定義:べき関数(累乗関数) 〜指数を整数に限定して |
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・指数を整数とする「べき関数」「累乗関数」とは、 整数の定数zに対して、 「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」 R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された1変数関数 f (x)=xz のことをいう。 ・なお、 ・指数zが自然数のとき、f (x)=xz は、 自然数を指数とする「べき関数」と同一、 ・指数z=0のとき、f (x)=xz =x0 =1 ・指数z=−1のとき、f (x)=xz=x-1=1/x ・指数z=−2のとき、f (x)=xz=x-2=1/x2 ・指数z=−3のとき、f (x)=xz=x-3=1/x3 : : ・指数z=−b(bは自然数)のとき、f (x)=xa =x-b =1/(xb ) である。 ・R=(−∞,∞)で定義された対応f (x)=xz (zは整数)は、 一般に、関数の定義を満たさない。 なぜなら、zが負の整数であるとき、 x=0∈Rにおいて、 f(0)=1/0=φとなる(∵実数体の定義)から。 0を避けて、 指数を整数とする「べき関数」「累乗関数」の定義域 を設定する理由は、これ。 ※指数が整数ではない「べき関数」「累乗関数」もつくれるが、 性質もかわってくる。 →指数が有理数となる「べき関数」「累乗関数」 →指数が実数となる「べき関数」「累乗関数」 ※指数を、整数のなかでも、特に「正の整数」に限定した 「べき関数」「累乗関数」の性質は以下参照。 →指数が自然数となる「べき関数」「累乗関数」 [関連事項]整数指数の指数法則 |
[文献]・和達三樹『微分積分』(pp.20-21)。くわしくない。[図解] |
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整数指数の冪関数(累乗関数)の増減 | ||
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性質 |
・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」 R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された整数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa は、 ・aが正の奇数ならば、(−∞,0)∪(0, +∞)で狭義単調増加関数 ・aが正の偶数ならば、 (−∞,0)∪(0, +∞)で単調関数にならないが、 開区間(−∞,0)で狭義単調減少関数、 開区間(0, +∞)で狭義単調増加関数となる。 ・aが負の奇数ならば、 定義域全 体(−∞,0)∪(0, +∞)では単調減少ではないが、 開区間(−∞,0)で狭義単調減少、 開区間(0, +∞)でも、狭義単調減少 ・aが負の偶数ならば、 定義域全 体(−∞,0)∪(0, +∞)で単調関数にならないが、 開区間(−∞,0)で狭義単調増加関数、 開区間(0, +∞)で狭義単調減少関数となる。 |
[文献]?[関連事項]・整数指数の「べき関数」「累乗関数」の増減の具体例:→指数を自然数に限定した「べき関数」「累乗関数」の増減 ・整数指数の「べき関数」「累乗関数」の増減の一般化: →指数を有理数に拡張した「べき関数」「累乗関数」の増減 →指数を実数に拡張した「べき関数」「累乗関数」の増減 |
図解 |
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整数指数の冪関数(累乗関数)の値域 | ||
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性質 |
・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された整数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa (aは整数) の値域は、 ・aが奇数ならば、R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) ・aが偶数ならば、(0, +∞) ・a=0ならば、{1} |
[文献] ?
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図解 |
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整数指数の冪関数(累乗関数)の最大値・最小値 | ||
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・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された整数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa (aは整数) は、 最大値・最小値ともに持たない。 |
[文献]・ |
整数指数の冪関数(累乗関数)は非有界 | ||
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・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された整数指数の「べき関数」「累乗関数」 y=f (x)=xa (aは整数) は、有界でない。 ・細かく見ると、 ・aが奇数ならば、下に有界でなく、上にも有界でない。 ・aが偶数ならば、下に有界だが、上に有界ではないので、有界でない。 |
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整数指数の冪関数(累乗関数)と全単射 | ||
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[単射の検討]・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」 R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された整数指数の「べき関数」 y=f (x)=xa(aは整数)は、 aが奇数ならば 単射。 aが偶数ならば 単射にならない(f (x)=bを満たすxが複数個あるから)。 ・(0,+∞)で定義された整数指数の「べき関数」y=f (x)=xa(aは整数)は、 a≠0ならば、aが奇数でも偶数でも、 単射になる((0,+∞)で狭義単調だから)。 a=0ならば、単射にならない(f (x)=bを満たすxが複数個あるから)。 ・(−∞,0)で定義された整数指数の「べき関数」 y=f (x)=xa (aは整数)は、 a≠0ならば、aが奇数でも偶数でも、 単射になる((−∞,0)で狭義単調だから)。 a=0ならば、単射にならない(f (x)=bを満たすxが複数個あるから)。 |
[文献]・笠原皓司『微分積分学』1.4例1(p.23):一次関数について。・『解析演習ハンドブック1変数関数編』ex1.1.12-(i)(p.11):一次関数について。 [図解:正負の奇数ベキのベキ関数はR−{0}の上への全単射] |
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[全射の検討]・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された「べき関数」y=f (x)=xa (aは整数)は、 aが奇数ならば、Rの上への全射ではないが、 (−∞,0)∪(0, +∞)の上への全射ではある。 (値域が(−∞,0)∪(0, +∞)だから)。 aが偶数ならば、Rの上への全射ではないが、 (0, +∞)の上への全射ではある。 a=0ならば、{1}の上への全射としか言えない。 ・(0,+∞)で定義された「べき関数」y=f (x)=xa(aは整数)は、 a≠0ならば、aが奇数であれ偶数であれ、 Rの上への全射ではないが、 (0,+∞)の上への全射ではある。 |
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・(−∞,0)で定義された整数指数の「べき関数」 y=f (x)=xa (aは整数)は、 aが奇数ならば、Rの上への全射ではないが、(−∞,0)の上への全射 aが偶数ならば、Rの上への全射ではないが、(0,+∞)の上への全射。 a=0ならば、{1}の上への全射としか言えない。 [全単射の検討]・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された「べき関数」y=f (x)=xa (aは整数)は、 aが奇数ならば、(−∞,0)∪(0, +∞)の上への全単射。 aが偶数ならば、全単射でない(単射にならない)。 ・(0,+∞)で定義された「べき関数」y=f (x)=xa(aは整数)は、 a≠0ならば、aが奇数でも偶数でも、(0, +∞)の上への全単射。 (Rの上への全単射ではない) ・(−∞,0)で定義された整数指数の「べき関数」 y=f (x)=xa (aは整数)は、 aが奇数ならば、(−∞,0)の上への全単射。(Rの上への全単射ではない) aが偶数ならば、(0,+∞)の上への全単射。(Rの上への全単射ではない) a=0ならば、全単射にならない。(単射にならないから)。 |
[図解:正負の偶数ベキのベキ関数 ― R−{0}で定義すると全単射にならないが、(0,+∞)で定義すると(0, +∞)の上への全単射]
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整数指数の冪関数(累乗関数)の逆関数 | ||
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性質 |
・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された「べき関数」y=f (x)=xa (aは整数)は、 ・aが奇数ならば、存在する。 ・aが偶数ならば、存在しない。 ※なぜ? aが奇数ならば、単射となって、逆関数の存在が保証される(∵)。 ・(0,+∞)で定義された「べき関数」y=f (x)=xa(aは整数)の逆関数は、 a≠0ならば、aが奇数でも偶数でも、存在する。 ※なぜ? (0,+∞)で狭義単調だから、単射になって逆関数の存在が保証される(∵)。 |
[文献:自然数を指数とするべき関数に関して]・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);「巾関数」・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113):n乗根関数(n乗根の定義)も。 ・赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。 ・黒田『微分積分学』3.3.4-例3.18(p.107); ・『基礎解析』p.40. ・『岩波数学入門辞典』べき根(p.546) ※1変数関数の「逆関数(の存在)」定義 ※1変数関数の具体例の「逆関数(の存在)」について: 定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数 指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数 |
定義 |
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正負の分数を指数とする累乗の定義、「『冪関数による像』の冪関数による逆像」としての「整数乗の自然数乗根」 |
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定義 |
・正の実数a,整数z,自然数nに対して、 「aの(z/n)乗」az/n とは、「『aのz乗』のn乗根」のことを指す。 すなわち、
・上記の定義を具体的に展開すると、以下のようになる。 正の実数a,自然数m,自然数nに対して、
・az/nの性質:約分に対して不変 /az/n=(az)1/n=(a1/n)z |
[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1定理7.1.1-2;補題(pp.204-5):証明つき。・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』啓林館、2章1指数の拡張(p.42);. ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89):有理数指数での表現。 ・ 松坂『解析入門1』3.2E(p.113)。 ※正の分数を指数とする累乗の定義 ※有理数指数の指数法則 | |||||||||||||||||||||
解説 |
・そもそも、「az/n」(a:正の実数,z:整数,n:自然数)が表す
・整数zが自然数(つまり正の整数)であるケースについては、 正の分数を指数とする累乗の定義を参照。 ・以下では、 整数zが負の整数であるケースについて、
n乗根の定義まで遡って、捉えかえしてみる・・・ [step0:設定]
・[0,∞)で定義された冪関数y=f(x)=x-m (mは自然数)のグラフ ・[0,∞)で定義された冪関数y=g(x)=xn (nは自然数)のグラフ を設置した下記平面のなかで、考えることができる。 |
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[step1:設定]
(下図では、aの例を1<aの範囲にとっているが、0<a<1にとっても理屈は同じ。) |
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[step2: amが指すこと]
下図のように、y軸上にプロットできる。 |
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[step3: amのn乗根が指すこと] |
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を指す記号だった。
を指す記号だ、ということになる。 ・ところが、step2で見たように、 a-m=1/am は、冪関数f によるaの像 f(a)として、平面上にその位置を与えられたのだった。 ・このことも加味すると、
g-1( f(a) ) に唯一属す『正の実数』に他ならない。 ・したがって、
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「整数乗の自然数乗根」「正負の分数を指数とする累乗」の性質 |
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累乗根の以下の性質は、有理数指数の累乗、有理数指数の指数法則を基礎付ける。 |
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1. |
・任意の正の実数a,任意の自然数n,任意の整数z,任意の自然数tに対して、
・分数を指数とする累乗を用いて言い直すと、 任意の正の実数a,任意の自然数n,任意の整数z,任意の自然数tに対して、 az/n = a (zt)/(nt) ・つまり、 分数を指数とする累乗は、 指数として使われている分数の約分に関して不変。 ※なぜ?→証明 |
[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1定理7.1.1(pp.204-5):証明つき。 |
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2. |
・任意の正の実数a,任意の自然数n,n'、任意の整数z,z' に
対して、
・分数を指数とする累乗を用いて言い直すと、 任意の正の実数a、任意の自然数n,n'、任意の整数z,z' に 対して、 z/n=z'/n' ならば、 az/n = az'/n' ・つまり、 有理数指数の累乗は、 有理数の分数としての表し方によらず、一意。 ※なぜ? ・1.より、任意の正の実数a,任意の自然数n,n'、任意の整数z,z' に 対して、
・任意の自然数n,n'、任意の整数z,z'に 対して、z/n=z'/n' ならば、zn'=z'n. ・上記2点より、 任意の正の実数a、任意の自然数n,n'、任意の整数z,z' に 対して、
→[n乗のm乗根の性質冒頭へ戻る] |
[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1定理7.1.2:1より証明。・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』啓林館、2章1指数の拡張(p.42):一例で説明。6.を使う ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89):有理数指数での表現。指数法則を利用 |
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3. |
・任意の正の実数a、任意の自然数n、任意の整数zに対して、
任意の正の実数a、任意の自然数n、任意の整数zに対して、 az/n = (az)1/n = (a1/n)z ・つまり、 任意の正の実数a、任意の自然数n、任意の整数zに対して、
※なぜ?→証明 →[n乗のm乗根の性質冒頭へ戻る] |
[文献]・赤攝也『実数論講義』§7.1補題(iv)(p.205):証明つき。・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』啓林館、2章1指数の拡張(p.41):証明なし。いきなり「累乗根について次のことが成り立つ」 |
→[n乗のm乗根の性質冒頭へ戻る] |
性質1の証明 |
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証明したい命題の確認・任意の正の実数a,任意の自然数n,任意の整数z,任意の自然数tに対して、
分数を指数とする累乗を用いて言い直すと、 任意の正の実数a,任意の自然数n,任意の整数z,任意の自然数tに対して、 az/n = a (zt)/(nt) ・上記の命題を具体的に展開すると、以下のようになる。 任意の正の実数a,任意の自然数m,n,任意の自然数tに対して、
このうち、 (i)は、正の分数を指数とする累乗の性質1で証明されている。 (ii)は、両辺ともに1であるから(∵ a0=1、1の累乗根=1)、成立する。 そこで、以下では、(iii)について、説明する。 step0 : 設定の把握
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左辺 | ![]() |
a-m | (a:正の実数,m,n:自然数) は、 |
ここで、 | ![]() |
a-m | (a:正の実数,m,n:自然数) を、bで表すことにする。 |
つまり、b = | ![]() |
a-m | (a:正の実数,m,n:自然数)…(1) |
a-mt=bnt ならば、 | b = | nt | a-mt |
(1)のもとで、 | b = | nt | a-mt | が成立することになる。…(4) |
(4)より、b = | ![]() |
a-m | のもとで、b= | nt |
a-mt | が成立するというのだから、 |
b = | ![]() |
a-m | のもとで、 |
b = | ![]() |
a-m | = | nt |
a-mt |
![]() |
a-m | = | nt | a-mt |
→[n乗のm乗根の性質冒頭へ戻る] |
性質3の証明 |
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※なぜ? ・任意の正の実数a、任意の自然数n、任意の整数zに対して、
任意の正の実数a、任意の自然数n、任意の整数zに対して、 az/n = (az)1/n = (a1/n)z ・整数zの範囲で場合分けすると、 上記の命題は、以下の三命題に展開される。 (i) zが正の整数である場合 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
すなわち、am/n = (am)1/n = (a1/n)m (ii) zが0である場合 任意の正の実数a,任意の自然数nに対して、
すなわち、 a0/n = (a0)1/n = (a1/n)0 (iii) zが負の整数である場合 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
すなわち、a-m/n = (a-m)1/n = (a1/n)-m このうち、 (i)は、正の分数を指数とする累乗の性質3の証明を参照。 (ii)は、両辺ともに1であるから(∵a0=1,1の累乗根=1)、成立する。 そこで、以下では、(iii)について、説明する。 |
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[step0:累乗関数と累乗根の性質の確認]・任意の自然数n に対して、『[0,∞)で定義された累乗関数y=f(x)=xn 』は、 単射であって、[0,∞)を値域とする。…(0-1) ・任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、 yは「『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』の値域」[0,∞)に属しているから、 (0-1)より、 yの『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』による逆像 f-1(y)={x∈[0,∞)|y=f (x)}は、
つまり、 任意の正の実数y,任意の自然数n に対して、
・このことは、
ことを意味している。 …(0-3) |
![]() |
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[step1:累乗関数と累乗根の性質からamの累乗根について言えること]・任意の正の実数a,任意の自然数mに対して、a-m=1/am=1/(aa…a) >0 …(1-1) ∵ a>0であって、a-m=1/am=1/(aa…a) だから、 実数 の積の正負の性質,逆数の正負より。 ・(0-2)と(1-1)より、 任意の正の実数a、任意の自然数nに対して、 「a-mの『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』による逆像」 f−1( a-m )={x∈[0,∞)| a-m=f(x)} は、
・このことは、
ことを意味している。 …(1-3) |
![]() |
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[step2:指数法則から言えること]・任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
・このことは、 任意の正の実数a,任意の自然数m,nに対して、
[step3]・一般に、任意の正の実数b,任意の自然数mに対して、b-m>0。 …(3-0) ∵ b-m=1/bm=1/(bb…b) だから、実数 の積の正負の性質,逆数の正負より。 ・任意の正の実数a、任意の自然数n に対して
・(3-0),(3-1)より、
・このことは、
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![]() |
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[step4:結論]
・つまり、任意の正の実数a、任意の自然数m,nに対して、
・ところが、(1-2)(1-3)で明らかにされたように、
つまり、任意の正の実数a、任意の自然数m,nに対して、 「a-mの『[0,∞)で定義されたy=f(x)=xn』による逆像」f−1(a-m) に属すのは、
は存在しない。 ・したがって、 (1-2)(1-3)で明らかになったこの事実と、(3)から、
→[n乗のm乗根の性質冒頭] |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
整数指数の冪関数(累乗関数)の極限 | ||
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・「R=(−∞,∞)から0を除いた範囲」R−{0}=(−∞,0)∪(0, +∞) で定義された「べき関数」y=f (x)=xa (aは整数)は、 |
→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |
整数指数の冪関数(累乗関数)の連続性 | ||
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→[トピック一覧:べき関数] →総目次 |