論理記号:トピック一覧 〜 数学についてのwebノート【命題論理】 否定(ない)を表す論理記号¬〜 / 選言・論理和(または)を表す論理記号∨ / 「または」の否定¬(∨)連言・論理積(かつ)を表す論理記号∧ / 「かつ」の否定¬(∧) 「ならば」を表す論理記号 / ¬(⇒) / 同値を表す論理記号⇔ 【述語論理】 全称記号・量化子∀(任意の) / 存在記号・量化子∃(ある〜) / ¬∀と∃¬ / ¬∃と∀¬ / ∀(∧) / ∃(∨) ∀∀の入替 / ∃∃の入替 / ∃と∀の入替 →論理関連ページ : 恒真命題・恒偽命題 / 論理法則−同値 / 論理法則−含意 / 同値変形 →集合論の記号 : ∈/φ/Ω,U/⊂/=/∪/∩/+/−/△/c/(a,b)/{a,b}/A×B →総目次 / ![]() |
否定命題negationをあらわす論理記号 ¬A, 〜A |
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【記号】 ・命題Aを否定する命題「Aでない」は、
【詳細】 →論理式¬Pの意味論 |
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【記号】 ・選言ないし論理和の命題「命題Aまたは命題B」は、
【詳細】 →論理式「P∨Q」の意味論 |
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「『命題Aまたは命題B』でない」 論理記号では、「 ¬ ( A ∨ B ) 」 は、 「『命題Aでない』かつ『命題Bでない』 」 論理記号では、「 ( ¬ A ) ∧ ( ¬ B ) 」 に書き換え可能。 |
【文献】 ・杉浦『解析入門I』399; ・本橋『新しい論理序説』6.4問題6(p.121;128) ・入谷久我『数理経済学入門』定理1.1(p.4) |
「『命題Aまたは命題B』でない」 論理記号では、「 ¬ ( A ∨ B ) 」 は、 「『命題Aでない』かつ『命題Bでない』 」 論理記号では、「 ( ¬ A ) ∧ ( ¬ B ) 」 に書き換え可能。 |
【文献】 ・杉浦『解析入門I』399; ・本橋『新しい論理序説』6.4問題6(p.121;128) ・入谷久我『数理経済学入門』定理1.1(p.4) |
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【記号】 ・連言ないし論理積の命題「命題Aかつ命題B」は、
【詳細】 →論理式「P∧Q」の意味論 |
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連言・論理積の否定命題の性質 |
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・「『命題Aかつ命題B』でない」 論理記号では、「 ¬ ( A ∧ B ) 」 は、 「『命題Aでない』または『命題Bでない』 」 論理記号では、「 ( ¬ A ) ∨ ( ¬ B ) 」 に書き換え可能。 ※なぜ? ・命題A,Bの真偽の組合せに対する、 「『命題Aかつ命題B』でない」 論理記号では、「 ¬ ( A ∧ B ) 」 という命題の真偽を、 「かつ∧」「ない¬」の定義に従って書き下すと、 次の真理値表になる。 | A | B | A∧B | ¬ ( A ∧ B ) | ├───┼───┼─────┼────────┤ | 真 | 真 | 真 | 偽 | | 真 | 偽 | 偽 | 真 | | 偽 | 真 | 偽 | 真 | | 偽 | 偽 | 偽 | 真 | ・命題A,Bの真偽の組合せに対する、 「『命題Aでない』または『命題Bでない』 」 論理記号では、「 ( ¬ A ) ∨ ( ¬ B ) 」 という命題の真偽を、 「¬ない」「または∨」の定義に従って書き下すと、 次の真理値表になる。 | A | B |¬A |¬B |(¬A)∨(¬B)| ├───┼───┼───┼───┼─────────┤ | 真 | 真 | 偽 | 偽 | 偽 | | 真 | 偽 | 偽 | 真 | 真 | | 偽 | 真 | 真 | 偽 | 真 | | 偽 | 偽 | 真 | 真 | 真 | ・上記の真理値表を見比べると、 「『命題Aかつ命題B』でない」 論理記号では、「 ¬ ( A ∧ B ) 」 という命題の真偽と、 「『命題Aでない』または『命題Bでない』 」 論理記号では、「 ( ¬ A ) ∨ ( ¬ B ) 」 という命題の真偽は、 一致することがわかる。 したがって、両命題は常に同値となるので、互いに書き換えてよい。 |
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論理記号 |
・命題「命題Aと命題Bとは同値」 「命題Aは命題Bの必要十分条件」 「命題Bは命題Aの必要十分条件」 " A if and only if (iff) B " は、 論理記号「A⇔B」で表される。 ※岡田『経済学・経営学のための数学』は 「A≡B」を使用。 |
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真偽 |
・命題「命題Aと命題Bとは同値」(論理記号では「A⇔B」) の真偽は、 次の真理値表により、命題A,命題Bの真偽から、定められる。 ※真理値表:真/偽は、その命題が「成り立つ/たない」ぐらいにとる。 | A | B | A⇔B | ├───┼───┼─────┤ | 真 | 真 | 真 | | 真 | 偽 | 偽 | | 偽 | 真 | 偽 | | 偽 | 偽 | 真 | |
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言換え |
・上記の真理値表からわかるように、 「命題Aと命題Bとは同値」(論理記号では「A⇔B」)は、 「命題Aならば命題B」かつ「命題Bならば命題A」(論理記号では「(A⇒B)∧(B⇒A)」) と言いかえられる。 |
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必要十分条件 |
・「A⇔B」という命題が成り立っている(真である)ならば、上記真理表の2〜3行目が除去されるので、 Aが成り立つ(真である)ならば、つねに、Bも成り立ち、 Bが成り立つ(真である) ならば、つねに、Aも成り立つ、ということになる。 これで、「 AはBの必要十分条件 」ということになる。 |
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・論理記号「A⇒B」は、含意の命題「命題Aならば命題B」を表す。 [→詳細] ・「A⇒B」の真偽は、次の真理値表により、命題A,命題Bの真偽から、定められる。
[→詳細] |
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→「A⇒B」の歴史
→「A⇒B」の言い換え表現 : 「 ¬B⇒¬A 」 「 ( ¬A ) ∨ B 」 「 ¬ ( A ∧ (¬B) )」
→「A⇒B」の具体例 : 「●●原発が安全であるならば、●●原発を再稼働する」 / 「x>2⇒x>1」
→「A⇒B」と十分条件・必要条件
→「A⇒B」の証明
→「A⇒B」の関連事項
「『命題Aならば命題B』でない」 論理記号では、「 ¬( A ⇒ B ) 」 は、 命題A かつ 「命題Bでない」 論理記号では、「 A ∧ ¬ ( B ) 」 に書き換え可能。 |
【文献】 ・杉浦『解析入門I』400; ・入谷久我『数理経済学入門』定理1.1(7)(p.4) |
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【形式1】 ∀+変項 +1項述語 「 ∀x ( xが有す性質P ) 」 「 ∀x ( xが満たす条件P ) 」 「 ∀x ( P(x) ) 」 というかたち。 xの中身が何であっても、 xは性質・条件Pを満たすこと を意味する。 ※詳細解説 |
【形式1'】 ∀ + 変項∈範囲 + 1項述語 「 ∀x∈X ( xが有す性質P ) 」 「 ∀x∈X ( xが満たす条件P ) 」 「 ∀x∈X ( P(x) ) 」 というかたち。 範囲Xから何を取ってきてxに代入しても、 xは性質・条件Pを満たすこと を意味する。 ※詳細解説/省略形 |
【形式2】 ∀ + 変項(変数) + 2項述語(2変数命題関数) 「 ∀x ( x,yの関係P ) 」 「 ∀x ( x,yが満たす条件P ) 」 「 ∀x ( P(x,y) ) 」 というかたち。 xの中身が何であっても、 x,yは関係・条件Pを満たすこと を意味する。 ※詳細解説 |
【形式2'】 ∀ + 変項(変数)∈範囲 + 2項述語(2変数命題関数) 「 ∀x∈X ( x,yの関係P ) 」 「 ∀x∈X ( x,yが満たす条件P ) 」 「 ∀x∈X ( P(x,y) ) 」 というかたち。 範囲Xから何を取ってきてxに代入しても yはxとの関係Pを満たす を意味する。 ※詳細解説/省略形 |
【形式n】 ∀ + 変項(変数) + n項述語(n変数命題関数) iを、1からnまでのあいだの或る自然数だとしたときの 「 ∀xi ( x1, x2, …, xnの関係P ) 」 「 ∀xi ( x1, x2, …, xnが満たす条件P ) 」 というかたち。 ※詳細解説 |
【形式n'】 ∀ + 変項(変数)∈範囲 + n項述語(n変数命題関数) iを、1からnまでのあいだの或る自然数としたときの 「 ∀xi∈X ( x1, x2, …, xnの関係P ) 」 「 ∀xi∈X ( x1, x2, …, xnが満たす条件P ) 」 というかたち。 ※詳細解説/省略形 |
・全称記号「∀」を用いた以上の諸形式、および存在記号「∃」を用いた同様の形式を、入れ子状に組み合わせた表現も頻繁につかわれる。
これらについては、下記参照。
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存在記号 ∃ |
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・∃は、存在記号と呼ばれる論理記号。【→詳細】 ・「∃(変項) (条件)」というかたちのなかで用いられ、 「(条件)を満たす(変項)が存在する」 「ある(変項)にたいして、(条件)が満たされる」 などと読みくだされる。【→詳細】 ・詳細は、 下記形式ごとの解説ページを参照。 |
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【形式1】 ∃+変項 +1項述語 「 ∃x ( xが有す性質P ) 」 「 ∃x ( xが満たす条件P ) 」 「 ∃x ( P(x) ) 」 というかたち。 xに代入されると、 性質・条件Pを満たす対象が、 少なくとも一個は存在すること を意味する。 ※詳細解説 |
【形式1'】 ∃ + 変項∈範囲 + 1項述語 「 ∃x∈X ( xが有す性質P ) 」 「 ∃x∈X ( xが満たす条件P ) 」 「 ∃x∈X ( P(x) ) 」 というかたち。 xに代入されると、、 性質・条件Pを満たす対象が、 範囲Xのなかに、少なくとも一個は存在すること を意味する。 ※詳細解説/省略形 |
【形式2】 ∃ + 変項(変数) + 2項述語(2変数命題関数) 「 ∃x ( x,yの関係P ) 」 「 ∃x ( x,yが満たす条件P ) 」 「 ∃x ( P(x,y) ) 」 というかたち。 xに代入されると、 yとの関係・条件Pを満たす対象が、 少なくとも一個は存在すること を意味する。 ※詳細解説 |
【形式2'】 ∃ + 変項(変数)∈範囲 + 2項述語(2変数命題関数) 「 ∃x∈X ( x,yの関係P ) 」 「 ∃x∈X ( x,yが満たす条件P ) 」 「 ∃x∈X ( P(x,y) ) 」 というかたち。 xに代入されると、、 yとの関係Pを満たす対象が、 範囲Xのなかに、少なくとも一個は存在すること を意味する。 ※詳細解説/省略形 |
【形式n】 ∃ + 変項(変数) + n項述語(n変数命題関数) iを、1からnまでのあいだの或る自然数だとしたときの 「 ∃xi ( x1, x2, …, xnの関係P ) 」 「 ∃xi ( x1, x2, …, xnが満たす条件P ) 」 というかたち。 ※詳細解説 |
【形式n'】 ∃ + 変項(変数)∈範囲 + n項述語(n変数命題関数) iを、1からnまでのあいだの或る自然数としたときの 「 ∃xi∈X ( x1, x2, …, xnの関係P ) 」 「 ∃xi∈X ( x1, x2, …, xnが満たす条件P ) 」 というかたち。 ※詳細解説/省略形 |
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部分否定の同義2表現 |
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【1】 (表現1) 全称命題を否定する命題 「 『すべての対象が性質・条件Pを満たす』とは限らない 」 (表現2) 否定命題の存在命題 「 『性質・条件Pを満たさない対象』 が、少なくとも一個は存在する」 は互いに言換可。 【2】 (表現1') 条件付全称命題を否定する命題 「 『性質・条件Qを満たすすべての対象が、性質・条件Pを満たす』とは限らない」 (表現2') 否定命題の条件付存在命題 「 『性質・条件Pを満たさない対象』 が、『性質・条件Qを満たす対象』のなかに、少なくとも一個は存在する 」 【3】 以上を論理記号で表すと、 ・「 ¬ ( ∀x P(x) )」 ( 『任意のx に対しP(x)である』とは限らない) 「 ∃x (¬P(x) ) 」 ( P(x)でないようなxが、(少なくとは一つは)存在する ) は互いに言換え可。 |
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・「 ¬ ( ∀ xを先頭にした条件式Q(x) P(x) ) 」(『Q(x) をみたす任意のxに対しP(x)である』とは限らない) 「 ∃xを先頭にした条件式Q(x) (¬P(x) ) 」( 「Q(x) という条件のもとで『P(x)でない』ようなxが少なくとは一つは存在する) は互いに言換え可。 |
全体否定の同義2表現 |
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【1】 (表現1) 存在命題を否定する命題 ¬ ( ∃x P(x) ) 「P(x)であるようなxが(少なくとは一つは)存在する」ことの否定、 すなわち、「P(x)であるようなxが一つたりとも存在しない」 (表現2) 否定命題の全称命題 ∀x (¬ P(x) ) 「任意の x に対し(=すべてのx について・どのようなxをとっても)、 P(x)でない」 は、同じこと。互いに言いかえてよい。 【2】 (表現1') 「 ¬ ( ∃xを先頭にした条件式Q(x) P(x) ) 」 Q(x) という条件のもとで『P(x)である』ようなxが、一つも存在しない (表現2') 「 ∀ xを先頭にした条件式Q(x) (¬P(x) ) 」 Q(x) をみたす任意のxに対し、 P(x)でない は、同じこと。互いに言いかえてよい。 |
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全称命題と論理積の分配則【1】(表現1) ∀x ( P(x) ∧ Q(x) ) 任意のxに対し(=すべてのx について・どのようなxをとっても)「P(x)かつQ(x)である」 (表現2) ( ∀x P(x) ) ∧ ( ∀x Q(x) ) 「任意のxに対しP(x) 」かつ「任意のx に対しQ(x)である」 は、同じこと。互いに言いかえてよい。 【2】 (表現1') ∀ xを先頭にした条件式S(x) ( P(x) ∧ Q(x) ) S(x) をみたす任意のxに対し、「P(x)かつQ(x)」 (表現2') ( ∀ xを先頭にした条件式S(x) P(x) ) ∧ ( ∀ xを先頭にした条件式S(x) Q(x) ) 「S(x) をみたす任意のxに対し、P(x)」かつ「S(x) をみたす任意のxに対し、Q(x)」 は、同じこと。互いに言いかえてよい。 【文献】 ・中内『ろんりの練習帳』定理2.2.10(p.87):∀(∨)についての言及も。 ・中谷『論理』 4.3-C-(4・5)(p.90):∀(∨)についての言及も。 ・齋藤『日本語から記号論理へ』2章§7付録(pp.94-95) |
存在命題と論理和の分配則【1】 (表現1) ∃x ( P(x) ∨ Q(x) ) 「P(x)またはQ(x)である」であるようなxが(少なくとは一つは)存在する (表現2) ( ∃x P(x) ) ∨ ( ∃x Q(x) ) 「P(x)であるようなxが(少なくとは一つは)存在する」または「Q(x)であるようなxが(少なくとは一つは)存在する」 は、同じこと。互いに言いかえてよい。 【2】 (表現1') ∃xを先頭にした条件式S(x) ( P(x) ∨ Q(x) ) (表現2') (∃xを先頭にした条件式S(x) P(x) ) ∨ (∃xを先頭にした条件式S(x) Q(x) ) は、同じこと。互いに言いかえてよい。 【文献】 ・中内『ろんりの練習帳』定理2.4.10(p.97):∃(∧)についての言及も。 ・中谷『論理』 4.3-C-(4・6)(p.90) ∃(∧)についての言及も。 ・齋藤『日本語から記号論理へ』2章§7付録(pp.94-95)∃(∧)についての言及のみ。 |
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P(x,y)がx,yに関するある関係・条件を表すとする。 |
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1. |
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2. |
( ∀A(x) x ) ( ∀B(y)y ) P(x,y) と |
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P(x,y)がx,yに関するある関係・条件を表すとする。 |
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1. |
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2. |
( ∃ A(x) x ) ( ∃ B(y) y ) P(x,y) と |
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[文献] ・中内『ろんりの練習帳』103-105 |
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1. |
∃y ∀x P(x,y) ⇒ ∀x ∃y P(x,y) は成り立つが、逆は成り立たない。 「『任意のx に対し(=すべてのx について・どのようなxをとっても) P(x,y)である』を満たすyが(少なくとは一つは)存在する」 |
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2. |
( ∃ B(y) y ) ( ∀A(x) x ) P(x,y) ⇒ ( ∀A(x) x ) ( ∃ B(y) y ) P(x,y) |
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