定義:べき関数(累乗関数) 〜指数を自然数に限定して |
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定義 |
・指数を自然数とする「冪(べき)関数」「累乗関数」とは、 自然数の定数nに対して、 R=(−∞,∞)もしくは「Rの部分集合」で定義された1変数関数 y=f (x)=xn のことをいう。 ※指数が自然数ではない「べき関数」「累乗関数」もつくれるが、 定義域はR=(−∞,∞)に設定できなくなる。性質もことなる。 →指数が正負の整数となる「べき関数」「累乗関数」 →指数が有理数となる「べき関数」「累乗関数」 →指数が実数となる「べき関数」「累乗関数」 [関連事項]自然数指数の指数法則 |
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グラフ |
[y=xn(aは自然数)のグラフの形状]nがいかなる自然数であったとしても、y=xn(nは自然数)のグラフは、(1,1)を通る。しかし、これ以外の特徴は、nが偶数であるか、奇数であるかによって、変わってくる。 ・nが偶数であるとき、y=xn(nは自然数)のグラフの形状は、 ・原点(0,0)でx軸に接する ・下に凸な ・R2上の放物線 であって、 (1,1),(0,0),(-1,+1)が、共通した通過点である。 ・nが3以上の奇数であるとき、y=xn(nは自然数)のグラフは、 「原点(0,0)でx軸に接する下に凸なR2上の放物線の右半分」 と 「原点(0,0)でx軸に接する上に凸なR2上の放物線の左半分」 とを、張り合わせた形状。 (1,1),(0,0),(-1,-1)が、共通した通過点となる。 |
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→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
自然数指数の冪関数(累乗関数)の増減 | |||||||||||
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→(-∞,∞)で定義された冪関数の増減 →[0,∞)で定義された冪関数の増減 |
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性質 |
・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xn は、 ・nが奇数ならば、(−∞,+∞)で狭義単調増加関数 ・nが偶数ならば、(−∞,+∞)で単調関数にならないが、 (−∞,0]で狭義単調減少関数、 [0,+∞)で狭義単調増加関数となる。 |
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図解 |
性質 |
・[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xn は、[0,+∞)で狭義単調増加関数 |
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図解 |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
自然数指数の冪関数(累乗関数)による値・像image | ||
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・ |
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※定義の確認→1変数関数による値・像の定義 |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
冪関数(累乗関数)の値域 | |||||||||||
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・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xn の値域は、 ・nが奇数ならば、R=(−∞,∞) ・nが偶数ならば、[0,∞) ・[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xn の値域は、nが奇数であろうが偶数であろうが、 [0,∞) 。 |
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→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
自然数指数の冪関数(累乗関数)の最大値・最小値 | ||
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・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xn は、 nが奇数ならば 最大値・最小値ともにもたない。 nが偶数ならば 最大値をもたないが、最小値は有していて、f(0)=0が最小値。 |
自然数指数の冪関数(累乗関数)は非有界 | ||
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・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xn は、有界でない。 ・細かく見ると、 ・nが奇数ならば、下に有界でなく、上にも有界でない。 ・nが偶数ならば、下に有界だが、上に有界ではないので、有界でない。 |
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→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
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自然数指数の冪関数(累乗関数)による逆像 | |||||||||||||||||||||
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→(-∞,∞)で定義された冪関数による逆像 ※限定した具体例→(-∞,∞)で定義されたy=x2による逆像/(-∞,∞)で定義されたy=x3による逆像 →[0,∞)で定義された冪関数による逆像→「累乗根」の定義,「1/自然数を指数とする累乗」の定義 ※限定した具体例→ √ / 3√ |
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[文献]・『岩波数学入門辞典』べき根(p.546)・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』2章1.指数の拡張-[累乗根](p.41)。 ・KIT数学ナビゲーション 上記2文献では、「(−∞,∞)で定義された累乗関数」y=f (x)=xn (nは自然数)による実数yの逆像をn乗根と呼び、 nが奇数のとき、一つしかない「実数yのn乗根」とを√yで表し、 nが偶数のとき、二つある「実数yのn乗根」の正の方を√yで表す、としている。 ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89):n乗根一般。 ・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113):n乗根一般。 ・赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。 上記文献では、 「[0,∞)で定義された累乗関数」y=f (x)=xn (nは自然数)による実数yの逆像に属す元を『正の実数』をn乗根と呼び、 √yで表す、としている。 ・斉藤正彦『数学の基礎:集合・数・位相』3章§1問題2(p.73) [解説:逆像〜単射〜逆関数]・左図からわかるように、「R=(−∞,∞)で定義された累乗関数」y=f (x)=xn (nは自然数) は、 nが奇数ならば、 Rの上への全単射となって、逆関数を有すが、 nが偶数ならば、単射にならないので、逆関数を有しない。 |
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[累乗根の定義、1/自然数を指数とする累乗の定義] |
[解説:逆像〜単射〜逆関数]・「[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn (nは自然数)」に関して、以下が成り立つ。 (i)任意の非負の実数yに対して、 yのfによる逆像 f−1(y)は、「1個の『非負の実数』のみが属す一元集合」となる。 (ii)任意の負の実数yに対して、 yのfによる逆像 f−1(y)は、空集合。 つまり、「[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn (nは自然数)」は、 つねに、単射。 したがって、「[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn (nは自然数)」には、 つねに、逆関数が存在する。 [累乗根の定義]・「[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn(nは自然数)」は単射だから、任意の正の実数yにたいして、 「正の実数yの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn(nは自然数)』による逆像」f−1(y)は、 「1個の『正の実数』のみが属す一元集合」となるが、 この一元集合f−1(y) に唯一つ属す『正の実数』を、
※活用例:有理数指数の冪と指数法則/有理数指数の冪関数 ・「[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn(nは自然数)」の逆関数「[0,∞)で定義された1変数関数x=f-1(y)」を、
※累乗根を限定した具体例→ √ / 3√ / n√ |
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・「正の実数yの『[0,∞)で定義された累乗関数 y=f (x)=xn(nは自然数)』による逆像」 f−1(y) には、 |
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1個の『正の実数』のみが属すが、 この 「 f -1(y)に唯一つ属す『正の実数』」を、 「実数yのn乗根」と呼び、
・つまり、 任意の正の実数y,任意の自然数n 、[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn に対して、
・要するに、
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※活用例:分数を指数とする累乗の定義/有理数指数の冪と指数法則/有理数指数の冪関数 |
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[2乗根の略記法]
[1乗根の性質]
※なぜ? 左辺は「正の実数yの 『[0,∞)で定義された累乗関数 y=f (x)=x』 による逆像」f−1(y) だが、 グラフを見ると、「正の実数yの『[0,∞)で定義された累乗関数 y=f (x)=x』 による逆像」f−1(y) =y だとわかる。
[1の累乗根の性質]
※なぜ? 任意の自然数nに対して、[0,∞)で定義されたy=f (x)=xnは、1=f(1)=1n=1 を満たすから、 任意の自然数nに対して、「1の 『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』 による逆像」f−1(1)=1。 |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
累乗根(べき根)の性質 |
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要約 |
[性質0-1]
任意の正の実数a,自然数n に対して、a=(a1/n)n ※なぜ?→説明 [性質0-2]
任意の正の実数a,自然数n に対して、a=(an)1/n ※なぜ?→説明 [性質1]
正の実数a,b,自然数n に対して、 (ab)1/n = a1/n b1/n ・つまり、「積の累乗根」と「累乗根の積」が一致するという意味で、 積と累乗根の順序は入れ替え可能。 ※なぜ?→説明 [性質2]
(a/b)1/n = (a1/n)/(b1/n) [性質3]・正の実数a,自然数n,m に対して、
(a1/n)1/m = a1/mn ※なぜ?→説明 |
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性質0-1 |
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[文献]・吉田栗田戸田『数学I』p.53:平方根のケースで。 |
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※なぜ? ・累乗根の定義より、
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平たく言うと、「a=xn かつ x≧0」を満たす唯一の実数xのこと を、そもそも表していた。 だから、この記号の意味に立ち返ると、
※ここでやっている操作は、 「正の実数aの『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』による逆像」 の『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』による像 f ( f-1(a)) をとることに他ならない。[→逆像の像] [→赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(pp.198)で指摘] |
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→[累乗根の性質に戻る] |
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性質0-2 |
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※なぜ?[step0:累乗関数と累乗根の性質の確認]・任意の自然数n に対して、『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』は、 単射であって、[0,∞)を値域とする。…(0-1) ・任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、 yは「『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』の値域」[0,∞)に属しているから、 (0-1)より、 yの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』による逆像 f-1(y)={x∈[0,∞)|y=f (x)}は、
つまり、 任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、
・このことは、
ことを意味している。 …(0-3) |
[左記step0の図解] ![]() |
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[step1:累乗関数と累乗根の性質からanの累乗根について言えること]・任意の正の実数a,任意の自然数n に対して、an=aa…a>0 …(1-1)∵ a>0であって、an=aa…aだから、実数 の積の正負の性質より。 ・(0-2)と、(1-1)より、 任意の正の実数a、任意の自然数nに対して、 「anの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』による逆像」f-1(an)={x∈[0,∞)|an=f (x)}
・このことは、
ことを意味している。 …(1-3) |
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[step2]・任意の正の実数a,任意の自然数n に対して、 anは「正の実数aの『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』による像」 である。 つまり、an=f ( a) …(2-1) ・(2-1)と、 「anの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn 』による逆像」の定義 f−1(an)={x∈[0,∞)|an=f ( x)} から、 任意の正の実数a,任意の自然数n に対して、 aは「anの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn 』による逆像」f−1(an) に属す a ∈ f−1(an) と言える。 …(2-2) |
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[step3:結論]・任意の正の実数a、自然数n に対して、aは、[0,∞)上に存在して、[∵aは正の実数としたのだから] 「anの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn 』による逆像」f−1(an) に属す [∵(2-2)] ・つまり、 任意の正の実数a、自然数n に対して、 a ∈ [0,∞) であって、 a ∈ f−1(an) …(3) ・ところが、(1-2)(1-3)で明らかにされたように、
つまり、任意の正の実数a、任意の自然数nに対して、 「anの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』による逆像」f−1(an) に属すのは、
は存在しない。 ・したがって、 (1-2)(1-3)で明らかになったこの事実と、(3)から、
[補足]・任意の正の実数a,任意の自然数n に対して、anは「正の実数aの『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』による像」 である。 つまり、an=f ( a) ・累乗根の定義より、
・つまり、ここでやっている操作は、 「正の実数aの『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』による像」 の『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』による逆像 f-1( f ( a) ) をとることに他ならない。[→像の逆像] [→赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(pp.198)で指摘] ・一般には、「{a}= f-1( f ( a) )」とはならないが、 『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』は、[0,∞)の上への全単射なので、 {a} = f-1( f (a) ) となる[→像の逆像の性質]。 ※「{a}= f-1( f ( a) )」とはならない場合を確認したいならば、 [0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn (nは自然数)の代わりに、 「Rで定義された累乗関数」y=f (x)=xn(nは偶数)を使えばよい。 任意の正の実数a,任意の偶数n に対して、 {a, -a}= f-1( f ( a) ) となることがわかるだろう。 →[累乗根の性質に戻る] |
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性質1 |
・任意の正の実数a,b,自然数n に対して、
正の実数a,b,自然数n に対して、 (ab)1/n = a1/n b1/n ・つまり、「積の累乗根」と「累乗根の積」が一致するという意味で、 積と累乗根の順序は入れ替え可能。 |
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※なぜ?[step0:累乗関数と累乗根の性質の確認]・任意の自然数n に対して、 『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』は、 単射であって、[0,∞)を値域とする。…(0-1) ・任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、 yは「『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』の値域」[0,∞)に属しているから、 (0-1)より、 yの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』による逆像 f-1(y)は、
・このことは、
ことを意味している。 …(0-3) |
[左記step0の図解] ![]() |
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[step1:累乗関数と累乗根の性質からabの累乗根について言えること]・実数 の積の正負の性質より、 任意の正の実数a,bに対して、 ab>0 …(1-1) ・(0-2)と、(1-1)より、 任意の正の実数a,b、任意の自然数nに対して、 abの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』による逆像 f-1(ab)は、
・このことは、
ことを意味している。 …(1-3) |
[左記step1の図解]![]() |
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[step2:指数法則から言えること]・任意の正の実数a,b,自然数n に対して、
・要するに、
・このことは、 任意の正の実数a,b、自然数n に対して、
[step3]・任意の正の実数a,b、自然数n に対して、
・任意の正の実数a,b、自然数n に対して、
・このことは、
| [左記step2〜step3の図解] ![]() |
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[step4:結論]・任意の正の実数a,b、自然数n に対して、
・つまり、任意の正の実数a,b、自然数n に対して、
・ところが、(1-2)(1-3)で明らかにされたように、
「abの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn 』による逆像」f−1(ab)に属すのは、
・したがって、 (1-2)(1-3)で明らかになったこの事実と、(4)から、
→[累乗根の性質に戻る] |
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性質2 |
正の実数a,b,自然数n に対して、
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[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1補題(ii)(p.205):証明なし。・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』啓林館、2章1指数の拡張(p.41):証明なし。いきなり「累乗根について次のことが成り立つ」. |
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性質3 |
・正の実数a,自然数n,m に対して、
(a1/n)1/m = a1/mn |
[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1補題(iii)(p.205):証明つき。・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』啓林館、2章1指数の拡張(p.41):証明なし。いきなり「累乗根について次のことが成り立つ」. |
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※なぜ?[step0:累乗関数と累乗根の性質の確認]・任意の自然数n に対して、『[0,∞)で定義された累乗関数y=f (x)=xn 』は、 単射であって、[0,∞)を値域とする。…(0-1) ・任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、 yは「『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』の値域」[0,∞)に属しているから、 (0-1)より、 「yの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xn』による逆像」 f-1(y)={x∈[0,∞)|y=f (x)} は、
つまり、 任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、
・このことは、
ことを意味している。 …(0-3) |
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[step1:累乗関数と累乗根の性質からaの累乗根について言えること]・任意の正の実数a、任意の自然数m,nに対して、mnは自然数になるから、(0-2)より、 「aの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xmn』による逆像」 f−1(a)={x∈[0,∞)|a=f (x)} は、
・このことは、
ことを意味している。 …(1-3) |
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[step2:指数法則から言えること]・任意の正の実数a,自然数m,n に対して、
・要するに、
任意の正の実数a、任意の自然数m,n に対して
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[step3]・任意の正の実数a、任意の自然数n に対して
・任意の正の実数a、自然数m,n に対して、 (0-2),(3-1)より、
・このことは、
[step4:結論]・任意の正の実数a、自然数m,n に対して、
・つまり、任意の正の実数a、自然数m,n に対して、
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・ところが、(1-2)(1-3)で明らかにされたように、
任意の正の実数a、自然数m,n に対して、 「aの『[0,∞)で定義されたy=f (x)=xmn 』による逆像」f−1(a)に属すのは、
・したがって、 (1-2)(1-3)で明らかになったこの事実と、(4)から、 任意の正の実数a、自然数m,n に対して、
→[累乗根の性質に戻る] |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
正の分数を指数とする累乗の定義、「『冪関数による像』の冪関数による逆像」としての「n乗のm乗根」 |
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定義 |
・正の実数a,自然数m,自然数nに対して、 「aの(m/n)乗」am/n とは、「『aのm乗』のn乗根」のことを指す。 ・すなわち、
・am/nの性質:約分に対して不変 /am/n=(am)1/n=(a1/n)m |
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解説 |
・そもそも、「am/n」が表す
n乗根の定義まで遡って、捉えかえしてみると・・・ [step0:設定]
・[0,∞)で定義された冪関数y=f(x)=xm (mは自然数)のグラフ ・[0,∞)で定義された冪関数y=g(x)=xn (nは自然数)のグラフ を設置した下記平面のなかで、考えることができる。 |
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[step1:設定]
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[step2: amが指すこと]
下図のように、y軸上にプロットできる。 |
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[step3: amのn乗根が指すこと] |
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を指す記号だった。
を指す記号だ、ということになる。 ・ところが、step2で見たように、 amは、冪関数f によるaの像 f(a)として、平面上にその位置を与えられたのだった。 ・このことも加味すると、
g-1( f(a) ) に唯一属す『正の実数』に他ならない。 ・したがって、
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→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
「n乗のm乗根」「正の分数を指数とする累乗」の性質 |
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累乗根の以下の性質は、有理数指数の累乗、有理数指数の指数法則を基礎付ける。 |
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1. |
・任意の正の実数a,任意の自然数m,n,tに対して、
・分数を指数とする累乗を用いて言い直すと、 任意の正の実数a,任意の自然数m,n,tに対して、am/n = a (mt)/(nt) ・つまり、 正の分数を指数とする累乗は、 指数として使われている分数の約分に関して不変。 ※なぜ?→証明 |
[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1定理7.1.1:証明つき。 |
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2. |
・正の実数a,自然数m,n,r,s に
対して、
任意の正の実数a,任意の自然数m,n,r,s に対して、 m/n=r/s ならば、 am/n = ar/s ・つまり、 正の有理数指数の累乗は、 有理数の分数としての表し方によらず、一意。 ※なぜ? ・1.より、任意の正の実数a,任意の自然数m,n,r,s に 対して、
・上記2点より、 任意の正の実数a,任意の自然数m,n,r,s に 対して、
→[n乗のm乗根の性質冒頭へ戻る] |
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3. |
・任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、 am/n = (am)1/n = (a1/n)m ・つまり、 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
→[n乗のm乗根の性質冒頭へ戻る] |
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※なぜ?[step0:累乗関数と累乗根の性質の確認]・任意の自然数n に対して、『[0,∞)で定義された累乗関数y=f(x)=xn 』は、 単射であって、[0,∞)を値域とする。…(0-1) ・任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、 yは「『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』の値域」[0,∞)に属しているから、 (0-1)より、 yの『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』による逆像 f-1(y)={x∈[0,∞)|y=f (x)}は、
つまり、 任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、
・このことは、
ことを意味している。 …(0-3) |
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[step1:累乗関数と累乗根の性質からamの累乗根について言えること]・任意の正の実数a,任意の自然数mに対して、am=aa…a>0 …(1-1) ∵ a>0であって、am=aa…aだから、実数 の積の正負の性質より。 ・(0-2)と(1-1)より、 任意の正の実数a、任意の自然数nに対して、 「amの『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』による逆像」 f−1(am)={x∈[0,∞)|am=f(x)} は、
・このことは、
ことを意味している。 …(1-3) |
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[step2:指数法則から言えること]・任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
・このことは、 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
[step3]・任意の正の実数a、任意の自然数n に対して
・(3-1)と実数 の積の正負の性質より、
・このことは、
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![]() |
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[step4:結論]
・つまり、任意の正の実数a、任意の自然数m,nに対して、
・ところが、(1-2)(1-3)で明らかにされたように、
つまり、任意の正の実数a、任意の自然数m,nに対して、 「amの『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』による逆像」f−1(am)に属すのは、
は存在しない。 ・したがって、 (1-2)(1-3)で明らかになったこの事実と、(3)から、
→[n乗のm乗根の性質冒頭] |
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[以下は、初期の草稿] ※なぜ? [step0:設定の把握]
下図のように、関係づけられた(→「『aのm乗』のn乗根」の説明)。 ![]() [step1] 累乗根の性質0より、
![]() [step2] 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
![]() [step3] 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
![]() |
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→[「n乗のm乗根」「分数を指数とする累乗」の性質へ戻る]
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1の証明 |
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証明したい命題の確認・正の実数a,自然数m,n,tに対して、
step0 : 設定の把握
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左辺 | ![]() |
am | (a:正の実数,m,n:自然数) は、 |
ここで、 | ![]() |
am | (a:正の実数,m,n:自然数) を、bで表すことにする。 |
つまり、b = | ![]() |
am | (a:正の実数,m,n:自然数)…(1) |
amt=bnt ならば、 | b = | nt | amt |
(1)のもとで、 | b = | nt | amt | が成立することになる。…(4) |
(4)より、b = | ![]() |
am | のもとで、b= | nt |
amt | が成立するというのだから、 |
b = | ![]() |
am | のもとで、 |
b = | ![]() |
am | = | nt |
amt |
![]() |
am | = | nt | amt |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
自然数指数の冪関数(累乗関数)と全単射 | ||
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→(-∞,∞)で定義された冪関数について、単射/全射/全単射を検討 →[ 0,∞)で定義された冪関数について、単射/全射/全単射を検討 →(-∞, 0)で定義された冪関数について、単射/全射/全単射を検討 |
※定義の確認→自然数指数の冪関数//1変数関数が単射/全射/全単射 ※具体例→y=xについて/y=x2について/y=x3について ※一般化→有理数指数の冪関数について/実数指数の冪関数について |
(-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について、単射/全射/全単射を検討 |
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→ 単射の検討 〜 (-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について。 → 全射の検討 〜 (-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について。 →全単射の検討 〜 (-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について。 →自然数指数の冪関数全般の単射/全射/全単射の検討に戻る |
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※(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」とは? | ||
[単射の検討〜(-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について]・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」y=f (x)=xa (aは自然数) は、 aが奇数ならば 単射。 aが偶数ならば 単射にならない。 |
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[全射の検討〜(-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について]・R=(−∞,∞)で定義された「べき関数」「累乗関数」y=f (x)=xa (aは自然数) は、 aが奇数ならば、Rの上への全射(値域がR=(−∞,∞)だから)。 aが偶数ならば、Rの上への全射ではないが、 [0,∞)の上への全射ではある。 |
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[全単射の検討〜(-∞,∞)で定義された自然数指数の冪関数について]・R=(−∞,∞)で定義された「べき関数」「累乗関数」y=f (x)=xa (aは自然数) は、 aが奇数ならば、 Rの上への全単射 ((−∞,+∞)で狭義単調、値域がR=(−∞,∞)だから)。 aが偶数ならば、全単射でない(単射にならない)。 |
[0,∞)で定義された自然数指数の冪関数について、単射/全射/全単射を検討 |
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→ 単射の検討 〜 [0,∞)で定義された自然数指数の冪関数について。 → 全射の検討 〜 [0,∞)で定義された自然数指数の冪関数について。 →全単射の検討 〜 [0,∞)で定義された自然数指数の冪関数について。 →自然数指数の冪関数全般の単射/全射/全単射の検討に戻る |
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[単射の検討〜[0,∞)で定義された自然数指数の冪関数について]・[0,∞)で定義された「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa (aは自然数) は、aが奇数でも偶数でも、 単射になる。 |
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[全射の検討〜[0,∞)で定義された自然数指数の冪関数と]・[0,∞)で定義された「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa (aは自然数) は、aが奇数でも偶数でも、Rの上への全射ではないが、 [0,∞)の上への全射ではある。 |
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[全単射の検討〜[0,∞)で定義された自然数指数の冪関数と]・[0,∞)で定義された「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa (aは自然数) は、aが奇数でも偶数でも、[0,∞)の上への全単射。(Rの上への全単射ではない) |
(−∞,0]で定義された自然数指数の冪関数について、単射/全射/全単射を検討 |
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[単射の検討]・(−∞,0]で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa は、aが奇数でも偶数でも、 単射になる((−∞,0]で狭義単調だから[→証明])。 [全射の検討]・(−∞,0]で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa は、 aが奇数ならば、Rの上への全射ではないが、(−∞,0]の上への全射 aが偶数ならば、Rの上への全射ではないが、[0,∞)の上への全射。 [全単射の検討]・(−∞,0]で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa は、 aが奇数ならば、(−∞,0]の上への全単射。(Rの上への全単射ではない) aが偶数ならば、[0,∞)の上への全単射。(Rの上への全単射ではない) |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
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自然数指数の冪関数(累乗関数)の逆関数 べき根radical root(累乗根)の定義 |
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→(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」について →[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」について |
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[1] |
(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」の逆関数について。[ベキ関数の逆関数の存在]・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」f (x)=xn (nは自然数) の逆関数は、 ・nが奇数ならば、存在する。 ・nが偶数ならば、存在しない。 ※なぜ? ・nが奇数ならば、 f (x)=xnは、R=(−∞,∞)で狭義単調関数であるから(∵)、 単射となって、(∵) 逆関数の存在が保証される(∵)。 実際、 |
[文献-タイプA:[0,∞)で定義されたべき関数による逆像が累乗根]・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);「巾関数」・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113):n乗根関数(n乗根の定義)も。 ・赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。 ・黒田『微分積分学』3.3.4-例3.18(p.107); [文献-タイプB:Rで定義されたべき関数による逆像が累乗根]・『基礎解析』p.40.・『岩波数学入門辞典』平方根(p.543)べき根(p.546) ※1変数関数の「逆関数(の存在)」定義 ※自然数指数の冪関数の逆関数の具体例:y=x3/y=x2/y=x/定数値関数 ※一般化された冪関数の逆関数: | |||||||||||||||||
・nが偶数な
らば、 f (x)=xnは単射にならないから、逆関数は存在しない(∵)。 |
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[ベキ関数の逆関数の定義域]・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」f (x)=xn のnが奇数であるとき(つまり、fに逆関数が存在するとき)、「f (x)=xn」の値域は、R=(−∞,∞)だから、 「f (x)=xn(nは奇数)」の逆関数 x=f-1(y)は、R=(−∞,∞)で定義される。 [ベキ関数の逆関数の表記]・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」 f (x)=xn のnが奇数であるとき(つまり、fに逆関数が存在するとき)、「実数yの『f (x)=xn の逆関数』による像」すなわち、「実数yの『f (x)=xn』による逆像」 f-1(y) は、
・したがって、 R=(−∞,∞)で定義された「f (x)=xn(nは奇数)」の逆関数 x=f-1(y) は、
[逆関数のグラフ]・ 「Dで定義された1変数関数y=f(x)の逆関数」x = f -1 (y)=『yの式』について、x,yを入れ替えて y =『xの式』 という形にするのが慣例。 この慣例にしたがうと、 R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 「f (x)=xn(nは奇数)」の逆関数 は、
・R=(−∞,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」 「f (x)=xn(nは奇数)」の逆関数 のグラフは、 x,yを入れ替えず、
x,yを入れ替えて、
[図] |
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[2] |
[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」について。[逆関数の存在]・[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「f (x)=xn (nは自然数)」の逆関数は、nが奇数でも偶数でも、存在する。 ※なぜ? [0,∞)で狭義単調だから、単射になって逆関数の存在が保証される(∵)。 |
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[逆関数の定義域]・[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」「f (x)=xn (nは自然数)」の値域は、[0,∞)だから、「f (x)=xn(nは自然数)」の逆関数 x=f-1(y)は、[0,∞)で定義される。 [逆関数の表記]・「正の実数yの『[0,∞)で定義されたf (x)=xn の逆関数』による像」すなわち、「正の実数yの『[0,∞)で定義されたf (x)=xn』による逆像」 f-1(y)
[0,∞)で定義されたf (x)=xnの逆関数 x=f-1(y) は、
[逆関数のグラフ]・[0,∞)で定義された自然数指数の「べき関数」「累乗関数」「f (x)=xn(nは自然数)」の逆関数 のグラフは、x,yを入れ替えず、
x,yを入れ替えて、
[図] |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
自然数指数の冪関数(累乗関数)の極限 | |||||||||||
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・R=(−∞,∞)で定義された「べき関数」 f (x)=xa (aは自然数) は、 どんな実数x0に対しても、 f(x)→ x0a (x→x0) ※なぜ? [step1] ・y=f1(x)=xの極限の性質より、 y=f1(x)= xは、 どんな実数x0に対しても、 f1(x)→x0 (x→x0)。 [step2] ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、 step1で得られた「f1(x)の極限値」より、 f1(x)2→x02 (x→x0) ・したがって、f 2(x)=f1(x)2= x2は、 どんな実数x0に対しても、 f2(x)→x02(x→x0) 。 [step3] ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、 step1で得られた「f1(x)= xの極限値」, step2で得られた「f2(x)= x2の極限値」より、 f 3(x)=f1(x)f2(x)= x3は、 どんな実数x0に対しても、 f3(x)→x03(x→x0) 。 [step4] ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、 step1で得られた「f1(x)= xの極限値」, step3で得られた「f3(x)= x3の極限値」より、 f 4(x)=f1(x)f3(x)= x4は、 どんな実数x0に対しても、 f4(x)→x04(x→x0) 。 : [step a] ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、 step1で得られた「f1(x)= xの極限値」, step(a-1)で得られた「fa-1(x)= xa-1の極限値」より、 f a(x)=f1(x)fa-1(x)= xaは、 どんな実数x0に対しても、 fa(x)→x0a(x→x0) 。 |
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→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
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自然数指数の冪関数(累乗関数)の連続性 | ||
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・R=(−∞,∞)で定義された「べき関数」 f (x)=xa (aは自然数) は、 R=(−∞,∞)上の連続関数。 ※なぜ? ・f (x)=xaという定義より、どんな実数x0に対しても、f(x0)=x0a ・f (x)=xaの極限の性質より、どんな実数x0に対しても、f(x)→ x0a (x→x0) ・以上二点より、どんな実数x0に対しても、 f(x)→f(x0) (x→x0) つまり、R=(−∞,∞)で定義された「べき関数」 f (x)=xa (aは自然数) は、 どんな実数x0においても、連続性の定義を満たす。 したがって、 R=(−∞,∞)で定義された「べき関数」 f (x)=xa (aは自然数) は、 R=(−∞,∞)上の連続関数。 |
[文献-自然数を指数とするべき関数]・赤攝也『実数論講義』§6.5定理6.5.1(p.187):。[以下未確認] ・黒田『微分積分学』3.3.2-例3.16(p.102):「任意の多項式はRで連続」。 →証明:定数値関数の連続性・y=f(x)=xの連続性、連続関数の和積定数倍も連続 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.2.7(p.115):多項式一般。 ・証明:多項式関数の極限の性質より。 ・小林昭七『微分積分読本:1変数』第2章-1(p.38):多項式一般。証明: →証明:定数値関数の連続性・y=f(x)=xの連続性、連続関数の和積も連続 ※1変数連続関数の定義 ※1変数関数の具体例の連続性: 定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数 指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数 |
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