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→ビギナーのための連続定義 →極限値を用いた表現 →ε-δ法による厳密な表現(考え方 / 論理にこだわって / 論理記号読下しサンプル) →近傍概念を用いた表現 【関連】 ・1変数関数についての連続性の諸概念:右連続/左連続/区分的に連続/区間での連続性/一様連続性 ・《点における連続性》概念の関数一般への拡張: →2変数関数の点連続/n変数関数の点連続/距 離空間上の実数値関数の点連続/位 相空間上の実数値関数の点連続 →ベクトル値関数の点連続/距 離空間のあいだの写像の点での連続/位 相空間のあいだの写像の点での連続 【活用例】 不定積分(積分関数)の微分 |
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[文献] ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.141-2) ・黒田『微分積分』3.3.1節(p.100.) ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(p.36) ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分積分学の基礎理論案内』4.1.1(pp.90-91) ・加藤十吉『微分積分学原論』5.2(p.50) |
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・本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97) |
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【ビジュアル系定義の限界】 グラフの形状で「関数の連続性」を定義するのは、非常にわかりやすい。 しかし、このように定義してしまうと、 グラフ形状を把握できない関数へ 「連続性」概念を適用できなくなってしまう…。[齋藤pp.142-4:具体例] これは、致命的。 そういう訳で、 グラフ形状による「関数の連続性」定義で、だいたいのイメージがつかめたら、 下記定義へ即バージョンアップ推奨。 |
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[類概念] 右連続/左連続/区間での連続性/一様連続性 [文献] ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.141-2) ・黒田『微分積分』3.3.1節(p.100.) ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(p.36) ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分積分学の基礎理論案内』4.1.1(pp.90-91) |
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・本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97) |
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【日常言語による定義の限界】 この「関数の連続性」定義は、普段の言葉のみで理解できるので、一見わかりやすく感じられるけれども、 本当は、実用に耐えられない代物。 1. 「x が x0 に近づく」ことと「f (x) が f (x0) に近づく」こととが、いかなる関係にあるのか、 2. そもそも「近づく」とはいかなる事態を指すのか、 という点が何ら明確化されていないために、 この「連続」定義は、事態の的確な把握・伝達が求められる場面(性質の証明など)での使用に耐えられないのだ。 そこで、 事態の的確な把握が求められる場合、 上記二点を操作化した下記表現が用いられる。 →極限値を用いた表現: 上記二点を操作的に定義してある「関数の収束」「関数の極限値」という概念を活用して「連続」を定義 →ε-δ論法で記述した表現: 「関数の収束」「関数の極限値」の原意に遡って、ε-δ論法で上記二点を直接操作的に記述した表現 → 考え方 / ε-δ法による厳密な表現 / 論理記号読み下しサンプル / 論理にこだわって |
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→1変数関数 の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関数 |
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lim |
f(x) | が存在する |
x→x0 |
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lim |
f(x) | = f (x0) |
x→x0 |
[類概念] 右連続/左連続/区間での連続性/一様連続性 [文献1] 定義域を明示。 ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(pp.36-7) ・小平『解析入門I』(p.80) ・笠原『微分積分学』1.5連続関数(p.29) ・赤『実数論講義』定義6.3.1(p.175) ・松坂『解析入門1』3.2-A(p.107) ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5(pp.55-56):ベクトル値関数一般。 極限の定義が他のテキストと異なる→注意 1(p.54) ・黒田『微分積分』3.3.1節(p.100.) ・Fischer, Intermediate Real Analysis, ChapterY.1.Def 1.1''(p.241) ・Lang, Undergraduate Analysis,Chapter2§4(p.56) ・青本『微分と積分1』§1.4(c)(pp.35-6):右連続かつ左連続 [文献2] 定義域があいまい。「近くで定義されているとする」 ・和達『微分積分』2-5連続と不連続(p.34) ・吹田・新保『理工系の微分積分学』23. ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』11章(pp.108-109) |
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lim |
f(x) | ≠ f (x0) |
x→x0 |
→1変数関数の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関数 |
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[文献−解析] ・齋藤『日本語から記号論理へ』 3章§5 (pp.144-5) ・小林『微分積分読本:1変数』 2章1連続関数(pp.44-45) ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分 積分学の基礎理論案内』4.1.1 (pp.90-92) [文献−論理] ●本橋『新しい論理序説』 5.3例5(pp.93-97) |
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・このような「関数fがx0において連続」の厳密な定義のアイディアは、 ビギナー向け連続定義を明確化したもの。 ・「関数fがx0において連続」のビギナー向け定義は、 「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」 だった。 この「連続」定義は一見わかりやすいのだけれども、 「近づく」とはいかなる事態を指すのか、という点が不明確なので、 性質の証明等、的確な事態把握が求められる場面では、使用に耐えられないのだった。 ・この弱点克服のため、「近づく」を明確化しなければならない。 【明確化の方針】 「近さ」を「距離」に数量化、 「〜に近づく/近づける」を「《〜から一定距離以内のゾーン》に突入する/突入させる」というかたちに操作化せよ。 この方針に従って、ビギナー向け「関数fがx0において連続」定義を明確化してみよう。 「x が x0 に近づく」は、「xが《x0から距離δ以内のゾーン》に突入する」というかたちに、 「f (x) が f (x0) に近づく」は、「f (x)が《f (x0)から距離ε以内のゾーン》に突入する」というかたちに、 操作化される。 すると、 ビギナー向け連続定義「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」 は、 「xが《x0から距離δ以内のゾーン》に突入すると、f (x)が《f (x0)から距離ε以内のゾーン》に突入する」 というかたちに操作化される。 ・これで明確になっただろうか。mmm...。なにかが足りない。 ビギナー向け連続定義「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」では、 「x が x0 に近づく」と「f (x) が f (x0) に近づく」との関連性が表現されている。 この関連性が、 「xが《x0から距離δ以内のゾーン》に突入すると、f (x)が《f (x0)から距離ε以内のゾーン》に突入する」 では、抜け落ちているのだ。 ・ビギナー向け定義に込められた「x が x0 に近づく」と「f (x) が f (x0) に近づく」との関連性とは、 いかなるものなのか? この関連性は、 「近さ」を「距離」に数量化、 「〜に近づく/づける」を「《〜から一定距離以内のゾーン》に突入する/させる」というかたちに操作化 という方針のもとで、 どのように明確化できるのだろうか? ・数学者たちは、「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」に込められた二つの接近の関連性を、 f (x) を f (x0) にどこまで近づけようとしても、その達成に好都合な《xの x0への近づけ方》が実在しているので、 f (x) を f (x0) にどこまで近づけようとしても、 その達成に好都合な《xの x0への近づけ方》で実際に、x を x0 に近づけることによって、 f (x) を f (x0) に100%思惑通り近づけることができる、 という事態に精緻化した。 そして、 「近さ」を「距離」に数量化、 「〜に近づく/づける」を「《〜から一定距離以内のゾーン》に突入する/させる」というかたちに操作化 という方針のもと、 この事態を、 「《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》を、どのような距離εで設定しても、 それに応じて都合のよい《x0から距離δ以内のゾーン》が実在しているので、 《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》を、どのような距離εで設定しても、 それに応じて都合のよい《x0から距離δ以内のゾーン》へ実際にxを突入させることによって、 f (x)を《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》に100%突入させることができる」 というかたちに操作化した。 結局、「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」に込められた二つの接近の関連は、 《f (x0)からの距離ε》と《x0からの距離δ》との間の、 「どのような距離εにたいしても、それに応じて都合のよい距離δが存在して、〜を満たす」 ∀ε>0 ∃δ>0 という関連性に明確化されたことになる。 ※《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》は、「f (x0)のε近傍」 《x0から距離δ以内のゾーン》は、「x0のδ近傍」と呼ばれる。 →ε-δ論法による連続定義:近傍概念を用いない表現 →ε-δ論法による連続定義:近傍概念を用いた表現 |
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→1変数関数の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関数 |
[類概念] 右連続/左連続/区間での連続性/一様連続性 [文献−解析] ・Lang, Undergraduate Analysis,Chapter2§4(p.56) ・Fischer, Intermediate Real Analysis, ChapterY.1.Def 1.1'(p.241) ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(pp.44-45) ・赤『実数論講義』定義6.3.1(p.175) ・松坂『解析入門1』3.2-A(p.107) ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5b(p.55):ベクトル値関数一般 ・黒田『微分積分』3.4.1節一様連続性 (p.108):極限を使った表現から導出 ・青本『微分と積分1』§1.4(c)注意1.5.2(p.37) ・小平『解析入門I』§2.2a 定義2.2(p.80) ・和達『微分積分』2-5連続と不連続(2.28) (p.35) ・吹田・新保『理工系の微分積分学』§4(T) (p.23) ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』11章(p.109);13章例13.4(pp.134-5) ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分 積分学の基礎理論案内』定義4.1.3 (pp.91-92) ・永倉・宮岡『解析演習ハンドブック[1変数関数編]』5.1.1(p.170) [文献−論理] ●本橋『新 しい論理序説』5.3例5(pp.93-97);問題6イ:連続でない(p.96;106);問題6ロ〜:(p.96;106-7); ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.144-5) ・新井『数学は言葉』例題4.3.2.4(p.138;140) ・高崎金久『数理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】 |
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→1変数関数の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関数 |
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[文献] ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97) ・高崎金久『数理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】 |
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→1変数関数 の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関数 |
[文献-解析] ・松坂『解析入門1』3.2-A(p.107) ・Fischer, Intermediate Real Analysis, ChapterY.1.Def 1.1'(pp.240-1) ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5b(p.55):ベクトル値関数一般 ・小平『解析入門I』§2.2a 定義2.2(p.80) ・Lang, Undergraduate Analysis,Chapter2§4(p.56) ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(pp.44-45) ・和達『微分積分』2-5連続と不連続(2.28) (p.35) ・吹田・新保『理工系の微分積分学』§4(T) (p.23) ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』11章(p.109) ・永倉・宮岡『解析演習ハンドブック[1変数関数編]』5.1.1(p.170) ・青本『微分と積分1』§1.4(c)注意1.5.2(p.37) [文献-論理] ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97) ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.144-5) ・高崎金久『数 理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】 |
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→1変数関数 の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関 数 |
[文献] ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5c(p.55):ベクトル値関数一般。近傍が定義域の部分集合になってないケースも考慮。 ・笠原『微分積分学』1.5連続関数(p.29) ・Fischer, Intermediate Real Analysis, ChapterVI.1.Definition (p.240) ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分 積分学の基礎理論案内』定義4.1.4 (p.92) ・高崎金久『数 理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】 |
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→1変数関数の連続定義 →トピック一覧:1変数連続関数 |