「新聞記事による自己紹介」
「後世に伝えよう」
「江戸時代の木版画技術」
「まずバレン作りに挑戦」
(私の紹介はさておき、とてもよくまとめられていますので、全文を記します。一部、価格など旧い部分は省略しています。記事の後日談、イノシシのキバ、ワラビ粉、バレンソウなどについては、面白いお話がありますので、いずれ改訂の際には、紹介する予定です。)
[木版画を摺る時。版木にあてた紙の上をこするバレン。
入間市の版画家五所 菊雄さんは、本物の竹皮を使ったバレン作りの技法を守る傍ら、江戸時代の浮世絵摺り師たちが編み出した木版画技術を後世に伝えるため、木版画の材料や道具、技法の解説書出版を計画している。
手始めに昔の摺り師たちと同じ技法でバレン作りに挑戦、「バレンのルーツを探り当てたい」と、協力を呼びかけている。
五所さんは福岡県出身。國學院大學在学中から木版画を始め、41年卒業後、東京・駒込の浮世絵摺り師の元で修業。現代版画を志し日本版画協会展へ出品したり、個展も開いている。
バレン作りは、名人と呼ばれた摺り師たちの技術を見よう見まねで覚えた。
コウゾを原料にした手すきの和紙・細川紙を、ワラビ粉とカキ渋で作ったのりで張り重ね、さらに本絹の絽(ろ)の上にうるしを塗り、バレンを握った時に手のひらが当たる皿型の当て皮を作る。
マダケの皮を細く裂き、より合わせながら編んだひもを渦巻き状に当て皮の中に収め、竹皮で丸く包んで直径十三センチほどのバレンに仕上げる。
普通に市販されている、たこ糸やボール紙を使った代用バレンが同じ大きさで三千二百円〜一万円なのに、編んだ竹皮をしんにした本バレンは画材店で・・・円もする。
摺り師によると、竹皮の包みを替えれば一生使え、機能は代用バレンの比ではないという。五所さんのバレンは芸大に毎年収められているほか、専門書を見たプロの版画家たちからも時折、注文が舞い込んでいる。
「いい素材を使って、昔ながらに手間をかけてやるのが一番いい。歌麿にしても、北斎にしても、これで世界に誇れる作品を生み出した」と五所さん。
「木版画(材料・道具・技法)事典」(仮名)出版はまだ構想の段階だが、動植物、化学、美術、言語など版画にかかわる千冊以上の本や、中国のバレン、はけなども集まった。
五所さんは「春信から二百年たつが、技術は江戸時代に完成していた。
先人の知恵が編み出した技法を一度は試してみたい」といい、バレンの語源になったといわれるバレンソウ(別名ネジアヤメ)、竹皮をなめすのに使ったイノシシのキバ、純粋のワラビ粉を探している。]
(後日談・その一 「本」作りは、出版社難、資金難、で未だに!・・・出版社募集中!)
ついに自費出版となりました。「木版画の世界」として2009年11月に発刊です。
(後日談・その二 イノシシのキバ・・・)
猪の牙が、手に入りました。私の担当する「NHK川越文化センター」の木版画講座に群馬県高崎市から通う受講生の「小曾根武雄」さんが、私のこのHPをご覧になって知人の群馬県倉渕村の猟師さんへ問合せて下さいました。そうして写真のような猪の下あごを譲り受けることができました。
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(後日談・その三 ワラビ粉・・・工事中)
(後日談・その四 バレンソウ・・・工事中)