1変数関数y=f(x)=x2の性質 :トピック一覧 |
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・グラフ/増減/値域/有界性/最大最小/逆像(平方根および√)/単射/全射/全単射/逆関数/極限/連続/極大極小 ・平方根と√の定義 |
※1変数関数の具体例:y=x / y=x3 / y=1/x → 自然数指数の冪関数/整数指数のべき関数/有理数指数のべき関数/実数指数のべき関数 定数値関数/比例/一次関数/二次関数/三次関数→多項式関数 指数関数/対数関数 絶対値関数/三角関数 /ガンマ関数 ※1変数関数に関する諸概念の定義:1変数関数一般の定義/極限/連続性/微分/定積分/広義積分/スチルチェス積分 ※関数定義関連ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般 ※総目次 |
y=f(x)= x2 |
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グラフ |
・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)=x2のグラフは、 ・原点(0,0)でx軸に接する ・下に凸な ・R2上の放物線 である。 |
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・[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2のグラフ![]() |
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・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f
(x)= x2」の(-∞,0]への制限 すなわち、「(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2」のグラフ ![]() |
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y=f(x)= x2の増減 | |||||||||||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、 (−∞,+∞)における単調関数ではない。 ![]() |
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・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の(-∞,0]への制限(すなわち、「(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) は、狭義単調減少関数。 ![]() |
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・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の[0,∞)への制限(すなわち、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) は、狭義単調増加関数。 ![]() |
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y=f(x)= x2の値域 | ||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の値域は、[0,∞) 。![]() |
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・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の(-∞,0]への制限(すなわち、「(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) の値域も、[0,∞) 。 ![]() |
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・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の[0,∞)への制限(すなわち、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) の値域も、[0,∞) 。 ![]() |
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y=f(x)= x2は非有界 | ||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、下に有界だが、上に有界ではないので、 有界でない。 |
y=f(x)= x2の最大値・最小値 | ||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2のR=(−∞,∞)における最大値は、 存在しない。 ・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2のR=(−∞,∞)における最小値はf(0)=0。 |
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y=f(x)= x2による逆像、平方根、√ | |||||||||||
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※一般化:y=x3による逆像/べき関数y=xnによ
る逆像
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[解説]・左図からわかるように、R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2 に関しては、 (i)任意の正の実数yに対して、 yのfによる逆像 f−1(y)は、「2個の実数」からなる。 (ii)y=0に対して、 y=0のfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数0」のみからなる。 (iii)任意の負の実数yに対して、 yのfによる逆像 f−1(y)は、空集合。 となるので、 「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は、単射ではない。 したがって、「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、逆関数は存在しない。 |
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・ところが、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」に関しては、 (i)任意の非負の実数yに対して、 yのfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数」からなる。 (ii)任意の負の実数yに対して、 yのfによる逆像 f−1(y)は、空集合。 つまり、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は、 単射。 したがって、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、 逆関数が存在する。 ・「正の実数yの『[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2』による逆像」を、
・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数「[0,∞)で定義された1変数関数x = f-1(y)」を、
※√を一般化した概念→ 3√ / n√ |
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y=f(x)= x2 と全単射 | |||||||||||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、単射ではない。 ・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、Rの上への全射ではないが、 [0,∞)の上への全射ではある。 |
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【関連事項】 ・定義の確認→1変数関数が単射/全射/全単射 ・類例の参照→y=xの全単射の検討/y=x3の全単射の検討 ・一般化した事例の参照→自然数指数の累乗関数の全単射の検討 整数指数の累乗関数の全単射の検討 有理数指数の累乗関数の全単射の検討 【文献】 ・黒田『微分積分学』3.1.2-例3.2(pp.86-7) ・ラング『ラング現代微積分学』0章§2例3(p.6) |
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[文献]
・加藤十吉『微分積分学原論』4.3-例9:2次関数(pp.36-7) ・『解析演習ハンドブック1変数関数編』ex.1.1.12(p.11) |
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y=f(x)=x2の逆対応、逆関数、平方根の定義 | |
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→[R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数] →[[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数と√の定義] →[(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数] | ※1変数関数の「逆関数(の存在)」定義 ※1変数関数の具体例の「逆関数(の存在)」について: 定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数 指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数 |
R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆対応・逆関数 |
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[逆関数の存在の有無]・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は単射でないから、「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応は、 関数の定義を満たしていない。 すなわち、 R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数は存在しない。 |
[文献]・青本『微分と積分1』例1.49(p.34);例1.81(p.48):[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数について。証明なし.・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);n乗根一般。 ・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113);n乗根一般。 ・赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。 ・『岩波数学入門辞典』平方根(p.543) ・『高等学校 数学I』(p.53) |
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[解説]・「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」のグラフを、通常とは逆に、 「yの値を一つ決めて、それに対応するxの値(yの値の逆像)を読み取る」 という方向で読み取れば(→右図)、 「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応「x = f-1(y)」のグラフ となる。 ・ 同一のyの値に、複数のxの値が対応付けられていることから、 「R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応 「x = f-1(y)」は、 1変数関数の定義を満たしていない 〜つまり、R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2に逆関数は存在しない〜 と分かる。 | ||
・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆対応「x = f-1(y)」を、 慣例に従って、x,yを入れ替えて、 y=g(x)= f-1(x)= ±√x としたグラフが下図。 同一のxの値に、複数のyの値が対応付けられており、関数の定義を満たしていない。 ![]() |
[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数 |
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[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2を考える(→下図)。![]() |
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[逆関数の存在の有無]・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は単射になるので、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応は、 関数の定義を満たす。 すなわち、 「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、逆関数が存在する。 [逆関数の定義域]・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の値域は[0,∞) だから、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数は、 「[0,∞)で定義された1変数関数x= f-1(y)」となる。 [逆関数の表現]・「正の実数yの『[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2』による逆像」は、
したがって、 「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数 「[0,∞)で定義された1変数関数x = f-1(y)」 は、
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[ [0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数のグラフ]・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」のグラフを、通常とは逆に、 「yの値を一つ決めて、それに対応するxの値(yの値の逆像)を読み取る」 という方向で読み取ると(→右図)、
・慣例に従って、
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(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数 |
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(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2を考える(→下図)。![]() |
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・(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2は単射になるので、逆関数が存在する。 (−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= xの逆関数は、 [0,∞)で定義された1変数関数x=g(y)= −√y 。 慣例に従って、x,yを入れ替えると、 [0,∞)で定義された1変数関数y=g(x)= −√x 。 このグラフは、下図。 |
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y=f(x)=x2の極限 | |||||||||||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、 どんな実数aに対しても、 f(x)→a2 (x→a) ※なぜ? ・y=g(x)=xの極限の性質より、 y=g(x)= xは、 どんな実数aに対しても、 g(x)→a (x→a)。 ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、 上記で得られた「g(x)の極限値」より、 g(x)2→a2 (x→a) ・したがって、f (x)=g(x)2= x2は、 どんな実数aに対しても、 f(x)→a2(x→a) 。 |
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y=f(x)=x2の連続性 | |||||||||||
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・R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、 R=(−∞,∞)上の連続関数。 ※なぜ? ・y=f (x)= x2という定義より、どんな実数aに対しても、f(a)= a2 ・y=f(x)=x2の極限の性質より、どんな実数aに対しても、 f(x)→a2(x→a) ・以上二点より、どんな実数aに対しても、 f(x)→f(a) (x→a) つまり、R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、 どんな実数aにおいても、連続性の定義を満たす。 したがって、 R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、 R=(−∞,∞)上の連続関数。 |
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1変数定数値関数の導関数 | ||
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