UK.Tour.July
7月1〜9日 (このページは現在デジカメ故障のため後に写真を入れる予定です。)
1日(日) 曇り時々晴れ,たまに雨 (写真は8月に撮影)
10:00 お世話になったThe Grapes Hotel に別れを告げ、Edinburgh へ向う。今日は時間があるので、遠回りして湖水地方を少し観光して行くことにする。最近では混雑するWindermere
を英国人は嫌うと聞くが、たしかにその観光客の多さには閉口する、パーキングもままなら無い。日本人も沢山いる。トイレだけ使って退散、すぐにM6を目指す。
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僕らが宿泊した建物 |
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敷地内にはこんな建物も |
3:30 Pollock Halls of Residence 着。Edinburgh 大學の宿泊施設。ロケーションといい施設といい、素晴らしい。大學と渡りをつけるとこんなに恵まれた環境が与えられるのか…?ちょっとやっかみたい気分になる。この3日間は始めての全員個室だ。皆喜んでいる。早速PCの調整に…。
19:00 歩いてヘレン(Helen) さんのお宅に。3階建ての大きな家を3人の方でシェアーしている。このシェアーと言う言葉も直訳すれば”共同生活”とかになるのだろうが、せいぜいお隣さんといったところ。イギリスの住宅事情も英国人の基本的発想を表現していてなかなか面白いが、後の機会に…。ヘレンさんは最上階の部屋。乾杯をして早速打ち合わせを始めたが、次々客が来て、なかなか話しが進まない。しかもどう言う関係の人が来ているのかすらよく判らない。つまりは日本人はパーティー下手。結局、僕らは一番最初に入って、ほぼ最後までお邪魔してしまった。
2日(月) 晴れ
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Chapterhouse(8月撮影) |
10:00 に今日の公演場所 Chapterhouse に向う。搬入経路、駐車、全ては現場対応だ。なかなか埒があかないので、強引に歩道から玄関先に車を乗り入れ、搬入・し込みしてしまう。管理の人間は自分の就業時間までに全て撤去してくれと、そればかりを気にしている…。
11:00 David Hume Tower でレジストレーション、要するに開会式に参加。学部長の挨拶が「悪い天気でゴメンナサイ、本当は曇りや雨なのだが…。」というジョークが面白かった。
Museum のCafe で食事。安くて美味しい!
チンドンは予期せぬところに突然現われる”意外性と非日常性が命”と信じているので、これまでも登場の仕方には随分拘ってきたが、この会場は殆どやりようが無い。「この窓の外を歩きたい」「持ち主が違うから駄目」「このドアを開けて…」「鍵が無い」単純に客席後方から出ることに。
14:00 開始。が、客は30人ぐらいか?広い会場がガラーンとしている。しかもWorkshop
で質疑応答ということになっているのだが…。チンドンの歴史を語ることは、日本の近代史を語ることにひとしい、通訳のTさんに入っていただいても、なかなか…。しかも、他の会議と時間が重なっており、30分後には殆どの方が退席。Medows
から僕らを追いかけてくれている一般の方4人と、日本からの大學の先生など数人を相手に、続行。最後は太鼓を一曲披露して終わり。
19:30 「マクベス」を能と英国人俳優の共演で実験的にやると聞き、観劇に。若手連中は全く興味を示さない…、予想通りだがあまりにも寂しい集団の現実。まあ余り楽しいとは言えない公演だったが。会場は楽器の博物館でもあった。これがとっても面白い。主に西洋楽器の推移が良く判り、文化とは歴史的変遷に他ならないことを如実に物語っている。
3日(日) 晴れ
朝からづっとパソコンに追われる。気分転換に宿舎の裏にある切り立ったガケに登って見ることに。行ってみると、ここが最高!Edinburgh
の街が一望に見渡せ、絶景。
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Royal Museum 正面 |
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バルコニーと時計台 |
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剥製の数々 |
3:45 今日の公演場所、博物館前でTさんと待ち合わせ、会場や搬入経路、控え室などの打ち合わせ。さすがRoyal
Museum これが物凄い博物館、ゾウ、キリン、トド、アザラシ…、ありとあらゆる剥製が展示してある…しかも入場無料…、羨ましい限りだ。ホールは10階建てもあろうかと言う高い吹きぬけ天井に2層のバルコニーがあり、ここから各展示室へと繋がっている。こんな所でチンドンをやれるなんて…。
5:30 2階バルコニー正面に異形の我々が登場、チンドン開始。お客も会館職員も吃驚している。楽しくって仕方が無い。それは皆も同じだろう…。展示物を利用して、姿を隠したり、音を小さくしたり、突如現われたりしたいが、その意図が全員に伝わらない。づっとバルコニーから手を振ってる馬鹿がいる!
5:45 博物館の名物時計台の前にセットした太鼓前で口上。直ぐに獅子舞に移る。広い会場で客が少ないのと、距離が離れ過ぎているのが玉に傷。それでも、皆大喜びしてくれている。
6:30 終了しようとしたらWorkshop もやってくれと…。へとへとだが仕方無い。
7:00 終了。博物館の担当ジェーンさんが、8月に大きなイベントがあるからそこでやって欲しいと、すぐスケジュールを確認したが、残念ながら無理。ドイツの大學の先生からは来年ドイツに来て欲しいと…、本当かな?
9:00 宿舎のPub でTさんから取材を受ける。今回の公演も大學の日本文化研究の一貫としてあり、文章化されるようだ。
4日(水)晴れ、曇り
Edinburh 大學を9時に出発し、10分の給油2回と20分の休憩以外ノンストップでDartington
へ。南下するとScotland が涼しかったことがはっきり判る。日本では連日30°を越える暑さと聞くが…。Exeter
付近でEric に電話を入れ、道路上で合流。先導してくれる。17:30 着。
Dartington Arts Center で開かれる「Ways With Words」と言うFestival のオープニング・パーティーらしい。”文学への道”とでも訳したらいいのでしょうか?僕らのパフォーマンスは「Ways
With Noise」だけど…。オーガナイザーのKay Dunbar さん急遽来れたことを喜んでくれている。
夕食をここにあるPub でご馳走になる。見かけは普通のPub だが、実はレストラン,値段も結構だが味も最高。インテリやアッパーミドルの隠れ家と言う感じ…。アオイは遠慮無くでっかいステーキをたいらげた。衣装が着れなくなるぞ!
宿泊は男5人と女性2人、2軒のお宅に分かれる。半ちゃんはEric の家へ。男どもが泊まった家の奥さんがJane
さんと言い、Totnes で私達を見かけて是非にと働きかけてくれたらしい。旦那さんが彫刻、奥さんがアクセサリーを作っている芸術家夫婦だ。
5日(木)曇り
午前中歩いてTotnes へ行く、も私はどうも疲労が溜まり、足が痛いので引き返し、車で。綾子さんの家の前が偶然開いていたので駐車。ご挨拶に伺うと、我々の稽古場の直ぐ近くに住んでいらっしゃるご両親もいらした。お母さんは人形劇の専門家だ。日本ではお目に掛からないのに、英国では2年前にもお会いした。不思議なご縁だ。つい話しこんでしまった。先日何処かで我々を見掛けた日本人の方がおり、連絡があったそうだが、我々の車に”オトナ”と書いてあったと…、バンの箱正面には”大入”袋の絵が画いてあるのだが…。
12:30 Eric の家へ。皆はExeter の街へお昼を。私とEric はエージェントに打ち合わせに。何せ車・搬入時間のことなど全く判らないまま各地との契約が進んで来たので、一旦整理。行き違いやら理解不足やら沢山ある…。疲れ切って終了。
14:30 疲れている私を慰めようと、Eric お昼に誘ってくれる、前にも行った”隠れPub"
皆はスープで我慢しているはずなのに…余り気が進まない。丁度、店は終わったところだった。結局Exeter
へ出てCathedral でサラダを。私がお世話になったSignet Thatre が今日から野外公演らしい。是非観に来たいが、芝居に興味の無い人達を送り届けなければならず、何よりホスト・ファミリーではディナーの用意をしている、諦めざるを得ないか…。
半ちゃんが皆と判れるのを寂しがり、我々の近くのB&B を取ることに。Exeter
は混んでいるようだが、Totnes は大丈夫だ、£20 で予約。送って行くと優しそうなお婆さんの綺麗な家だ。せめて制作責任者の半ちゃんには、俺の苦労を少しでも判って欲しいが、望むべくも無いか…。
足腰が弱っているのが、心配。
6日(金)雨、曇り
天気が心配だが、出発時刻には雨もあがり大丈夫そうだ。Jane さんは自分のアウセサリーを展示販売するらしく、一足早く家を出る。僕らも個人の荷物も全て積み込んで出発。
Arts Center は多くの芸術家達が憧れる敷居の高い美しい庭園、そこの中庭にある屋根付きの石畳に太鼓を設置。11:30
からと12:30 からの2回の公演をどのように演出するか、Key さんと色々相談する。彼女は私の下手な英語から意図を素早く理解してくれるので助かる。七福神チンドンを出きるだけ遠くから始め、徐々に姿を現して行くことに…。カラフルな衣装は緑の森や庭園の遠景に映えるだろう。
人気の無い森の中からチンドンを始める。音は微かに届くはずだ。中庭から谷を隔てた斜面に姿を現すと、お客さんが徐々に此方を注視しだす、狙い通りだ。森を行く我々をスケッチする女性がいる。石畳に到着し、七福神の紹介、寄せ太鼓をファンファーレ変りにしてKey
さんの挨拶。我々は午前中終了。直ぐに午後の準備。
太鼓のセッティングが出来たところに、ハデな衣装の私が拍子木を打ち鳴らし口上、カキとの英訳掛け合い、アオイの登場で獅子舞の順。全員「マサル」も含めフルで演奏。客の反応は上々。
Key もJane もとっても喜んでくれている。Key の息子さんのガールフレンドだと言う日本人のKさん、涙を浮かべてお礼を述べてくれた。荷積みをしていると初老の男性が近づいて来て「自分はこのセンターを今年で退職する、最後の年に良いものが観られて良かった。」と握手を求められた時はこっちが涙ぐみそうになってしまった。
豪華なサンドウィッチのランチをご馳走になり、直ちにNewbury へ。今日の宿泊はParasampia
と言うゴルフ場のホテル。他の宿泊客も殆ど日本人、どうも日本企業の持ち物らしい。何せフロントにも日本人がいて、全て日本語で用が足せる。日本人の余りのゴルフ好きには殆ど軽蔑に近い感情を抱いていたが、今度ばかりは感服した。何せ夕飯も朝食もちゃんとした日本食、その上なんと、大浴場がある!サウナまである!!英国内にも医療用のスパと日本企業の風呂があるらしいと言う噂は聞いてはいたが、こんな所に…。英国へ来た日本人の中にも何年も日本式風呂になど入れない人達がいる一方、当たり前のこととして享受できる人達もいる、感慨こもごも…。
7日(土)晴れ、後大雨
ついに夜・朝と2度も風呂に入ってしまった。洗い場で身体を洗い、湯にゆっくり浸かる心地良さ…。ここはゴルフ場の会員で無くても泊まれ、景色も建物も立派で、料金もLondon
のホテルに比べれば高くは無いから、長旅の途中に宿泊することをお薦めする。1年英国で暮した時に、例え一万円払ってでも銭湯があったら入りたいと願ったことを思い出す。英国在住の方々、ありますよ!
9:00 オーガナイザーの娘さんFiona さんと待ち合わせ。直ぐに公演場所のCorn
Exchange に向う。その名の通り昔はトウモロコシの売買をしていた建物を、今は劇場として使っている。僕らはバルコニーでやると聞いていたので、てっきり大通りに面した野外から見えるところだと思っていたが、2階のロビーのような所、かなり狭い。しかも先にそこで太鼓をやって、午後チンドンで街歩きと言うスケジュール。いったいお客が来るのか心配だ。搬入は強引に歩道に乗り上げることに、控え室は3階のスタジオ。チンドンのコースの下見、劇場を出て直ぐにビルの中の商店街を通る、そのビルの中に広場があるからそこで七福神の紹介をすることになったが…。
打ち合わせ中に斎藤夫婦(ミサオ氏:音響プランナー、ユキコ氏:七福神衣装デザイン・制作)来る。積もる話しもあるが、余裕が無い。
11:30 先ず劇場前で呼び込み用にチンドン、口上、寄せ太鼓。2階に上がり獅子舞、馬鹿囃し、鬼囃しの順。階段にまで立ち見の客が来る。まあ大きな音だから…。終演後、何人かの客が太鼓を叩かせてくれと、確かにチラシにはWorkshop
となっている…、でも時間が無い。急いで着替え。
12:45 チンドンで街へ。しかしビルに入ろうとしたら、セキュリティーに停められた。Fiona
もやりあうがどうにもならない。知らない街でいきなりコース変更だ。七福神の紹介も口上もタイミングを外してしまい、お客との交流が上手く行かない…。うーん、まだまだ甘い!それでもづっと付合ってくれるお客さんも何人か。
終演後、食事をして、斎藤夫婦とPub で雑談。今日の宿泊先,Jhodans Youth Hostel に向う。
8日(日)曇り、時々晴れ
煩いほどの鳥のさえずりで目がさめる。ガサガサと音のする木立を見上げると、リスが枝を折り巣を作っている。僕らが泊まったバンガローも家族連のテントもまだ静かに夜露に濡れている…。ここはLondon
郊外、中心部からでも車で僅か1時間程のユースだ。London 生活の最も素晴らしい点は、都会に暮しながらも、直ぐにこう言う自然を満喫できるところだろう。
しかし、この時間を利用してコンピューターの調整、混乱しているページのチェック、ビデオからの写真挿入を考えていた私には、大ショックだ。何せ電話が繋がらない。電源コンセントも一つしか無い。しかも今日は日曜日。どうにもなら無い。
皆でWindsor 観光に行く事に。そこなら電話も繋がるし、電源コンセントの使えるPub
もあるだろう。13:00-16:00 ビター2杯でづっとパソコンと格闘…。
18:00 斎藤夫婦とLndon 1安くて美味しいと信じるRayners Lane のPub で待ち合わせ。酔っ払いに絡まれ、私はちょっと険悪になりかかる…。
9日(月)曇り、晴れ | |
9:00 | 日本に帰る半ちゃんをHeathrow に送る。車内に大分余裕ができる。 |
10:00 | 直ぐにオリンパスの修理に電話をかけ住所を聞き、センターに向う。バービカンだ。 |
11:00 | 部品さえあれば10分で直せるそうだが、ポルトガルまで送らなければならないそうだ。日本から部品を送ってもらったほうが早そうだ。直ぐに我々の舞台監督でデジタル関係に強い友人の菊池氏に電話、なんとデジカメ本体を送ってくれることに。 |
13:00 | TOYOTAでオイル交換。この間に近くの空き地でランチ。皆ロビーで日本語の新聞・雑誌を読み漁る。私はパソコンのチェック。 |
16:30 | Crossover のオーガナイザーI さんのお宅へ。I さん、大分カリカリしている。直ぐに宿泊先へ向かう予定だったが、犬の病院に行かなければならないと言うことで、僕らは街をぶらぶらすることに…。London の東側は圧倒的にインドの臭いだ。この現実を前に、国とは何なのか?民族とは?歴史とは?文化とは?考えざる得ない。I さんが今回の企画をCrossover と名づけた所以だろう。 |
18:30 | 宿泊先への移動を巡って、ちょっとゴタゴタする。 |
19:00 | 1週間生活するGuildhall大學の先生イアンさんのサウナ・プール付きのアパートへ。 |
20:10 | 「一休」と言う全く日本の居酒屋へ。今夜はS さん達がご馳走してくださる。 |