「代用ばれん・バレン」について

バレンは、和紙をワラビのデンプン糊で貼り合わせた当て皮・竹皮を細く裂いて編んだ縄、
の組み合わせです。それ以外の「バレン(代用)」について、調べてみました。

当て皮 縄(芯)
ボール紙(紙)
合板(木)
プラスチック(合成樹脂)
アルミ板(金属)など
紙紐(紙)
たこ糸(木綿)
針金(金属)
玉鎖(金属)など
一体型(プラスチック)

縄に用いる紙紐、たこ糸は編み上げてから、ラッカーやニスなどを含侵・硬化させます。
当皮は、いろいろなものを円くして使いますが、内側はやや凸状にしてから用います。
一体型は、合成樹脂を型に流して作ります。当皮と縄は一体に出来ており、
竹皮には包むことなく使うことができます。
合板を、当皮状にくりぬいた代用の当皮は、私(五所)が考案したものです

ボールバレン各種

ボールバレンは、金属の球を回転するように埋め込んで、用紙の上を球が廻ることで摺りあげるのです。
竹皮には包みません。版画家・由木 礼さんの考案です。


代用バレンは、やはり手間をかけたものは使い良くなります。そして、手間は値段に反映します。
そして、充分に木版画を知っている人、「本バレン」を使っている人、「本バレン」を使って

木版画を作っている人、こういう人の作っているものは、まちがいありません。
つまり、代用バレンは、材料が代用品であるだけで、「本バレン」の機能は、受け継いでいなくてはなりません。
この機能は、単に姿・形を「バレン」に似せても、伴いませんので、
やはり使っている人の
実感からの裏付けは、重要な意味を持つでしよう。
しかし、「代用」とはいえ手間を掛けすぎると、本バレンの値段に近くなります。
代用ながら高価な物なら本バレンで充分です。
私の考えでは、安価な代用バレンで使い良い物もあります。
ただし、使い心地について違いが解らなくてはなりません。
その点について自信が無ければ、最良の方法は本バレンを使うことで、
何の不安も無く摺りに集中できます。

いつかは本バレンを手にして、摺り心地を味わい、摺りの効果を楽しみましよう。
それでこそ、代用の意味も理解できると思います。

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