白樺八青(しらかば・やお)オフィシャルウェブサイト〜風の通る部屋〜 

2011年1月5日 守山ホームニュース◆新春に思う
2010年12月6日 くらしの友◆ひとつの命を抱きしめて 公開講演会「白樺八青さんトークライブ」
2010年10月2日 中日新聞◆ギターの調べで歌 ロビーコンサート
2010年10月2日 岐阜新聞◆朗読や歌、聴衆魅了
2010年9月7日 多治見タウン誌 たじたじ◆「多治見市制70周年」をお届け
2010年9月2日 岐阜新聞◆お年寄り、歌や朗読楽しむ
2009年3月6日 奥様ジャーナル◆臨月にソロコンサート
2008年8月8日 読売新聞◆あす千種で歌と語りのコンサート
2008年7月30日 中日新聞◆命に支えられて今の自分を表現
2005年4月5日 中日新聞◆朗読CD「花の歌」
2004年9月14日 読売新聞◆音楽家が生きやすい社会を
2004年8月31日 中日新聞◆音楽「百般」承ります
2004年8月17日 朝日新聞◆視覚障害者向け 官能朗読CD
2004年7月6日 名古屋タイムズ◆“音楽の出前”で市民生活に密着
2011年1月5日 守山ホームニュース



新春に思う
新しい期待感と緊張感


白樺八青


 新たな年が始まりました。元旦のまばゆい日の出を見つめる時、わたしは、昨日までの自分から新しく生まれ変われるような期待感と緊張感でいつも満たされます。あなたは、どんな心持ちでこの二〇一一年をお迎えになりましたか。
 日本国内も、また海外に目を移しても、世の中は決して明るい話題ばかりではないようです。お正月どころでない方もいらっしゃるでしょう。わたしも、わたしの周りも例外ではありません。だから、なおのこと「ことしこそは」という気持ちが強くなります。
 振り返れば五十余年前、わたしの両親は東京から身一つで、この守山にやってきました。住んでいたのは、いわゆる長屋のような公団住宅。2DKに祖父も含めて家族五人で暮らしていました。裕福ではなかったけれど、アハハハと笑っていた思い出がいっぱいあります。お隣のおばちゃんが裏の戸を開けて、こしらえたおかずを持ってきてくれました。
 矢田川の河原が遊び場たった少女は、自然の中でたくさんのことを学びました。夕焼けを追いかけたり、川面を見つめたり、原っぱで歌ったり、夜空の星を仰いだり…。詩的な表現や空想癖は、そのころに培われたものでしょう。遊具も何も無いけれど、豊かな日々でした。そして極度に人見知りな少女が、小さな出会いを紡ぎながら「表現者」の端くれとして、きょうまで生きることができたのも、この地域の持つ温かな人間関係のおかげと感じています。
 そんな「空想の翼をつけた少女」にも想像できなかった展開が、わが身に起こりました。二十年ぶりに子どもを授かり、五十歳からの子育てが始まったのです。
 二歳になる娘と歩くと、歩みが自然にゆっくりとなります。見落としていた風景や物たちが視界に人ってきます。そう、大人になって「価値」を見いだせなくなったものに、再び命が吹き込まれたのです。幼いころに原っぱで学んだ「何もないところにこそ豊かな時間かおること」とぴったり重なっていきました。
 一般的には人生の折り返しを過ぎたこの時期、子育てという未来を見据える視点をいただき、わたし自身も変わらざるを得なくなりました。歩調も、いくらかゆっくりになりました。
 できることなら、この歩みを忘れず、見落としがちな風景をじっくり楽しみながら、一表現者として生きていきたいと思います。同じ時代に生まれたわたしたち。微力ながら一人でも多くの人が笑顔と感動に満たされるよう歌い、語り続けます。
 くしくも演劇出発から三十周年のことし、原点に返り「新劇一〇〇年」(二月二十八日・愛知芸術文化センター小ホールほか)へ出演することになりました。こちらでも、忘れかけていた″じっくりつくる芝居″けいこ場の空気を満喫しています。
 ことしがあなたにとって、真に豊かな一年となりますように。



 白樺八青(しらかば・やお)さん
 大学で社会福祉学を学んだ後、演劇の世界へ。ミュージカル作品を中心に多くの舞台に主演。テレビ・ラジオにもレギュラー出演。ソロコンサートをきっかけに始めた歌手活動ほか、司会者やインタビュアーとしてトップアーティストのコンサートなどで活躍。作詞やエッセーといった執筆も幅広く展開。また、声や言葉の表現で自己を開花させる講座が好評となり、門下生で構成する「ことばのまなびや」を主宰。ことし九月、守山文化小劇場でのコンサート「モーツアルトじゃないってぱぁ!」に出演予定。二〇〇八年夏、四十九歳で出産。「おばあちゃんと呼ばれない」をひそかなスローガンに、年の違う ″ママ友″らと交流を楽しんでいるとのこと。大森五在住。





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2010年12月26日 くらしの友

   しらかば・やお

ひとつの命を抱きしめて
公開講演会「白樺八青さんトークライブ」


 公開講演会「ひとつの命を抱きしめて」というトークライブを十二月六日、中日新聞社六階ホールで開催。白樺八青さんのトーク・歌・朗読に嶋田達也さんのギター演奏が加わり、心豊かなステージとなった。
会員五十五人のほか、一般参加者も十三人が来場した。


 白樺さんはミュージカルを中心に舞台俳優として活躍。現在は歌手として、言葉と音楽で「命」と「平和」の大切さを伝えている。
 「命」って普段、感じたことないけど、だれでも持っているもの、そしてだれにでも平等に訪れる「死」。「死」に向かって生きているから、今の出会いを大事に、小さな事に幸せを感じられる人生って良いなと言う白樺さん。
 「ダニー・ボーイ」を情感たっぷりに歌った。朗読では「いのちへ〜八章より」カンボジアの少女の話。自分の年齢を数えることも出来ない少女の話を、ギターの伴奏で迫力ある語り、今の私たちの幸せをあらためて感じさせられた。
 「人間はみんな兄弟、みんなが平和のうちに生きている世界をシェアして、争いのない世界にしていきたい。生きてる間の出会いを大事にして、たったひとつの命を抱きしめて生きていきたい」と白樺さん。最後に全員で「きよしこの夜」を合唱して、はやばやとクリスマス気分に浸った。
                   (河野 幸代)

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2010年10月2日 中日新聞

  

ギターの調べで歌
ロビーコンサート 多治見市役所


 歌手や作詞家などとして活躍する白樺八青さん=写真右、名古屋市守山区=とギタリストの嶋田達也さん=写真右から2人目、同=のコンサートが一日、多治見市役所ロビーで開かれた。市民に市役所に親しんでもらおうと市職員有志が企画している「四季のコンサート」の一環。
 嶋田さんのギターの調べに乗せて、白樺さんが「旅愁」や「月の砂漠」などを歌い、創作童話「多治見ものがたり」の中から「うながっぱと子どもたち」を朗読すると、八十人の聴衆から大きな拍手が送られた。
 白樺さんは九〜十月にかけて、多治見市内七カ所の老人ホームでもコンサートを開き、「多治見の町は大好き。市役所で歌えてうれしい」と話した。(林朋実)

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2010年10月2日 岐阜新聞

     

朗読や歌 白樺さんらコンサート 多治見市役所


 多治見市役所ロビーで第10回「四季のコンサート」が1日開かれ、歌や語りなどで活躍する白樺八青さんとギタリスト鶴田達也さん(ともに名古屋市守山区)が澄んだ演奏を披露した。
 白樺さんらは9、10月の2カ月間で多治見市の老人福祉施設7カ所を慰問に回っており、その合間を縫って市役所も訪れた。
 同市の風土を題材にした創作童話「うながっぱと子どもたち」(堀貞一郎作)を朗読しながら、「旅愁」「上を向いて歩こう」などの名歌を披露。最後は「故郷(ふるさと)」を歌い、詰め掛けた約80人の市民も一緒に声を合わせた。
(森川洋)

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2010年9月7日 多治見タウン誌 たじたじ



ボイスパフォーマーの白樺八青さん
老人福祉施設のお年寄りに「多治見市制70周年」をお届け


 「多治見市制70周年の記念事業が各地で開催されているが、老人福祉施設に入居しているお年寄りは参加が難しいのが現状。記念すべき年を祝う機会を届けようと、ボイスパフォーマーの白樺八青さん(名古屋市守山区在住)が多治見市内の6施設をまわり、「お届けします。多治見市制70周年」と題したコンサートを行っている。
 9月1日には「メモリアル光陽」で開催。今後は、15日(水)「清涼苑」、22日(水)「かさはら陶生苑」27日(月)「エバーグリーン」、28日(火)「アルマ・マータ」、10月5日(火)「ベルツリー」で開く予定だ。
 コンサートでは、市制70周年を記念して発行された単行本「多治見ものがたり」を朗読するほか、「ゴンドラの唄」「宵待草(よいまちぐさ)」「故郷(ふるさと)」などの懐かしい歌の数々を、ギタリスト嶋田達也さんのギター演奏と共に、情感たっぷりに歌い上げる。
 自身の母親も、名古屋市内の施設に入居しているという事情もあり、特別な思いを込めてコンサートに臨んでいる。


  市役所ロビーでもコンサートを開催


 まなびパークで朗読の講座を受け持つなど、多治見でも精力的な活動を展開していた白樺さん。2年前、49歳で第3子を出産したのを機に、活動をいったん休止する。その半年後には、舞台や講座などの活動を再開したものの無理がたたり、原因不明の難病「線維筋痛症」を発症。一時は全身が疼くように痛み、寝たきりに近い状態になってしまったという。
 再び活動を休止していたが、最近になって体調が「自分でも驚くほど」快復。「秋から気持ちを新たにまた動き出そう」と思っていた矢先、今回のコンサートが決定した。「活動再開の第一歩が多治見からというのに、なんだか不思議なつながりを感じます」と白樺さん。
 10月1日(金)には、多治見市役所1階ロビーでも「多治見ものがたり」の朗読と歌から成る「四季のコンサート〈秋〉」を開く(開始時間は12時20分)。お問い合わせは、四季のコンサート実行委員会(多治見市役所秘書広報課)0572(22)1111。

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2010年9月2日 岐阜新聞

     


お年寄り、歌や朗読楽しむ多治見の老健施設



 多治見市制70周年記念事業の一環として、お年寄りに歌や朗読を楽しんでもらう催しが1日、同市大畑町大洞の介護老人保健施設メモリアル光陽で行われた。来月までに市内6ヵ所の施設で順に開催される。
 外出の機会がほとんどない介護施設などの入所者にも70周年を祝うイベントに参加してもらおうと企画された。
 この日は名古屋市を中心に活動する歌手の白樺八青さんとギタリストの嶋田達也さんが、童謡や唱歌など7曲を披露。70周年記念で刊行された創作短編集「多治見ものがたり」をギターのBGMに乗せて朗読した。会場に集まった約80人のお年寄りたちは、一緒に□ずさんだり、じっと聴き入ったりして楽しい時間を過ごした。(高井博文)

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2009年3月6日 奥様ジャーナル



臨月にソロコンサート
白樺八青さん(49歳)に拍手


 皆さんは、妊娠後期しかも帝王切開手術のほんの2週間前に、ソロコンサートを主催出来ますか?そんな大変なことをさらっと成し遂げた方がいます。名古屋を中心に、ボイスパフォーマ?として活躍されている、白樺八青さん(50歳)です。
 八青さんは昨年8月9日、千種区の千種文化小劇場で2時間にわたる「ありがとうLIVE」を開催しました。
「妊娠が判ったとき、漠然と臨月にコンサートがしたいと思いました」。それが、現実になったのです。妊婦と思えない程の力強い歌声に驚き、お腹に命を宿していることも手伝ってか「いのちへ」の朗読は、とても感動的でした。臨月での開催がとても意味あるものに思え、たくさんの拍手のなかで彼女は輝いていました。
 49歳といえば、世に言う高齢出産ですが、八青さんは妊娠出産に不安を持たなかったとか。「2度にわたる流産や年齢が増せばリスクも大きくなるといった現実はあったのですが、赤ちゃんからたくさんのことを教えて貰い、夫の理解もあって自然のまま臨みました」。8月25日に第三子となる女の子を出産されましたが、八青さんのことを知って勇気づけられ、彼女に続け!と思う女性が増えるかもしれません。
 出産を機にしばらく活動をお休みしていた八青さんですが、再会を待つ門下生のために、春からは「声と言葉の特別講座」を開く予定です。

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2008年8月8日 読売新聞



来月出産予定49歳白樺さん
あす千種で歌と語りのコンサート
「50歳からでも新しい挑戦できること」伝えたい


 言葉や声で表現活動をするボイスパフォーマー、守山区の白樺八青さん(49)が9日、千種文化小劇場(千種区)で、歌や語りを中心にしたコンサートを開く。大きなおなかに妊娠9か月になる赤ちゃんを宿しながら、公演に向けリハーサルや準備に追われている。出産予定は9月初めだ。
 大学を卒業後、舞台俳優を志し、地元・名古屋でミュージカルやテレビキャスターなどの仕事をこなしながら、今年22歳と20歳になる2人の子どもを育てた。41歳で再婚し、2度の流産を経て、49歳で新しい命を授かった。
 白樺さんは、いつもありのままの自分を表現することにこだわってきた。妊娠して、これまで以上にパワフルな今しかできないパフォーマンスを見せたい、と思い立った。
 そんな白樺さんに、古い友人が「無ボーダー流」という言葉をくれたという。舞台に朗読といった「ボーダーがない」活動をする。それに、ちょっぴり無謀。「私にぴったり」と笑う白樺さんは、今回のコンサートで同世代の女性に、とりわけ高齢出産を体験する女性に「50歳からでも新しいことに挑戦できる」と伝えたいという。
「白樺八青ありがとうLIVE」と名付けたコンサートでは、ピアノやギターーなどのシンプルな伴奏に合わせ、白樺さんが「秒針」「ドアを開けて」など自作の歌を歌うほか、詩の書き下ろし作品「いのちへ 8章」を朗読する。
 コンサートは午後2時から。入場料は一般3000円。問い合わせはコスモアルテ(052・798・1414)。
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2008年7月30日 中日新聞



命に支えられて今の自分を表現


 恐る恐る見つめた超音波の画面には、勾玉のような小さな赤ちゃんが写っていた。医師が「頭はここ」と説明してくれた。「本当に私のおなかにいてくれるんだ。それだけで十分。ありがたいと心から思った」
 四十九歳で出産する。
 四十二歳と四十八歳で二度流産していた。妊娠の反応があっても、赤ちゃんを確認できなかった。今年の初め、もしやと思ったけれど、怖くて病院に行けなかった。「今度駄目ならもうあきらめよう」。不安を抱えながらの受診だった。
 歌と語りで物語をつむぐ舞台を作り上げている白樺八青さん(名古屋市)は、予定日の約一ヵ月前の八月九日にコンサートを開く。子を宿している時に開きたかった。チラシにも「あたらしい命を授かりました」と記した。個人的なことをチラシに書くのに苦言を呈する人も、プロならコンサートは出産後に、という人もいた。
 結婚や別居、離婚など人生いろいろあっても、ずっと自然体で表現し続けてきた。生きざまは、どうしたって歌や語りに、にじみ出る。今の自分にしかできないことをしたい、それしかできない。「今、おなかの子に自分が元気にさせてもらっている。その自分にできる表現をしたい。妊娠を伏せて舞台を作るのはおかしいと思ったんです」
 四十二歳で夫(五二)と再婚したとき、白樺さんには十五歳の息子、十三歳の娘がいた。夫と子どもたちとは信頼できる家族の関係ができていた。その上で夫との子を育てたかった。医師にも高齢のハンディをはっきり指摘された上での、覚悟の妊娠・出産だった。
 無事に生まれるか。周囲は心配する。でも一日一日を生きていてくれるなら、その命を大切にしたい。「子どもが二十歳のときあなたは何歳?」と必ず聞かれる。でも今から若返ることなどできない。夫と二人で頑張るしかない。「生きるとか命とか、この年だったからこそ、考えさせてもらえる。感謝したい」
 同世代の友人らが「あなたが今から産んで育てるのなら、私にも何だってできる。自分をしばる必要はないと勇気づけられた」と喜んでくれた。それもこの年だったからこそと思う。
 中学の演劇部で引っ込み思案の白分が百八十度変われた経験や歌手への夢を捨てきれず、日本福祉大卒業後、演劇の道へ。ミュージカル、ドラマ出演などを経て三十二歳でソロコンサートを開く。その後、歌と語りで物語を体現する舞台を作っていくようになった。
 十年前からは朗読講座も持つように。上手に語る方法ではなく、普通の人が人前で自信を持って声を出せる教え方に人気が集まる。
「幾つだって誰だって、自分はこれでいいのだと解放されることで輝ける。私はそれをお手伝いしたい」
 八月九日、名古屋市の文化小劇場で開く「ありがとうLIVE」では、今まで出会ったかけがえのない命への賛歌を書き下ろして語る。夏パテもせず、妊娠経過は順調で仕事に忙しい日々。出産後しばらくは、仕事を休むけれど、引き続き、そのときの自分しかできない表現を続けたい。
「六十、七十歳が楽しみです」(野村由美子)
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2005年4月5日 中日新聞



目の不自由な人も官能小説で「性」考えよう
女性を意識し作品厳選
難しい音訳 プロの協力で実現


朗読CD「花の歌」
名古屋盲人情報文化センターが販売


目の不自由な人たちに、点字や録音図書を提供している名古屋盲人情報文化センター(名古屋市)が、女性の性と生を表現した官能小説の朗読CD「花の歌」の販売を始めた。オープンに官能小説を楽しみ、性の問題を考えるきっかけにする試み。これまで利用者からの要望はあっても、表現の難しさなどから対応できなかったが、プロの俳優の協力で実現した。(坂口千夏)


「開発された肉体は、独り暮らしで性を与えられない苦しみの中で異常に成長してしまったのでしょうか。
私は完全に肉欲のモンスターになってしまっていたのです…」
「花の歌」の一シーン。生き抜く気力を得るために異性を求める様が、リアルな表現でよどみなく語られていく。
 このシリーズは、勝目梓さんの「原色性愛図鑑」、横溝美晶さんの「愛人姉妹」、雑誌の読者投稿手記など、一枚(約一時間)に一〜三話ずつ。女性の立場からの鑑賞に「たえられる」作品として選んでいる。
 語り手の思いがこもった朗読に、場面によって効果音も入れた。女性でも入手しやすいよう、装丁には花の写真を使い、見た目には内容が分からないよう仕上げた。

「性は生そのもの。生きていく上で避けて通れない。
特に女性は、これまで性を語るどころか、作品を聞いたり、読むことも少なかった。
官能を通した人間ドラマを素材に、人生の原点を考えてほしい」。センター職員の松崎直美さんはCD製作の意図を説明する。
 官能小説の需要は多い。全国視覚障害者情報提供施設協議会(事務局・大阪)が運営する「ないーぶネット」の利用状況を見ると、「いつもベストテンには複数の官能小説が入っています」と松崎さん。会員になると点字データをダウンロードできるシステムで、プライバシーが守られる。
 だが実際には、同センターの点字や録音図書計二十万タイトルのうち、官能小説などは数十点ほど。
ベストセラーや名作文学などが優先され、「性」のテーマは避けられがちだ。
「障害者の性は、まだまだタブー視されています。
ここ数年、心がけて官能図書も作っていますが、なかなか種類が増えません」。録音図書の場合、音訳をボランティアの主婦が行う場合が多い。「恥ずかしくて読めない」と抵抗もあり、敬遠されてしまうようだ。

 そこに登場したのが、名古屋在住で、俳優で音楽プロデュースや朗読指導も手がけている白樺八青さん(46)と舞台俳優の檜垣萱さん(48)夫妻。
「花の歌」シリーズの製作で、一番手間取るのが題材探し。
女性の内面に迫る作品を見つけなければならない。
「東京まで本を探しに行きますが、多くの小説に登場する女性の扱いはひどすぎる。レイプも当たり前」と白樺さん。文学としての完成度は低いが、赤裸々に生きざまが出る体験記などはよい題材という。
 これまで二十三タイトルが完成。2〜3年後までに、100タイトルをそろえる予定だ。

CDは一枚1575円。
問い合わせは同センター=電052−654−4521
ホームページ=http://www.e-nakama.jp/niccb/=で一作品を試聴できる。


注:日常生活用具販売(用具サービス)のコーナーからリンクしています。
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2004年9月14日 読売新聞



ちょっと人いき


音楽家が生きやすい社会を


 国内の様々なジャンルの演奏家や作曲家、ミュージシャンら約六千人が加盟する「日本音楽家ユニオン」の中部地方本部のトップに昨秋、就任した。
 音楽家の労働組合である同ユニオンは、音楽に携わる人の労働条件の向上や、より多くの人に生演奏を聴いてもらう活動などを通して、音楽家が生きやすい社会を目指している。「まずは自分の足でいろんな場所へ行き、世間の人にユニオンを知ってもらうこと。もう一つは、会員が入会してよかったと思える瞬間を増やすこと」と目標を語る。 
 小さいころから、歌手になりたいと思っていた。日本福祉大学で社会福祉を学んだが、自分で何かを表現したいという気持ちは消えなかった。大学の合唱団の友人らに「一、二年だけでも好きなことをやったら」と後押しされ、卒業後、当時名古屋にあった俳優養成学校へ。在籍中の1982年にミュージカル「ザ・ファンタスティックス」のルイザ役で舞台デビューした。
 その後の活動は、歌手、舞台、朗読、ナレーション、司会など多岐にわたる。「どれがメーンですかと質問されることも多いけれど、自分の中では、境界線がない」
 歌うことも、演じることも、朗読することも、〈声〉を使った自己表現。そんな思いから、最近は、自分で考えた「ボイスパフォーマー」という肩書きも使っている。
 自ら作詞を手がける新作ミュージカルの上演を来夏に控えるなど、精力的な活動が続くが、「二十二年間、自分のペースで、社会の評価も考えずにやってきてしまった感じ」と自然体だ。「人の心をグッとつかんだり、さらっとなでたり。そんな歌や言葉を発信していきたいですね」と、ほほ笑んだ。(中村紘子)
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2004年8月31日 中日新聞



音楽「百般」承ります


「堅苦しい組織と思われがちですが、イベントやパーティ、ホームコンサートなど規模やジャンルを問わず出張演奏の相談、曲作りの依頼も受けています」
 こうPRするのは、日本音楽家ユニオン(略称・音楽ユニオン)の中部地方本部代表運営委員を務める歌手で作詞家の白樺八青。
 音楽ユニオンは、音楽家の社会的、経済的地位向上や、音楽文化発展のための活動を目的に発足した。会員は全国で約六千人。日本の主要オーケストラのメンバーや指揮者などクラシック分野からジャズ・ポピュラー分野、作曲家らが所属している。中部地方の会員は約三百人。
「毎年三月十九日をミュージックの日と定めています。コンサートを企画するなど、音楽家と一般の人との懸け橋になれたらいいなと思っています」

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2004年8月17日 朝日新聞

視覚障害者向け 官能朗読CD
名古屋盲人情報文化センター発売


プロが吹き込み、シリーズ化へ


 目の不自由な人たちに、点字や録音図書を提供している「名古屋盲人情報文化センター」(名古屋市港区)が、官能小説の朗読CDの販売を始めた。利用者からの要望はあっても、これまでなかなか対応できなかったが、朗読のプロの協力で実現した。同センターでは「今後もここのニーズに応えていきたい」と、シリーズ化していくという。

 発売したのは「官能朗読シリーズ 花の歌」。第一弾として、1枚に2,3話ずつ収めた約1時間のCD6枚。今後は、勝目梓さんの作品などをCD化する予定。
 朗読は名古屋市守山区在住で、音楽プロデュースや朗読劇を手がけている白樺八青さん(45)=写真=と、夫で俳優の檜垣萱さん(48)夫婦が引き受けた。
 同センターがこれまでも官能小説などの録音図書を制作、貸し出ししてきたが、種類が増えないという。朗読は多くの場合、ボランティアで主婦が引き受けている。だが、官能小説に関しては「恥ずかしくて読めない」などと敬遠されてきた。仕方なく、センター職員が朗読してテープに吹き込むこともあった。
 ただ、ニーズはあるだけに、何とか応えられないかと悩んでいたころ、センターの職員が白樺さんと出会った。白樺さんは「障害者や高齢者の性の問題に関して、自分のキャリアを生かせないか」と考えていたという。
 朗読を終えた白樺さんは「私にとっても官能小説は未知の世界で、戸惑うことも多かった」と話す。「夫は役者なので、声の出し方などいろいろ工夫していましたが、私はあまり芝居っけを出さず、淡々と読みました。なるべくいろんな要望に応えていきたいです」

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2004年7月6日 名古屋タイムズ



“音楽の出前”で市民生活に密着

 国内のミュージシャン約6000人が加盟する日本音楽家ユニオン。その中部本部代表に就任した歌手の白樺八青が、事務局長の池田逸雄(セントラル愛知交響楽団オーボエ奏者)らとともに名古屋タイムズ社へ。
「市民生活に密着した演奏活動をしたい」と就任の抱負を述べた。
「披露宴、葬儀、パーティなどでの演奏。職場や学校、家庭へも出かけて、TPOに合わせた音楽を提供します。つまり“音楽の出前”を積極的に行い、音楽の魅力をダイレクトに伝えたいと考えています」。そこで気になるのが“出前料金”。「1人、1ステージ3万円程度」が目安とか。
 事務局長の池田は「音楽家は芸術家でもあり、サービス業者でもある。どんな種類の要望にも対応するつもり。気軽に相談して欲しい。相談料ですか?缶ビール一本でOKですよ(笑い)」と柔軟。
 ミュージカルを得意とする白樺は、「プランニングから作詞、作曲、脚本も手掛けます。
依頼者と一緒になって、すてきなステージを実現させたいですね」と、さまざまな需要に対応する構えだ。

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