P5 6月4日〜10日

4 晴・曇 Chester に向う。この街は中世の赴きが色濃く残り、是非ゆっくり滞在したい街。
明日はCathedral前の大道でガラクタ楽器をやってみよう。Cardiff の詳細が決まり、宿泊は自分でとることになった、がこれが大変、どこも一杯で予約が取れない。4日間も滞在するのに毎日違う宿に移動、尚且つ9日は全く空きが無い。大ピンチ!
Chester の街
5 晴れ インフォーメンションセンターで予約するために9時から出向くも、Cardiff のIF は電話にすら出ない。10時まで待つしかないと言う。Chester のIFも混雑の合間に連絡をいれてくれるが、結局難しい。11時やっとCardiff から1時間半も山に入ったB&Bが取れる。仕方ない…。今後の宿泊に不安が残る。
12:30 Cathedral の前でガラクタ楽器を試す。昨夜ユースで一緒だったマンチェスターの親子連や日本人の女性がきてくれた。人通りはあまり無い。East Gate Rd でもう1度。コチラの方がまだ人はいる。国際Festival に来なさいと言ってくれたオバさんもいる。10分ぐらいで£10ぐらいは集められる。北wales を足早に観光しながらスノードニア国立公園に。Idwalcottage に滞在。この辺りは私の最もお薦め観光ポイント。山は何故か落ちつく。
wales.左より
美しいWales
豪華な夕食
St,David's前
6

山道を快適にドライブし海に出る。大西洋だ。天気があまり良く無いので、海もどんより濁っている。時折、切り立った海岸線を見ることができる。Cardiff の別の所からOffer が入るも日程的に無理。Pembroksher College とCanterbury から残念ながら断念の連絡が入る。St.David's 教会を見る。教会と劇場の類似点や現代にまで共通する感性や理念など私の説を披露するも…?Wales は携帯の通じない場所がかなりある。

7日 St.David's から少し南下したところにLittle Heven と言う小さな美しい村があります。そこから更にリーフ沿いを行った所に私がかつて大変お世話になったB&B がある。そこへ先ず挨拶に。しかし誰もいない。仕方ないので手紙を残してPembrokeshire College へ。残念ながらここでの公演は実現しなかったが、労を取って頂いた大前さんに会いに。演劇コースの先生Saimon にも再会。2年前の約束が実現しなかったことを、本当にすまなそうに詫びてくれる。
 Tenby と言う岸壁に立つ城壁に囲まれた街を見て廻る。海岸あり、城あり、迷路あり、お土産屋にレストラン、英国の良さを圧縮したような最高のリゾート地。そこでフィッシュ&チップスの昼飯。

やられた!! ついに大事件!!
 17:00 街中でかなり迷ってバックパッカーのホテルに到着。夕食を食べてから、ロケハンをしつつ市内大道でやるつもりが…。アオイ、タツヤのシェフコンビが夕食の仕度にかかりだし、トモコは洗濯…、ふと気付くとホテルのすぐ前が空いているにも関わらず、車は遠くに停めてある。テツに移動を命ずるも…、遅かった、車の窓を割られ荷物を盗まれている。アオイが座席にパスポートなどの入ったウエストポーチを置き忘れていたらしい、多分それを狙われた。クスはパソコン、トモコも日本円とエアーチケットや書類の入ったバックをやられた。そんなものを車内に残すなんて…。ガードの甘さは、日本人団体旅行の一つの典型。そうでなくとも目立つ車、細心の注意が必要だったのだが…緊張感が薄くなっていた現われだろう。割られた窓をダンボールで塞ぎ、男二人づつ車内で見張り番だ。ホテルの従業員のショーンがすまながって、色々手伝ってくれる。困難な状況ほど人の温かみが身にしみる…。

uchiawase yarareta. konoishide
ストリートの打ち合わせ 割られた窓 この石で

8日金曜日 TV局の撮影と打ち合わせの日 天気最高!
 朝方車の様子を見に行くと、テツ・タツヤ、エンジンをかけて車の中で寝ている。ご苦労さんと言いたいが、何とロックさえしていない。これでは後ろのドアから何でも持っていかれてしまう。私が後ろのドアを何度も開け閉めすると、恐る恐る出てくる,二人。何の為に車に泊まり込んでいるのか…?緊張感の無さ、責任感の欠如は如何ともしがたい。トモコが車組の男どもを気遣って何度も起きても、アオイちゃんはぐっすり熟睡、あげく朝、窓から車に手を振っている…。要するに子供。日本の現実そのまま…。この旅は僕らにとって試練の意味もある。
 9:00 Museum of Walesh Life 到着。11時から撮りと聞いていたのだが、撮影隊の姿も見えない。12時過ぎ、昨夜の選挙戦にTV局が総がかりとなり、今日の撮影は中止と言う連絡…。ちょっと小太りの女性が本当にすまなそう、こっちが同情してしまった。この間も車の修理を巡る連絡電話などひっきりなし。明日からの公演打ち合わせ、何も決まっていない…、その分一緒に作っていく感じが面白い。僕らの災難に同情してくれることしきり。
 口蹄疫問題で出入りには必ず薬品の浸ったマットを踏む。搬入や移動がとても厄介だ。舞台すら出来ていないので、楽屋に荷物を運び打ち合わせをしているとTv局が来たと連絡、慌てて衣装の指示をだし撮影場所の正面玄関に向うも、実はラジオだった。また衣装の変更…?とにかく音が欲しいということで何曲か軽く演奏。結局、長い打ち合わせの日になってしまった。
 クス一人が前日のバックパッカーホテルへ、後はユースにタクシーで移動。Cardiff 市内センターまで盗まれたアオイのトラベラーズチェックを解約に行くも、遠い。バスを使うことに。
 Pub で全員集り、夕食。

9日 土曜日 曇り
 夜中に目を覚ます。2m以上身長のある大男が部屋をウロウロしている。彼がいなくなりウトウトすると、今度は小さな声で誰かに呼びかける声…。はだしでパンツいっちょうの奴が部屋を出ていき、帰ってこない。すっかり眠れなくなりシャワーを浴び様と部屋のトイレへ行くも、お湯は出ない。そして便器がベットリ血だらけ…。いったい何があったのか…?
 11:50 大使館の西宮さんの挨拶の前に、呼び込みで”マサル”を全員で演奏。西宮さん気さくに声をかけて下さる。あの柔和な丸い顔でニコニコ話し掛けられると、何だかホワっと嬉しくなる。僕らの災難のこと気遣ってくれる。
 12:30 チンドン 楽屋前から流して行く。子供達が飛ぶようにやってくる。離れて踊っている子、そばに行くと恥ずかしそうに影に隠れる。シャイだ。大勢の子供達を引き連れて、ハーメルンよろしくチンドンパレード、大人達も皆ニコニコ拍手してくれる。素直な反応が最高だ。これまで僕らが経験したどんなチンドンよりも楽しかった。Wales 万歳!
 15:30 七福神の挨拶を入れて、御囃子へ。反応素晴らしい。みんな喜んでくれている。
 17:00 神輿。Brighton にも来ていた神輿がまたある。どうも各地のMatsuri の重要な柱のようだ。しかしこれが大問題。担ぎ手の確保に躍起になるばかりだ。”神輿を担ぐ”ことの文化的意味など微塵も感じられない。とにかく祭りだから神輿を出さなければならないといった所か…。神道を巡っては政治的にも色々難しい問題があるから、あまり突っ込みたくない気持ちは理解できるが、しかし「祭り」と銘打ち、神輿を担ぐ以上は、日本人の精神性に触れることは必然でしょう。しかし、それは少なくとも現場には全く伝わっていない。ただベニヤでできた大道具の神輿を移動するだけに終わっている。同じ場所で”日本酒”の説明なども行われているのだが、製造方法などが中心で、”祭りと酒”の関係などもすっぽり落ちている。酒が無くてなんの祭りか…?U-Stage メンバー全員参加で担ぐ。なかなか上手く行かないが、それでも沿道から飛び入り参加してくれる人など出てくる。
 居合道をやっている人達が一緒にPub へ行こうと誘ってくれる。この祭りの責任者アンドリューも誘ってくれるので一緒に、ローカルなPub へ。大勢で飲んでいると、アンドリューの携帯に先に帰った奥さんから電話。何と夕食の仕度をしたから家に食べに来いと…。彼の家に伺うことに、車中、彼が「家には余分なベッドがあって、長椅子もあって、足りないけど、床に寝れるから、泊まれ。」と。宿泊までさせていただくことになった…?!
 会計責任者ベス(?)のピアノを聞きながら、庭でバーガーを…。後で判ったことだが、僕らに食べさせるために、自分達や息子の分を後回しにしていた。僕らを気遣ってくれる心遣いを痛いほど感じた。Cardiff で事件に遭遇したことを、すまながっているのだ…。
 アンドリューにアイリッシュ・ドラムの演奏を教わる。彼はウェルシュ・ダンスの演奏家であり、ダンサーでもあったのだ。本当に楽しい、心温まる一夜だった。

Wales の偉い方々と… 神輿を先導するも… 太鼓を教わる

10日 日曜日 晴れ
 朝一番に鳥居の前で偉いさんの到着を告げろ、と言う。テレビの時代劇などにある「…様のおなーりー!」というやつらしい。”一宿一飯の恩”やらずばなるまい。篠笛と小太鼓で御囃子を連続で演奏し、林大使とWales 文化大臣の到着に合わせて木を打ち鳴らし、やりました「〜ご到着!!」さぞかし大使も驚かれたことでしょう、アンドリューは喜んでいるけど…?
 ジョージ広田さんの太鼓グループと共演ということもあり、1時からはステージで始めて、ガラクタ・オーケストラを…。日本語から英語、英語からWalesh と言う、トンチンカンな通訳を入れ、とりあえず舞台の上で遊んでみました。相当受けていた人達もいたけど、カチっとしたものを期待してこられた観客には、呆れられたかも知れない…?
 3:30 通常の舞台。子供が獅子に小銭を入れようと集ってしまって大変。それをカッキーがさばけない。あらら。観客の反応はとてもいいけど、ジョージさんに「体力が何時までもつかですね。」と半分呆れられてしまう。
17:00 お神輿。うーん、まだまだ…。手打ち、3本。
19:30 昨日から誘われていた合気道のグループと”居酒屋”へ。Wales にも日本の味があった。

torii wales.chindon aikidouto
寸足らずの鳥居の前で 森の中のチンドン 合気道のメンバーと

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