論理から集合へ : トピック一覧 


【基本】


 
 命題関数P(x)の真理集合 
 命題関数P(x,y)の真理集合 
 命題関数P(x1,…,xn)の真理集合 
 命題関数P(x)の集合表現 
 命題関数P(x,y)の集合表現 
 命題関数P(x1,…,xn)の集合表現 

【述語・命題関数を論理演算で組み合わせた述語・命題関数】



 命題関数  ¬P(x)の真理集合  
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合 
 命 題関数P(x)Q(x)の真理集合 
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合    
 命題関数  ¬P(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命 題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 

【述語・命題関数の量化】


     命題関数の普遍量化 ∀x P(x)の集合表現  
     命題関数の否定と量化
         全否定「∀x∈Ω ¬P(x)」 「¬ (∃x∈Ω P(x) )」の集合表現 
         部分否定の集合表現 
     述語・命題関数の普遍量化 ∀x (P(x)Q(x))の集合表現  
     述語・命題関数の普遍量化 ∀x (P(x)Q(x)) の集合表現 

【関連ページ】


 ・集合/述語・命題関数 
 ・集合から論理へ 

集合論目次総目次

定義:1項述語・1変数命題関数の真理集合・外延 the truth set of   〜







【関連】
 ・二項述語・2変数命題関数の真理集合/n項述語・n変数命題関数の真理集合   
【文献】
 ・中谷『論理』 5章命題関数と集合-5.1真理集合(pp.99-102)
   p.101「条件(命題関数・述語・性質)を外延化して、その真理集合として表すことによって、
       条件のあいだの関係を集合のあいだの関係に変換し、
       そこに成り立つ法則を、直観的にとらえやすくすることは、
       数学でしばしば用いられる手法である。
       もの(対象)の属性や、もののしたがう条件を、実体化して集合として表すこと、
       すなわち述語を主語化することは、集合概念を用いる主要な視点である」
 ・本橋『新しい論理序説』2.3集合の条件による表示・条件の集合による表示(pp.29-31) 
 ・竹内外史『現代集合論入門』2章1(p.140)
 ・野矢『論理学』3-1-1(p.127)
 ・竹内『集合とはな にか―はじめて学ぶ人のために』1章立場の変換-主語と述語(pp.14-15);翻訳語としての集合(pp.20-22)
     「性質というものを何かの属性としてではなくて、思考の対象として、主語として取り上げているのです。
      実はこれが集合の本質に外ならないのです(p.15)」
 ・竹内外史『現代集合論入門』2章1(p.140)
 ・前原『記号論理入門』 第1章§5記号条件集合(pp.8-9);§6(pp.10-19)。  


 ・前原『数学基礎論入門』定義5.1;公式5.1;公式5.2(p.78);5.2 簡単な集合論的記法-関係の集合論的表現(p.77)。

【意義】


 この概念こそが、
 集合と論理のインターフェース。
 つまり、
 ここで定義した「述語・命題関数の真理集合」を通して、
 一階述語論理で記述された命題・述語は集合に翻訳され、
 また、集合の諸概念も、一階述語論理で記述された命題・述語で表現可能
 となる。
 直接の活用例→述語と「集合に元として属す」  
 

【定義】


 【ざっくり】

  性質・条件P真理集合外延と は、
  性質・条件Pを満たすモノをすべてあつめた集合
  のこと。[竹内p.21]

 【きっちり】

  述語・命題関数P(x)真理集合外延extensionとは、
  xに代入されると、述語・命題関数P(x)を真にする対象を、
  述語・命題関数P(x)議論領域Uから、
  すべてあつめた集合のこと。

【記号】


 【ざっくり】

  議論領域Uとする性質・条件P真理集合外延は、
   { xU| xPである」 } 
     略して、 { x | xPである」 } 
  と表す。

 【きっちり】

  議論領域Uとする述語・命題関数P(x)真理集合外延は、
   { xU| P(x) }  略して、 { x | P(x) } 
  と表す。
  [中谷『論理』5.1真理集合(p.99;101); 前原『記号論理入門』(p.11)]

【解説】


 ・議論領域Uから何をとってきて変項xに代入するか
  に応じて
  述語・命題関数P(x)が表す命題は、定まる[→述語・命題関数の定義]。

 ・古典論理のなかで設定された命題は、
  命題の真偽が、真か偽のいずれか一方に定まる(ように設定された)
  [→古典論理-排中律]。

 ・だから、
  議論領域Uから何をとってきて変項xに代入するか
  に応じて、
  述語・命題関数P(x)は、
   《偽の命題》
   《真の命題》
  のいずれか一方に定まる。

 ・ということは、
  xに代入されるモノは、
   type1:「xに代入されると、P(x)を《偽の命題》にする」モノ 
   type2:「xに代入されると、P(x)を《真の命題》にする」モノ 
  の二種類に分けられる。

 ・もっというと、
  xに代入するモノをとってくる議論領域Uに は、
   type1:「xに代入されると、P(x)を《偽の命題》にする」モノ 
   type2:「xに代入されると、P(x)を《真の命題》にする」モノ 
  の二種類のモノが属していることになる。
 
 ・xに代入するモノをとってくる議論領域Uか ら、
   type1:「xに代入されると、P(x)を《偽の命題》にする」モノ 
  をすべて排除して、
  xに代入するモノをとってくる議論領域に 属している
   type2:「xに代入されると、P(x)を《真の命題》にする」モノ 
  のみをすべて集めてきた集合が、
  述語・命題関数P(x)真理集合外延 { xU| P(x) }  略して、 { x | P(x) } 
  に他ならない。

 ・述語・命題関数P(x)議論領域Uのことを、
  集合の観点から、普遍集合・全体集合・空間などと呼 ぶ。
  [中谷『論理』5.1真理集合(p.99); 野矢『論理学』3-1-1(p.127)]

 ・述語・命題関数P(x)議論領域すなわち普遍集合・全体集合Uから、
  「xに代入されると、P(x)を《真の命題》にする」モノをあつめてきて集合をつくれるということ:
   →分出公理axiom of specification・部分集合の公理 axiom of subset  
    [中谷『論理』5.1真理集合(pp.100-101)]


【注意】

 
  述語・命題関数P(x)議論領域Uを決めず、無制約に、
  xに代入されると、述語・命題関数P(x)を真にする対象をすべてあつめたもの[ 記号どおりの{ x | P(x) } ]は、
  述語・命題関数P(x)の内容によって、議論を破綻させる場合があるので[ラッセルのパラドックス]、
  集合論の公理によって、集合の概念から排除されている。

  なお、
  述語・命題関数P(x)議論領域Uを定めておいて、そこから、
  xに代入されると、述語・命題関数P(x)を真にする対象をすべてあつめてつくった { xU| P(x) } は、議論を破綻させないことが保証されている。
  [井関『集合と論理』§2.1(pp.51-2)§2.3(p.63);竹内『現代集合論入門』2章1(pp.140-1)。]

【具体例】


 ・{ xZ | xは 偶数である } 略して、{ x | xは偶数である }    (Zは、整数をすべてあつめた集合を表す)
  とは、偶数を全部あつめた集合を表す.

  【なぜ?】

    
   ・xに代入する対象をとってくる議論領域Z(整数をすべてあつめた集合)には、

     type1:「xに代入されると、述語・命題関数xは偶数である』を《偽の命題》にする」整数  
     type2:「xに代入されると、述語・命題関数xは偶数である』《真の命題》にする」整数 

    の二種類が属している。

   ・ここから、
 
     type1:「xに代入されると、述語・命題関数xは偶数である』を《偽の命題》にする」整数

    をすべて排除して、

     type2:「xに代入されると、述語・命題関数xは偶数である』を《真の命題》にする」整数  

    のみをすべて集めてきた集合が、
 
    { xZ | xは 偶数である } 。

   ・だから、これは、要するに、「整数をすべてあつめた集合」から偶数を全部かきあつめた集合に他ならない。



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性質 : 一項述語・1変数命題関数の集合表現


 [設定]

 以下、P(x) は、Ωを議論領域とする述語・命題関数P(x)とする。






【関連】
 ・二項述語・2変数命題関数の集合表現 / n項述語・n変数命題関数の集合表現   
【文献】
 ・竹内『集合とはな にか―はじめて学ぶ人のために』1章立場の変換-翻訳語としての集合(p.22)
 ・本橋『新 しい論理序説』2.3集合の条件による表示・条件の集合による表示(p.30) 
 ・中谷『論理』 5章命題関数と集合-5.1真理集合(5.2)(5.2')(p.101)
 ・前原『記号論理入門』 第1章§5記号条件集合(pp.8-9);§6(pp.10-19)。  


 
 (1) 以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。

   【表現1:命題関数P(x)aを代入してつくった命題P(a)
        P(a)       「aPである」「aは性質Pをもつ」「aは条件Pを満たす
   【表現2】
        a { xΩ | P(x) }  「a《性質・条件Pを 満たすものを全部あつめた集合》に属す」 
                 「a《性質・条件Pの 真理集合》に属す」 

   【なぜ?】

     真理集合の定義より。
 
   
 (2) A{ xΩ | P(x) }のとき(集合Aの内包性質・条件Pであると き)、
   以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。

   【表現1:命題関数P(x)aを代入してつくった命題P(a)
        P(a)       「aPである」「aは性質Pをもつ」「aは条件Pを満たす
   【表現2】
        aA      「a集合Aに属す」「a集合Aに属す」 

   【なぜ?】

     A{ xΩ | P(x) }のときを考えるということで、(1)の { xΩ | P(x) }Aに置き換えただけの話。

 ※活用例:¬P(a)aの元ではない { x∈Ω | P(x) }   


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