定義:1変数関数が点x0で連続

 





→ビギナーのための連続定義
→極限値を用いた表現 
→ε-δ法による厳密な表現(考え方 / 論理にこだわって / 論理記号読下しサンプル) 
→近傍概念を用いた表現

【関連】
・1変数関数についての連続性の諸概念:右連続/左連続/区分的に連続/区間での連続性/一様連続性
・《点における連続性》概念の関数一般への拡張:
 →2変数関数の点連続/n変数関数の点連続/距 離空間上の実数値関数の点連続/位 相空間上の実数値関数の点連続 
 →ベクトル値関数の点連続/距 離空間のあいだの写像の点での連続/位 相空間のあいだの写像の点での連続  
【活用例】  不定積分(積分関数)の微分   








ビギナー向け定義 ステップ1 ― ビジュアル系

・「関数fがx0において連続continuous at x0」 とは、

  関数fのグラフがx0で切れずに繋がっているということ。[黒田p.100]

・「関数fがx0で不連続discontinuous at x0」 とは、

  関数fはx0で定義されていて、唯一のf (x0)が存在するのに、
  関数fのグラフがx0で切れていて、繋がっていないということ。

 *「関数がx0で連続/不連続」という二分法は、x0で定義されていている関数に対してのみ適用される。
  だから、関数fがx0で定義されていない場合、関数fは、x0において連続とも不連続とも言えない。単なる「x0では定義されていない関数」。

 * したがって、「グラフがx0で切れていて、繋がっていない」関数のすべてが、x0で不連続というわけではない。
  「グラフがx0で切れていて繋がっていない」関数のなかには、x0で定義されていない関数(これは連続とも不連続ともいえない)も混じっている。   




[文献]
  ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.141-2)
 ・黒田『微分積分』3.3.1節(p.100.)
 ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(p.36)
 ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分積分学の基礎理論案内』4.1.1(pp.90-91)
 ・加藤十吉『微分積分学原論』5.2(p.50)


 ・本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97)


 






【ビジュアル系定義の限界】 
 グラフの形状で「関数の連続性」を定義するのは、非常にわかりやすい。
 しかし、このように定義してしまうと、
     グラフ形状を把握できない関数へ
      「連続性」概念を適用できなくなってしまう…。[齋藤pp.142-4:具体例]
 これは、致命的。
 そういう訳で、
 グラフ形状による「関数の連続性」定義で、だいたいのイメージがつかめたら、
 下記定義へ即バージョンアップ推奨。
     






ビギナー向け定義 ステップ2 ― 日常言語の範囲内で操作的に


・「関数fがx0において連続continuous at x0」 とは、
    
  関数f がx0で定義されていて、f (x0) が存在し、

  x が x0 に近づくと、その接近方向によらず、

  f (x) も f (x0) に近づくということ。




[類概念] 右連続/左連続/区間での連続性/一様連続性
[文献]
  ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.141-2)
 ・黒田『微分積分』3.3.1節(p.100.)
 ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(p.36)
 ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分積分学の基礎理論案内』4.1.1(pp.90-91)


 ・本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97)



 






【日常言語による定義の限界】 

 この「関数の連続性」定義は、普段の言葉のみで理解できるので、一見わかりやすく感じられるけれども、
 本当は、実用に耐えられない代物。
  1. 「x が x0 に近づく」ことと「f (x) が f (x0) に近づく」こととが、いかなる関係にあるのか、
  2. そもそも「近づく」とはいかなる事態を指すのか、
 という点が何ら明確化されていないために、
 この「連続」定義は、事態の的確な把握・伝達が求められる場面(性質の証明など)での使用に耐えられないのだ。

 そこで、
 事態の的確な把握が求められる場合、 
 上記二点を操作化した下記表現が用いられる。

 →極限値を用いた表現:
   上記二点を操作的に定義してある「関数の収束」「関数の極限値」という概念を活用して「連続」を定義

 →ε-δ論法で記述した表現:
   「関数の収束」「関数の極限値」の原意に遡って、ε-δ論法で上記二点を直接操作的に記述した表現
        → 考え方 / ε-δ法による厳密な表現 / 論理記号読み下しサンプル / 論理にこだわって      









→1変数関数 の連続定義 
→トピック一覧:1変数連続関数


「連続」定義:極限値を用いた表現

・「
区間Iで 定義されている関数f が
  《区間I上 の点》x0で連続continuous at x0」とは、

 【条件1】 f(x)はx→x0の とき収束する、

     すなわち、





    
lim
f(x)  が存在する 
x→x0

 が満たされたうえで、
  
 【条件2】 その収束先が、f (x0) となる  

     すなわち、
      f(x)→  f (x0) (x→x0)
     ないし




   
lim
f(x)  = f (x0)  
x→x0

 も満たされる

 ということ。


・「区間Iで 定義されている関数f が 《区間I上の点》x0で不連続discontinuous at x0」 とは、

 f(x)はx→x0の とき収束しない 
 または、




[類概念]  右連続/左連続/区間での連続性/一様連続性

[文献1] 定義域を明示。
 ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(pp.36-7)
 ・小平『解析入門I』(p.80)
 ・笠原『微分積分学』1.5連続関数(p.29)
 ・赤『実数論講義』定義6.3.1(p.175)
 ・松坂『解析入門1』3.2-A(p.107)
 ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5(pp.55-56):ベクトル値関数一般。
           極限の定義が他のテキストと異なる→注意 1(p.54)
 ・黒田『微分積分』3.3.1節(p.100.)
 ・Fischer, Intermediate Real Analysis, Chapter�Y.1.Def 1.1''(p.241)
 ・Lang, Undergraduate Analysis,Chapter2§4(p.56)
  ・青本『微分と積分1』§1.4(c)(pp.35-6):右連続かつ左連続

[文献2] 定義域があいまい。「近くで定義されているとする」
 ・和達『微分積分』2-5連続と不連続(p.34)
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』23.
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』11章(pp.108-109)




 f(x)はx→x0の とき収束するけれども、その収束先はf (x0)ではない        




   
lim
f(x)  ≠ f (x0)  
x→x0
 
 ということ。

→1変数関数の連続定義 
→トピック一覧:1変数連続関数 



ε-δ法による厳密な「連続」定義 − 考え方

・「関数fがx0において連続」の厳密な定義は、

 近傍概念を用いない表現であれ、近傍概念を用いた表現であれ、

 「《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》を、どのような距離εで設定しても、
     それに応じて都合のよい《x0から距離δ以内のゾーン》が実在しているので、 

   《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》を、どのような距離εで設定しても、
     それに応じて都合のよい《x0から距離δ以内のゾーン》へ実際にxを突入させることによって
、

          f (x)を《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》に100%突入させることができる」

  という事態を表現したもの。 

 
  →近傍概念を用いない厳密な「連続定義」
  →近傍概念を用いた厳密な「連続定義」




[文献−解析]
 ・齋藤『日本語から記号論理へ』 3章§5 (pp.144-5)
 ・小林『微分積分読本:1変数』 2章1連続関数(pp.44-45)
 ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分 積分学の基礎理論案内』4.1.1 (pp.90-92)
[文献−論理]
 ●本橋『新しい論理序説』 5.3例5(pp.93-97)






 






・このような「関数fがx0において連続」の厳密な定義のアイディアは、
 ビギナー向け連続定義を明確化したもの。


・「関数fがx0において連続」のビギナー向け定義は、

  「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」

 だった。

 この「連続」定義は一見わかりやすいのだけれども、

 「近づく」とはいかなる事態を指すのか、という点が不明確なので、
 性質の証明等、的確な事態把握が求められる場面では、使用に耐えられないのだった。

・この弱点克服のため、「近づく」を明確化しなければならない。

 【明確化の方針】
  「近さ」を「距離」に数量化、
  「〜に近づく/近づける」を「《〜から一定距離以内のゾーン》に突入する/突入させる」というかたちに操作化せよ。

 この方針に従って、ビギナー向け「関数fがx0において連続」定義を明確化してみよう。

 「x が x0 に近づく」は、「xが《x0から距離δ以内のゾーン》に突入する」というかたちに、
 「f (x) が f (x0) に近づく」は、「f (x)が《f (x0)から距離ε以内のゾーン》に突入する」というかたちに、
 操作化される。

 すると、
  
  ビギナー向け連続定義「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」

 は、

 「xが《x0から距離δ以内のゾーン》に突入すると、f (x)が《f (x0)から距離ε以内のゾーン》に突入する」
 
  というかたちに操作化される。

・これで明確になっただろうか。mmm...。なにかが足りない。

 ビギナー向け連続定義「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」では、
 「x が x0 に近づく」と「f (x) が f (x0) に近づく」との関連性が表現されている。

 この関連性が、 
 「xが《x0から距離δ以内のゾーン》に突入すると、f (x)が《f (x0)から距離ε以内のゾーン》に突入する」
 では、抜け落ちているのだ。

・ビギナー向け定義に込められた「x が x0 に近づく」と「f (x) が f (x0) に近づく」との関連性とは、
 いかなるものなのか?

 この関連性は、
   「近さ」を「距離」に数量化、
   「〜に近づく/づける」を「《〜から一定距離以内のゾーン》に突入する/させる」というかたちに操作化
 という方針のもとで、
 どのように明確化できるのだろうか?

・数学者たちは、「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」に込められた二つの接近の関連性を、

   f (x) を f (x0) にどこまで近づけようとしても、その達成に好都合な《xの x0への近づけ方》が実在しているので、
   f (x) を f (x0) にどこまで近づけようとしても、
    その達成に好都合な《xの x0への近づけ方》で実際に、x を x0 に近づけることによって、
      f (x) を f (x0) に100%思惑通り近づけることができる、

 という事態に精緻化した。

 そして、
  「近さ」を「距離」に数量化、
  「〜に近づく/づける」を「《〜から一定距離以内のゾーン》に突入する/させる」というかたちに操作化
 という方針のもと、

 この事態を、

 「《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》を、どのような距離εで設定しても、
       それに応じて都合のよい《x0から距離δ以内のゾーン》が実在しているので、 
   《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》を、どのような距離εで設定しても、
     それに応じて都合のよい《x0から距離δ以内のゾーン》へ実際にxを突入させることによって、
            f (x)を《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》に100%突入させることができる
」
  というかたちに操作化した。

 
  結局、「x が x0 に近づくと、f (x) も f (x0) に近づく」に込められた二つの接近の関連は、
  《f (x0)からの距離ε》と《x0からの距離δ》との間の、
    「どのような距離εにたいしても、それに応じて都合のよい距離δが存在して、〜を満たす」
           ∀ε>0  ∃δ>0 
  という関連性に明確化されたことになる。

※《f (x0)から距離ε以内の目標接近ゾーン》は、「f (x0)のε近傍」  
 《x0から距離δ以内のゾーン》は、「x0のδ近傍」と呼ばれる。    

   →ε-δ論法による連続定義:近傍概念を用いない表現
   →ε-δ論法による連続定義:近傍概念を用いた表現 










→1変数関数の連続定義 
→トピック一覧:1変数連続関数 


ε−δ論法による厳密な「連続」定義

「区間Iで 定義されている関数f が
   《区間I上 の点》x0で連続であるcontinuous at x0」  とは、

どんな《正の実数》 を選んで、εに代入しても、 




[類概念] 右連続/左連続/区間での連続性/一様連続性

[文献−解析]
 ・Lang, Undergraduate Analysis,Chapter2§4(p.56)
 ・Fischer, Intermediate Real Analysis, Chapter�Y.1.Def 1.1'(p.241)
 ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(pp.44-45)
 ・赤『実数論講義』定義6.3.1(p.175)
 ・松坂『解析入門1』3.2-A(p.107)
 ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5b(p.55):ベクトル値関数一般
 ・黒田『微分積分』3.4.1節一様連続性 (p.108):極限を使った表現から導出
 ・青本『微分と積分1』§1.4(c)注意1.5.2(p.37)
 ・小平『解析入門I』§2.2a 定義2.2(p.80)
 ・和達『微分積分』2-5連続と不連続(2.28) (p.35)
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』§4(�T) (p.23)
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』11章(p.109);13章例13.4(pp.134-5)
 ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分 積分学の基礎理論案内』定義4.1.3 (pp.91-92)
 ・永倉・宮岡『解析演習ハンドブック[1変数関数編]』5.1.1(p.170)

[文献−論理]
 ●本橋『新 しい論理序説』5.3例5(pp.93-97);問題6イ:連続でない(p.96;106);問題6ロ〜:(p.96;106-7);
 ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.144-5)
 ・新井『数学は言葉』例題4.3.2.4(p.138;140)
 ・高崎金久『数理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】





 〈εに代入した《正の実数》〉に好都合な《正の実数》が少なくとも一個は存在するので、
 その〈εに代入した《正の実数》〉に好都合な《正の実数》を探し出してδに代入することによって、

   「どの《区間Iに属す実数》をxに 代入しても、f 、x0 は、
           『 | x−x0| <δならば、| f(x)−f (x0) |<ε  』
       すなわち『 x0−δ<x<x0+δならば、 f (x0)−ε< f (x)<f (x0)+ε 』
       すなわち『 x∈ ( x0−δ, x0+δ)ならば、 f(x) ∈ ( f (x0)−ε, f (x0)+ε)   』
    を満たす」

 を成り立たせることができる

ということ。

 ※どういうこと?→考え方

以上を論理記号で表すと、
 
   ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈I  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε)  
   ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈I  ( x0−δ<x<x0+δ⇒f (x0)−ε< f (x)<f (x0)+ε)  
   ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈I  ( x∈ ( x0−δ, x0+δ)⇒f (x) ∈ ( f (x0)−ε, f (x0)+ε))   

 ※どう読むの?→ 読み下しサンプル 
 ※どういうこと?→ 考え方 / 論理にこだわって    
 ※別の表現は?→ 近傍概念を用いた簡潔な表現  
  →極限概念を用いた表現と同値であることの証明:杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5b(p.55):ベクトル値関数一般  

 
※「 x→x0の ときf(x)が収束する」の定義では、(0< |x−x0| < δ )。
     つまり、関数の極限では、x=x0を除外して考えた。[小平『解析入門I』80]


→1変数関数の連続定義 
→トピック一覧:1変数連続関数


ε−δ論法による厳密な「連続」定義 − 論理にこだわって

・変項 f , x0 を組み込んだ2項述語・2変項命題関数 

 「 f はx0で連続」

    * 変項 fの議論領域 : あらゆる1変数実数値関数をあつめた集合
    * 変項x0の議論領域 : fの定義域D

 とは、

 変項 f , x0 ,ε, δ, x  を組み込んだ5項述語・5変項命題関数
  「 | x−x0| <δならば、| f (x)−f (x0) |<ε  」
  すなわち
  「 x∈ ( x0−δ, x0+δ)ならば、 f (x) ∈ ( f (x0)−ε, f (x0)+ε)   」

    * 変項 f の議論領域 : あらゆる1 変数実数値関数をあつめた集合
    * 変項 x0 の議論領域 : fの 定義域D  
    * 変項εの議論領域 : あらゆる実 数をあつめた集合 R   
    * 変項δの議論領域 : あらゆる実数をあつめた集合 R     
    * 変項 x の議論領域 : f の定義域D  

 について、

 その3変項ε,δ, x を、 ∀ε>0  ∃δ>0 ∀x∈D で束縛し、
   f , x0 のみを変 項として残した2項述語・2変項命題関 数  

  「 ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε) 」
  すなわち
  「 ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈D  ( x∈ ( x0−δ, x0+δ) ⇒ f (x) ∈ ( f (x0)−ε, f (x0)+ε) 」

 のこと。

・「 ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε) 」  は、下記の略記。

   「 ∀ε∈ { x∈R | x> 0 } ∃δ∈ { x∈R | x> 0 } ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε )  」
      つまり、「 ∀ε∈ (0,∞)   ∃δ∈ (0,∞) ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε )  」  

 ないし、

   「 ∀ε ( ε>0 ⇒ ∃δ ( δ>0 かつ ∀x∈D ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε )  ) )   」

・上記定義が意味しているのは、

   { x∈R | x> 0 } つまり (0,∞) から、どの実数を 選んで変項εに代入しても、(←意味:「∀ε>0」 「∀ε∈ { x∈R | x> 0} 「∀ε∈ (0,∞)」 の部分)

  《εに代入した実数》に好都合な実数が、 { x∈R | x> 0 } つまり (0,∞) のなかに、少なくとも一個は存在するので、
  その《εに代入した実数》に好都合な実数を、 { x∈R | x> 0 } つまり (0,∞)か ら探し出してδに代入することによって、(←意味 「∃δ>0」 の部分)

   「どの《Dに属す実数》をxに 代入しても、f 、x0 は、
       『 | x−x0| <δならば、| f(x)−f (x0) |<ε  』を満たす」 (←意味: | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε)  )  

  を成り立たせることができる

 ということ。 




[文献]
 ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97)
 ・高崎金久『数理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】








→1変数関数 の連続定義 
→トピック一覧:1変数連続関数 




ε−δ論法による厳密な「連続」定義 ― 論理記号読み下しサンプル


【邦文読み下しtype1】  
 「 ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε) 」 を、
 修飾関係にしたがわず、
 記号の順序に読み下して行く作法。

 (1)任意の〜に対し、−が存在して、

  「任意のε>0に対しδ>0が存在して、
     | x−x0| <δとなるすべてのx∈D に対し
          | f (x)−f (x0)|<εとなる」[杉浦 p.55]

  「任意のε>0に対し、あるδ>0が存在して、
     | x−x0| <δを満たすすべてのxに対して
        | f (x)−f (x0)|<εが成り立つ」[松坂p.107]

  「任意の正数εに対し、ある正数δ(εによって決まる)が存在して、
         | x−x0| <δならば| f (x)−f (x0)|<ε」[松坂p.107]


 (2)任意の〜に対し、−を選んで/とって/定めると、

  「任意の正の実数εに対応して正の実数δ(ε)を選んで
    『 | x−x0| <δならば、| f(x)−f (x0) |<ε』 となるようにできる」[小平 p.80] 
 
  「任意に与えられた正の数εに対し、ある正の数δをとると、
    |x−x0|<δ なるすべてのxに対して、| f (x)−f (x0)|<εが成り立つ」 [齋藤p.145]

  「任意の正の数εにたいして、適当なδをとって、
    |x−x0|<δ であるすべてのxについて、| f (x)−f (x0)|<ε が成り立つ」[和達p.35]
  
  「どんな正の数εに対しても、正の数δをうまく定めると、
    |x−x0|<δ であるどんなxに対しても、| f (x)−f (x0)|<ε となるようにできる」[細井p.109] 

  「任意の正数εにたいして、ある正数δをとると、| f (x)−f (x0)|<ε(| x−x0|<δ) が成り立つ」[吹田・新保p.23]

  「任意のε>0に対し十分小さいδ>0をとれば、| f (x)−f (x0)|<εが、『|x−x0| <δとなるすべてのx』に対して成り立つ」[小林 p.45]

  「正の実数εをどのように指定されようとも、そのεという実数に対応して十分小さい正数δをとれば、xとx0の差がこのδより小さいすべてのxについて、f (x)とf (x0)の差が前もって指定された正の実数εより小さくなる。」[本橋p.94]

【邦文読み下しtype2】  
 「 ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε) 」を、
 記号の順序にしたがわず、修飾関係にしたがおうとする読み下し。
 文才がない限り、誤読のもとになるので、推奨されない[→黒田『微分積分学』§2.5.2補足説明2(p.44)]。

  「任意の正数ε>0に対して、x∈Dで|x−x0|<δならば、| f (x)−f (x0)|<εとなる正数δが存在する」[永倉宮岡p.170]  


【英文読み下し】
 「 ∀ε>0  ∃δ>0  ∀x∈D  ( | x−x0|<δ ⇒ | f (x)−f (x0)|<ε) 」の英文読み下しサンプル。
  どういうわけか、∀x∈Dの全称量化が省略されている。
  "for each ε>0, there exists a δ>0 such that if  | x−x0|<δ and x∈D then | f (x)−f (x0)|<ε " [Fischer p.241 ]
  "given ε, there exists δ such that if  | x−x0|<δ,then  | f (x)−f (x0)|<ε " [Lang p.241 ]  




[文献-解析]

 ・松坂『解析入門1』3.2-A(p.107)
 ・Fischer, Intermediate Real Analysis, Chapter�Y.1.Def 1.1'(pp.240-1)
 ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5b(p.55):ベクトル値関数一般
 ・小平『解析入門I』§2.2a 定義2.2(p.80)
 ・Lang, Undergraduate Analysis,Chapter2§4(p.56)
 ・小林『微分積分読本:1変数』2章1連続関数(pp.44-45)
 ・和達『微分積分』2-5連続と不連続(2.28) (p.35)
 ・吹田・新保『理工系の微分積分学』§4(�T) (p.23)
 ・細井『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』11章(p.109)
 ・永倉・宮岡『解析演習ハンドブック[1変数関数編]』5.1.1(p.170)
 ・青本『微分と積分1』§1.4(c)注意1.5.2(p.37)

[文献-論理]
 ●本橋『新しい論理序説』5.3例5(pp.93-97)
 ・齋藤『日本語から記号論理へ』3章§5 (pp.144-5)
 ・高崎金久『数 理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】








→1変数関数 の連続定義 
→トピック一覧:1変数連続関 数 


ε−δ論法による厳密な「連続」定義 ― 近傍概念を用いた表現 

「区間Iで 定義されている関数f が
   《区間I上 の点》x0で連続であるcontinuous at x0」  とは、 

  点 f (x0)のどのε近傍Uε( f(x0) )に対してであっても、

     それに応じて、点x0のδ近傍Uδ(x0)をうまく選んで、
 
       「 f ( Uδ(x0) ∩I ) ⊂ Uε( f(x0) ) 」

       を成り立たせることができる

   ∀Uε( f(x0) )  ∃Uδ(x0)  ( f ( Uδ(x0) ∩I ) ⊂Uε( f(x0) ) ) 
   for each ε-neighborhood of f (x0) , there exists a δ-neighborhood of x0 such that  f ( Uδ(x0) ∩I ) ⊂Uε( f(x0) )  [Fischer,p.240] 
   ということ、
 
 すなわち、

  任意の正の実数εに対して、それに応じて、正の実数δをうまく選ぶと、
 
        「 f ( Uδ(x0) ∩I ) ⊂ Uε( f(x0) ) 」 すなわち 「 x∈Uδ(x0)  ∩I ならば、 f (x)∈ Uε( f(x0) ) 」

   を成り立たせることが出来る

        ∀ε>0  ∃δ>0  ( f ( Uδ(x0) ∩I ) ⊂ Uε( f(x0) ) )  
        ∀ε>0  ∃δ>0  ( x∈Uδ(x0) ∩I ならば、 f (x)∈ Uε( f(x0) ) )  
 ということ。

  cf. 右連続/左連続

※「x→x0 の ときf(x)が収束する」の定義との違い
     連続:任意の〜に対して、〜を満た す点x0のδ近傍 Uδ(x0) が存在すること
     極限:任意の〜に対して、〜を満た す点x0の除外δ近傍 U*δ(x0) が存在すること
     つまり、関数の極限では、x=x0を除外して考えた。 




[文献]
 ・杉浦『解析入門I』定義5,命題6.5c(p.55):ベクトル値関数一般。近傍が定義域の部分集合になってないケースも考慮。
 ・笠原『微分積分学』1.5連続関数(p.29)
 ・Fischer, Intermediate Real Analysis, ChapterVI.1.Definition (p.240)
 ・瀬山『「無限と連続の数学」−微分 積分学の基礎理論案内』定義4.1.4 (p.92)
 ・高崎金久『数 理論理学入門』V. 述語論理の意味論-1.4 量化子の使い方-最後の【例】




 


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