UK.Tour 2001 Japan
8月 | 9月 | 最後に | Schedule | 番外編 No.5 | 英国の楽しみ方 | ||||||||
1-5 | 6-10 | 11-15 | 16-20 | 21-26 | 27-31 | 1-4 |
5月12日
いよいよ出発の日が迫ってきました。この日記をアップロードするのに、どのような方法が一番良いのか、色々悩みました。何せ我々の旅は英国全土にわたります。プロバイダーの選択一つとっても色々考えられます。熟慮?のすえ、これまでのAsahi-net
のサバーにAOL でアップしようと思っています。もしそれが上手く行かなかった場合、幾つかの予備的手段を考えていますが、もし”日記”をクリックして繋がらない場合は、U-Stage
にその旨連絡を下さい。 u-stage@tokyo.email.ne.jp
今日は出発前の実験的アップです。 よろしく!
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村上 智子(トモコ) | 楠 良命(クス) | 山本 達也(タツヤ) |
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神原 哲(テツ) | 柿崎 勝行(カッキー) | 一本松 亜生(アオイ) |
なお、全体スケジュールが2転、3転し、3ヶ月を超えると航空運賃が大幅に値上がりすると言う経済的理由を主な原因として、クス・タツヤ・アオイの3人は、8月11日帰国予定。
5月18日 3:00am
ついにLondon に到着。時差ぼけと言うより、3時・4時に起きてしまうことは日本にいても度々でしたので、眠ることを諦めてサロンでこれを書出しました。
いざ成田出発! | ||
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大箱に好奇の目多々。 | 中身のチェック | 行ってきまーす! |
17日 | 6:00am | 集合。大きな荷物は昨夜の内に積み込みを終えていたのだが、私はコンピューター問題など最後まで慌ただしい。細かい(?)忘れ物幾つか…。 |
7:20 | 野方出発。神田橋から首都高に乗る。京葉道路の事故情報、湾岸を使うことに。 | |
9:00 | 成田着。200kgを超える90x90x195cm の箱を必死で担いでカウンターに向う。当然、好奇の目多々…。テツ、腰を痛める。ウーン、先が思いやられる…。 | |
10:00 | JAL の係員も多少混乱。が280kgギリギリで荷物の計量を無事終える。 | |
テツのお母さん、新内の鶴賀師匠、フジテレビ森田君ら見送りに来てくれる。 | ||
11:45 | JAL401 搭乗。全ての座席に液晶テレビがついている、ちょっと吃驚。 | |
16:30 | 無事ヒースロー到着。着陸時、柿崎両手にびっしょり汗をかく! | |
入国審査。苦い思いでがよみがえりかけるも、何とか通過!JEM(TOYOTA)川崎さん、Eric 迎えに来てくれている。 | ||
JEM が我々に提供してくれる車は、なんと新車!アオイの描いた七福神のロゴも綺麗に入っている。しかし、200kg超の箱を屋根に載せられず。仕方なく空港で荷を解く。箱も裏返して「遊舞台」の看板が見える様に作り直す。テツが戦力外のため、ますます私の仕事が増える。川崎さん、あまりの荷物の量に呆れている。 | ||
18:30 | 空港をやっと出発。看板はやたら目立つ! | |
19:30 | London 1の安宿The Generator に到着。日本人には殆ど知られていないが、大勢の若者でごった返している。2段ベットの大部屋だが、£20以下で泊まれるのはなんと言っても魅力。駐車場問題も頭が痛い! | |
荷物の整理。太鼓やチンドンの組み立て。 | ||
21:00 | お疲れの女性達を除き、野郎どもだけで近くのPub で乾杯。残念、食事は無い。 | |
22:30 | 空腹に耐えられずに意を決してちょっと混んでいるローカルな店に入ったカキ。「Fish & Cheps please!」いきなり怒鳴ったら「You must queue!」怒られた、当然。 |
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バンド・ワゴンの旅 | 初日のPub | London の地下鉄 |
18日 | 7:00 | 7時半からと聞いていたが、皆朝食を食べているので、僕らも。こんな安宿で贅沢は言わないが、シリアルとパンだけとは…。質素を絵に描いたよう。 |
8:00 | 路上駐車した車が無事でホットした。8:30を超えると違反なので慌て荷積み。 | |
Hydepark に向う。London 市内は一方通行だらけで迷路のよう、その上強引な運転が多いので、本当に疲れる。 | ||
会場に入るために何度も止められる。しかも昨日の雨のため準備が遅れている模様。舞台もまだできていないと言う。 | ||
11:00 | やっと会場内に。こんなに美しい公園でできるなんて、感無量。直ぐに準備。 | |
12:30 | オックスフォード・ストリートまで出て食事。コーヒーにサンドウィッチで約\1000.!! | |
携帯電話を買いに。しかしこれが大変。物凄い時間が掛かる。しかも3ヶ月の滞在で全国を移動しながらインターネットにアクセスすることを考えると…。結局、¥100.000!?も掛かる最新機種に。ああ、これで生きていけるのだろうか? | ||
16:30 | Exeter の小学校で太鼓を一緒に演奏し、子供の太鼓グループを作ったジョナサンと再会。僕の教えた曲を「Shima-bayashi」と呼んでいる。 | |
17:00 | リハーサル、軽くチンドンから。舞台、音響の奴が面白がって頑張ってくれる。まあ、なんとかなるでしょう。 | |
20:30 | 終了。夏は10時過ぎまで空が明るいので、皆時間の感覚がおかしいようだ。 | |
車を置いて地下鉄で帰宿。 |
5月19日 Great ! な一日。感無量…!
あのHydepark にチンドンの鐘が鳴り響いた!これはもう歴史的事件だ!
チンドン屋:七福神の格好で楽屋テントを出ると、直ぐに人が集まってくる。演奏を始めると、遠くから走ってくる親子、カップル…、ビデオを廻し、カメラを構え…、あっと言う間に人垣ができる、その人垣をセキュリティーがかき分けて、そこを僕らがパレードしていくと、後にぞろぞろと人の列。まさに”ハーメルンンの笛吹き男”状態。多い時には、おそらく200人位はいただろう。踊り出す人…、一緒に歌う日本人…、何故かタンバリンを持ってついてくるオジさん…。セキュリティーが必死になって、そばに来る人を排除する。別にかまわないさ、僕らは喜んで一緒に写真に収まる。呆れているセキュリティー。途中で口上を入れようと止まると、また人垣…。つたない英語のジョークにもしっかり反応してくれる。観客の顔が輝くのが判る。まさに言葉を超えたコミュニケーション。
ステージ:七福神のチンドンで客席から舞台に上がる。僕の口上を柿崎が英訳し、その間に皆は早変り、口上を終えるとDJが観客を盛り上げてくれる。その間に僕らも早変わりし、上手奥の出入り口に置いておいた、絵布を垂らした土管太鼓足の後ろに隠れる。アオイの地打で始まり、土管太鼓を回転させ、御簾のカーテンが前に出てくる。クスの笛が入る。御簾がするすると上がる、獅子の登場、客席がどよめくのが判る…。二人獅子が一人獅子になり、客席に向い跳躍すると、客席から声が上がる。拍手、拍手、拍手…。凄い反応だ。
獅子舞を終え、挨拶をして舞台奥に引っ込む。カキとテツの馬鹿囃子だ。興奮しているせいか、広いハイドパークの会場の中でも、僕らの居るビレッジ・ステージがとりわけ熱を帯びているように感じられる。舞台裏にいても、二人のこっけいな踊りにちゃんと反応してくれるのがわかる。
鬼囃子で再び舞台に出て行くと、あれ観客の数が物凄い増え方をしている。前の方などギュウギュウ詰だ。ドンドン熱気が上がって行く。
最後の曲の転換に手間取る…、しびれを切らしてカキがアドリブを入れる。お、このステージでは構成から外した「マサル」だ。俺も入りたいが、ぐっと我慢。大分時間をくって、やっと準備完了。最後の演奏に掛かる。今日はまだチンドンもステージも残っているが、とてもペース配分をしている余裕は無い。思いっきり太鼓を叩く。終了。歓声、拍手、拍手、拍手…。
ヘトヘトになって楽屋へ向うと、金網越しに声を掛けられる。僕だけでなく、皆色々聞かれている。「次ぎは何処でやる?」「スコットランドへは来ないのか?」「9月のイベントに出てくれないか?」などなど。握手、握手、握手。BBCの取材。現地スタッフも喜んでくれている。大成功だ。
5月20日(日曜日)天気晴朗なれど…
昨日の疲れが残り、情けない状態に…。とにかく頑張るしか無い。
今日は最初の”練り歩き”だけ衣装を女装バージョンに変えてみた。七福神があまり反応がいいので冒険だが、これはこれでも大丈夫だ。長い旅の間には色々工夫しなければ。
昨日にも増して人出が多い。演奏しながら一緒に写真を撮らせてあげると、大喜びだ。セキュリティーは諦めたのか、回数を重ねる度に人数が減る。最終的には一人に。僕らはそれで十分。チンドン屋にセキュリティーなんて…。”他人に対する大らかさ”こそ日本文化の真髄でもあるんだから。闘いの中で培われた”英国流”に、”甘えの文化”で挑む僕ら…。
昨日はやらなかった七福神の自己紹介も、それぞれがつたない英語でいれる。簡単な言葉でもイザ舞台で言うとなるとやはり難しい。それでもなんとか通じたようだ。とにかく反応は凄い。役者達も手応えに満足しているようだ。そこで止まるなよ、失敗をチェックしておけ!
体力的には、大分パワーダウンだけど、お客さんはドンドン増えて行く。昨日来て、僕らのステージのためにまた来た、とわざわざ声をかけてくれる人が何人もいる。「グレイト」「ファンタスティック」「アメージング」…。一人の在住日本人から「日本人の魂を表現している」と言われた時には、思わず涙がでそうになった。しかし、次々呼び出される取材や挨拶に、休む間も無い。1回目のステージが終わった後、ついに楽屋で吐いてしまい、チンドンを1回休ませてもらった。情けない。
アオイのソロ「マサル」 反応は上々、さあ、いよいよ最後の曲「終宴」
演奏しながら土管太鼓をテツが担いで廻す、See you again の垂れ幕が客席に見えると、もう凄い反応だ。演奏終了。拍手、歓声、とにかく凄い。この感動はこれから3ヶ月を超える旅への大きな励みと勇気をくれる。
最後のチンドン、神出鬼没、宴会の輪に入り込む僕らのチンドンに、スタッフも呆れている。きっと迷惑を感じている客もいるとは思うのだが…。他人の迷惑顧みず、曲の好き嫌いも飛び越えて、人間の心の垣根を越境するのがチンドンの真髄、近代発祥の地、個人主義の国英国で、はたして,そんな企みが…。
続く