3項述語の2重量化「∀x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 


【ポイント】

・「 x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 は、

  どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、

   その《S1に属す対象》に相応しい《S2に属す対象》が
     少なくとも一個は存在するので、

   その《S1に属す対象》に応じて、
     相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって

    「変項 x3 は、x1, x2とのあいだの関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という主張。
   
S1S2特定の対象に固定されている場合、
 「 x1S1x2S2 P ( x1, x2, x3 ) 」は、
 x3 を変項とする1項述語。→詳細  
  (例)  調査中     

S1は特定の対象に固定されているが、S2は《x1と無関連な変項》で、様々な対象が代入される場合、
 「 x1S1x2S2 P ( x1, x2, x3 ) 」は、
 S2, x3 を変項とする2項述語。→詳細  
  (例) ∀ε>0 ∃xE 0<|x-a|<ε / ∀ε>0 ∃xE−{a} |x-a|<ε / ∀ε>0 ∃xE  |x-a|<ε       

【詳細】
・ ∀x1S1x2S2  P(x1,x2,x3) :定義/意味/読み/x1S1x2S2 の定義に遡って
 
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「∀x1X1x2X2x3X3   P ( x1, x2, x3 ) 」 の定義



  要旨

 「 x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 は、

  P ( x1, x2, x3 )普遍量化存在量化して普遍量化した

   「 x1S1 x2S2   P ( x1, x2, x3 ) 

 を表す。


詳細 〜 S1S2も特定の対象に固定されている場合  

・「 x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 とは、

 下記手順でつくった1項述語・1変項命題関数 

 「 x1S1 x2S2 P ( x1, x2, x3 ) 

 の略記。






【文献−数学一般】
 ・齋藤『日本語から記号論理へ
 ・中内『ろんりの練習帳』 
 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.3.1.1数列が極限値に収束するの定義:数列,極限値,ε,N,Mからなる5項述語の三重量化(pp.136-137);例題4.3.1.2関数の極限の定義:5項述語の三重量化(pp.136-137);例題4.4.4数列・級数に極限値が存在して収束する:四重量化(p.147);

【関連事項】 
  ・


 



  【step1:存在量化】  

  3項述語・3変項命題関数 P ( x1, x2, x3 )
  の変項xを存在量化子で束縛して存在量化し、

     x1, x3を変項とする2項述語・2変項命題関数
       「 x2S2 P ( x1, x2, x3 )  」
          x2に代入すると、   
           『変項 x1, x2, x3 は、関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S2に属す対象》が存在する
     をつくる。

  【step2:普遍量化】  

   step1で得られた2項述語・2変項命題関数
       「 x2S2 P ( x1, x2, x3 )  」
          x2に代入すると、   
           『変項 x1, x2, x3 は、関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S2に属す対象》が存在する
   の変項x1を全称量化子で束縛して普遍量化して得られる
     x3を変項とする1項述語・1変項命題関数が、

      「 x1S1 x2S2 P ( x1, x2, x3 )
         どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、
           「x2に代入すると、
            『変項 x1, x2 , x3 は、関係・条件Pを満たす』 
            を成立させる《S2に属す対象》が存在する」
 (例) 調査中 


詳細 〜 S1は特定の対象に固定、S2は変項である場合

・「 x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 とは、

 下記手順でつくった2項述語・2変項命題関数 

 「 x1S1 x2S2 P ( x1, x2, x3 ) 

 の略記。



【具体例】
 
 ・∀ε∈(0,+∞) ∃xE 0<|x-a|<ε  
 ・∀ε∈(0,+∞) ∃xE−{a} |x-a|<ε
 ・∀ε∈(0,+∞) ∃xE  |x-a|<ε      



  【step1:存在量化】  

  3項述語・3変項命題関数 P ( x1, x2, x3 )
  の変項xを「∃x2S2」で束縛して存在量化し、

     S2 ,x1, x3を変項とする3項述語・3変項命題関数
       「 x2S2 P ( x1, x2, x3 )  」
          x2に代入すると、   
           『変項 x1, x2, x3 は、関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S2に属す対象》が存在する
     をつくる。

  【step2:普遍量化】  

   step1で得られた3項述語・3変項命題関数
       「 x2S2 P ( x1, x2, x3 )  」
          x2に代入すると、   
           『変項 x1, x2, x3 は、関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S2に属す対象》が存在する
   の変項x1を全称量化子で束縛して普遍量化して得られる
     S2 ,x3を変項とする2項述語・2変項命題関数が、

      「 x1S1 x2S2 P ( x1, x2, x3 ) 

         どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、
           「x2に代入すると、
            『変項 x1, x2 , x3 は、関係・条件Pを満たす』 
            を成立させる《S2に属す対象》が存在する」



x1S1x2S2  P(x1,x2,x3) 
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「 ∀x1S1x2S2    P ( x1, x2, x3 )  」 の意味 


詳細 〜 S1S2も特定の対象に固定されている場合 

 ・ P ( x1, x2, x3 )は、
     変項x1の議論領域X1,
     変項x2の議論領域X2,
     変項x3の議論領域X3,
  とするn項述語・n変数命題関数

 ・ S1は特定の「X1部分集合
 ・ Sは特定の「X2部分集合

 とすると、 

 「 x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 は、 

  どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、

   その《S1に属す対象》に相応しい《S2に属す対象》が
     少なくとも一個は存在するので、

   その《S1に属す対象》に応じて、
     相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって

    「x3 は、x1, x2にたいして、関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という意味の一項述語・1変項命題関数


 (例)調査中






【文献−数学一般】
 ●本橋『新しい論理序説』(pp.) 
 ・松井知己『だれでも証明がかける−眞理子先生の数学ブートキャンプ』(pp.-)
 ・齋藤『日本語から記号論理へ』章§(pp.-74)
 ・中内『ろんりの練習帳』(pp.) 
 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.3.1.1数列が極限値に収束するの定義:数列,極限値,ε,N,Mからなる5項述語の三重量化(pp.136-137);例題4.3.1.2関数の極限の定義:5項述語の三重量化(pp.136-137);例題4.4.4数列・級数に極限値が存在して収束する:四重量化(p.147);


 


詳細 〜 S1は特定の対象に固定、S2は変項である場合


 ・ P ( x1, x2, x3 )は、
     変項x1の議論領域X1,
     変項x2の議論領域X2,
     変項x3の議論領域X3,
  とするn項述語・n変数命題関数

 ・ S1は特定の「X1部分集合


【具体例】
 
 ・∀ε∈(0,+∞) ∃xE 0<|x-a|<ε  
 ・∀ε∈(0,+∞) ∃xE−{a} |x-a|<ε
 ・∀ε∈(0,+∞) ∃xE  |x-a|<ε      

 ・ Sは、「X部分集合系に属す様々な「X2部分集合」が代入される変項

 とすると、 

 「 x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 は、 

  どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、

   その《S1に属す対象》に相応しい《S2に属す対象》が
     少なくとも一個は存在するので、

   その《S1に属す対象》に応じて、
     相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって

    「S2, x3は、x1,x2にたいして、関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という意味の2項述語




x1S1x2S2  P(x1,x2,x3) 
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「 ∀x1S1x2S2    P ( x1, x2, x3 )  」 の読み下し例



文献調査中







x1S1x2S2  P(x1,x2,x3) 
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x1S1x2S2 「 ∀x1S1x2S2  P ( x1, x2, x3 ) 」 の定義に遡った「∀x1S1x2S2  P(x1,x2,x3)」意味 


・「 x1S1x2S2   P ( x1, x2, x3 ) 」

 すなわち
 「 x1S1 x2S2 P ( x1, x2, x3 )

 とは、







 「 x1 ( x1S1 x2 ( x2S2 かつ  P ( x1, x2, x3 )  )  ) 」の省略表現。 

・「 x1S1x2S2   P ( x1, x2, x3 ) 」 すなわち 「 x1S1 x2S2 (  P ( x1, x2, x3 ) )
 は、 
 「 x1 ( x1S1 x2S2 ( P ( x1, x2, x3 ) ) )
 の省略表現()。

・「 x1 ( x1S1 x2S2 ( P ( x1, x2, x3 ) ) ) 」は、
 「 x1 ( x1S1 x2 ( x2S2 かつ P ( x1, x2, x3 ) )  )
 の省略表現()。



x1S1x2S2  P(x1,x2,x3) 
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省略形 「∀ S(x) ∃yT P(x,y,z) たとえば 「∀ x>0 ∃yT P(x,y,z)

【設定】

 ・P(x,y,z)
  変項xの議論領域X ,
  変項yの議論領域Y ,
  変項zの議論領域Z
  とする3項述語・3変数命題関数 

【本題】

・「 S'(x) yT P(x,y,z)

  たとえば、
   R変項xの議論領域とした際の  x>0 yT P(x,y,z)

 は、

 下記表現aないし表現bのの省略表現。

※基礎

 ・「∃ 条件式 n項述語

※具体例:

  ・∀ε>0 ∃xE 0<|x-a|<ε
  ・∀ε>0 ∃xE−{a} |x-a|<ε
  ・∀ε>0 ∃xE  |x-a|<ε       

※類似例:
  ・省略形「∃S'(x) ∀yT P(x,y)」 


 【表現a  x { xX | S'(x) }  yT P(x,y,z)   

             | どの《S'(x)真理集合に属す対象》を変項xに代入しても、
             |  その《S'1(x)真理集合に属す対象》に相応しい《Tに属す対象》が
             |                 少なくとも一個は存在するので、
             |  その《S'(x)真理集合に属す対象》に応じて、
             |     相応しい《Tに属す対象》をうまく選んで変項 y に代入することによって、
             |    「x, y, zは、関係・条件Pを満たす
             |  を真にできる

        上記の例では、 x { xR |  x>0  } yT P(x,y,z) 

             | どの《x>0」の真理集合に属す対象》を変項xに代入しても、
             |  その《x>0」の真理集合に属す対象》に相応しい《Tに属す対象》が
             |                 少なくとも一個は存在するので、
             |  その《x>0」の真理集合に属す対象》に応じて、
             |     相応しい《Tに属す対象》をうまく選んで変項 y に代入することによって、
             |    「x, y, zは、関係・条件Pを満たす
             |  を真にできる


 【表現b  x ( S'(x)   yT P(x,y,z) )  

             |  どの《議論領域Xに属す対象》を変項xに代入しても、
             |  その《Xに属す対象》が条件S'を満たすならば
             |   その《Xに属す対象》に相応しい《Tに属す対象》が
             |         少なくとも一個は存在するので、

             |   その《Xに属す対象》に応じて、
             |    相応しい《Tに属す対象》をうまく選んで変項yに代入することによって
             |     「x, y, zは、関係・条件Pを満たす
             |   を真にできる
 
       上記の例では、  x ( x>0   yT P(x,y,z) )     

             |  どの実数を変項xに代入しても、
             |  その実数x>0を満たすならば
             |   その実数に相応しい《Tに属す対象》が
             |        少なくとも一個は存在するので、
             |   その実数に応じて、
             |    相応しい《Tに属す対象》をうまく選んで変項yに代入することによって
             |     「x, y, zは、関係・条件Pを満たす
             |   を真にできる




x1S1x2S2  P(x1,x2,x3) 
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