木について

針葉樹には導管がなく成長が早いため、一般に比重が軽く柔らかい。
広葉樹はほとんどのモノに導管があり、その導管の様相は様々である。また、広葉樹は硬木(堅木)とも呼ばれ、質的にも硬い。
木には、辺材と心材とがあり樹幹の横断面で、外周部にあって色の薄い部分が辺材であり、その内側の色の濃い部分が心材です。
辺材は根から吸い上げた水を葉に送るポンプとパイプの役目を果たしています。が、
やがて水を送る機能を失って、樹を支えるだけの心材に変化します。
心材化の過程で、細胞壁に微生物や虫に抵抗出来るような化学物質が付着します。
したがって、心材は辺材に比べると耐朽性が高くなります。

材質について

日本木材総合情報センターよりの資料

素材特性
項目 気乾比重 平均収縮率(%) 強さ(Mpa) 曲げヤング係数(Gpa)
柾目方向 板目方向 曲げ 圧縮 せん断
0.53 0.14~0.17 0.27~0.32 58.9~82.4 30.5~43.1 6.5~9.3 7.5~10.3
ミズキ 0.67 0.18~0.21 0.27~0.32 82.5~107 43.2~55.9 9.4~11.8 10.4~13.2
山桜 0.6 0.14~0.19 0.27~0.32 82.5~107 43.2~55.9 9.4~11.8 10.4~13.2
ミズメ 0.72 0.18 0.32 108 43.2~55.9 14.7 13.7
ヤマグワ 0.62 0.14~0.17 0.32 58.9~82.4 30.5~43.1 13.7 6.9
ケヤキ 0.69 0.16 0.28 98 49 12.7 11.8
ブナ 0.6 0.14~0.17 0.27~0.32 82.5~107 43.2~55.9 11.9~14.7 10.4~13.2
ヒノキ 0.41 0.1~0.13 0.21~0.26 58.9~82.4 30.5~43.1 6.5~9.3 7.5~10.3
0.63 0.1~0.13 0.27~0.32 82.5~107 30.5~43.1 11.9~14.7 7.5~10.3
ハードメープル 0.71 - - 108 53 12.6 12.6
黒檀 0.98 0.14~0.17 0.27~0.32 107~130 68.7~ 14.8~ 13.3~16.2
紫檀 0.85 0.10~0.13 0.21~0.26 107~130 56.0~68.6 11.9~14.7 10.4~13.2
ブビンガ 0.92 0.19 0.41 155 71 - 12.7

木材

心材と辺材の色の差はほとんどなく 色は、やや赤みを帯びた黄白色〜黄褐色
年輪の境はあまりハッキリしない 肌目は精
仕上げた材面は絹の様な光沢がある 大木になると幹にはコブがあったり凹凸があるため木理が乱れることがある
この結果、さまざまな美しい杢(縮み杢・波杢)が出ることがある
トチノキ科

水木

木材

心材と辺材の色の差はほとんどない 色は、白色・くすんだ白色・淡黄色など  
早材から晩材への移行が緩やかなため年輪の境はあまりハッキリしない
肌目は精 やや重硬
加工性は良いが、耐朽性は低い
ミズキ科

山桜

木材

心材 褐色ないし赤褐色。特徴的なことは緑色の縞が不規則ながら現れる。  
辺材は、淡黄色・褐色・黄白色。心材と辺材の差は、ハッキリしている。
生育中に虫の害を受け易く、木材に傷あとが現れる事がある。
木材は、やや重硬 肌目は精 耐久性は高く加工はし易いとされている。
バラ科

ミズメ

木材

心材・辺材の色の差ははっきりしている。  
心材 紅褐色 辺材 黄白色
木理は、通直で 肌目はやや精
気乾比重は平均0.72で重硬な木材
材は、安定性・均一性があり切削などの加工性はよく、仕上がりも良い
木材の耐久性は低い。大木はあまり無く直径は小さい材となる。
カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹

山桑

木材

辺心材の区分は極めて明瞭で、辺材は黄白色、心材は黄褐色である。
老樹になると黒味をおびる。光沢があり木理は美しい。
木質はやや重硬で加工はやや難しい。木肌は緻密で仕上がり面は美しい。
狂いは少なく、心材の耐朽性、保存性は高い。
クワ科クワ属の落葉広葉樹

木材

辺材と心材の区分は明瞭で、辺材は灰白色で心材は黄褐色。
年輪は明瞭で光沢がある。
材はやや重硬で、耐湿・耐久性に優れる。
一方、狂いやあばれが落ち着くまでに、かなりの乾燥時間を要する。
ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹

ブナ

木材

本来、心材は無くて全て辺材であるが、一般に心材と思われる個所は偽心材と呼ばれるもので形成する。
辺材は淡い黄白色ないし淡紅色で、偽心材は褐色ないし紅褐色である。
材は重硬で均質であるが、腐朽や狂いは、はなはだしく、乾燥と取扱いが適切なら用材としての価値を発揮する。
ブナ科ブナ属の落葉広葉樹

ヒノキ

木材

辺心材の差ははっきりしないことが多く、辺材は淡い黄白色、心材は黄白色ないし淡紅色。
木理は通直で均質。狂いが少なく、加工性は良い。
耐湿、耐水性が良く、保存性が高い。
肌目は精で、表面を上手に仕上げると特有の光沢を出すことが出来る。
ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹

木材

樹皮は淡黒褐色で割れ目がある。
辺心材の差はきわめて明瞭で、辺材は狭く黄白色、心材は暗褐色を呈し、老樹になると濃暗褐色になる。
年輪は明瞭で美しく、所々の木肌が黒光りをしている事が特徴。
材はやや重硬で、強くねばりがある。
心材は腐れや割れが入りにくい。
加工はやや困難であるが、表面仕上げは良好。磨けば光沢が出る。
マメ科イヌエンジュ属の落葉広葉樹

楓(ハードメープル)

木材

辺心材の差は不明瞭で、色調は全体にやや赤みを帯びた白色から淡紅褐色。
年輪はやや不明瞭で、偽心材がある。
木質はやや重硬で、加工はやや困難である。
表面の仕上がりは良好で、材面には絹のような光沢がでる。
粘りが強く曲木に適する。また塗装性や接着性はよいが、色ムラが出ることがあるので注意を要す。
乾燥は困難で、不十分だと狂いが生ずる。
カエデ科カエデ属の落葉広葉樹

黒檀

木材

辺材は淡い赤色を帯び、心材は黒色と淡赤色の帯びが交互に配列して縞目を有する。
稀に真っ黒なものもあり、それを本黒檀又は真黒 (マグロ) と称し、
縞杢を有したものを縞黒檀(シマコクタン・英語ではマッカーサーエボニー)と言う。
非常に重く硬い材で、加工は困難を極める。
割れやすいので釘止めは無理である。耐久性は非常に優れる。
カキノキ科カキノキ属の常緑広葉樹

紫檀

木材

芯材の色は、赤色、赤紫色、紫色などで、一般的にこれらが縞になって美しい模様を作る。
非常に硬い木材で木理は交錯し、重硬なため乾燥・加工にやや難があります。
黒檀より紫檀の方が少し硬いとされています。
正しい加工が終わった製品は肌触りの良い美しい仕上がりとなります。
用途として、数珠や仏具・高級箸・靴べらなどの材料として使われる事が多くあります。
マメ科 Dalbeegia 属の広葉樹。環孔材的な散孔材

ブビンガ

木材

心材の色は、桃色、鮮やかな赤色、赤褐色、紫色を帯びた比較的不規則な木目が見られます。
新しい木材の場合色味は、薄く赤い感じです。時間が経つと赤みが強く褐色の感じです。
肌目は精で均一。木理は通直あるいは交錯しています。気乾比重は0.8を超えて重硬な材です。
心材は耐久性は高い材です。