男性更年期障害(LOH症候群・加齢性腺機能低下症)
男性更年期障害は、加齢により中高年になるとテストテロンの低下や性ホルモンのアンバランスが現れ、様々な心身の不定愁訴が現れます。
男性更年期障害は、女性の更年期障害が閉経の前後とはっきりしているのに対し、個人差があるものの男性ホルモンの低下はゆるやかに減少することから、気づけば更年期障害であったということもあります。
男子更年期障害の主な症状
身体的症状
疲れやすい
発汗やほてり
頻尿(夜間頻尿)
筋肉痛、関節痛
肥満
精神的症状
意欲の低下
イライラ、怒りっぽくなる
集中力・記憶力の低下
不安、気分の落ち込み
うつ
不眠
気分の変調
性機能症状
性欲減退
ED
早朝勃起しない
漢方から見た男性更年期障害
漢方から見た場合、精神的ストレスの背景をふまえ、腎虚としてとらえます。
腎虚とは、腎の氣(エネルギー)が衰えた状態。
腎は、体内の水分を調節する所であり、生きる力、活力の源でもあります。
腎の気が衰えることで泌尿器系、生殖器系や精神状態と様々な症状が現れます。
五行論で云いますと腎は、肝の親であり、腎が衰えますと肝の働きが鈍って来ます。
耳鳴り、難聴、老眼、白内障なども腎肝の衰えが影響しています。
更に、精神的ストレスが加わり様々な不定愁訴が出現してきます。
黄帝内経素問に、腎は「精を蔵し」とあるように
「腎者主水受五臓六府之精而蔵之」
腎は、五臓六腑から精気を受けてそれを蓄えておく蔵であると言っています。
また、「腎者作強之官。伎巧出焉」とあり
作強とは体をがっちり固める力で、伎巧とは細かい精密な手技、根気のいる仕事を主る所であるといっています。
加齢と共に五臓の気が肝心脾肺腎の順に衰えることから「腎の終始」として、最後の砦である腎を補い、いかに若々しく健康寿命を延ばすかが漢方の古典の中に説かれている。
最近では副腎疲労が注目されていますが、漢方では副腎も腎の一部と捉えます。
精神的ストレスや食事のなどが影響で副腎疲労が起こり、様々な炎症や、慢性疲労症候群、鬱、意欲の喪失などが起こります。抗ストレスホルモン・コルチゾールの低下で起こりますが、これもやはり腎を補うことが重要になってきます。
男性更年期障害の漢方薬
漢方では、男性更年期障害は腎虚と捉え、その対処の基本は腎を補う漢方処方ということになります。
その代表がは八味地黄丸(八味腎気丸・腎気丸)で、竜骨牡蛎が配合された処方も証に随い用いる場合があります。
もちろん漢方薬ですので単にその適応症状だけで安易に選定するのではなく、それぞれ個の証に随い決定しなければなりません。
詳しくは、漢方専門にご相談ください。
その他、後世派の漢方処方では牛車腎気丸も男性更年期障害の応用処方となります。
更に男性更年期障害の背景には精神的ストレスも深く関係することから、気剤を中心とした漢方薬を合わせて服用するとにより更なる効果的が期待できます。
【処方名に丸のつく漢方薬】
漢方薬には、各処方の製薬方法の違いにより湯、散、丸などの名前がつきます。
八味地黄丸、牛車腎気丸、桂枝茯苓丸などの丸剤は、構成生薬を末にしてハチミツで練り丸剤としたもので加熱はしていません。
現在は、エキス剤が主流となり、湯がつく処方などはエキスをフリーズドライしたエキス剤で問題はありませんが、丸剤は、加熱エキス化するとすると有効成分が揮発してしまい本来の効果が期待できません。
漢方芍薬堂では、丸がつく漢方処方は、厳選された生薬を原典に基づき製薬した丸剤をご提供いたします。
男性更年期障害の養生
男性更年期障害の養生は自律神経失調症の養生と同じで日々気をつけなけれならないのは、生活のリズムです。規則正しい生活と言いますが、ただ時間に拘束される生活ではなく、メリハリのある生活リズムです。だらだら過ごすのではなく、仕事や勉強をするときは集中して行い、休憩する時、休日は、しっかりリラックスしましょう。生活のリズムは、1日のリズム、1週間のリズム、1か月のリズム、四季のリズム、1年のリズムそれぞれに適合した自分なりのリズムを維持しましょう。
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