→はじめに読むべき定義 →厳密な定義の考え方 →厳密な定義の正確な表現 →論理にこだわって 【cf】 収束先の極限値を明示する下記表現 →「 数列がαに収束する 」「 数列の極限値はα 」 →「 an→α (n→∞) 」「 lim an→α 」 【関連事項】 ・収束の反意語:発散(∞に発散/−∞に発散) |
|
||||||||||
・数列の収束条件:有界単調数列の収束定理 / ボルツァノ・ワイエルストラスの定理 / コーシーの判定法 ・収束数列の性質: |
はじめに読むべき定義・「 数列 { an } は収束するconverge」 「 数列 { an } は収束列converge sequenceである」 「数列 { an } は極限値limitをもつ」 「数列 { an } の極限limitが存在する」 とは、 「an→α (n→∞)」を満たす実数αが存在すること ∃α∈R( an→α (n→∞) ) をいう。 ※「an→α (n→∞) を満たす実数α」が存在するならば、 「an→α (n→∞) を満たす実数α」は、一つだけ。 その、たった一つの「an→α (n→∞) を満たす実数α」を、 極限値limitと呼ぶ。 標語的に言うと、「収束列の極限値は一つだけ」→定理 |
|
→数列の収束・極限値 →トピック一覧:数列とその類型・属性の定義 |
厳密な定義の考え方・「 数列 { an } は収束するconverge」 「 数列 { an } は収束列converge sequenceである」 「数列 { an } は極限値limitをもつ」 「数列 { an } の極限limitが存在する」 とは、 数列 { an } にたいして、ある実数αが存在し、 「『数列{an}の各項』と『実数α』との目標誤差」εをどのような『正の実数値』に指定しようとも、 その目標誤差εに応じて、数列{an}のはじめの有限N個の項を選んで、これを無視することにすれば、 「『(N+1)番目の項に後続する無限個の項』と『実数α』との実際の誤差」を、 目標誤差ε以内に収めることができる ということ をいう。 [→黒田『微分積分学』(p.43);細井『イプシロン・デルタ』6章(p.59)] ・数列 { an } にたいして、上記の実数αが存在するならば、 そのような実数αは、一つだけ。 数列 { an } にたいして、たった一つだけ存在する上記の実数αを、 極限値limitと呼ぶ。 標語的に言うと、「収束列の極限値は一つだけ」→定理 →「数列の収束・極限値」先頭 |
|
→数列の収束・極限値 →トピック一覧:数列とその類型・属性の定義 |
厳密な定義の正確な表現[ε-N論法による定義]・「 数列 { an } は収束するconverge」 「 数列 { an } は収束列converge sequenceである」 「数列 { an } は極限値limitをもつ」 「数列 { an } の極限limitが存在する」 とは、 数列 { an } にたいして、ある実数αが存在し、 任意の正の実数εに対して、ある(十分大きな)自然数Nが存在して、 「 n≧Nならば、 | an −α|<ε 」 すなわち、「 n≧Nならば、 d(an,α)<ε 」 すなわち、「 n≧Nならば、 α−ε< an<α+ε 」 すなわち、「 n≧Nならば、 an ∈ (α−ε, α+ε) 」 すなわち、「 n≧Nならば、 an∈Uε(α) 」 が成り立つ、 ということ。 論理記号で表すと、 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒|an−α|<ε) ないし、 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ d(an,α)<ε ) ないし、 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ an ∈ (α−ε, α+ε) ) ないし、 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ an ∈Uε(α) ) |
|
||||||||||||||||||||||||||
[近傍概念を前面に押し出した定義]近傍概念を全面に押し出すと、上記の定義を、次のように大胆にまとめることができる。 ・「 数列 { an } は収束するconverge」 「 数列 { an } は収束列converge sequenceである」 「数列 { an } は極限値limitをもつ」 「数列 { an } の極限limitが存在する」 とは、 数列 { an } にたいして、ある実数αが存在し、 実数αのどんなε近傍 Uε(α) を選んでも、 選んだUε(α)に応じて、有限個の番号nを除くと、 残ったすべての項anが、an∈Uε(α) を満たす ということ。 [→黒田『微分積分学』(p.43);細井『イプシロン・デルタ』6章(p.59)] |
→数列の収束・極限値 →トピック一覧:数列とその類型・属性の定義 |
論理にこだわって・変項《数列》を組み込んだ1項述語・1変項命題関数 「 《数列》は収束する」 ないし 「『《数列》に極限値が存在する』」 * 変項《数列》の議論領域 : あらゆる実数列をあつめた集合 とは、 変項 《数列》,α,ε, N ,n を組み込んだ5項述語・5変項命題関数 「n≧N⇒|《数列》の第n項 −α |<ε」 すなわち 「n≧N⇒ 《数列》の第n項 ∈ (α−ε, α+ε)」 * 変項《数列》の議論領域 : あらゆる実数列にわたる範囲 * 変項αの議論領域 : あらゆる実数をあつめた集合 R * 変項εの議論領域 : あらゆる実数をあつめた集合 R * 変項Nの議論領域 : あらゆる自然数をあつめた集合 N * 変項nの議論領域 : あらゆる自然数をあつめた集合 N について、 |
|
||||||||||
その4変項ε, N ,n,α を、 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N で束縛し、 《数列》のみを変項として残した1項述語・1変項命題関数 「 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒| 《数列》の第n項 −α |<ε) 」 すなわち 「 ∃α∈R ∀ε>0 ∃N∈N ∀n∈N ( n≧N⇒ 《数列》の第n項 ∈ (α−ε, α+ε) ) 」 のこと。 |
→数列の収束・極限値 →トピック一覧:数列とその類型・属性の定義 |