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「姿勢」

残念ながら最近では、背中がきれいに伸びている人になかなか出会えません。立ち姿だけでなく、気なるのは座ったときの姿勢。これは背骨と、それをささえる骨盤の問題なのですが、きれいに座っている人には滅多にお目にかかれません。

「心はね、背骨に通っているのよ」こんな言葉を耳にしました。心についての考え方は人それぞれでしょうけど、私はこの言葉に不思議な説得力を感じました。でも、もしそうなら、ゆがんだ背骨は心のゆがみを表しているのでしょうか。

伸びやかな心をもって

普段は何かに寄りかかっていて気がつかないのですが、背骨をまっすぐにしているのは、慣れないと意外につらいことです。たとえば発声練習のときなど、自分の力で姿勢をキープできなくて、たくさんの人がショックを受けます。いつのまにか大切な腹筋と背筋が弱くなってしまった証拠なのです。

せっかくきれいにメイクしても、丸まったりゆがんだ背中ではがっかりです。心までうつむいてしまいそうです。でも、顔かたちはすぐに直せなくても、姿勢は心の持ち方一つで変わるのです。コツは簡単、おなかに力を入れて、天から伸びた糸で背骨を上につり上げるように…。

澄み渡った空を見上げて、背すじを気持ちよく伸ばし、あなたの「心」にも伸びをさせてあげましょう。


「名古屋リビング新聞」2001年9月
『わ・た・しの時間』