位相空間から位相空間への連続写像トピック一覧  

 ・連続性の定義点での連続性/連続写像/ 同相写像同相位相・同型 
 
連続写像の性質合成写像の連続性点列の収束との関連  

位相空間の間の連続写像の具体例:1変数関数の連続性/2変数関数の連続性/ n変数関数の連続性/実数値関数の連続性/
                  ベクトル値関数の連続性/距離空間から距離空間への連続写像 
 
総目次

定義:位相空間から位相空間への写像が点Aで連続continuous, stetig

写像の
設定

X : 集合
Y
: 集合
fXY」:集合Xから集合Yへの写像 
x 集合X  
f (x) 写像f による『集合X xの像。集合Y に属す

cf.連続写像
*具体例:1変数関数/2変数関数/ n変数関数/実数値関数/ベクトル値関数/距離空間から距離空間への写像
[文献]
岩波数学辞典(第三版)』項目14G (p.25).
斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.3.1 -3(p.114);
松坂『集合・位相入門』4章§4A(p.178);
神谷浦井『経済学のための数学入門』定義4.5.2(pp.148-152)
岡田『経済学・経営学のための数学』定義4.11(p.169)

位相の
設定

集合X,Yに位相が与えられており
X,Y位相空間として扱われるものとする。
つまり、
集合
X,Yそれぞれに、
それぞれの
開集合系閉集合系近傍系閉包作用素開核作用素
が与えられているものとする。   

定義1

写像fXY』が、点x Xで連続であるcontinuous」とは、
 「『
X上の点xfY上に写した像 f (x )」のどんな「Yにおける近傍UY (f (x ))」に対してでも、
  ある「『
X上の点x』の『Xにおける近傍UX (x )』」が存在して、
     
f ( UX(x ) ) UY (f (x )) 
  を満たす
 ことをいう。  
この定義を、
論理記号で表せば、
UY (f (x )))(UX(x ))( f ( UX(x ) ) UY (f (x ))  
となる。

定義2

写像fXY』が、点x Xで連続であるcontinuous」とは、
 「『
X上の点xfY上に写した像 f (x )」の
   
任意のYにおける近傍UY (f (x ))」の
     
fによる逆像 f-1(UY (f (x )))が、
 「『
X上の点x』の『Xにおける近傍UX (x )』」であること。 

定義1と定義2同値。証明→斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.3.3(p.114)

活用例

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定義:連続写像continuous mapping

写像の
設定

X : 集合
Y
: 集合
fXY」:集合Xから集合Yへの写像 
x 集合X  
f (x) 写像f による『集合X xの像。集合Y に属す

cf.点での連続性
一様連続性
1変数関数の区間連続性 

[文献]
岩波数学辞典(第三版)』項目14G (p.25).
斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.3.6(p.115);4.3.9(p.116);
松坂『
集合・位相入門』4章§4A定理18(pp.175-6);
志賀『
位相への3025(pp.173-5).

位相の
設定

集合X,Yに位相が与えられており
X,Y位相空間として扱われるものとする。
つまり、
集合
X,Yそれぞれに、
それぞれの
開集合系閉集合系近傍系閉包作用素開核作用素
が与えられているものとする。 
集合
Xに与えられた開集合系閉集合系OX , FX で表し、
集合
Xに与えられた「xX近傍系」をUX (x )で表し、 
集合
Yに与えられた開集合系閉集合系OY , FY で表し、 
集合
Yに与えられた「yY近傍系」をUY (y )で表す
ものとする。

定義

写像fXY』が連続写像である」とは、
互いに
同値な以下の命題を指す。

 

命題1近傍の観点から 
写像fXY』が、Xに属す全てので連続である。
すなわち、
任意のX上の点xfY上に写した像f (x)」の任意のYにおける近傍UY (f(x))」の fによる逆像 f-1(UY(f (x)))が、「『X上の点x』の『Xにおける近傍UX (x )』」となる。 
 つまり、
xX)(UY ( f (x ) )UY ( f (x ) ) )( f-1 ( UY ( f (x ) )UX (x )  
命題2開集合の観点から 
 
すべてのY開集合OYにたいして、OY fによる逆像 f-1( OY )が「X開集合」となる。
  
論理記号で表すと、OYOY )( f-1 ( OY )OX  
命題3閉集合の観点から  
 
すべてのY閉集合FYにたいして、FY fによる逆像 f-1( FY )が「X閉集合」となる。
  
論理記号で表すと、FYFY )( f-1 ( FY )FX  
命題4閉包の観点から 
 
X部分集合Aに対し、
  
A(X上定義された)閉包[A]fY上に写した像 f ( [A] )は、
   
AfY上に写した像(Y上定義された)閉包 [ f (A ) ] 
       に
含まれる
 
AX)( f ([A]) [f (A )]
   

証明

命題1-4が同値であることの証明
 →斉藤『
数学の基礎:集合・数・位相4.3.6(p.115);4.3.9(p.116);
  松坂『
集合・位相入門』4章§4A定理18(pp.175-6);
  志賀『
位相への3025(pp.173-5)

     

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セブンアンドワイ

定理:合成写像compositionの連続性

要旨

二つの連続写像合成写像連続写像

 

写像の
設定

X,Y,Z : 集合
fXY」:集合Xから集合Yへの写像 
gYZ」:集合Yから集合Zへの写像 
x 集合X  
f (x ) 写像f による『集合X xの像。集合Y に属す

[文献]
岩波数学辞典(第三版)』項目14G (p.25).
斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.3.4(p.114):証明付;4.3.8(p.115);

位相の
設定

集合X,Y,Zに位相が与えられており
X,Y,Z位相空間として扱われるものとする。
つまり、
集合
X,Y,Zそれぞれに、
それぞれの
開集合系閉集合系近傍系閉包作用素開核作用素
が与えられているものとする。   

定理1

写像fXY」がx Xで連続かつ写像gYZ」がf (x )Yで連続ならば
合成写像gfXZ 」はxXで連続

定理2

写像fXY」が連続写像かつ写像gYZ」が連続写像ならば
合成写像gfXZ 」は連続写像

具体例

1変数関数の合成関数の連続性/ベクトル値関数の合成関数の連続性
距離空間のあいだの合成写像の連続性/位相空間のあいだの写像の合成写像の連続性

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定理:連続写像と点列 

要旨

位相空間から位相空間への写像では、
連続性を、収束点列の像収束で言いかえることが
できるとは限らない。

1変数関数の連続性の、数列の収束への言い換え
2変数関数の連続性の、点列・数列の収束への言い換え

n変数関数の連続の、点列・数列の収束への言い換え
距離空間のあいだの写像の連続性の、点列の収束への言い換え
[文献]
斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.4.5(p.124);4.2.9(p.113);
神谷浦井『経済学のための数学入門』定理4.5.1 (p.1542)

写像の
設定

X,Y,Z : 集合
fXY」:集合Xから集合Yへの写像 
gYZ」:集合Yから集合Zへの写像 
x 集合X  
f (x ) 写像f による『集合X xの像
     集合
Y に属す

位相の
設定

集合X,Y,Zに位相が与えられており
X,Y,Z位相空間として扱われるものとする。
つまり、
集合
X,Y,Zそれぞれに、
それぞれの
開集合系閉集合系近傍系閉包作用素開核作用素
が与えられているものとする。   

定理

次の命題P,命題Qは一般に同値とはいえない。
命題P写像fXY」がx Xで連続
命題Qどんな「X上の点列」{P1,P2,P3,…}についてであれ、  
     その
点列P1 , P2 , P3 ,…}が xX収束する限り
      その
点列の各項P1, P2, P3,…を写像f によりY上に写した像点列f (P1 ), f (P2 ), f (P3 ),…}は、
        
xX写像f によりY上に写した像f (x )収束する。 
※「命題P命題Q」となるのは、
  
Xが局所可算型の(第1可算公理を満たす)位相空間[→斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.2.9(p.113)]
  であるとき。[斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.4.5(p.124)]

活用例

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定義:同相写像homeomorphism・位相写像topological mapping、同相・位相同型homeomorphic

写像の
設定

X : 集合
Y
: 集合
fXY」:集合Xから集合Yへの写像 
x 集合X  
f (x) 写像f による『集合X xの像。集合Y に属す

[文献]
岩波数学辞典(第三版)』項目14G (p.25).
斉藤『数学の基礎:集合・数・位相4.3.10(p.116);
松坂『
集合・位相入門』4章§4D(p.183);
志賀『位相への3025講位相空間(p.175)
岡田『
経済学・経営学のための数学』定義4.12(p.170)

位相の
設定

集合X,Yに位相が与えられており
X,Y位相空間として扱われるものとする。
つまり、
集合
X,Yそれぞれに、
それぞれの
開集合系閉集合系近傍系閉包作用素開核作用素
が与えられているものとする。   

定義1

写像f位相空間Xから位相空間Yへの同相写像である」
とは、
 
写像fXY」が全単射であり、
 
かつ
 
写像fXY」が連続であり、
 
かつ
 
f の逆写像f1YX」が連続である
ことを指す。

定義2

位相空間X位相空間Y同相位相同型である」
とは、
位相空間Xから位相空間Yへの同相写像が存在することを言う。 

 

関連事項:

     

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reference

岩波数学辞典(第三版)』項目14位相空間G連続写像 (p.25).

神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、pp.148-160.

斉藤正彦『数学の基礎:集合・数・位相』東大出版会、2002年。5章§4距離空間-一様連続写像5.4.1 (p.167);
松坂和夫『集合・位相入門』岩波書店、1968年。第4章§4連続写像D(p.183);
志賀浩二『位相への30』朝倉書店、1988年、第25講位相空間(pp.175-6)

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