数学についてのwebノート ~ 論理と集合論のビブリオグラフィー

集合と論理を ともに扱った文献一覧

中内伸光    『数学の基礎体力をつけるためのろんりの練習帳』   共立出版、  2002年。

難解な部分にまでは立ち入らず、学部初年レベルの数学教科書を理解するために必要不可欠な知識を わかりやすく整理。 応用例として、ε-δ論法による極限定義を載せている。これを読んでおけば、 いきなり∀とか∃とか∈とか板書してくる数学講師にあたっても、 怖くない。
証明にたいする抵抗感も減る。*日本数学会『数学通信8(1) 』書評

【著者について】
山口大学教授。


井関清志    『集合と論理』  (基礎数学叢書2)   新曜社、  1979年。

本格指向だけれども、わりと丁寧でやさしい説明。文系にウケる文体?

【著者について】
1919年生まれ。神戸大学教授をつとめた。2011年逝去。


集合論 のビブリオグラフィー

竹内外史    『集合とはなにか はじめて学ぶ人のために』  (新装版)   講談社ブルーバックス、  2001年。

【著者について】
1926年生まれ。東大数学科卒。東京教育大学教授、イリノイ大学教授などを歴任。数学基礎論の研究者。ゲーデルと交流があったとのこと。


竹内外史    『現代集合論入門』   日本評論社、  1989年。

【著者について】
1926年生まれ。東大数学科卒。東京教育大学教授、イリノイ大学教授などを歴任。数学基礎論の研究者。ゲーデルと交流があったとのこと。


志賀浩二    『無限への飛翔−集合論の誕生』  (大人のための数学3)   紀伊國屋書店、  2008年。

意外と難渋な「30講」シリーズとはちがって、読み物としての《読み応え》がある

【著者について】
1930年生まれ。東工大名誉教授。


志賀浩二    『集合への30講』   朝倉書店、  1988年。

「30講」シリーズは、タイトルが与える印象とは裏腹に、結構難しい。噛み砕いて説明してくれる「読み物」としては、同氏の近著「大人のための数学」シリーズのほうが、いいかも?

【著者について】
1930年生まれ。東工大名誉教授。


松坂和夫    『集合・位相入門』   岩波書店、  1968年。

本書は、解析学を本格的に勉強したい人のための、集合論についての定番テキスト。

【著者について】
1927年生まれ、東大数学科で学び、一橋大学教授をつとめた。

【メモ】

・極限集合についての記述がない。



佐久間一浩    『集合・位相―基礎から応用まで―』   共立出版、  2004年。

【著者について】
近畿大学理工学部理学科数学コース教授。理学博士(東工大)。


一楽重雄    『集合と位相―そのまま使える答えの書き方』   講談社サイエンティフィク、  2001年。

【著者について】
東大数学科で学んだ横浜市立大学教授。


彌永昌吉,  ・彌永健一,    『集合と位相』 ,   岩波書店,  1977年.

【著者について】
彌永昌吉(1906-2006):東京生まれ。1929年東大数学科卒。東大・学習院大教授をつとめた。小平邦彦の先生で《義理の兄》にあたるらしい。


黒崎達(いたる)    『集合論演習』   槙書店、  1975年。

有名とは言い難いタイトル・出版社・著者だけど、集合論から位相・測度論へとつなげる工夫がなされた非常に便利な1冊。

【著者について】
昭和11年北大理学部数学科卒。山梨大・大阪学芸大を経て、大阪教育大教授をつとめた。


ブルバキ    『数学原論:集合論[要約]』   東京図書、  1968年。

Nicolas Bourbaki Éléments de mathématique: Théorie des ensembles - Fascicule de résultatsの邦訳。邦訳版ブルバキ『原論』は、集合論は、本編3巻と、60ページ程度からなる要約1巻、計4巻からなる。



Nicolas Bourbaki,    Elements of Mathematics : Theory of Sets  (2nd Revised edition),   Springer,  1996.

Nicolas Bourbaki , Éléments de mathématique : Théorie des ensemblesの英訳。この英訳では、集合論は、本編から要約まで、すべて一冊に収められている。



論理 を扱った 一般数学書

齋藤正彦    『日本語から記号論理へ』   日本評論社、  2010年。

線型代数入門』とは対照的に、本書では、読者を、数学の論理への第一歩に優しく誘う。

【著者について】
1931年生まれ、東大数学科卒の理学博士(パリ大学)。東大教授、放送大学教授、湘南国際女子短大学長を歴任。*訃報?


新井紀子    『数学は言葉』   東京図書、  2009年。

【著者について】
著者は、一橋大学法学部で松坂和夫から数学を学び(→記事)、イリノイ大学数学科博士課程へ進学した理学博士。国立情報学研究所社会共有知研究センター長。


細井勉    『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』   日本評論社、  2010年。

イプシロン・デルタ論法による「極限」「連続」の定義という具体例に絞って、大学初年度程度の初学者に≪数学の論理≫を徹底理解させることを狙った労作。

【著者について】
1937年生まれ。東大数学科で学び、東京理科大学教授をつとめた。


松井知己    『だれでも証明がかける−眞理子先生の数学ブートキャンプ』   日本評論社、  2010年。

残念なのは、眞理子先生のキャラクター設定が一貫してない点。

【著者について】
1962年生まれ、中央大学理工学部情報工学科教授。


中内伸光    『数学の基礎体力をつけるためのろんりの練習帳』   共立出版、  2002年。

難解な部分にまでは立ち入らず、学部初年レベルの数学教科書を理解するために必要不可欠な知識を わかりやすく整理。 応用例として、ε-δ論法による極限定義を載せている。これを読んでおけば、 いきなり∀とか∃とか∈とか板書してくる数学講師にあたっても、 怖くない。
証明にたいする抵抗感も減る。*日本数学会『数学通信8(1) 』書評

【著者について】
山口大学教授。


本橋信義    『新しい論理序説』  (すうがくぶっくす16巻)   朝倉書店、  1997年。

学部初年レベルの数学教科書を理解するために最低限必要な論理をわかりやすく教えるテキスト。著者が筑波大学で数学専攻の学部一年生向けに論理を教えた経験をいかしたという。

【著者について】
筑波大学名誉教授。


杉浦光夫    『解析入門I』   東京大学出版会、  1980年。

本書は、解析学の定番教科書だけども、巻末付録では、数学で使う論理が、僅か数頁に要約されている。簡潔かつ有用。

【著者について】
1928年生まれ。東大数学科で学び、東大教養学部教授をつとめた(1968-89年)。


論理の説明を含む数理経済学テキスト

神谷和也  ・浦井憲    『経済学のための数学入門』   東京大学出版会、  1996年。

「1.2数学と論理」(pp.13-25)で、論理が簡潔にまとめられている。

【著者について】
神谷和也:1957年生まれ。東大経済学部教授(Ph.D-Yale)。浦井憲 :1962年生まれ。阪大経済学部教授。


入谷純  ・久我清    『数理経済学入門』   有斐閣、  1999年。

【著者について】
入谷純:神戸大学教授[→詳細]。久我清:大阪大学教授をつとめた[→詳細]。


数理論理学・数学基礎論・証明論

前原昭二    『数理論理学序説』   共立出版、  1966年。

【著者について】
東京教育大学・筑波大学教授、東京工業大学教授、放送大学教授を歴任。1992年逝去。


前原昭二    『記号論理入門』   日本評論社、  1967年。

「自然演繹」による「古典論理」についての手引き。

【著者について】
東京教育大学・筑波大学教授、東京工業大学教授、放送大学教授を歴任。1992年逝去。


前原昭二    『数学基礎論入門』   朝倉書店、  1977年。

【著者について】
東京教育大学・筑波大学教授、東京工業大学教授、放送大学教授を歴任。1992年逝去。


中谷太郎    『論理』   共立出版、  1967年。



戸次大介    『数理論理学』   東京大学出版会、  2012年。

【著者について】
東大情報科学専攻出身のお茶の水女子大学准教授 。(→詳細)
戸次はベッキと読むらしい。


山田俊行    『はじめての数理論理学』   森北出版、  2018年。

【著者について】
三重大学講師、工学博士(筑波大)。


鹿島亮    『数理論理学』   朝倉書店、  2009年。

【著者について】
東京工業大学情報理工学院准教授


林晋    『数理論理学』   コロナ社、  1989年。

【著者について】
神戸大学教授、京都大学教授等を歴任。


松本和夫    『数理論理学』   共立出版、  1971年。

古典論理のみならず、直観主義論理、さらには、様相論理まで。



古森雄一  ・小野寛晰    『現代数理論理学序説』   日本評論社、  2010年。

【著者について】
千葉大学名誉教授。広島大学教授を経て、北陸先端科学技術大学院大学教授。


竹内外史  ・八杉満利子    『証明論入門』   共立出版、  1988年。

旧題『数学基礎論』。

【著者について】
竹内外史は、1926年生まれ。東京教育大学教授、イリノイ大学教授などを歴任。数学基礎論の代表的な研究者。ゲーデルと交流があったという。八杉満利子は、京都産業大学名誉教授。理学博士(東京大学)。


ブルバキ    『数学原論:集合論1』   東京図書、  1968年。

ブルバキ『原論』の集合論は、3巻からなる本編と、60ページ程度からなる要約からなる。そのうち、第1巻収録の第1章が、論理を扱う。



Nicolas Bourbaki,    Elements of Mathematics : Theory of Sets  (2nd Revised edition),   Springer,  1996.

Nicolas Bourbaki , Éléments de mathématique : Théorie des ensemblesの英訳。集合論を、本編から要約まで、すべて一冊に収めた英訳本。ChapterIが論理を扱う。



Herbert B. Enderton,    A mathematical introduction to logic  (2nd edition),   Harcourt/Academic Press,  2001.

【著者について】
著者は、1936年生まれ、1962年ハーバード大学で博士号取得、UCLA数学科教授をつとめた。2010年逝去。→記事/講義動画(UCLA)


Dirk Van Dalen,    Logic and Structure   (3rd edition),   Springer,  1994.

【著者について】
著者は1926年生まれ。直観主義論理を生んだアムステルダム大学で博士号取得。ユトレヒト大学教授。→記事


Dirk Van Dalen,    Logic and Structure   (4th edition),   Springer,  2004.

【著者について】
著者は1926年生まれ。直観主義論理を生んだアムステルダム大学で博士号取得。ユトレヒト大学教授。→記事


バーワイズ  、エチメンディ    『論理学の基礎と演習』   慶應義塾大学出版会、  2006年。

【著者について】
K. Jon Barwise,John W. Etchemendy


哲学者・論理学者による解説

野矢茂樹    『入門!論理学』   中公新書、  2006年。

哲学者が「古典論理」「自然演繹」を噛み砕いて解説。前原昭二『記号論理入門』で抽象的に表現されていた原理が、様々な具体例をとおして、話し言葉で語られる。

【著者について】
立正大学文学部哲学科教授。東京大学名誉教授。


野矢茂樹    『論理学』   東京大学出版会、  1994年。

【著者について】
立正大学文学部哲学科教授。東京大学名誉教授。


戸田山和久    『論理学をつくる』   名古屋大学出版会、  2000年。

【著者について】
東大哲学科で学んだ哲学者。名古屋大学情報文化学部教授。 →動画


R.ジェフリー  (戸田山和久訳)    『記号論理学:その展望と限界をさぐる』   マグロウヒル、  1992年。

Richard Jeffrey, Formal Logic - its scope and limitsの邦訳。
1992年マグロウヒルから『記号論理学』のタイトルで出版、1995年、『形式論理学』に改題され産業図書から出版されている。どちらも戸田山和久訳。このノートで参照しているのはマグロウヒル版。産業図書版はみていない。



清水義夫    『記号論理学』   東京大学出版会、  1984年。

【著者について】
著者は東大哲学科卒。


飯田隆    『論理の哲学』   講談社、  2005年。

「古典論理」「自然演繹」とその外部について。

【著者について】
慶應義塾大学名誉教授。