5項述語の3重量化「∀x1S1x2S2x3S3   P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 

【ポイント】

・「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 は、

  どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、

   その《S1に属す対象》に相応しい《S2に属す対象》が
     少なくとも一個は存在するので、

   その《S1に属す対象》に応じて、
     相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって

    「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
      変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という主張。
   
S1S2S3も特定の対象に固定されている場合、
 「 x1S1x2S2x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、
 x4, x5 を変項とする2項述語。→詳細

 (例)
  ・「 ∀ε>0 ∃NN ∀nN ( nN⇒|  《数列》の第n項 −α |<ε) 」  
  ・ ∀ε>0  ∃δ>0 ∀xD ( | xx0|<δ ⇒ | f (x)f (x0)|<ε)  

【詳細】

 ・ ∀x1S1x2S2x3S3 P(x1,x2,x3,x4,x5) :定義/意味/読み/x1S1x2S2x3S3 の定義に遡って  
  ・バリエーション:x1∈内包的に定義された集合 ∃x2S2x3S3 P(x1,x2,x3,x4,x5) 
         省略形「∀S'1(x1) ∃x2S2x3S3 P(x1,x2,x3,x4,x5)」「 ∀S'1(x1) ∃S'2(x2) ∀x3S3 P(x1,x2,x3,x4,x5) 」  
 ※多重量化一覧 
 ※論理関連ページ:古典論理/論理記号一覧/述語・命題関数
 ※総目次


「∀x1X1x2X2x3X3   P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 の定義



  要旨

 「 x1S1x2S2x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、

  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )普遍量化存在量化して普遍量化した

   「 x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )

 を表す。


詳細 〜 S1S2S3も特定の対象に固定されている場合  

・「 x1S1x2S2x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 とは、

 下記手順でつくった2項述語・2変項命題関数 

 「 x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )

 の略記。

  【step1:普遍量化】  
 
  5項述語 P(x1, x2, x3, x4, x5)x1, x2, x3, x4, x5は関係・条件Pを満たす
  の変項x3を全称量化子で束縛して普遍量化し、





【文献−数学一般】

 ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97):fは〜で連続

 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』2章p.15;脚注13
  ・入谷久我『数理経済学入門定義2.8(p.34)

 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.3.1.1(pp.136-137) 
 ・齋藤正彦『日本語から記号論理へ』3章§6(pp.157-160)
 ・中内『ろんりの練習帳』2.8(1)例2.8.1(p.112);論理記号化(p.116)

【基礎知識の確認】 
  ・xiS   / x2S2  


 


     x1, x2, x4, x5を変項とする4項述語・4変項命題関数 
       「 xS3 P(x1, x2, x3, x4, x5) 」 どの《S3に属す対象》を変項x3に代入しても、変項 x1, x2, x4, x5 は、x3とのあいだの関係・条件Pを満たす 
     をつくる。

     【step2:存在量化】  

     step1で得られた
     4項述語・4変項命題関数xS3 P(x1, x2, x3, x4, x5)
                  どの《S3に属す対象》を変項x3に代入しても、変項 x1, x2, x4, x5 は、x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
     の変項xを存在量化子で束縛して存在量化し、

     x1, x4, x5を変項とする3項述語・3変項命題関数
       「 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
          x2に代入すると、   
           『どの《S3に属す対象》を変項x3に代入しても、変項 x1, x2, x4, x5 は、x3とのあいだの関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S2に属す対象》が存在する
     をつくる。

     【step3:普遍量化】  

     step2で得られた
     3項述語・3変項命題関数「 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
          x2に代入すると、   
           『どの《S3に属す対象》を変項x3に代入しても、変項 x1, x2, x4, x5 は、x3とのあいだの関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S2に属す対象》が存在する
     の変項x1を全称量化子で束縛して普遍量化して得られる
     x4, x5を変項とする2項述語・2変項命題関数が、

      「 x1S1  x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
         どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、
           「x2に代入すると、
            『どの《S3に属す対象》を変項x3に代入しても、変項 x1, x2, x4, x5 は、x3とのあいだの関係・条件Pを満たす』 
            を成立させる《S2に属す対象》が存在する」
 (例)
   ・an→α (n→∞) 」の定義  
   ・∀ε>0  ∃δ>0 ∀xD ( | xx0|<δ ⇒ | f (x)f (x0)|<ε)    



x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
多重量化一覧 
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「 ∀x1S1x2S2x3S3   P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  」 の意味 


 ・ P ( x1, x2, x3, x4, x5 )は、
     変項x1の議論領域X1,
     変項x2の議論領域X2,
     変項x3の議論領域X3,
     変項x4の議論領域X4,
     変項x5の議論領域X5,
  とするn項述語・n変数命題関数

 ・ S1は「X1部分集合
 ・ Sは「X2部分集合
 ・ S3は「X3部分集合
 ・ S4は「X4部分集合
 ・ S5は「X5部分集合

 とすると、 

 「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、 

  どの《S1に属す対象》を変項x1に代入しても、

   その《S1に属す対象》に応じて、
     《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって


    「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
      変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という意味の述語・命題関数

S1S2S3も特定の対象に固定されている場合、
 「 x1S1x2S2x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、
 x4, x5 を変項とする2項述語。→詳細

 (例)
   ・an→α (n→∞) 」の定義  
   ・∀ε>0  ∃δ>0 ∀x∈I ( | xx0|<δ ⇒ | f (x)f (x0)|<ε)   






【文献−数学一般】

 ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97):fは〜で連続

 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』2章p.15;脚注13:数列が〜に収束。
  ・入谷久我『数理経済学入門定義2.8(p.34):数列が〜に収束。
 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.3.1.1(pp.136-137):数列が〜に収束。
 ・齋藤正彦『日本語から記号論理へ』3章§6(pp.157-160):数列が〜に収束。
 ・中内『ろんりの練習帳』2.8(1)例2.8.1(p.112);論理記号化(p.116):数列が〜に収束。


 






x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
三項述語二重量化一覧 
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「 ∀x1S1x2S2x3S3   P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 読み下しサンプル



【英文読み下し】

for any (every) x1S1 ,
 there exists x2S2 such that P(x1,x2,x3,x4,x5) for all  x3S3 .  [小林p.15]

for every x1S1,
 there exists x2S2 such that for every x3S3 we have P(x1,x2,x3,x4,x5) .
    [http://en.wikipedia.org/wiki/Limit_of_a_sequence]

given an arbitrary x1S1,
  we can always find some x2S2 (which will in general depend on the chosen x1) such that all x3S3 will P(x1,x2,x3,x4,x5) [deLaFuente,pp.46-47改 ]


【邦文読み下しtype1】  
 「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」を、
 修飾関係にしたがわず、
 記号の順序に読み下して行く作法。

 ・「∀x1S1」の部分は、
   ・すべての/任意のS1に属す対象』 x1に対し(て)
   ・どんなS1に属す対象』 x1に対しても、 
   ・任意のS1に属す対象』 x1を一つ定めたとき
   ・任意のS1に属す対象』 x1与えられたとき
  などと読み下す。

 ・「∃x2S2」の部分は、
   ・(それに対して/対応して)、ある)『S2に属す対象』 x2が存在し/あって
   ・(それに対して/対応して)、
     (ある)『S2に属す対象』 x2
      選べば/適当に選んで/とれば/とると/うまく定めると/見つけることができて
  などと読み下す。

 ・「∀x3S3」の部分は、
   ・すべての/任意のS3に属す対象』 x3に対し(て)
   ・どんなS3に属す対象』 x3に対しても、 
  のいずれかに読み下す。

 ・「P ( x1, x2, x3, x4, x5 )」の部分は、
   ・ P(x1,x2,x3,x4,x5) が成り立つ/となる/になる
   ・ P(x1,x2,x3,x4,x5) にすることができる
  などと呼んで締めくくる。



関連事項: 
  ・「∃xy  P(x,y)」 の読み 
 
具体例






数列収束定義の読み下し例を参照。

【文献−論理】
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』2章「極限値条件1」(p.13;15);3章数列の極限(p.21)
 ・中内『ろんりの練習帳』2.8(1)例2.8.1(p.112);論理記号化(p.116)
 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.3.1.1(pp.136-137);例題4.4.4(p.147); 
 ・松井『だれでも証明がかける−眞理子先生の数学ブートキャンプ』2.6(p.187);5.6(p.187):関数の極限のケース
【文献−解析】
 ・小林『微分積分読本:1変数』 1章5数列と収束(p.15)
 ・黒田『微分積分学』§2.5.2定義2.6(p.42);補足説明1(p.43);補足説明2(p.44):表現についての注意。
 ・和達『微分積分』1-4(p.9):ε近傍も。 
 ・高木『解析概論』1章4(pp.5-6).
 ・杉浦『解析入門I』I-§2-定義5(p.12);
 ・杉浦『解析演習』1.1(p.1);
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』1章§2(I)(p.6)

【文献−数理経済】
 ・入谷久我『数理経済学入門定義2.8(p.34)
 ・De La Fuente, Mathematical Methods and Models for Economists,Definition2.1(p.46);2.3Sequences in R and Rm(pp.49-58)
 ・神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』定義2.2.4(p.68):距離概念を用いる


 


(以下サンプル)
 ・すべての/任意の『S1に属す対象』 x1に対し(て)、(ある)『S2に属す対象』 x2が存在し/あって、すべての/任意の『S3に属す対象』 x3に対し(て)、 P(x1,x2,x3,x4,x5) が成り立つ。[中内p.116;小林p.15改;黒田p.42改]
 ・すべての/任意の『S1に属す対象』 x1に対し(て)、『S2に属す対象』 x2を適当に選んで、すべての/任意の『S3に属す対象』 x3に対し(て)、 P(x1,x2,x3,x4,x5) が成り立つようにできる。[黒田p.44]
 ・どんな『S1に属す対象』 x1に対しても、ある『S2に属す対象』 x2が存在して、すべての『S3に属す対象』 x3に対して、P(x1,x2,x3,x4,x5)となる[杉浦p.12改]
 ・すべての(任意の)『S1に属す対象』 x1に対し(て)、(ある)『S2に属す対象』 x2をとれば、すべての『S3に属す対象』 x3に対し、 P(x1,x2,x3,x4,x5) となる。[小林p.15改]
 ・どんな『S1に属す対象』 x1に対しても、『S2に属す対象』 x2をうまく定めると、どんな『S3に属す対象』 x3にたいしても、P(x1,x2,x3,x4,x5) となっている。[細井p.13;15;21]
 ・任意の『S1に属す対象』 x1にたいして、ある『S2に属す対象』 x2をとると、P(x1,x2,x3,x4,x5)x3S3に属す)が成り立つ。[吹田新保(p.6]
 ・どんな『S1に属す対象』 x1に対しても、『S2に属す対象』 x2を見つけることができて、S3に属す対象』 x3においては必ず、P(x1,x2,x3,x4,x5)になる[松井p.187:改]
 ・敵がどんな『S1に属す対象』 x1を持って来ても、それに対応して自分が巧妙に『S2に属す対象』 x2を選べば、その後に敵がどんな『S3に属す対象』 x3を選ぼうとも、|P(x1,x2,x3,x4,x5)にすることができる[松井p.41:改]
 ・「任意の『S1に属す対象』 x1を一つ定めたとき、それにたいして、ある『S2に属す対象』 x2が存在して、すべての『S3に属す対象』 x3にたいして、P(x1,x2,x3,x4,x5)が成立する。」[神谷浦井p.68]

【邦文読み下しtype2】  
 「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」を、
 記号の順序にしたがわず、
 修飾関係にしたがおうとする読み下し。
 文才がない限り、誤読のもとになるので、推奨されない[→黒田『微分積分学』§2.5.2補足説明2(p.44)]。

 ・すべての/任意のS1に属す対象』 x1に対し(て)x3S3に属すならば、P(x1,x2,x3,x4,x5)』となるような『S2に属す対象』 x2が存在する[和達p.9]
   *右記誤読発生のおそれ:すべての/任意の『S1に属す対象』 x1に対し(て)『x3S3に属すならば、P(x1,x2,x3,x4,x5)』となるような『S2に属す対象』 x2が存在する
 ・すべての/任意のS1に属す対象』 x1に対し(て)、『x3S3に属すならば、P(x1,x2,x3,x4,x5)』 が成り立つように、『S2に属す対象』 x2をとることができる[杉浦p.1]
   *右記誤読発生のおそれ:すべての/任意の『S1に属す対象』 x1に対し(て)『x3S3に属すならば、P(x1,x2,x3,x4,x5)』が成り立つように、『S2に属す対象』 x2をとることができる
 ・任意のS1に属す対象』 x1与えられたとき、一つの『S2に属す対象』 x2が、『x3S3に属すときP(x1,x2,x3,x4,x5)』なるように定められる[高木p.6]


x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
三項述語二重量化一覧 
論理記号一覧/述語・命題関数
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x1S1x2S2x3S3 の定義に遡った「∀x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5)」意味 


・「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」

 すなわち
 「 x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )

 とは、




 ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97):fは〜で連続



 「 x1 ( x1S1 x2 ( x2S2 かつ x ( x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )  ) 」の省略表現。 

・「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 すなわち 「 x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
 は、 
 「 x1 ( x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )
 の省略表現()。

・「 x1 ( x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) ) 」は、
 「 x1 ( x1S1 x2 ( x2S2 かつ xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )  )
 の省略表現()。

・「 x1 ( x1S1 x2 ( x2S2 かつ xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )  ) 」は、
 「 x1 ( x1S1 x2 ( x2S2 かつ x ( x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )  )
 の省略表現()。



x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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集合Sが内包的に定義された場合の「∀x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5)意味 


 集合S1の内包S1'、 つまり、 S1{ x | S1'(x) }
 との設定のもと、 

 「 x1S1x2S2x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」

 すなわち
 「 x1S1 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )

 は、

 「 x1 ( S1'(x)  x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )  )

 に言い換えてよい。

  



x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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論理記号一覧/述語・命題関数
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省略形

  →省略形「 ∀S'1(x1) ∃x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 」  
  →省略形「 ∀S'1(x1) ∃S'2(x2)  ∀x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 」 

省略形「∀S'1(x1) ∃x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5)」

【設定】

P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) は、
   変項x1の議論領域X1,
   変項x2の議論領域X2,
   変項x3の議論領域X3,
   変項x4の議論領域X4,
   変項x5の議論領域X5とするn項述語・n変数命題関数

S2は「X2部分集合

S3は「X3部分集合

S'1(x1)は、「x1についての条件」(つまり、x1を変項とする一項述語)。
     ただし、x1を先頭に表されているとする。

【本題】

 上記設定のもと、

 「 S'1(x1) x2S2 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、

 下記表現aないし表現bの略記。







【基礎事項】
 ・「∃ 条件式 n項述語
 ・「∃S'(x) ∀yT P(x,y)」 

【使用例】
 ・an→α (n→∞) 」の定義  











【表現a 

 x1 { xX1 | S'1(x) }  x2S2 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )

  どの《S'1(x)真理集合に属す対象》を変項 x1 に代入しても、

  その《S'1(x)真理集合に属す対象》に相応しい《S2に属す対象》が
          少なくとも一個は存在するので、

  その《S'1(x)真理集合に属す対象》に応じて、
     相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項 x2 に代入することによって、

  「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
     変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす

  を成り立たせることができる




【具体例】
 ・R変項x1の議論領域とした際のx1>0 x2S2 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  は、

  x1 { xR |  x>0 }  x2S2x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 )   
    どの《x>0」真理集合に属す対象》を変項x1に代入しても、
    その《x>0」真理集合に属す対象》に応じて、《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって
       「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
    を成り立たせることができる
  の省略形。
 ・x>0」真理集合とは、(0,∞)のことだから、これは、 x1 (0,∞)  x2S2 x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 )   ともかける。


【使用例】
 ・ 「 ∀ε>0 ∃NN ∀nN ( nN⇒|  《数列》の第n項 −α |<ε) 」 




【表現b 

 x1 ( S'1(x) x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) ) 

  どの《議論領域X1に属す対象》を変項x1に代入しても、
  その《X1に属す対象》が条件S1'を満たすならば

  その《X1に属す対象》に相応しい《S2に属す対象》が
        少なくとも一個は存在するので、

  その《X1に属す対象》に応じて、
    相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって

    「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
       変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす

  を成り立たせることができる





【具体例】

  R変項x1の議論領域とした際のx1>0 x2S2 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  は、

  x1 ( x1>0 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )  
   どの実数を変項x1に代入しても、その実数条件x1>0を満たすならば
   その実数に応じて、相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって
    「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
   を成り立たせることができる


  の省略形。



省略形「 ∀S'1(x1) ∃S'2(x2)  ∀x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 」

【設定】

P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) は、
   変項x1の議論領域X1,
   変項x2の議論領域X2,
   変項x3の議論領域X3,
   変項x4の議論領域X4,
   変項x5の議論領域X5とするn項述語・n変数命題関数

S3は「X3部分集合

S'1(x1)は、x1についての条件(つまり、x1を変項とする一項述語)。
     ただし、x1を先頭に表されているとする。

S'2(x2)は、x2についての条件(つまり、x2を変項とする一項述語)。
     ただし、x2を先頭に表されているとする。


【本題】

 上記設定のもと、

 「 S'1(x1) S'2(x2) x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )



活用例:
   ・∀ε>0  ∃δ>0 ∀xD ( | xx0|<δ ⇒ | f (x)f (x0)|<ε) 


 は、

 下記表現aないし表現bのの略記。


【表現a 

 x1 { xX1 | S'1(x) }  x2 { xX2 | S'2(x) }  x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )

  どの《S'1(x)真理集合に属す対象》を変項 x1 に代入しても、

  その《S'1(x)真理集合に属す対象》に相応しい《S'2(x)真理集合に属す対象》が
          少なくとも一個は存在するので、

  その《S'1(x)真理集合に属す対象》に応じて、
     相応しい《S'2(x)真理集合に属す対象》をうまく選んで変項 x2 に代入することによって

  「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
     変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす

  を成り立たせることができる




【具体例】

  R変項x1,x2の議論領域とした際のx1>0 x2>0 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  は、

  x1 { xR |  x>0 }  x2 { xX2 | x>0 }  x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )   
    どの《x>0」真理集合に属す対象》を変項x1に代入しても、
    その《x>0」真理集合に属す対象》に応じて、《x>0」真理集合に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって
       「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
    を成り立たせることができる

  の省略形。

  x>0」真理集合とは、(0,∞)のことだから、


  これは、 x1 (0,∞)  x2(0,∞) x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 )   ともかける。



【表現b 

 x1 ( S'1(x) x2 ( S'2(x) かつ x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) ) 

  どの《議論領域X1に属す対象》を変項x1に代入しても、
  その《X1に属す対象》が条件S1'を満たすならば

  その《X1に属す対象》に相応しい《X2に属す対象》が
        少なくとも一個は存在するので、

  その《X1に属す対象》に応じて、
    相応しい《X2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって

    「変項 x2 は、条件S2'を満たす
    「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
       変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす

  を同時に成り立たせることができる






【文献】
 ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(p.95):fは〜で連続

【具体例】

 R変項x1.x2の議論領域とした際の「x1>0 x2>0 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 は、

 x1 ( x1>0 x2 ( x>0 かつ x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) ) 

    どの実数を変項x1に代入しても、その実数条件 x1>0を満たすならば
    その実数に応じて、相応しい実数うまく選んで変項x2に代入することによって
      「変項 x2 は、条件 x>0 を満たす
      「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、
       変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
    を同時に成り立たせることができる



  の省略形。





x1S1x2S2x3S3  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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