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如月2月・・・ 寒さは、まだこれからが厳しい時期ではありますが、なぜか2月と聞くと、着々と春が近づいてきている気がしてしまいます。 陽射しは確かに春の気配。でも風は冷たい。 風邪もインフルエンザも、まだまだ油断はできないでしょう。みなさん、どうぞお気をつけ下さいね。 さて・・・ またしても映画? とあきれられてしまうのを覚悟で・・・映画の話です(^^; と言っても、今回は登場人物への興味について。 どこから見ても対照的な二人が主要人物、と言うのはありがちなパターンですね。対比の面白さ、それによる衝突の緊張感、そして、たいがいは少しずつ理解しあい、相手を認め合うようになる。 永遠のテーマかもしれません(笑) 私の好きな映画の、たぶんNo.1と思われるのは、古いですけれど「風と共に去りぬ」です。テレビでも何度も放送され、そのたびにどうしても見てしまう。 アメリカ南北戦争を背景にした、壮大なドラマ。ヒロイン、スカーレットの生き方は、よくも悪くも鮮やかで印象的です。 ビビアン・リー演ずるスカーレットの美しかったこと。まさに光り輝くような美貌、勝気な瞳、気性も激しく、いつも華やかに男性たちに取り巻かれているスカーレット。 彼女が心ひかれていたのは、穏やかで紳士的、物静かなアシュレーでした。 でも、アシュレーはスカーレットの強引な求愛に引き摺られそうになりながらも、頑なに首を振ります。 太陽のようなスカーレットに憧れてはいても、自分には合わない女性だと言うことを自覚していたのでしょう。そして、アシュレーが選んだのは、おとなしくて心やさしい、地味なメラニー。 自分の魅力に絶対的な自信のあるスカーレットは、どうしても納得が行きません。なぜ、あんなさえないメラニーなんかを?と。 結局メラニーと結婚してしまったアシュレイを、スカーレットはずっと追い続けることになるのですが・・・ そして、ここにもう一人の男性。なにやらあやしげなことにも手を染めていそうな、いつも不敵な微笑みを浮かべた野性的なレット・バトラー。 彼は最初から、自分とスカーレットが似ていることを見抜き、スカーレットに言い寄ります。そして、どんなに突っぱねられても、気がつくと彼女の近くにして、何かしら力になっている。周りの人が眉をひそめるような、スカーレットの不埒な行動でさえ、笑って見守るだけの度胸と奔放さを持っているのです。 まさに、アシュレーと正反対のタイプ。そしてもちろんスカーレットとメラニーも、およそ正反対のタイプです。 どちらがいいとかではなく、やはり大切なのは相性なのですねえ(笑) もちろん、派手と地味、動と静と言う反対の組み合わせでぴったりの相性もあるのだと思いますが。 このお話の中では、どうやら同じテンポで進む生き方に軍配が上がったようです。 4人の中で、唯一最後までそれがわからずにいたのがスカーレットでした。 レットが自分のもとを去ってしまった時、初めて自分に必要な男性が誰だったか気づくなんて遅すぎ! でも・・・ここがまた人間の弱さ。自分と相性のいい人と、自分が心惹かれる人が一緒とは限らないのですものね。 たぶん、こういうパターンは古今問わず、映画にも小説にも多いはず。 最近DVDを買った「セブン・イヤーズ・イン・チベット」でも、はい、お約束みたいに出てきました、このパターン(笑) ブラッド・ピット扮するハインリヒは、数々の栄光を手にしながらも勝手な生き方をしてきた登山家。才能に溢れ、かっこよくて自信家、でも自分勝手。 そして、もう一人はハインリヒが参加した登山隊の隊長ペーター。責任感の強い常識人です。 捕虜の身から逃走した二人が辿りついた先は禁断の聖地、チベット。そこに登場するのが現地で仕立て屋さんをしている若い女性ベマ・ラキ。 長い黒髪にきっぱりした瞳が印象的な美しい彼女に、二人ともどうやら気のある様子。 写真や切りぬきを見せて、自分がどんなにすばらしい登山家であるかを誇示しようとするハインリヒに、彼女は「あなたとは考え方が違う。あなた方は自分がいかに優れているかを争おうとするけれど、私たちはいかに自我をなくすかが大切なの」と言います。いかにも信仰深いチベットの女性ならではの言葉、かもしれません。 きょとんとするハインリヒ。今まで自分の築いた栄光によって騒がれてきたハインリヒにとって、すばらしいものが称賛されるのは当たり前と思われたのでしょうね。 市場でスケート靴を見つけた彼女を見て、池でのスケートを思いつくハインリヒ。足元もおぼつかない彼女の前で、スムーズな滑りやターンを得意げに見せるのでが・・・ 気がつくと、滑れない彼女の側でペーターがしっかりと支えています。 びっくりしたハインリヒは、転んでしまった彼女のもとに素早く滑って行き、助けおこそうとしますが、それを断った彼女はペーターの手を借ります。 なんとか彼女を振り返らせようと、その後も素晴らしい滑りを見せつけるハインリヒと、彼女の手を取って、「大丈夫」と励ましながら一緒に滑ろうとするペーター。 勝負はあきらか、でした(^^; 結局ペーターは彼女と結婚し、チベットの地に生きることを決め、ハインリヒは7年後、チベットを後にして下山します。 ここでも、やはり優先されたのは価値観が合うのかどうか。ペーターはハインリヒに比べ、いまいちぱっとはしないけれど(笑)、確かにベマ・ラキの好み通り、それほど自分を誇示する方ではありません。 才能と魅力がすべてではないのだなあ、とつくづく思ったりしました(^^; もっとも・・・ 数年前、映画館で見た時には「なんでブラピがフラれるの? もったいない〜!」と憤慨した私でしたが(笑) でも、誰かに心惹かれた時、その人に自分の美点を売りこみ、振り向かせようとするよりも、その人の気持ちを汲み、さりげなく力になることができたら・・・かなりいいかも、なんて思います。 きっとそれもまた相性によるのかもしれませんけど、ね(^^; はたして、自分の価値観はどんなものなのだろう? 何に価値を見出だすのだろうと、あらためて自分を振り返ってみたりする今日この頃です。 平成15年2月1日 |
涼 |
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