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「草花の意味」

最近土を触ることがなくなったなあと思い、小さな鉢にハーブの苗を植えてベランダに置きました。台所に立ち、ふと目を上げた向こうに、小さな緑の葉が揺れているのを見ると、心にそよ風が吹き、気ぜわしい毎日がほんの少し救われる気がします。

そういえば、忙しく余裕のない日々を送っていると、真っ先に手つかずになるのが「お庭」です。庭を見れば、その家に暮らす人々の心の状態が手に取るようにわかります。確かに、庭を手入れする時間があったら、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ…、これが現実でしょう。

でも街角を歩き、心をホッと落ち着かせてくれるのは、誰か(風?小鳥?それともヒト?)が咲かせた一輪の花だったりします。


パワーと潤いをもらう

草花を育てるには、毎日の手入れや水やりなどが欠かせません。最近では、もうひとつ、ことばかけも大事だと言われていますね。

それとひき替えに、植物は私たちに、酸素やみずみずしい生命力を分けてくれます。樹の下にいると元気になる、なんて話、聞いたことありませんか?心を落ち着かせるために植物園に足を運ぶ人もいます。

体には言うまでもなく、全ての人たちの「心」に不可欠なのが植物だと思うのです。

忙しいのは、当然。そこの所をなんとか30分ひねり出して、小さな鉢に土を入れ、スーパーの店先に出ている百円の苗でいいから植えてみませんか?

お金も時間もほんの少しでいいのです。あなたのそばのその草花は、想像もつかないくらい、たくさんのプレゼントをくれるはずです。


「名古屋リビング新聞」2002年05月
『わ・た・しの時間』