Rock Listner's Guide To Jazz Music

自宅にあったオーディオ機器
(〜2002年)



実は父がなかなかの音楽・オーディオ好きで、中流階層以下の家庭でありながら子供のころから家にはちゃんとしたオーディオ環境があった。僕が小〜中学校の時代(74〜83年)だと、近所の友達の家には音楽を鳴らす装置すらないというのが当たり前、せいぜい単体で音だけは出るというようなレコード・プレイヤーかラジカセがある程度。高校の入学祝いにエントリークラスのシステム・コンポを買ってもらうというのが定番という時代。友達が買ってもらったシステム・コンポを聴かせてもらって家のオーディオと比べ「音悪いなあ」なんて生意気なことを思っていたし、家のアンプやスピーカーのステップアップも何度か立ち会って、どのくらい投資するとどの程度音が良くなるのかというのも経験してきました。ちなみにそのオーディオ・セットは最終的には以下の構成で長らく家にありました。

アンプSANSUI AU-α907Limited \410,000
スピーカーDIATONE DS-2000Z \500,000 (Pair)
CDプレイヤーLUXMAN D-500  \250,000  Victor XL-Z531  \59,800 (以上、定価)

重度なマニアにはたいしたことないシステムですが、一般的にこのクラスのシステムを置いてある家はそう多くはなく、音は確かに良かったと思います。

余談ながら、2007年にそのラックスマンのCDプレイヤーで音飛びがするようになり、メーカーに修理依頼したところ、ピックアップの部品がないために修理不可とのこと。部品の在庫を長く持ち続けるメーカーというのは実に少なく、一生モノと思って買ったにもかかわらず最も繊細で傷みやすい部品の在庫が20年も経たないうちになくなり、故障したらただの重量級産業廃棄物になってしまうことも高額オーディオ製品のリスクということを思い知らされました。

それからCDプレイヤーは価格差のある2台があるけれど僕の耳では違いがさっぱりわからなかった。もともと常識的な価格帯の製品でもレコードより数段上の解像度、Fレンジ、ダイナミック・レンジを誇るCDプレイヤーは、イチかゼロかの信号を拾い、バッファに溜まった音楽データは高級品も安モノも違いなんてない。読み取りの精度が低いとエラー訂正で電源に負担をかけて音質を劣化させるという屁理屈もありますが、そんな瞬間的かつ僅かな電圧変動に由来する音質の変化聴き分けられる人が果たしてどれほどいるのか疑問です。他に違いが出るとすればDACやアナログ出力部分の性能(これらも大きな差が出るとは思えない)くらいとあっては、何倍もの価格差があったとしてもその違いは微細なレベルにしかならない、ということを薄々と感じ始めたのも、このシステムでの経験からでした。