004:オヤマ沢田代分岐〜小笠〜笠ヶ岳分岐
オヤマ沢田代入口(分岐)で至仏山に向かう登山道から別れ左折すると、登山道は林の中を少し下り、直ぐに抜けて見晴の良い明るい個所を通り、正面に武尊山を望みながら左にカーブして行き、
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正面には武尊山 |
オヤマ沢田代を巻くようにしていきますが、よく観察しますと、湿原の中の木道を至仏山方向に登っていくハイカーの姿が
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左:至仏山方向 |
正反対の向きなので、笠ヶ岳への登山道は分岐から180度曲がったと分かります。登山道はまた小さな森の中に入り、やがて悪沢岳との標識のある頂上に出ますが、
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悪沢岳頂上 |
分岐から降りるように歩いてきた身にとっては、そこが頂上との感覚は全くありません。
登山道は森を抜けて草原に出て、湿原でもなく湿った山道でもないのにタテヤマリンドウ、ハクサンチドリが群落を形成している緩やかなアップダウンのある個所を通ります。
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笠ヶ岳・小笠・登山道 |
前方にはピラミッドが2つ並んだような笠ヶ岳と小笠が見えてきますが、緩やかな歩きやすかった登山道も
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悪沢岳大岩 |
ちょっとした難所:悪沢岳大岩に差し掛かります。登山道はここで3mほど食い違い、悪沢岳大岩手前の急な段差を降りるか、大岩の中に張ってあるロープに掴まって降りる必要があります。
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ロープに掴まって |
この悪沢岳大岩の周辺には、クリーム色のエゾシオガマ、ハクサンフウロ、シラネアザミ、クロトウヒレンなども生えています。
左下に津奈木方向を見ながら進み、先に進むといつの間にか尾根を越え、右側がならまた湖方向という急な下りを降りて行くと、登山道は針葉樹の深い森に入り、歩きにくい・ぬかるんだ悪路が続きます。
お盆過ぎにここを通るとハリブキが真っ赤な実をつけている姿を数多く見かけます。時々前方の木々の間に、
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笠ヶ岳・小笠 |
笠ヶ岳と小笠の姿がまたクッキリと見えるようになり、更に下っていって底に当たる個所を通過すると、今度は長い上りが続き、上りきった先には小笠直下の草原があります。
この辺りからイワカガミや、至仏山系特有の高山植物:ホソバコゴメグサ、ジョウシュウアズマギクなどが目に付くようになります。
そこは雪田であるのか草むらに、ヒメシャクナゲ、モウセンゴケなどの湿原植物も目にするようになり、そこを通り過ぎると登山道はまた下り、疎らな森の中を通るようになり、また上り坂となってきます。
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疎林もそろそろ終り |
上り切った先には、今までのピラミッド形がウソのような形の笠ヶ岳が聳え立っていて、
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笠ヶ岳 |
その手前の蛇紋岩の多い急坂には、イブキジャコウソウ、ジョウシュウアズマギク、ホソバコゴメグサ、イワイチョウ、シナノキンバイなどの高山植物が咲き誇るお花畑となっていて、そこを私は笠ヶ岳A地点と呼んでいます。
ここは8月下旬になってもニッコウキスゲの小さな群落を見ることができ、私の知る限り、尾瀬で一番遅い開花のニッコウキスゲ群落となっています。
お花畑:笠ヶ岳A地点を上に登っていくと登山道は、左に曲がって平坦なコースとなり、左下に津奈木(目印となる東電関係の建物が小さく見えます)、右上に笠ヶ岳を見ながら進みます。
この辺りには、ジョウシュウアズマギク、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ、ヨツバシオガマ、オオバギボウシ、ヒメシャジン、マルバメギ、ミヤマホツツジなどの高山植物が数多く生えています。
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大きな岩が登山道を塞ぎ |
やがて登山道はちょっとした難所?に差し掛かり、大きな岩が登山道を塞いで邪魔しているので、通るにはハクサンシャクナゲなどの枝の上を歩かねばなりません。
そこを通り過ぎると前方下に沼が見えてきて、よく見ると2つの沼(池塘)のようです。
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左下隅と右上の2つの沼 |
どちらかが片藤沼で、片品村と水上町藤原地区の境界にあるので、片藤沼と命名されたそうです。
アップダウンのあまりない登山道は笠ヶ岳を巻くように右に曲がって行き、やがて笠ヶ岳登山口(分岐)に到着します。
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笠ヶ岳登山口 |
ここは笠ヶ岳登山口であるだけではなく、湯の小屋温泉への登山道の分岐点でもあります。
付近には花の名山:至仏山でもあまり多くない高山植物が生えているので私は、この辺りを笠ヶ岳B地点と呼んでいます。
登山者・カメラマンの多い至仏山ではゆっくりと鑑賞・撮影できないキンロバイ、ヒメシャジン、イブキジャコウソウ、ホソバヒナウスユキソウ、至仏山では見かけた経験のないタカネイブキボウフウなどが楽しめます。
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