Message for you


霜月 11月・・・


ここ「POEM HOUSE」の別館「翠蓮茶寮」が、おかげさまで一周年を迎えました。いらして下さったみなさんへ、心から感謝申し上げます。

もともとは「POEMの部屋」の中の 「いにしえを想う」と言うコーナーに、ちょっとよそ者のような(笑)顔をして置かれていた、歴史系の詩・・・
書きたい時代や人物が増えてきたせいもあって、去年の11月にとうとう別館仕立てになりました。
好きな時代、好きな人物ばかりを集めた、まったくの個人趣味の詩ばかりなのですが、読みにいらして下さるみなさんの感想に、いつもとても励まされています。

歴史系の詩は、はっきり言ってしんどいです(^^; 毎回かなり苦労しながら書いています。言葉ひとつにしても、使い方が間違っていないかどうか気になって、古語辞典と首っ引きです(笑)
現代ものの自由詩は、普段の生活の中で出会う自然や感情をモチーフに膨らませて行きます。もちろん、こちらにしても簡単には書けず、特に最近は四苦八苦ですが(^^;
それが歴史ものとなると・・・ まさに憑依現象でも起こってくれないか、と願う状態です(笑)
しかもそれらはすべて、すでに素晴らしい小説が既刊されています。今更私の拙い言葉で何を綴ろうと言うのか、などと思いながらも時々その人物たちへの憧れに突っ走ってしまいたくなる。

でも・・・繰り返しますが、書くのはとってもしんどいです(笑)
ターゲットに定めた人物の、どのシーンのどんな心境を追うのか。果たして、その人物を自分がどこまで想像できるのか。しばらくはそれで悩みます。
そして何かのきっかけで、ひとつの情景なりセリフ(?)なりが浮かぶと・・・ 後はひたすらその人物になりきったつもりで気持ちを追いかけて行きます。

たとえば、「陰陽師」に登場する源博雅の詩の場合・・・ 小説の中でふたりが怨霊退治に赴く際、「行こう」「行こう」と声を掛け合うんです。そのセリフがヒントになりました。
シーンは・・・ ふたりしてお酒を酌み交わしながらもいいなあ、でも・・・
いや、 ここは博雅ひとりで晴明を思わせることにしよう。そう、月夜、水に映る月・・・ そして笛の音・・・ などとシチュエーションが次々浮かんでくれば、なんとか成功(笑)

晴明を案ずる博雅の思いが、語りかけが自分の中にも流れこんできます。

それにしても・・・
自分とまったく係わりのない時代、人物。その心理を追って行くなんて、考えればやはり無謀な話です。
はて、きっかけは何だったろう?と思い返したところ、そうでした、三国志好きの友達からキリ番のリクエストです(笑)
「あ、それ面白そう」と乗ってしまい、気がついたら三国志の人物の詩がいくつか出来ていたのでした。それならいっそ、と他にも好きだった飛鳥時代の人物の詩、そして、興味のあった「陰陽師」ものの詩、果ては「源氏物語」まで。無謀の連続です。
どこまでがんばれるかわかりませんが、いにしえへの憧れがある限り、マイペースでも少しずつ書いていけたらと思っています。
どうか今後もあきれずに(笑)読んでやって下されば、こんなに嬉しいことはありませんm(__)m


2001年11月1日
                                                        




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