きました。何度も利
用していますが、このタクシー会社の運転手さんは、必ず乗車する時にドアを開
けてくれ、中に座ると挨拶して氏名を名乗ります。きちっとしたお客様対応をし
ますからとても感じがいいのです。

今では地方都市に行くと、接客を重視したタクシーに遭遇することが多いので
珍しいことではありません。ただ当日駅から会場までに利用したタクシーがひど
かったのです。
「〇〇ホテルまでお願いします」
「・・・・・・」聞こえなかったのかなと思い再度
「〇町一丁目の〇〇ホテルまでお願いします」
「・・・・・・」
無言で走り出しました。いまどきこんなにも応対が悪い運転手に会うのも珍しい
ですから、なんか嫌なことがあったのかなと思いながら、いつもは運転手さんと
会話するのですが、その気にもなりませんでした。

そんなことがあったものですから、帰りの運転手さんに聞いてみました。
「この会社のタクシーに乗るといつも感じがいいけど、お客様応対の練習をいつ
もやってるの?」
「ありがとうございます。入社時に時間かけて徹底的に教育されますから、その
応対が身についてるのかもしれません」
「いやー今日駅から来た時の運転手さんは、行き先行っても返事がなく無言だっ
たよ」
「それは気分悪いですね、まだそういうタクシーもいるんですか」
「いるんだよね。びっくりした。だから最初にきちっと教育されることは大事だ
ね」
「そうなんです、私も最初はここまでやらなければならないのかと大変に思いま
したが、実際やってみるとお客様の反応がいいんですよ、降りる時にありがとう
などの言葉をいただきますと、うれしいですね。そしてもっともっとお客様が喜
んでいただくように工夫しなければならないと思います」

お客様の反応が、より運転手さんのサービス意識の向上への動機づけになって
いるようです。最初の教育は大事ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/8/11   第320号

新潟県のN市に行った帰りに、駅近くのすし店に寄りました。ここはちょうど
昨年の9月に寄ってカウンターで板さんと話をしながら、肴に合う酒の話を聞き
ながら寿司を堪能し、帰りに「来月また寄るね」という話をして帰りましたが、
翌月に行ったときは、たまたまその板さんが休みだった記憶があります。

やはりカウンターに座って、まずはビールを飲みながら、板さんと「お勧めの
日本酒は何」等と話をしていると、さりげなく日本酒の何種類かを勧めてくれな
がら会話をしていると「前もこの席に座っていただいてますよね」「確か今年の
3月に〇〇するっておっしゃってましたよね」と9月に店に寄った時に話した内
容を話題として振ってくれました。その時、その板さんを思い出しました。

「えー覚えてるの、もう1年になるよ」
「確か来月来るよとおっしゃってましたよね」
「そう、来たんだけど板さんが違う人だったんだ」
「たまたま、休みにぶつかったんですね」
話しているうちに、前回話した内容が徐々に明確になってきました。

1年も前のことをよく覚えてると尋ねると、カウンターに座る人はほとんど地
元の人が多いのと、話をした人は結構覚えているとのこと。何となくそうかなと
思いながら、探りの会話をして、間違いないと思ったら、その時の会話で記憶に
残っている内容をお客に話しかけるようにしていると言ってました。

やはり「覚えていてくれた」という感情はお客としてうれしいですね。ずーっ
とその店はご無沙汰していましたが、また行こうという気持ちにさせてくれまし
た。お客の顔を覚えることはお客を満足させる大きな要素ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/8/26   第321号

先日友人が開腹手術をしたので病室に見舞いに行きました。本人の術後は順調
で元気ですので、病院内のいろいろなことに興味を持っているようでした。会う
なり看護師さんの話をしてくれました。
「この病院の看護師さんはとても感じがいいよ、もちろん笑顔など表情がいい人
が多いけど、特に患者との会話を大事にしてくれるから気持ちがいい」
「点滴を替えたり、血液検査をするときも、(申し訳ありませんね、すぐ替えま
すからね)とか(申し訳ありませんね、チクッとしますよ)というように何かと
いうとクッション言葉を多く使ってくれるから、対応が感じがいいし、説明もわ
かり易くしてくれるので安心だよ」
患者が安心して治療に専念できるように、医療技術以外に患者への接し方をいろ
いろ工夫しているようです。サービス業としての意識が高まってきていますね。

たまたま翌日、あるビルに入りました。そこは各県のアンテナショップが多く
入っています。1時間ばかり時間があったので、何軒かの店を見学し、出よう思
いトイレを探しました。ちょうど案内カウンターがあったので、そこの女性に尋
ねようとしました。年配者の先客と何か話しています。地下鉄の駅までの道順を
教えているようでした。結構時間がかかっていましたが、やっと私の番になりま
した。
「すみません、このフロアにはトイレないんですか?」
「ないですね、2階にあります。」
答えはその言葉のみでした。私の後に客が待ってるわけでもありません。簡単な
答えに、愛想がないな、尋ねなければよかったと思いました。尋ねるまでずいぶ
ん待たされた気持ちを考えたら、「申し訳ありません、お待たせししました」と
いう言葉があってもいいでしょう。また2階でもどのあたりにあるのか、もう少
しお客の利便性を考えたら加える言葉があるんじゃないのかなと思いました。

案内カウンターはまさにサービス業です。他の業種がどんどんサービス業的工
夫をしていますから、お客の気持ちを配慮した応対を工夫しないと、評価が厳し
くなりますね。

皆さんはいかがですか。



2013/9/8   第322号

気に入っている店があります。席数20程の小さなイタリアンですが、ソムリエがいて、そこのシェフは有名店で修業をして独立した人です。料理もおいしく、料理に合ったワインを勧めてくれるのでいつも満足して帰れます。

先日、久しぶりに行きました。夜の7時半ぐらいに行ったのですが、客が誰もいません。おすすめ料理が黒板に書いてあり、それを見ながらいつものように好みの料理をアラカルトで注文しました。旬のプルチーニ茸を使った料理を勧められ、それを含め何品か注文しました。確かに旬のプルチーニ茸はその香り味が、それに合うワインと融合して十分堪能できました。そして話も弾み楽しい時間を過ごしました。ただ、何時になってもお客が来ません。結局最後まで我々1組だけのお客でした。

時間が過ぎるにしたがって、接客者がいつもより、料理を勧めるのがしつこいのです。料理を食べてると、次にこちらはいかがですかと勧めてきます。勧められたものを、追加するといつもより食べる量が多く、お腹もいっぱいになりました。

いつもワインを飲むと、最後のデザートの甘いものや、コーヒーなどの飲み物は注文しないのですが、その日に限って「デザートはいかがですか」「コーヒーはいかがでしょう」と勧めてくるのです。当然のようにやんわり断りましたが、今日はお客がいないから、少しでも売上をあげるために、料理の勧め方がしつこいのだろうかと思いました。

もちろんそんなことはなく、通常はデザート、飲み物を最後に勧めるでしょうから、通常の接客をしたのかもしれませんが、我々はいつも注文しないことを知っているはずですから、違和感を覚えました。

お客の立場で考えると、状況によっていつもの対応と違うと、勝手に理由を想像してしまいますね。次回行った時に同じような状況で同じような対応をされると、きっと好きな店のリストから外すかもしれません。

お客への応対が誤解が生じないかチェックすることも必要ですね。皆さんはいかがですか。



2013/9/22   第323号

事務用のコピー機をリースで使用しているのですが、満了の期限が来年4月に
なっています。満了の期限が近づきますと、コピー機の営業マンからのコピー機
の買い替えを勧める連絡が多くなります。2か月に1回ぐらい来ていました。今
使用しているコピー機は故障も皆無ですし、使いやすいので、新機種に換える必
要もないので、リースの期間が終わったら考えるよといつも答えていました。

満了までの期間が半年を過ぎますと営業の電話の頻度がより多くなりました。
大体電話してくる内容は決まっています。
「今月は特別月間でお安くなりますから、今決めてもらえればお得です」
「今お使いの機械より機能も充実していますが、現在のお支払いのリース金額よ
りだいぶお安くなります。」
「特別に社長にだけの情報です」
私の解答は同じで、リース満了後に考えようと答えました。

たまたま1週間もたたないうちに、同じ会社の営業マンからの電話を私が受け
ました。人は違う人でした。今までは電話を受けた時は同じ人かどうか覚えてい
ませんが、5日前でしたので声を覚えています。

「お使いのコピー機が、来年4月でリースが満了しますので、ちょうど機種が出
ましたので、連絡しました」と言います。
「先週、あなたの会社の営業の人から電話がかかってきたけれど、あなたではな
いよね」
「えつ、かかってきましたか。私ではありません」
「どうせ今月は特別月間で廉価で出せるって話でしょ、そして、うちに合う機械
がちょうどあって、お得だって言うんでしょ」
「はい、まーそんなとこですが」
「今使用しているコピー機は気に入ってるし、不便でないから、リースの期間が
終わったら考えるから、その時期に電話して」といつもと同じ返答をしました。
そして
「あなたの会社は、一つの顧客の電話番号を営業マン、皆で取り合ってるの」
「あのー、たまたま強化月間で本社の営業の者が、かけたのかもしれませんが、失礼しました」としどろもどろになりながら、すぐに電話を切りました。

営業トークが同じで、違う人から電話を掛けられると、営業マンがなりふり構
わず少しでも売上アップを考えて動いているようで、会社の信用力や管理能力に
に疑問が生まれますね。今回はどんな事情でそのようになったのかは分かりませ
ん。一つの行動でいろいろ想像してしましますから、工夫がないと、怖いですね。

皆さんはいかがですか。



2013/10/6   第324号

日曜日にTVを見ていましたら、電話がかかってきました。電話を取ると年配の
女性の声です。
「〇〇(地名)の△△という畳屋なんですが、ご主人のところは畳の張替えなど
はいかがですか?」
畳の張替の営業です。ちょっと話をして、何となく営業の電話が慣れていない感
じです。たぶんコールセンターではなく、個人店の畳屋さんの奥さんでしょうか、
そんな感じです。

知人の話などを聞いても、今は日本間が少なくなっています。日本間が全然な
いという家もあるぐらいですから。畳屋さんも売り上げアップのため、営業して
いるんだなと思いながら電話で話していました。

たまたま私の家は日本間が多いんです。ですから、畳に関してはいつも近くの
同じ畳屋さんにお願いしています。話をしていて、「決まっている店があるから
必要ありません」というのはかわいそうな感じがして、「残念ですが、張替はや
ったばっかりなので、また何年かしたら電話してくれますか」と言いました。

すると、がっかりした感じで
「そうですか、張替をやったばっかりですか。じゃー何年かして覚えていたら、
また電話します」と切りました。

この営業の女性、正直な人で、また電話をするのは先になるから、素直に「覚
えていたら」と言ったのでしょうか。あるいは、私が断ったのを「どうせ嘘だろ
う」と思い、嫌味で「覚えていたら」と言ったのでしょうか。

本当のところは分かりませんが、「覚えていたら」なんて言う言葉は無駄な言
葉ですね。いくら慣れていなくても、営業する以上相手に不快感を与えないよう
に、営業トークのマニュアルを考えてから、電話をすることが必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2013/10/20  第325号

先日、高齢の親戚の女性に会いました。もう90歳近いのですが、健康で身体も
ピンピンしています。今家を建て直している最中で、正月は新しい家で迎えられ
ると楽しそうに話してくれましたが、ちょっと気になることがあるというのです。

家は大手の建設メーカーに注文したそうです。地鎮祭の時に、近くの地元の神
主に頼もうと思ったのですが、メーカーの営業マンから専属の神主がいるという
ことで、メーカーからの派遣の神主になりました。

滞りなく地鎮祭が終わり、神主が帰る時に、挨拶をしていたら、たまたま家族
が近くにいなく二人きりになりました。すると、神主はジーと女性の顔を見て
「来年の2月は身体に気を付けてください」と言って帰ったそうです。

それからその言葉が頭から離れずにいるそうです。ストレスから体調を壊した
らどう責任を取るのでしょうか。娘さんが近いうちお祓いに行こうと言っている
そうですが、罪作りな神主です。

人の未来が見えるということが、本当にあるか知りませんが、親切に「来年の
2月に気を付けてください」というなら、そのためにどうしたらいいかまで言わ
なければ不安をあおるだけです。この神主は何のために言ったのでしょうか。不
安をあおって、それを取り除くための何かを、営業したかったのでしょうか。分
かりませんが、地鎮祭を頼まれてきたのに、それ以外の不安を与えて帰りました。

メーカーの営業マンにクレームとして訴えなければ、この事実は知らないでし
ょうね。そして同じように他の顧客に不安を与えているかもしれません。建設メ
ーカーは建物の安心安全を提供しても、心の不安を与えてはマイナスイメージで
すね。

皆さんはいかがですか。



2013/11/4   第326号

マンション住まいの知人が洗濯機を購入しようと大手量販店に行ったそうです。
接客者が親身に相談に乗ってくれ、アドバイスをもらい、現在の置き場所に収ま
るか、一度見てもらったほうがいいということになりました。今は無料で置き場
所に収まるか確認してくれるサービスがあるそうです。そこで縦型とドラム型の
何種類かの洗濯機を選び、後日確認してもらうことになりました。その時点では、
縦型の洗濯機を購入する気持ちが強かったそうです。

確認日までにパンフレットを見てますと、縦型よりドラム式に興味がわき、何
種類かの洗濯機も希望候補になりました。運送業者が置き場所を調べに来ました。
前もって言われた縦型の機種に関してはすべて収まる、ところがドラム式は一番
小さいのはOKだけど、一番欲しいと思っていたものは水道の蛇口の高さの関係か
ら難しいと言われました。そこで、追加で興味を持った機種に関して、パンフを
見せながら確認したところ、パンフにこれはOK、これは無理と印をつけてくれま
した。

後日、再度量販店に行って、接客者に確認の結果を伝え、最終的に洗濯機を選
ぼうとしたところ、接客者から矛盾を指摘されました。高さが同じなのに、OKの
場合と無理な場合があります。また高さは1mぐらいはOKとあいまいな表現が追
記してありました。

また蛇口の位置が影響するなら、乾燥フィルターの位置によっては取り外しが
出来ないなど問題が生じるのではと感じ、接客者が直接実際に寸法を確認したス
タッフに尋ねると、そうした細かい点は確認していないということでした。そこ
で別のスタッフに再度寸法を調べてもらうことになりました。

違うスタッフが再度寸法を測ると、欲しいと思っていた洗濯機はすべて収まる
ということが分かりました。最初に寸法を調べたスタッフが、せまい場所だから
縦型を購入すればいいと思って測り、ドラム型に関しては適当に応えたようです。

最初のスタッフのいい加減な対応が、お客が何度も店に足を運び、量販店の接
客者が何度も親身に対応し、運送業者の従業員に再度お客の家に伺うなど無駄な
仕事を増やしてしまったのです。

 もし、最初のスタッフが、自分は運送業者だから家電のことは関係ないと、言
われたことをただ行うのでなく、家電業者との取引をしているのだから顧客意識
を持ち、お客の希望を配慮して寸法をきちんと測れば無駄が起きなかったでしょ
う。

どのような仕事であっても、お客と関わるのであれば顧客意識は必要ですね。
皆さんはいかがですか。



2013/11/17     第327号

先日、風邪気味だったので、悪くならないうちに治そうとかかりつけの医者に
午前10時ごろ行きました。診療所内はすごく混んでいます。受付に診察券を出し
ても、次から次へ患者がやってきます。受付ブース内は、女性の担当者が一人で
対応していました。

その担当者は、患者から診察券を受け取ると、病気の状況を聞いたり、また患
者によっては体温計で熱を測るように診察前の準備作業を指示します。同時に診
察が終わった患者へは会計を行います。その間に診療所へかかってきた電話への
対応をします。

待合室で本を読んでいても、受付の女性の対応が耳に入ってきます。
「〇〇さん、今日はどうなさいましたか」
「〇〇さん、お待たせしました。お会計の準備ができました。本日は〇〇円です」
そこへ電話がかかると
「はい、〇〇クリニックです。」と出て、聞かれたことを説明します。またこの
時期、インフルエンザの予防接種もしていますが、行政区域の違うところから来
た年配の患者へは、料金が違うことへの説明などもします。そこに、また電話が
ひっきりなしにかかってきます。

その受付の忙しく対応する言葉が耳に入ってくるので気が散って本の内容が頭
に入らない状態でした。そのぐらい、忙しく応対しているのです。

聞いていて感心したのは、この担当者はどんなに忙しくても、言葉が速くなり
ません。年配の患者にも「〇〇さん、こちらが処方箋ですから、お近くの薬局で
薬を受け取ってください。近い薬局は、病院を出て、左に20mぐらい行ったら、
目の前にありますから。気を付けて行ってください」ゆっくりと、患者の目を見
て間を取ってわかりやすく話します。

ひっきりなしの電話でも、出方が落ち着いています。あれだけ忙しいとつい早
口になったり、焦った話し方になる人を目撃することもありますが、そんな時は、
余計イライラ感が増します。でもその担当者はそのような対応は全然見せません。
あわただしさを感じさせず、見てきて気持ちよくなるほどです。

まだ30歳ぐらいでしょうか、若い担当者ですが、忙しい経験から身体で覚えた
応対なのでしょう。受付の上手な対応が患者にとって待ち時間の長い不快感を増
幅させなくて済みますね。皆さんはいかがですか。



2013/12/1   第328号

先日、居酒屋さんに入りました。初めて入る店です。混んでいて席がなく通路
横に作られた最悪の席に案内されました。人が横を通って落ち着かないのです。
ここしかないのでしょうがないと、話をしながら飲んでいました。

店内は混んでいて忙しいのでしょう、接客者が走り回っています。横を何度も
走って通られると、鬱陶しくて、さすがに我慢も限界に達し、通り掛かった接客
者に注意をしました。「ものを食べてるんだからその横を走ることはないんじゃ
ない。もう少し移動の仕方を工夫したら」すると、はっとした顔をしてきちんと
「申し訳ありません」と謝ってくれました。

それからしばらくして、注意をしたことも忘れ、友人と話し込んでいましたが、
話の切れ目に、その彼が声をかけてくれました。「お客さんどうですかぁ、ご迷
惑にならないような歩き方になってますか」と。確かに鬱陶しい感じがなくなっ
ていましたので「うん、気にならなくなったよ」と答えました。

それがきっかけで話しましたら、彼が言うにはお客様に接している時は、自分
の態度を気にするけれど、接していない時に自分の行動でお客様に迷惑をかける
ことがあるということは全く気がつかなかったというのです。「いいこと教えて
いただいてありがとうございます」と反対に感謝されました。

通常はクレームを聞くというのは嫌なものなのでしょう。クレームを言われた
時に嫌な顔して「すみません」とだけいって、もう寄ってこない接客者が多くい
ます。「忙しいからしょうがないでしょう、うるさい客!、」と言わんばかりの
態度の接客者が多いのですが、彼は違っていました。クレームを言われて、自分
の対応をチェックしていました。きっといい接客者になるな、と気分良くして家
路につきました。

皆さんはいかがですか。



2013/12/15   第329号

地方出張の時は、いつもホテルに荷物を送ります。その日はN市で会議に出て
いました。その間に知らない携帯番号から電話がかかっており、留守録はされて
いませんでした。

会議が終わって、チェックインするためにホテルに行きました。するとフロン
トから、「電話をくださいとのことです」と電話番号を渡されました。運送業者
からで先ほど私にかかっていた携帯番号でした。電話をすると、荷札を貼り間違
えて、30kmぐらい離れているO市に行ってしまい、現在営業所に問い合わせて
いるが連絡がつかないとの説明でした。

「冗談じゃないよ、明日使う資料も入っているし、洋服なども変えられないじゃ
ない。着かないと困るよ」
「それで今連絡しているのですが・・・」
「何時に着く予定なの」
「分からないんです」
「昼間から連絡取ってるんでしょ、今6時だよ、何時にわかるの」
「それが・・・」
「遅くても着くんだろうね」
「はい、・・・たぶん・・・」
「つかなかったらどうするの」
「・・・・・・」
携帯番号にかけてますから、集配に来た担当者だと思いますが、受け答えのやり
取りでますますイライラしてきました。大手の運送業者なのに教育がまるでされ
ていないのです。

とにかく、一度も「申し訳ありません」という言葉が出ないのです。はっきり
としない事情説明をしているだけで、都合が悪ければ黙っているのです。番号札
の貼り間違えは、運送業者の落ち度です。それなのに一言も詫び言葉がないので
す。結局荷物は夜の9時ごろにホテルに着きましたから、仕事に影響はなかった
のですが、その運送業者の評価は大きく下がりました。

もしかしたら配送した人でなく営業所のスタッフで、自分のせいでないからと
詫びなかったのでしょうか。でもトラブルの時に詫び言葉がないだけで、増々い
らいらして落ち着いた話し合いになりませんでした。

どのスタッフにもトラブルの時の基本的な教育をしないと怖いですね。皆さん
はいかがですか。



2013/12/30  第330号

忘年会の時期はいろいろな年代の人と飲むことが多いのですが、接客者の感じ
方の違いがあって面白かったお話をします。

私と同じ年代が多い時は、やはり話題は健康のことになり食べ物などに気を付
け野菜を多く取る人がいます。こんな光景を目にしました。つまみに付け合せて
あった野菜が1枚残っていた皿があったのですが、接客者が空いてる皿と思い「失
礼します」と言って皿を下げようとすると「まだ残ってるよ」と下げるのをやめさせて野菜を食べている人が何人かいました。そしてその後接客者への不満を言
います。「下げるのが早いよ、気が利かない接客者」だと。

若い人が多いと、同じような状況で「失礼します」と皿を下げると、「ありが
とう」と言った後に、「いやーここの接客者、皿を下げるタイミングがいいです
ね。」と接客者を褒める人がいました。

同じような状況でもお客の感じ方によって受け取り方は様々です。年代が違っ
たり考え方や嗜好が異なりますから、なおさらです。接客者としてはどのお客に
も褒められたほうが得ですし、最低限でも不満を与えないようにしなければなり
ません。そんな時はやはりお客に「お下げしてよろしいですか」と言葉をかけれ
ば両方のお客は不満を感じることはないでしょうね。

接客はお客とのコミュニケーションです。お客とコミュニケーションを工夫し
ている人はお客に不満を与えません。お客とのコミュニケーションを工夫してい
ますか。皆さんはいかがですか。

今年も接客バンザイを読んでいただきありがとうございました。
皆さん、元気に良いお年をお迎えください。



2014/1/12   第331号

ちょっとした会話が人の気持ちを変えさせることがあります。昨年手術のため
入院をして、現在元気に生活している知人がいます。

新年になって、行き付けのお店の接客者と会話したり、またグループの会合な
どで話すときに、入院したことを話題にすることがあるそうです。
「昨年は入院して大変な年だった。今年は元気で病気と関係ないいい年にしたい」
と話すと、ほとんどの人は同意して慰めてくれるそうです。
「入院したなんて大変でしたよね。今年はいい年になりますよ」

ただそんな中である会合で会話をしたときに、一人だけ印象に残る受け答えを
してくれた人がいるそうです。
「昨年は大変な年と言ってますが、手術してすっかり治って、今元気に活動され
てるんですからいい年だったんですよ。決して大変な年ではなかったんですよ」
その言葉を聞いてとても気分がよかったと話していました。

まさにプラス思考の考え方で、出来事を否定的にとらえるのでなく、プラス面
を探し出してそれを強調しています。それで元気づけられたのでしょうね。
受け答えた人は看護士さんだったそうです。たぶんいつも患者さんを元気づける
ためにプラス思考の内容の会話をしていて、それを身体で覚えているんでしょう
ね。

仕事でもお客との何気ない会話で、印象に残る受け答えができたらいいですね。
皆さんはいかがですか。



2014/1/26   第332号

群馬県のT市で駅からタクシーに乗りました。タクシーに乗り込んだときは、
何か挨拶をしたみたいですが聞き取れないぐらい小さな声です。行き先を告げて
も、聞こえないぐらいの返事。しかもつまらなそうな顔をしていました。私は運
転手さんとは結構話す方で、乗った地域の情報を聞くのが好きです。ただ最初の
印象で、接客が苦手あるいは、やる気がない運転手さんだなと判断すると声をか
けないで走る景色を楽しんでいます。

しばらく走っているとフッと気がつきました。運転席のハンドルのそばに雪だ
るまの人形が飾ってあります。その頭と腰の部分が揺れていて、まるで踊ってい
るようです。太陽光線をエネルギーにして人形を躍らせているようです。その姿
が愛嬌があったので運転手さんに聞いてみました。
「運転手さん、その人形なーに。かわいいね」それまで小さな声で話すのが億劫と
思えた運転手さん、人が変わったように話し始めました。
「そうですか。目立ちます?」
「そうやっていつも体動かしてるんでしょ」
「これ太陽の光で動くんですよ」
「動きが漫画みたいでかわいいよ」
「後ろにもあるんですよ」後ろを振り返って教えます。振り返るなんて危ないな
と思いながら見るとリアガラスの前に、同じように太陽で動く人形がありました。
後ろにあったのは手招き猫と花の人形。でも後ろの人形はそれほどインパクトが
強くなかったので、雪だるまの人形について尋ねました。

「どんなところで売ってるの」
「100円ショップですよ」
「100円ショップでこういうのを売ってるの。面白いね、買ってみようかな」
「駅ビルにも100円ショップがありますから、帰りに寄っていったらいかがです
か」その後、100円ショップだと単価が安いから、無駄なものまで買ってしまう
など、ずーっと話しかけてきて、おしゃべりしていました。

しかも、降りるときは笑顔で挨拶をきちんとして、「忘れ物ありませんか」と
気配りも見せていました。あんなにやる気がないように見えた運転手さんが自分
の興味のあることになると、うるさ過ぎるぐらい大きな声で話していて、しかも
接客がよくなりました。

お客によって応対が変わるのでしょうか。ムラな接客です。これだけ感じよく
応対ができる人なのに、もったいないですね。最初からこんな感じで応対すれば
ムラのある接客と評価されないのに。皆さんはいかがですか。



2014/2/9  第333号

先日栃木県のある市に仕事で行きました。帰りに先方の会社の方に駅まで送っ
てもらいましたが、ちょっと遠回りして、川と山の景色の美しい場所に連れてい
ってくれました。
「観光地の景色に比べると大したことがないのですが、私はこの町の一番美しい
ところと思っているんです。大好きなんです。せっかく来ていただいたので、見
ていただこうと思いお連れしました」
確かに有名な観光地の景色に比べると、見劣りするかもしれませんが、川の流れ
の曲線と背景の山々がマッチして何とも言えぬ美しさを醸し出しています。

その景色を見ながら、案内してくれた方の気持ちに打たれました。本当に自分
の故郷を愛しているんです。いいと思うことを素直にいいと思う気持ち。この考
え方があれば、人が気づかない故郷の良さがいくつも見えてくるでしょうね。

よく地方に行って、お話をすると、「この辺は外に向かって自慢するものがな
いんですよ」と自分の故郷を卑下する人が結構います。卑下していたら永久に故
郷の良さを見つけることができないでしょうね。

何気ないところから、プラス面を探す姿勢は扱い商品、サービスのプラス面を
見つけるのに役立つでしょうね。皆さんはいかがですか。



2014/2/23  第334号

いつも見慣れた街角で、夜に通るといつもお客でいっぱいの店があります。他
の店がガラガラな時でも込んでいますので、理由はなんだろう、料理がよほどう
まいのかな、あるいは値段が低めでお得感があるんだろうか、その原因が知りた
くて興味を持っていました。ある日たまたま機会を作って友人と入ってみました。

入るなり、笑顔で明るい声で「いらっしゃいませ」と挨拶をされました。見る
とそこの女将さんのようです。メニューを見ながら注文しましたが、確かに値段
は低めに設定してありますから、お得感があります。また他の店でも良くやって
いる「お酒と料理2品で1000円」などの晩酌メニューをやっていました。ただ味
は取り立ててうまいわけではなく、標準的に思えました。

お客を見渡すと、仕事帰りのサラーリーマングループ、女性同士のグループ、
ご近所らしい年配のグループや一人客も何人かいて様々です。

ただそこの女将の対応が素晴らしかったんです。お客が入ってくると、どのお
客にも必ず女将が率先して挨拶します。帰る時は、必ずドアの外まで見送って挨
拶をします。

そのような対応は今や珍しくありませんが、必ずお客の名前を呼んで迎えてい
て、帰りも名前を呼んで見送っています。その時、必ず一言付け加えています。
「今日は寒いから風邪に注意してください」「いつもすみませんね」「今日はお
腹一杯になりましたか」「またお待ちしていますね」等など。

また料理を提供するときには必ずお客に一声かけて何か会話しています。長く
話していません。どの客にも万遍なく短い会話をしているのです。

そのせいで、この店に来やすいのでしょうね。常連は必ず「こんにちは」とか
「久しぶり」とか「寒いね」などと会話しながら入ってきます。その言葉に必ず
一言返して迎えいれていました。アットホームな雰囲気を作っています。

ちなみにそれからしばらくして2度目に行ったときに「小倉さん、いらっしゃ
いませ」と声をかけられました。確かにボトルをキープしましたが、顔と名前を
覚えているとは。びっくりしました。

「名前を呼ぶ」と「顔を覚える」を「一言の会話」。魅力を感じさせる要因です
ね。皆さんはいかがですか。



2014/3/9   第335号

先日、地方都市の駅ビルの飲食店フロアで蕎麦屋さんに入り昼食を食べました。
昼時はお客で一杯です。少ない接客者で忙しくテキパキと動き、多いお客に対応
していました。

食事が終わり、伝票を持ってレジに行きました。レジのところには誰もいませ
ん。レジのトレイのそばで右側に伝票を置き待っていました。すると他のグルー
プ客も食事を終えレジに来ました。そして、同じようにレジのトレイのそばに置
きますが、左側に置いて待っています。そしてまた食事が終わったお客が一組や
ってきました。伝票の置き場がないので、手に持って待っています。レジの周り
に丸く囲んでお客が待っていました。

レジ周りに人の山が出来たので、接客者が気づき「すみません」と言いながら
急いでレジにやってきて会計の準備をします。そしてレジのそばの伝票をおもむ
ろにつかみました。トレイの左側の伝票をつかんだのです。

「こちらのが先」と思い「順番が違う」と声をかけようとしたら、2番目のグ
ループの人の一人が、「我々ではないよ、こちらのお客さんが先ですよ」と説明
してくれたので、接客者は伝票を取り直して私の会計をしました。

 一連の動きに私は「すみませんね」と次のグループの説明した人に声をかけ、
支払いをして店を出ました。接客者が例え順番を間違えたとしても、「こっちが
先」と注意をすれば順番を間違えることはないでしょう。しかし心の中では、一
瞬でもこっちが先なのになんで順番を間違えているんだろう、といい気持ちはし
ませんでした。美味しく食事をしたのにマイナスの気持ちの変化が起きます。

 でも、「お客様、申し訳ありません、最初のお客様はどちらでいらっしゃいますか」と一言声をかければ、順番を間違えることはないし、不快な気持ちが一瞬でも訪れることはないでしょう。

 その時の状況を間違いなく知るためにも、無駄なクレームを受けないためにも、
勝手に判断しないで、お客に必ず話しかけることが必要ですね。目が回るほど忙
しくても状況を誤解なく正確に把握するためにコミュニケーションが必要ですね。

皆さんはいかがですか。



2014/3/25   第336号

接客されていて、接客者の気の利いた一言ってその場の雰囲気を作りますね。
先日、あるデパートに寄りました。ちょうど北海道の物産展をやっていましたの
で覗いてみました。
いろいろ興味のある商品が並んでいます。興味がわくとつい買ってしまします。
「これとこれください」
「はいありがとうございます」
「つい興味がわくと、どんな味か試したくなるよね」
「お客様、いい商品を選びましたね。どちらも美味しいですよ」
買って間違いではなかったなという気持ちになりました。

「これください」
「ちょうど出来立て、美味しいところですよ。いま包装しますからお待ちくださ
いね」
一言で商品の価値を上げていました。

その後、トイレに行こうとして場所を聞きました。
「トイレどこですか」
「奥まで歩いていただいて、エレベーターの横です」
「ありがとう」
「いってらっしゃいませ」
この一言は違和感がありました。

「いってらっしゃいませ」って何気なく言ったのでしょうが、「頑張ってトイレ
してきてください」と言われているようで何か気恥ずかしい感じがしました。
「すこし歩いていただきますとすぐわかります」とか「案内板がありますのです
ぐわかります」と言われたら違和感はなかったでしょうね。

お客への一言はお客に親しみを演出する素晴らし工夫ですが、状況に言葉がピ
タッと当てはまらないと逆効果かもしれませんね。

皆さんはいかがですか。



2014/4/6   第337号

先日たまたま郵便局に用事があって行きました。手続きを済ましている間、椅
子に座って待っていました。

その時職員が近くに座っている年配の男性に声をかけました。その時のやり取
りが聞こえてきました。
「お客様、切り替えありがとうございました。お客様の年齢を見たのですがお若
いですね。とても見えません。男性の方は割と年齢より高く見えて、反対に女性
の方はびっくりするぐらい若い方がいらっしゃるのですが、お客様は本当に若い
ですね」
若いといわれて、その男性は気分を良くしたのでしょう。しばらく会話をしてい
ました。自分の生活状況などを大きな声で話していましたが、そのうちセールス
の話になりました。カードローンを勧めているようでした。
今は局に来る人にも職員さんは積極的に営業するんだ、大変だなと見ていました。

数日後、その郵便局に用事で寄り、待合の椅子に座って順番を待っていると、
やはり近くの椅子で待っているお客に職員が声をかけています。そのやり取りが
聞こえてきます。
「お若いですね。私60台だと思っていましたよ」言われた年配者はまんざらでも
なく「そうなの、もう73歳だよ」なんて喜んでいたようです。その後同じように
セールスをしていました。

たまたま、それを目撃して、この郵便局ではお客との人間関係を作るきっかけ
の話材に「年齢」を活用しているんだと思いました。

私のように同じ話材で近づく職員を何度も見てしまうと、もし私に年齢の話を
しながら寄って来たら、セールスだなとそれだけで相手を警戒してしまうでしょ
うね。ワンパターンだと営業成果はよくないでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2014/4/20   第338号

先日、手土産を買おうと駅ビルの食品売り場に寄りました。

別に何を買ってもよかったのですが、どれにしようか迷いながら、店内を歩い
ていました。チョコレート、クッキー、ゼリー、煎餅、等いろいろな商品が並ん
でいます。それぞれの商品を見ながら、接客者に尋ねました。

「ここで一番出るのはどれ」「・・・・」こちらとこちらですと、手で商品を示
しながら商品の特徴を言っているのですが、声が聞き取れません。夕方でお客が
多かったのですが、私と接客者の距離はショーケースを隔てただけです。その上
に確かに、包装された商品が並んではいますが、こんな距離でも聞こえないのだ
思いながら、違う店移動しました。

今度は、「これとこれの味の違いってどおなの」「甘すぎるかな」と尋ねると
次の店の接客者は、商品の違いをきちんと説明してくれます。作り方や素材等。
非常にわかり易いのですが、何か事務的ですごく冷たい感じがするんですね。商
品自体はこれでもいいかなと思ったのですが、その冷たい感じにここで買わなく
てもいいやという気になりました。

次の店で同じように商品の違いを聞きました。わかりやすくきちっと説明をし
てくれました。今度の接客者は、声がはっきり聞こえますし、冷たい感じもしま
せん。その店で購入しました。

不思議ですね。言葉遣いも丁寧に話してもらっても、声の雰囲気で感じ方が大
きく違ってきます。明るくはっきりと聞こえて温かな感じの話ぶりにはやはり惹
かれます。

皆さんは自分の声がどのようにお客に感じられるか考えたことがありますか。
たまには親しい人の自分の話ぶりをチェックしてもらうのもいいですね。いかが
ですか。



2014/5/4   第339号

日曜日に出かけて夕方帰るとある宅配便の不在通知表が入っていました。すぐ
にその日の夜8時からの配達依頼を自動電話応答で申し込みました。車が止めや
すいように夜でしたが門を開けて待っていました。

午後7時半ごろインターフォンがなるので出ると、宅配便でした。あれ予定よ
りずいぶん早いなと思いながら出て行きました。
「早いんだね」
「まずいですか」
「いやそんなことないけど、8時からとお願いしていたからずいぶん早いなと思
って」
「再配達は8時に集中するので忙しくて時間を合わせるのは難しいんで、今来た
んですよ」
印鑑を押して荷物を受け取りました。

何気ない会話ですが、いい気持ちはしませんでした。自分の都合を前面に出し
た内容でしたから、希望時間を勝手に変えておいて、その時間は忙しいからしょ
うがないという言い方に感じました。

受け答えの会話は難しいですね。ちょっとした言葉のやり取りでお客の気持ち
に変化を起こします。

やはり休日に同じような状況で再配達してくれた担当者は「わざわざ親切に門を開けておいてありがとうございます」という言葉から会話が始まりました。受け答えの一言はお客の気持ちを配慮した言葉の工夫が必要ですね。

みなさんはいかがですか。



2014/5/18   第340号

先日、人気の蕎麦点に行きました。そこは予約しないとなかなか入れません。
半月ほど前に予約をして3人で伺いました。店に着いたのは開店の10分前です。
開くまで店前に置かれている椅子に座って会話して待っていました。そうすると
夫婦連れが我々の座っている椅子の横に座って同じように開店を待っていました。

のれんが下げられて店が開き、接客者が「お待たせいたしました、どうぞ」と
店内に案内します。我々は名前を言って、予約されていた席に座りました。後の
夫婦づれは予約をしていないようです。
「予約をいただいていますか」
「いや、していない」
「今日は予約で席がありません」
「まだ席空いているじゃない」
「どの席も予約されています」
そのやり取りを聞いて、ご主人は大声で「いいよ、でるぞ」と興奮気味に言っ
ていました。それでも奥さんが粘って1時間後の予約の席に準備も含めて、45分
間なら利用できると知り、結局その席で蕎麦を食べて帰りました。

傍で聞いていて、なんでご主人はあんなに興奮しているのかなと思いましたが、
きっと蕎麦を楽しみに来て、開店前から並んだのに、入るなり「予約で席があり
ません」と、否定語で言われたので、響きがきつく疎外されている雰囲気になっ
て腹を立てたのかもしれません。

店のシステムとして、予約客が来るまで、時間があれば食べていただくことを
しているなら、否定表現を使わないようなマニュアルを作って統一させたほうが
誤解されないでしょうね。 

例えば最初に「短い時間でよろしいですか。よろしければ7時の予約のお客様
がいらっしゃいますので、そちらの席で召し上がっていただけますが」
そうすれば、ご主人はどならなかったのではないでしょうか。

皆さんはいかがですか。



2014/6/1   第341号


最近は同年輩の友人と会うと皆よく運動をしているという話を聞きます。健康
診断で血液検査の結果で、血糖値などが高くなると糖尿病予防にウォーキングを
している人が多いのです。私は、健康診断の結果はどこも悪くありません。ただ
太り気味で血圧が少し高いので、健康にいいのならと友人たちのまねをして、な
るべくウォーキングを心がけています。目標を体重の7kg減にして、駅なども
いつもエレベーターを使っていたのに、階段を利用したり、ちょっと遠回りして
歩いたりとできる範囲で工夫しています。時間があれば休みの日には近所の公園
に行って1時間ばかり歩くようにしています。

先日も休みの日に、ちょっと遠出で1万5千歩~2万歩ぐらい歩いて来ようと
思い立ちました。春になると桜がきれいな土手があります。いつも電車でその桜
の様子を見ていたので、そこまで行ってみようと思いました。

土手に近いと思われる駅に降り、窓口の駅員さんに尋ねました。
私「春に〇〇駅からこの駅に来るとき、桜が咲き乱れている土手があるけど、そ
こ行くにはどうしたらしいの」
駅「進行方向に向かってどちら側ですか」
私「右側だったかな」
駅「それでしたら、こちらをまっすぐ出まして、国道につきあたりますからそこ
を左にまっすぐ行ってください」
私「それですぐわかる?」
駅「川に突き当たりますので、その両側が春は桜で満開になります」
私「ありがとう」
駅「そこに行くのに20分位かかりますよ」
私「ウォーキングが目的で、春にまた来ようと思うけど、予行練習だよ」
駅「気を付けていってください」

その日は暑い日でしたので、窓口を離れて、自販機で水を買ったりして、準備
して「さー歩こう」と思った時に、先ほどの駅員さんがわざわざ出てきて声をか
けてくれました。
駅「お客様、周辺の地図ですがお持ちになりますか」
私「ありがとう、助かるよ」
駅「これから進んでいただく国道が書かれていますから、目的地までは書かれて
いませんが、歩くのにわかりいいと思って」
私「また春に来るからね」
駅「お待ちしています」

窓口からわざわざ出てこなくても用事は済んでいました。休日の昼間でしたか
らお客も少なく時間のゆとりがあったのでしょう。でもわざわざ出てきて、親切
に地図を渡し、「春来るね」と言ったら「お待ちしています」としゃれた会話を
してくれました。とても客意識の高い駅員だと思いました。まだ30歳前後でしょ
うか、若い駅員さんです。出発点から気分よく歩き始めることができ、充実した
ウォーキングが体験できました。

ちょっとしたサービスがお客の気持ちに影響を与えますね。みなさんはいかが
ですか。



014/6/15  第342号

 最近は、商店街などを歩いていると、肉屋さん、八百屋さん、魚屋さんなど生
鮮3品の個店がなくなっていますね。そうしたものはスーパーの売り場で買うし
かなくなってきました。

 しかし、子供が育って外に出て夫婦だけの家庭とか、年配者の家庭の中には、
量は少ないけど品質の良いものを食べたいという人が多くいます。その種の人に
はスーパーに置かれている商品に不満を持っている人がいます。そしてわざわざ
商品に魅力のある個店を探して利用しているようです。

 私の知り合いも近くにスーパーがあるのですが、ちょっと離れた個店を利用し
ています。そこはたまたま肉屋と八百屋が並んでいます。どちらも品質がよいと
いうことで人気があるそうです。

 ある日、いつものように肉屋で買い物をしてから、八百屋に寄ったようです。
すると、「さくらんぼう1kg、一箱1500円」と値札がついていたようです。
量が多くて食べきれないから、とそこの主人に尋ねたそうです。
「このさくらんぼう、おいしそうだけでちょっと量が多いんだけど。半分とか、
三分の一とか、小分けにして安くならない」
「ダメですよ、これで安くなってるんだから出来ません」と断られたようです。

 確かに、小分けができないんなら仕方ないけど、言い方があるんじゃないかと
怒っていました。あんなに気分が悪くなるなら、遠くまで行くことないと。
小分けできないか相談したのに、冷たく突き放されたように感じたそうです。

 スーパーなどの接客者は、接客教育がされていますから、よほどのことでない
限りは怒らせることはないでしょう。しかし個店の接客者は、愛想がいい人でも、
言葉の使い方で怒らせることがありますね。

 この場合も直接的な否定語で言い切ったので、言い方がきつく感じて怒らせた
のでしょう。日ごろから「申し訳ありません」などのクッション言葉に使い慣れ
ていたら、感じ方は違ったでしょうね。ちょっとした言葉の接客ルールを意識し
たら誤解はされなかったでしょうね。

 皆さんはいかがですか。



2014/7/1    第343号

クレーム担当者から、結構クレームをつける人の中には接客経験者が多いんで
すよと伺うことがあります。確かに接客に関わっていれば、接客のアラもみえて
きます。また最近のように、退職した人が何か言いたくなっていわゆる世直しク
レーマーになるかもしれません。

先日、飲食店のオーナーから興味深い話を聞きました。この人は正義感が強く、
喧嘩早い人ですが、いままで飲食店でクレームをつけたことがないそうです。先
日も常連客と総勢10名で休日にウォーキングをしたそうです。昼時になって知名
度のある鰻店に入りました。皆でうな重を注文して、思い思いにウォーキングの
楽しさを語っていました。

 そのうち、鰻と吸い物が運ばれてきました。話をしながら、それぞれが吸い物
を飲み始めました。そのオーナーも吸い物の蓋をあけると小さなゴキブリが見え
ました。大声でそれを言ったら皆が気持ち悪がるに違いません。食事が台無しに
なるでしょう。それに、もし吸い物を作った鍋にゴキブリが入っていたとしたら、
お椀に分けるときに厨房で気づかないはずがありません。多分保管してあった腕
の蓋にいたのではと判断し、その場では何も言わず、自分は吸い物に手を付けず
に皆で食事と会話を楽しみました。

 家に帰って、自分の店では同じことが起きないように、備品の衛生管理を重点
的にやったそうです。クレーム事例から、自分の店での対応策を検討し、意識づ
けることは大切なことですね。みなさんはいかがですか。



2014/7/13    第344号

ある地方都市の駅ビルの上層階で食事をしました。ちょうどココット料理とベ
ルギービールが楽しめる店と入口に書かれていたので興味を持って入りました。
ココット料理とは、手鍋に材料を入れ直火やオーブンに入れて煮込む料理のよう
です。広い店内には、ベルギービールと料理を楽しんでる若い人から年配の人ま
で多くのお客で一杯です。店の構造でしょうか、予想以上にお客の話し声が響き、
なんとなくうるさい雰囲気でした。

店には若い男女の接客者がいて、イケメンや美人がそろっていて皆スタイルも
抜群でした。それぞれがユニファームも似合っていて、活発に動いていました。

注文を取りに来て、ベルギービールの種類を聞いたり、ココット料理はなじみがなかったので、料理に関してもいろいろ尋ねました。「この牛タンときのこ、夏豆のガーリックソテー フランス産ピメントエスプリットの香りってどんな料理なの」のように。しかし、聞こえてこないのです。完全に店内の騒音に声が消されています。何度か聞き返すと「ですから」と語気を荒くして答えます。でもよく聞こえてきません。

この女性接客者は声が通らないから、別の接客者に聞こうと、人を変えて尋ね
ましたが、同じく聞き取りにくい声です。皿を下げに来た男性スタッフに言葉を
かけてもやはり聞き取りにくいのです。結局その日対応してくれた接客は4人で
したが、すべて声が通らない人ばかりです。
 
店自体がうるさい雰囲気ですから、各テーブルに料理を提供する時など、何か
話していますが聞こえないのです。最初に「ですから」なんて言われていますか
ら、もう聞き返すことしませんでした。

折角ルックスの良い接客者がいても、声がはっきり聞こえなければ話さないのと一緒ですから、満足しませんでしたし、再来店はないなと思いました。

接客の基本は笑顔と声と言われます。最近は笑顔の素晴らしい接客者は多くい
すが、声を意識しない人が結構います。声は必ず練習すれば、だれでも明るい響
きのある声になるのに残念ですね。

みなさんはいかがですか。



2014/7/27   第345号

夏は行楽シーズンですから、いろいろな場所に出かけますね。出かければ記念
にと土産店で商品を選ぶのは楽しいものです。先日出かけた折に近くを通ったも
ので千葉県のある再建の天守閣を尋ねました。私は城が好きで、つい見学がした
くなります。

 天守閣に登り、歴史、展示物などをじっくり観察し、駐車場まで降りてきまし
た。ちょうど駐車場の前に土産店があります。興味を持って入ってみました。

 土産って、その地方の特色を生かした商品やその地域の絵柄の入った扇子など
一般的な商品が並んでいますので見ていて飽きないですね。ところがだんだん商
品への興味がなくなってきました。同行のメンバーも何人か一緒に店に入ったの
ですが同じような感想を持ちました。

 商品のところどころに、警告が書かれています。
「ボールを床で弾ませたり、強く握った時は買取してもらいます。」
「手を触れないでください。傷ついたり破損した場合は弁償してもらいます。」
「粗雑に扱って壊したときは買取になります。店主」
「振り回したりして壊した場合は買取していただきます。」
このような内容の文章が紙に書かれてところどころに置かれています。あまりに
も数が多いもので、その言葉の強さに商品の興味がどんどん失われていきました。
店内を半分ぐらい回ったところで、それ以上見る気がなくなり店を出ました。

 子供客などを含め多くのお客が触ったりいじったりして商品を破損させられた
ことがあったのでしょう。そこで注意喚起の目的で行われているものと思います
が、触ることを考える前に商品自体の興味が失われてしまいます。

 店を出たときに。店舗前では女性接客者が商品を並べていましたが、お客には
無関心で無言でつまらなそうにノロノロ並べている姿にお店の姿勢が感じ取れま
した。

 商品に興味を起こさせなければ逆効果ですね。皆さんはいかがですか。



2014/8/11   第346号

私の良く行く店で、必ず帰る時に店長が出口まで来て挨拶する店があります。
お料理いかがでした、お勧めしたお酒は気に入りましたか、などたわいもない話
を一言二言して見送ります。何か忘れたり、提供が遅くなったりしたことがある
と必ずお詫びの言葉を入れます。そうした気配りがあるので気分よく帰れる店で
す。

先日知人が怒っていました。家族でよく行く寿司屋だそうです。月に1回ほど
行って、酒も飲みますから結構お金も何万と使っていたらしいのです。いつもは
カウンターに座って、話の中でたとえば誕生日だとわかると、酒を土産にくれた
り、何か家族のイベント日とわかると土産をくれるように、お店としても大事に
扱っていたようです。

ある時、いつものように家族で行ったら、カウンターが一杯で座れなかったよ
うです。小さな子供連れが座って食べていたとか。店主に「空いたらご案内しま
すね」と言われ、こあがりでお酒と肴、寿司を楽しみました。結構時間が経った
のに、カウンター席が空かなかったようです。

カウンター内の店主はそれっきり知らん顔。帰る時も、何も言わなかったそう
です。そこで腹立てて、もう行かないと店の利用をやめたそうです。たまたま忙
しかったせいで、忘れてしまったのかもしれませんが、その一回の対応で店に行
くのをやめたそうです。

怖いですね。割とお客は自分中心に考えますから、忙しくてつい対応ができな
くても、こっちに気持ちがないんだ、大した客じゃないからそんな対応なんだと
勝手に判断してしまいます。

もし、何か料理を提供するときに、テーブルまで行ってちょっと声かけるか、
帰りに出口まで出て行って詫びるなどのちょっとした気配りがあれば、店の利用
をやめることにはならなかったでしょう。

最初にあげた事例のように、小さな店でしたら、お客が帰る時に必ず言葉をか
ける習慣をすれば、こんな結果にならなかったでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2014/8/24   第347号

本日友人の息子さんの結婚式に呼ばれて参列しました。息子さんの友人中心の
結婚式ですから、多くの新郎新婦の友人のスピーチを興味を持って聞いていまし
たが、ほとんどの方が話す内容の書いた紙を持ってスピーチします。たぶん大勢
の前で緊張して失敗するといけないからと、スピーチ内容を書いて読んだのでし
ょう。

内容的にはそれぞれ新郎新婦への思いを話しているのですが、気持ちが伝わっ
てきません。どうしても読むことに気持ちが行ってますから、文章を順番に読み
上げている形になります。緩急、間などの表現技術もありませんから、一本調子
の棒読みです。そのせいか、参加者のテーブルを見ますと、だれも聞いていなく
て思い思いに隣の人と話していました。

たった一人、紙に書かないで自分の思いをスピーチした新郎の友人がいました。
やはり大勢の人の前で上がってるようでしたが、つっかえながら自分の思いを語
っていました。ですから棒読みにならずに、参加者に思いを語る気持ちが伝わり、
話す内容も伝わってきます。聞いてる人が多いようで、つっかえた時には「がん
ばれ」という声援が来ていました。

話すことは、情報の伝達ではなく、内容と気持ちを理解させることです。ただ
単に内容を読み上げても、右から入って左に抜けるように、記憶に残りません。
伝えたい思いを一生懸命語ることが、周りに共感を得るのでしょうね。

 接客も同じですね。ただ単にマニュアル的に覚えたことを話すより、自分の持
っている知識を精一杯工夫して、わかってもらおうという思いがある時に、お客
の心を動かすでしょうね。

皆さんはいかがですか。



2014/9/7   第348号

夜、電車で帰るときに一番心配するのは眠ってしまって乗り過ごすことです。
通常では、眠ってしまっても、不思議なことに降りる駅のひとつ前あたりになる
と目が覚めます。眠っていてもどこか乗り過ごさないようにという緊張感がある
のでしょうか。ところがちょっとお酒が入ってる時は、その感覚がなくなって失
敗することがありますね。

昨夜、お酒が入って帰宅しました。1時間ぐらい乗り、なるべく寝ないように
と気を付けていたのですが、降りる2,3駅前になってふっと寝入ってしまいまし
た。ドアが閉まった音がしてはっと気付きました。駅名を見ると降りる駅だった
のです。あっ、やっちゃった、1年ぶりぐらいの失敗です。もう上り電車があり
ませんから、次の駅からタクシーで帰らなければなりません。

タクシー乗り場には5,6人の人が待っていました。しかし車が全然来ません。
私が乗るまで30分位待たされたでしょうか。乗るまでに時間がかかると、なん
起きられなかったんだろう、バカだったなと後悔の念が増します。

やっと車が来て行き先を告げました。タクシーの運転手さんも乗り過ごしたの
がわかったようです。
「〇〇〇までお願いします。乗り過ごしちゃってね。」
「はい。この区間は1駅でも距離がありますから、ちょっと歩くには遠いですね」
「ドアが閉まってから、気が付くんだものね」
「寝過ごすときは、皆さんそうですよ。ちょっと前に気が付けばなーと思うんで
すよね。今日は土曜日だからタクシーがなかなか来なかったんではないですか」
「すぐ来ると思ってたら30分かかっちゃって、」
「平日なら、タクシーは多いんですが、土日は少ないんですよ。ずいぶん待っち
ゃいましたね」
「運がないよね」
「でもね、昨日のお客さんは、乗り過ごして気が付くのが遅くて〇〇駅まで送っ
ていきましたから13000円かかっていましたよ。かわいそうだと思いました」
「それからしたら、ましだね」

久しぶりに乗り過ごしてがっかりしていましたが、運転手さんとの会話で、タ
クシー代1900円なら、まだ運がいいないう気持ちになりました。ちょっとした会
話ががっかりした気持ち慰めてくれました。

お客との会話も、共感する内容が入ると、いい印象を残しますね。皆さんはい
かがですか。



2014/9/21  第349号

私の友人が怒っていました。ある観光地でお土産を買ったそうです。接客者は
年配の男性で、お釣りを渡すとき、先に高額紙幣を一緒に数えました。「1、2、
3、・・・・9千円です」手の動きと、声があっていないように感じたので、「も
う一度ゆっくりやって」と頼みました。そうすると8千円しかなかったのです。
「あれ足りないね、」と言いながら千円札を一枚加えたそうです。観光客だから、
一元の客だと思ってごまかそうとしたと言ってました。

先日、お昼を食べようと店構えの良い割烹料理店に入りました。着物を来た接
客者がお茶を運びながらメニューを持ってきました。メニューを開くと、2500円
から3000円、4000円の料理です。
「あれ、ランチメニューはないんですか」
「すみません、そうでしたね」とランチ用のメニューを持ってきたのですが、こ
ちらは950円、1050円と手ごろな値段です。最初高いのを見せて、わからなけれ
ば、そのまま高いのを注文させるつもりでわざとランチメニューを持ってこなか
ったのかなと思いました。

この二つの例はどちらもうっかりして間違えたのかもしれません。でもお客は
どのように感じるかわかりません。わざとやっていると勝手に判断されたらお店
のイメージダウンになりますね。

日々の仕事はうっかりがないように、正確さを意識しないと怖いですね。皆さ
んはいかがですか。



2014/10/5  第350号

先日、近くを通ったのである神社に寄ってお参りしました。子供の頃、よく親
と一緒に訪れたところですから、懐かしく思い出しながら参拝しました。

 最寄りの駅に歩く途中に、豆の販売店があります。昔の店舗のまま量り売りで
営業しています。塩豆、南京豆、砂糖衣の豆など、店頭にずらーっとそれぞれの
箱に入れられ、その上をガラスの蓋で覆って並んでいます。それぞれの箱の中に
は一合あたりの金額が書かれています。塩豆200円、南京豆500円、砂糖衣の豆
200円というように。そして、お客が好みの豆を注文すると、接客者が一合枡で
測りながら紙の袋に入れてくれます。

私の子供の頃の記憶のままです。懐かしくなって寄ってみました。平日のせい
でお客もいません。店内では年配の女性が一名、椅子に座って客の来るのを待っ
ているようです。そばで猫が眠っていました。

「お願いします」
「いらっしゃいませ」
「量り売りできますね」
「はい、お好きな量を言ってください」
「この豆一合、これニ合ね、そしてこの豆が一合・・・」と注文しました。

すると、接客者がガラス蓋を開けて、枡で豆を直接すくって入れます。そして
一合ピタリに図るために、枡の上部を手のひらで横になぞって余分な豆を落とし
ます。それを紙袋に入れました。そして、おまけと言って手のひらで少しの豆を
握って紙袋に入れます。

どの豆を袋に入れるにも同じように入れます。今は衛生上食品を扱う店は、ビ
ニールの手袋をはめて食品を扱うのが普通です。それなのに、素手で豆類を扱わ
れると不潔に感じます。よく量り売りの店舗で使用しているスコップ状のもので
豆をすくって、枡ピタリにするのにスコップの端でなぞれば不潔感は感じないの
に。

おそらく、昔からの袋への入れ方をそのままやってるのかもしれませんが、今
の時代では不潔な印象を与えてしまいます。ましてそばに猫が寝ています。猫を
触っているかもしれません。懐かしくても商品を購入するのは今回が最後だなと
思いました。

慣れている仕事の流れでも、それを見てお客がどう感じるか、チェックするこ
とは大切ですね。皆さんはいかがですか。