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神無月10月・・・


まるで10月の声を待ちわびていたかのように、咲き始めた花があります。
いつものように、仕事に行こうと車に向かった瞬間、あれ、この香り・・・そう、空気が甘いんです。
え、もう? と、振りかえると、家の裏にある金木犀の木につぼみが。そのいくつかは、もう花が開いています。

毎年、金木犀の香りが流れ出すと、なんとも言えない懐かしさと、清々しい季節のシャワーを浴びたような心地よさが、一気に押し寄せてきます。
それほど大きな樹ではなく、しかもまったく何のお世話もしてあげていないと言うのに、ちゃんとこの季節になると花をつけてくれる。けなげな樹です。

忙しかったり、何かに気を取られていたりして、季節のうつろいに気づかないことも、人にはままありますが、自然は必ず毎年の約束事を守るのですね。
陽射しの加減、風の温度、水の栄養、大地のぬくもり・・・そういうものを、敏感にキャッチして、その季節にあるべき姿となる。
繰り返し繰り返し、そして年を経て行くのでしょう。

人もそうあればいいのだなあ、と思います。
周りに溢れている恵みに感謝しつつ、その時その時をナチュラルに生きて行けたら、余計なことで悩んだり、迷ったりしなくていいのかもしれない。
でも、そうわかっていても、また迷路に踏み込んでしまうのも、人ならではかもしれませんけれど(笑)

秋は、何やら考え込むことが多くなる季節・・・
私の場合は、修羅場の夏の後だけに、時間のゆとりを持て余してしまうせいかな(笑)
こんな時は、自然の大きさにふわっと包まれて、背伸びして深呼吸して、秋の澄んだ空気を目一杯吸いこむのがいいですね。
それと、心が豊かになりそうなものを見る・・・本でも絵でも映画でも。
少しだけ、いつもよりゆっくりのペースで、時には寄り道も。
もっとも、私はいつもマイペースで、しかもいつも寄り道ばかりです(^^; 時々寄り道した先から戻れなくなることも・・・(笑)
まあ、それもいいのかな、と思うことにしましょう。
感傷の秋とも言うけれど、それに負けずに素敵だと思えるものを増やしたいなあ。
などと、金木犀の香りの中で思ったりする今日この頃です。


平成15年10月1日

                                                        



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