定義:Rにおける集合の集積点 accumulating point, accumulation point , point of accumulation  極限点 limit point , cluster point

ビギナー向け「集積点」定義  
厳密な「集積点」定義  
 →集積点の定義─タイプ0:距離のみを用いた表現/開区間を用いた表現/近傍を用いた表現/除外近傍を用いた表現 
 →集積点の定義─タイプ1:距離のみを用いた表現/開区間を用いた表現/近傍を用いた表現/触点を用いた表現/閉包を用いた表現 
 →集積点の定義─タイプ2:距離のみを用いた表現/開区間を用いた表現/近傍を用いた表現 
 →数列をつかった集積点の定義 
・厳密な「集積点」定義間の関係
 ・集積点定義タイプ0⇔集積点定義タイプ1/集積点定義タイプ0⇔集積点定義タイプ2/集積点定義タイプ0⇔数列をもちいた集積点定義  
 ・集積点定義タイプ1⇔集積点定義タイプ2/集積点定義タイプ2⇔数列をもちいた集積点定義 
・集積点と他の位相概念との関係
 →集積点と内点・外点・境界点との関係  
 →集積点と触点・閉包との関係  



集積点トップ
実数−《実数の集合》間の位置関係一覧
→[トピック一覧:距離空間(R,d)]
総目次 

集積点の定義─タイプ0 : 距離表現

 
・「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  εに設定した距離を変更して、《aからの距離ε以内のゾーン(aを除く)》の幅をどのように変えたときでも、

  《実数aから距離ε以内のゾーン(aを除く)》に、最低一個以上の「Eに属す実数」の実在を確認できる

  ということ。

論理記号で表すと、

 「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、
   ∀ε>0 ∃xE   0<|x-a|<ε [永倉・宮岡『解析演習ハンドブッ ク[1変数関数編]』4.1.6(p.135)]
      任意の正数ε>0に対して、ある実数xE が存在して、0<|x-a|<εを満たす。
   ∀ε>0 ∃xR  (xE かつ 0<|x-a|<ε)  
      任意の正数ε>0に対して、ある実数x が存在して、xE かつ 0<|x-a|<εを満たす。

   ∀ε>0 E { xR | 0<|x-a|}  ≠φ (∵互いに素を表す命題)

  ということ。

・論理にもっとこだわると…

 変項a,Eからなる二項述語「実数aが『R部分集合E集積点である」 
     aの議論領域:R (R部分集合Eではないことに注意。)   
     Eの議論領域:R冪集合      
 は、

  変項a,x,εからなる3項述語「0<|x-a|<ε」
     aの議論領域:R (R部分集合Eではないことに注意。)   
     xの議論領域:R       
     εの議論領域:R       
   
 を、
 まず、変項xを∃xE で束縛して、
  変項a,E,εからなる3項述語「∃xE 0<|x-a|<ε」
     aの議論領域:R (R部分集合Eではないことに注意。)   
     Eの議論領域:R冪集合      
     εの議論領域:R       
 をつくり、
 それから、変項εを∀ε>0 で束縛して、
  変項a,Eからなる二項述語「 ∀ε>0 ∃xE   0<|x-a|<ε 」
     aの議論領域:R    
     Eの議論領域:R冪集合      
 としたもの。
 
【文献】
 ・永倉・宮岡『解析演習ハンドブッ ク[1変数関数編]』4.1.6
実数aをEの部分集合Aの集積点accumulation point, cluster point,limit pointとは、任意の正数δ>0に対して、0<|x-a|<δとなる点x∈Aが少なくとも一つは存在するということ。Aに属する点で、A の集積点でないものを孤立点という(p.135)


集積点トップ
実数−《実数の集合》間の位置関係一覧
→[トピック一覧:距離空間(R,d)]
総目次 

集積点の定義─タイプ0 : 開区間表現


・「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  (a−ε,a)(a,a+ε) の幅εをどのように変えたときでも、

  (a−ε,a)(a,a+ε) に、最低一個以上の「Eに属す実数」の実在を確認できる

  ということ。

論理記号で表すと、
 「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  ∀ε>0  ( (a−ε,a)(a,a+ε) E≠φ  
      任意の正数ε>0に対して、((a−ε,a)(a,a+ε))とEは、((a−ε,a)(a,a+ε) E≠φ を満たす。

   ∀ε>0 ∃xE   x(a−ε,a)(a,a+ε) ) 
   ∀ε>0 ∃xR  xE かつ x∈( (a−ε,a)(a,a+ε))  
   ∀ε>0 ∃xR  x(a−ε,a)(a,a+ε) E  

  ということ。


集積点トップ
実数−《実数の集合》間の位置関係一覧
→[トピック一覧:距離空間(R,d)]
総目次   

集積点の定義─タイプ0 : 近傍表現



・「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  aのε近傍 Uε(a)の幅εをどのように変えたときでも、

  aのε近傍からaを除去した範囲 Uε(a){a} に、最低一個以上の「Eに属す実数」の実在を確認できる

  ということ。

論理記号で表すと、
 「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  ∀ε>0  (Uε(a){a} Eφ [一楽『集合と位相―そのまま使える答えの書き方』問題3.3.17コメント(p.109)]
      任意の正数ε>0に対して、Uε(a)Eは、(Uε(a){a} E≠φ を満たす。
   ∀ε>0 ∃xR  xUε(a){a} E  
   ∀ε>0 ∃xR  xE かつ xUε(a){a} )  
   ∀ε>0 ∃xE   x( Uε(a){a} ) 

  ということ。


集積点トップ
実数−《実数の集合》間の位置関係一覧
→[トピック一覧:距離空間(R,d)]
総目次 

集積点の定義─タイプ0 : 除外近傍表現



・「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  aの除外ε近傍U*ε(a)の幅εをどのように変えたときでも、

  aの除外ε近傍U*ε(a)に、最低一個以上の「Eに属す実数」の実在を確認できる

    each deleted ε-neighborhood   U*ε(a) of a contains points of E. [Fischer, Def 3.4(p.209)]

  ということ。

論理記号で表すと、

 「実数aが『R部分集合E集積点である」とは、

  ∀ε>0  U*ε(a) Eφ [Fischer, V.3.Def 3.4(p.209)]
      任意の正数ε>0に対して、U*ε(a)Eは、U*ε(a) E≠φ を満たす。
   ∀ε>0 ∃xR  xU*ε(a) E  
   ∀ε>0 ∃xR  xE かつ xU*ε(a)  
   ∀ε>0 ∃xE   xU*ε(a) 
  ということ

【文献】
 ・Fischer,Intermediate Real Analysis, V.3.Def 3.4(p.209).
an accumulation point, in R, of S⊂R is a point x0∈R such that each deleted ε-neighborhood N*(x0,ε)of x0 contains points of S; that is , such that N*(x0,ε)∩S≠φ for all ε>0。[ex]{1/n}の集積点。theorem3.2で無数。theorem3.3で数列。


集積点トップ
実数−《実数の集合》間の位置関係一覧
→[トピック一覧:距離空間(R,d)]
総目次 
Amazon.com Widgets

reference

Fischer,Intermediate Real Analysis, V.3.Def 3.4(p.209).an accumulation point, in R, of S⊂R is a point x0∈R such that each deleted ε-neighborhood N*(x0,ε)of x0 contains points of S; that is , such that N*(x0,ε)∩S≠φ for all ε>0。[ex]{1/n}の集積点。theorem3.2で無数。theorem3.3で数列。
・永倉・宮岡『解析演習ハンドブッ ク[1変数関数編]』4.1.6実数aをEの部分集合Aの集積点accumulation point, cluster point,limit pointとは、任意の正数δ>0に対して、0<|x-a|<δとなる点x∈Aが少なくとも一つは存在するということ。Aに属する点で、A の集積点でないものを孤立点という(p.135):4.1.7:同値条件。aのすべての近傍はaとは異なるAの点を含む。aのすべての近傍は無限に多くのAの点を含む。4.1.9数列との関連。ex4.1.7(p.139)
・一楽『集合と位相―そのまま使える答えの書き方』問題3.3.17コメント(p.109)