数列と、その類型・属性の定義 : トピック一覧・定義:数列/数列のつくる集合/部分列 ・定義:単調数列/有界数列/有理数列 ・定義:数列の上限sup下限inf/数列の最大値max最小値min/ ・性質:数列の最大値最小値 ・定義:数列の収束・極限値/上極限・下極限/振動する/発散する(∞に/−∞に) →関連ページ: ・数列の性質:数列の上限sup下限infの性質/数列の極限の性質 ・数列の応用:級数 ・数列の一般化:R2上の点列/Rn上の点列/点列一般/列sequence/族family →総目次 |
はじめに読むべき定義・数列 (厳密には、無限数列の実数列) とは、自然数1に対して実数 x1 自然数2に対して実数 x2 自然数3に対して実数 x3 : : という具合に、 自然数nに対して実数xnを定めた「自然数から実数への対応づけ」のこと。 ※0,1,2,3,…の各々に対して実数x0, x1, x2, x3,…を対応づける数列も、 ときに用いられる。 かたい定義・実数列とは、各項が実数である列 つまり、「 I⊆N、X⊆Rとした、写像 ( 関数 )『φ:I→X』 」 のこと。 記法・自然数1,2,3,…の各々に対して、実数 x1, x2, x3,…を定めた数列は、 自然数1,2,3,…を添数に用いて、つぎのように表される。 x1, x2, x3,… { x1, x2, x3,… }
{ xn } n≧1 { xn } n=1,2,3,… 〔笠原『微分積分学』1.2(p.8)〕 ・これらの略記法として、 { xn } ※厳密に言えば、上記は無限数列の表し方。 有限数列の表現は、『岩波入門数学辞典』「数列」(p.297)参照. ※「数列のつくる集合」「数列の項の集合」との区別に注意。 項termとは?・数列x1, x2, x3,…の項termとは、数列をなす各々の数x1, x2, x3,…のこと。・数列x1, x2, x3,…の初項とは、自然数1に対応付けられた先頭の実数x1のこと。 ・数列x1, x2, x3,…の第n項 n-th term とは、 自然数nに対応付けられた「数列の第n番目の数」 xn のこと。 |
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数列のビジュアル化
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定義
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「数列」と「数列のつくる集合」との違い
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・「数列x1, x2, x3,…」といった場合は、自然数nと実数 xn との対応関係を問うているのに対して、 「数列x1, x2, x3,…のつくる集合」といった場合は、 x1, x2, x3,…のなかにどの実数が出現するかのみが問題とされ、自然数nと実数 xn との対応関係は看過される。 この「数列」「数列のつくる集合」間の違いを、あらわにする事例を二つ示す。 【事例1】 ある数列{ xn } の「自然数と実数との対応関係」のみを変更した数列{ x'n } を扱う事例・ある数列{ xn } の「自然数と実数との対応関係」のみを変更した数列{ x'n }を考える。 ・数列としては、「自然数と実数との対応関係」が問われるので、「自然数と実数との対応関係」が異なる{ xn },{ x'n } は別物。 ・しかし、「数列のつくる集合」においては「自然数と実数との対応関係」が看過されるので、 「数列xnのつくる集合」 { xn | n∈N },「数列x'nのつくる集合」 { x'n | n∈N } は等しい。 [数値例] ・自然数1に対して実数 x1=1 自然数2に対して実数 x2=2 自然数3に対して実数 x3=3 : : 自然数nに対して実数 xn=n : : と定めた数列{ xn } を考える。 ・数列{ xn }の第1項と第2項との入れ替えによって、 数列{ xn } に出現する実数1,2,3,…,n,…をいじらず、 数列{ xn } における「自然数と実数との対応関係」のみを変更した数列{ x'n } を作る。 すなわち、数列{ x'n } では、 自然数1に対して実数 x’1=x2=2を対応付ける。 自然数2に対して実数 x'2=x1=1を対応付ける。 自然数3に対して実数 x'3=x3=3を対応付ける。 : : 自然数nに対して実数 x'n=xn=nを対応付ける。 : : ・「自然数と実数との対応関係」が問題にされる数列としては、 〜つまり、項が先頭から何番目にあるのかということと、その項の値がいかなる実数であるのかということとの対応が問題にされる数列としては〜 数列{ xn }=1,2,3,4,5,…と、数列{ x'n }=2,1,3,4,5,…とは、別物(第1項、第2項の値が違うから)。 ・しかし、「数列{ xn } のつくる集合」{1,2,3,4,5,…}と「数列{ x'n } のつくる集合」{2,1,3,4,5,…} とは等しい。 二つの集合が「等しい」ということの定義は、「二集合の元がまったく同じ」ということだけなので、 「自然数と実数との対応関係」〜つまり、項が先頭から何番目にあるのかということと、その項の値がいかなる実数であるのかということとの対応〜が同じかどうかなどは、 無視される。 [→笠原『微分積分学』1.2(p.8)] 【事例2】 複数の項が同一実数値をとる数列{ xn } を扱う事例・第l項,第m項が同一実数値aとなる数列{ xn } を作る。 ・「自然数と実数との対応関係」が問題にされる数列としては 〜つまり、項が先頭から何番目にあるのかということと、その項の値がいかなる実数であるのかということとの対応が問題にされる数列としては〜 自然数lに対して実数値aが対応づけられ、自然数mに対して実数値aが対応づけられるということは、重要な事実。 ・ところが、 「自然数と実数との対応関係」を問題とせず 〜つまり、項が先頭から何番目にあるのかということと、その項の値がいかなる実数であるのかということとの対応を問題とせず〜 ただ、どの実数が出現するかのみを問題とする「数列{ xn } のつくる集合」としては、 「実数aが元として属している」という点のみが重要な事実なのであって、 実数値aが自然数lにも自然数mにも対応づけられるという事実は、捨象される。 ・だから、数列{ xn }を表すときは、「実数値aが自然数lにも自然数mにも対応づけられる」という事実を示すために、 数列{ xn } ={x1, x2, x3,…, xl-1 , a , xl+1, …, xm-1, a , xm+1 , …} と、aを重複して書き出すけれども、 「数列{ xn } のつくる集合」を書き出すときには、 「実数値aが自然数lにも自然数mにも対応づけられる」という事実には関心が向けられず、 ただ「実数aが元として属している」という事実にしか関心が向けられないので、 「数列{ xn } のつくる集合」の外延的記法においては、aの重複が排除され、一個のaしか書き出されない。 [数値例] ・自然数1に対して実数 x1=11=1 自然数2に対して実数 x2=12=1 自然数3に対して実数 x3=13=1 : : 自然数nに対して実数 xn=1n=1 : : と定めた数列{ xn } を考える。 ・数列{ xn } は無限数列{ 1, 1, 1, …, 1, … } ・しかし、「数列{ xn } のつくる集合」は、1元集合 { 1 } 。 [数値例] ・自然数1に対して実数 x1=(−1)1=−1 自然数2に対して実数 x2=(−1)2=1 自然数3に対して実数 x3=(−1)3=−1 自然数3に対して実数 x4=(−1)4=1 : : 自然数nに対して実数 xn=(−1)n : : と定めた数列{ xn } を考える。 ・数列{ xn } は無限数列{ −1, 1, −1, 1, … } ・しかし、「数列{ xn } のつくる集合」は、 { −1, 1 } 。 [黒田『微分積分学』注意2.8(p.42);笠原『微分積分学』1.2(p.8)] |
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記法上の工夫
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( xi ) | ∞ | |
i=1 |
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狭義単調増加列
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広義単調減少列、単調非増加列・「数列x1, x2, x3,…が広義単調減少列である」[→和達『微分積分』p.173]とは、 「数列x1, x2, x3,…が単調非増加列」[→小平『解析入門I』『岩波入門数学辞典』] とは、 数列x1, x2, x3,…が、「x1≧x2≧x3≧…」を満たすこと。 ・広義単調減少列x1, x2, x3,…を記号「xn↓」で表すことがある。 ※詳細:広義単調減少列・単調非増加列 ※一般化:広義単調減少関数 |
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「単調増加列」は両義的「単調増加列」という用語は、 狭義単調増加列を指す場合もあれば、 広義単調増加列(単調非減少列)を指す場合もある ので注意。 ※詳細:単調増加列 「単調減少列」は両義的「単調減少列」という用語は、 狭義単調減少列を指す場合もあれば、 広義単調減少列(単調非増加列)を指す場合がある ので注意。 ※詳細:単調減少列 | |||||||||||||||||||||||||||
広義単調列・広義単調列とは、広義単調増加列と広義単調減少列の総称。 | |||||||||||||||||||||||||||
狭義単調列 strictly monotone sequence
・狭義単調列とは、狭義単調増加列と狭義単調減少列の総称。 | |||||||||||||||||||||||||||
単調数列 monotone sequence
・単調数列とは、単調増加列と単調減少列の総称。 |
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上に有界な数列、上界
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数列の上限 sup
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・「数列x1, x2, x3,… の上限supremum」 | sup | xn |
n |
b* = | sup | xn |
n≧1 |
b* = | sup | xn |
n |
[文献─「数列の項のつくる集合」を用いて定義]
・小平『解析入門I』§1.5実数の性質-a)上限下限(p.37); ・赤攝也『実数論講義』§5.2数列の極限値定義5.2.3(p.121) ・杉浦『解析入門I』I-§2-命題2.4直前(p.13); ・笠原『微分積分学』1.2実数列の収束:定理1.10脚注(p.13) ・加藤『微分積分学原論』定理2.10の直前(p.20): [文献─「数列の項のつくる集合」の意味に遡って定義] ・青本『微分と積分1』§1.3(a)(b)(pp.18-20)上界、下界、有界、上限、下限、最大、最小 [文献─数理経済] ・神谷・浦井『経済学のための数学入門』2.2実数列とその収束(p.71) |
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※数列の上限sup・下限infの類概念:「実数の集合」について:sup/inf |
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※性質: 数列の上限下限と上界下界/「数列の大小関係」と「数列の上限の大小関係」/数列の上限下限と最大最小 有界な単調数列は収束する/有界数列における上限下限の存在 「数列の上限下限」と「数列間の和」の順序交換/「数列の上限下限」と「数列の定数倍」の順序交換 |
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・「数列x1, x2, x3,… の下限infimum」 | inf | xn |
n |
b* = | inf | xn |
n≧1 |
b* = | inf | xn |
n |
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【論理記号を用いずに】・「『数列x1, x2, x3,…の最大値』は xmである」
とは、 xmが、すべてのnに対して 、 xn≦ xm を満たすことをいう。 ・「『数列x1, x2, x3,…の最小値』は xmである」
とは、 xmが、すべてのnに対して 、xm≦xn を満たすことをいう。 【論理記号を用いて】
*このように、『数列x1, x2, x3,…の最大値・最小値』は 「数列x1, x2, x3,…の項」から選ばれなければならない。 *数列x1, x2, x3,…の最大値・最小値は、存在するとは限らない。 たとえ、数列x1, x2, x3,…が有界であったとしても。→詳細 |
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【数列の最大最小と上限下限】・数列x1, x2, x3,…に最大値が存在するな らば、 「数列x1, x2, x3,…の上限」は、「数列x1, x2, x3,…の最大値」。 sup xn = max xn ・数列x1, x2, x3,…に最小値が存在するな らば、 「数列x1, x2, x3,…の下限」は、「数列x1, x2, x3,…の最小値」。 inf xn =min xn 【有界数列と最大最小】・上に有界な数列x1, x2, x3,…であっても、 最大値max xn が存在するとは限らない。 ※存在しない例:青本『微分と積分1』§1.3(b)命題1.27直前(p.20) ・下に有界な数列x1, x2, x3,…であっても、 最小値min xnが存在するとは限らない。 |
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・有理数列とは、すべての項が有理数である数列のこと。 ・任意の実数は、有理数列の極限[小平定理1.16]。 |
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はじめに読むべき定義「数列 {xn}の部分列」とは、数列 {xn}の無限個の項x0, x1, x2, x3, x4, x5,…から、 その一部の項を無限個抜き出し、順序を保ったまま並べた数列 たとえば、 x1, x3, x5, x7,… x10, x11, x12, x13, x14, x15,… x0, x10, x18, x20, x45, x100,… など のこと。 少しかたい定義「数列 {xn}n∈N の部分列」とは、I⊂Nにたいする{xn}n∈I のこと。 記法・数列{xn}の部分列は、
kは、部分列のなかで何番目の項にあたるかを、 nk, n(k) は、もとの数列で何番目の項だったのかを表している。 ・例えば、
このとき、 ・n1=1 ・n2=3 ・n3=5 ・n4=7 ・n5=9 : : ・つまり、
この数列{nk}k∈Nは、狭義単調増加n1<n2<n3<…である。 |
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※「数列の部分列」を一般化した概念:R2上の点列の部分列/Rn上の点列の部分列/一般の集合上の点列の部分列
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※性質:1/2 ※活用例:ボルツァノ・ワイエルストラスの定理/点列コンパクトの定義 |
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ビギナー向け定義・「 数列 { an } は実数αに収束する」 " { an } converges to α " 「『数列 { an } の極限値』は実数αである」" { an } has limit α"
とは、 数列 { an } において「項の番号」nを限りなく大きくするとき、 anの値が実数αに限りなく近づくということ。 ※詳細・問題点→ はじめに読むべき定義と、その問題点 ・「 数列 { an } は収束する」 「 数列 { an } は収束列である」 「数列 { an } は極限値をもつ」 「数列 { an } の極限が存在する」 とは、 「an→α (n→∞)」を満たす実数αが存在するということ。 ※詳細・問題点→はじめに読むべき定義 厳密な定義・厳密には、 「 数列 { an } は実数αに収束する」 " { an } converges to α " 「『数列 { an } の極限値』は実数αである」" { an } has limit α"
は、 論理記号で、 ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒| an−α|<ε) ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒an ∈ (α−ε, α+ε) ) ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ an∈Uε(α) ) と定義される。 ※どう読むの? → 論理記号読み下しサンプル ※言葉で説明すると? → 言葉で正確に ※どういうこと? → 考え方 / イメージトレーニング ※具体的には? → 具体的に噛み砕いて ※ビギナー向け定義のどこを明確化? ※もっと論理的に! → 論理の解説 ・「 数列 { an } は収束する」「 数列 { an } は収束列である」 「数列 { an } は極限値をもつ」「数列 { an } の極限が存在する」 とは、 論理記号で、 |
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∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒|an−α|<ε) ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ an ∈ (α−ε, α+ε) ) ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ an ∈Uε(α) ) と定義される。 ※どういうこと? →考え方 ※言葉で説明すると? →言葉で正確に ※もっと論理的に! →論理にこだわって |
2. | n |
n | →1 ( n→∞ ) →証明
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・数列{an}の上極限
のこと[→詳細]。 ・数列{an}の下極限
のこと[→詳細]。 |
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・「 数列 { an } は実数αに収束しない」 ¬ ( an →α (n→∞) ) とは、 ∃ε>0 ∀N∈N ∃n∈N ( n≧N かつ | an−α|≧ε ) ある特定のε>0があって、 どのように番号Nを選んでも、 Nよりも大きな番号nが存在して、 | an−α|≧εを成立させる[] ということ。 ・数列 { an } が、どんな実数にも収束しないとき、 数列 { an } は発散すると言う。[→発散の定義] |
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「収束列」をつかった定義・「 数列 { an } は発散するdiverge」 「 数列 { an } は発散であるdivergent」 とは、 { an }が収束列ではないということ。 「収束数列」の意味を書き下した定義・「 数列 { an } は発散するdiverge」 「 数列 { an } は発散であるdivergent」 とは、 数列 { an } は、どんな実数αに対してであれ、「 an→α (n→∞) 」を満たさない (∀α∈R ) ¬ ( an →α (n→∞) ) ということ。 [→黒田『微分積分学』(p.43);細井『イプシロン・デルタ』6章(p.59)] ※これは、前記の定義と同じこと。 ・「{ an }が収束列である」とは、定義より、 (∃α∈R)( an→α (n→∞) ) であったから、 「{ an }が収束列ではない」とは、 ¬ (∃α∈R)( an→α (n→∞) ) |
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・「存在命題を否定する命題」は「否定命題を主張する全称命題」に言い換え可能だから、 ¬ (∃α∈R)( an→α (n→∞) ) は、 (∀α∈R ) ¬ ( an →α (n→∞) ) に言い換えられる。 ・以上から、 「 数列 { an } は発散するdiverge」の第1の定義「{ an }が収束列ではない」が、 「 数列 { an } は発散するdiverge」の第2の定義「(∀α∈R ) ¬ ( an →α (n→∞) ) 」と同値になることが確認できる。 |
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「an →α (n→∞)」の意味を書き下した定義 |
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・「 数列 { an } は発散するdiverge」「 数列 { an } は発散であるdivergent」 とは、 どんな実数αに対してであれ、あるε近傍Uε(α)をとると、 { an } のどの項 aNを選んでも、 その項 aNに後続する項のなかに、Uε(α)に収まらない項が少なくとも一つはでてくる。 ということ 論理記号で表すと、 (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) (∃n∈N) ( n≧N かつ | an−α|≧ε ) ないし、 (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) (∃n∈N) ( n≧N かつ an ![]() ないし、 (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) (∃n∈N) ( n≧N かつ an ![]() ないし、 (∀α∈R ) (∃ Uε(α)) (∀N∈N) (∃n∈N) ( n≧N かつ an ![]() ※これは、前記の定義と同じこと。 (∀α∈R ) ¬ ( an →α (n→∞) ) ⇔ (∀α∈R ) ¬ ( (∀ε>0) (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒| an−α|<ε) ) ∵ 「an →α (n→∞)」の定義 ⇔ (∀α∈R ) (∃ε>0) ¬ ( (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒| an−α|<ε) ) ∵ 「全称命題を否定する命題」は「否定命題を主張する存在命題」に言い換えてよい ⇔ (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) ¬ ( (∀n∈N) ( n≧N⇒| an−α|<ε) ) ∵ 「存在命題を否定する命題」は「否定命題を主張する全称命題」に言い換えてよい ⇔ (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) (∃n∈N) ¬ ( n≧N⇒| an−α|<ε) ∵ 「全称命題を否定する命題」は「否定命題を主張する存在命題」に言い換えてよい ⇔ (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) (∃n∈N) ( n≧N かつ ¬ ( | an−α|<ε) ) ∵ 「A⇒Bの否定」は「Aかつ『Bの否定』」に言い換えてよい ⇔ (∀α∈R ) (∃ε>0) (∀N∈N) (∃n∈N) ( n≧N かつ | an−α|≧ε ) [齋藤正彦『日本語から記号論理へ』3章§6(p.160)] |
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はじめに読むべき定義・「 数列 { an } は∞に発散する」 「 an→∞ (n→∞) 」
とは、 数列 { an } において自然数nを限りなく大きくすると、 anの値が限りなく大きくなる ことをいう。 厳密な定義・「 数列 { an } は∞に発散する」「 an→∞ (n→∞) 」
とは、 任意の実数K∈Rに対して、ある(十分大きな)自然数Nが存在して、 「 n≧N ならば、 an > K 」 を成りたたせる、 ということ。 すなわち、(∀K∈R) (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ an > K) |
・「 数列 { an } が∞に発散する」ならば「数列 { an }は発散する」のは明らかと細井は言うが、証明は載っていない[p.69]。
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はじめに読むべき定義・「 数列 { an } は−∞に発散する」「 an→−∞ (n→∞) 」
とは、 数列 { an } において自然数nを限りなく大きくすると、 anの値が限りなく小さくなる ことをいう。 厳密な定義・「 数列 { an } は−∞に発散する」「 an→−∞ (n→∞) 」
とは、 任意の実数K∈Rに対して、ある(十分大きな)自然数Nが存在して、 「 n≧N ならば、 an < K 」 を成りたたせる、 ということ。 すなわち、(∀K∈R) (∃N∈N) (∀n∈N) ( n≧N⇒ an< K) |
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数列の上極限>下極限となるとき、その数列は振動するという。[関連概念]※発散する数列の分類:+∞に発散/−∞に発散/振動する |
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